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◆久々の暴走でした2
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マサオの修行が終わるまでは一人だなと、工房の自室で「なんだか一人になるのは随分久しぶりな気がするな」と呟き何をしようかなと考えを巡らす。
「マサオが人化出来たら多分色々欲しがるだろうな」と考えれば思わずニヤリとしてしまう。
「と、なれば……先ずは乗り物系かな」
俺は作るモノを決めると、図面を引かずに部品をインベントリから取り出し、手の中で形作っていく。
そうやって出来上がった物を見ると「さすがにちょっと多かったかな」と思わなくもないがマサオの喜ぶ顔を思い浮かべニヤリとする。
「マサオもいつ帰って来るか分からないし、今日は真っ直ぐ家に帰るか」
「ただいま」といつもの様に玄関を開け手洗いうがいを済ませてから食堂へと向かうと「今日は早いな」とリーサさんが料理を作りながら「お帰り」と笑顔で迎えてくれた。
エプロンを身に着け夕飯の支度をしているリーサさんをポ~ッと見ていると「おいおい、孫はまだ早いぞ」と奧に座って既に顔を赤らめている父さんがそんな風に俺とリーサさんを揶揄ってくる。
「父さん、もう飲んでるの」
「ああ、今日の仕事はもう済んだからな。お前も……っと、そうか。まだ呑めないか。じゃリ「ちょっと、リーサさんは料理中でしょ」―サさん……ん~」
「なら、ワシがお相手してあげよう」
「げっ……」
「なんじゃ。ワシじゃ不足か。ワシはお前を取り上げたんじゃぞ。お前さんのその「あぁ~ヘレンさん!」……ふふふ、今でも瞼を閉じればハッキリとそのムスコを描くことが出来るぞ」
「なら、瞼を閉じたままにしといてくれ」
「ほぉ、そういうことを言うか。分かった……ならばマギーに「あぁ、ヘレンさん。さ、飲もう! ほら、ここに座って」……ふん、最初からそうすればいいものを」
「分かったから、ほら飲みなよ」
「まあ、取り敢えず……ん? これは……」
「ふふふ、分かる?」
「分からん。だが、新しい酒だということは分かる」
「うん、正解だよヘレンさん」
ヘレンさんは父さんから受け取ったロックグラスの中味をチビリと一口飲んでから不思議そうに目の前でロックグラスを掲げグラスの中に注がれたお酒の色や匂い、対流するアルコールの流れを確かめながら「分からない」と父さんに告げれば、父さんはそれを楽しそうに答合わせを始める。
「実はね、ガンツさんのところで新しく蔵出ししたお酒を少しばかり分けてもらったんだよ」
「ほぉそれでか……うん、美味いなこれは」
「でしょ。はい、お代わりをどうぞ」
「ああ、いただこう」
父さんとヘレンさんは夕食の時間になっても二人で盛り上がり、リーサさんお手製の料理を摘まみにずっと飲み続け、母さんはそんな二人を見ながら嘆息しまだ小さな妹達やメアリー達に対し「あんな大人になっちゃダメよ」と声を掛け寝室へと向かう。
「ケイン、どうするんだ?」
「放っておくよ」
「しかし、いいのか?」
「何が?」
「ヘレンは年老いてるとは言え、あれでも女だぞ」
「へ?」
「だからああいうのでも男と女だからな。何か間違いがあったからでは遅いぞ」
「えぇ?」
「……いや、私は思ってないぞ。そんなことは一ミリもあってはならないことだし」
「うん、そうだね」
「だがな、この世の中に絶対はないのだ」
「あぁ~うん……」
「それにな、もし……その、なんだ……」
「ん?」
「……ケインももしかしたらお酒の力を借りれば」
「リーサさん?」
「ケイン、もういいだろ?」
「リーサさん?」
「幸いにも他の家族は寝てしまったし、残っているのはあそこにいる酔っ払い二人だ」
「ちょっと落ち着こうか」
「いいや、このチャンスを逃せば今度はいつになるのか分からないではないか」
「いやいやいや、だからね焦らなくても「ダメだ!」……へ?」
「ケイン、ケインも分かっているのだろう」
「え?」
「私の出番が少なすぎる!」
「あ……」
「だから、早く既成事実を作ろうではないか! さあ、早く!」
「リーサさん……」
「さ、私の決意が揺らぐ前に!」
「リーサさん!」
「な、なんだ。ケイン、急に大きな声を出して。そんな大きな声を出したら皆が起きるではないか」
「リーサさん!」
「だから、声が大きい。それに声を出すのは……どちらかと言えば……コホン……私の方では……」
「だから、リーサさん! 落ち着いて回りを見て!」
「ふふふ、何を言っているんだ。私にはさっきからケインしか見えていないのだぞ。さ、二人で一緒に階段を登ろうではないか」
「……リーサさん」
お酒を酌み交わし程よく酔っ払っている父さんとヘレンさんがひょっとしたら間違いを犯すのではと心配する様子を見せていたリーさんだったが、話題は少しずつ逸れ始めいつの間にか俺とリーサさんの関係を進める方へと進んで行った。
だけど、いくらなんでもこういう状況下で始められるハズもない。
それに暴走しているリーサさんは気付いていない様子だが、父さんとヘレンさんはグラスを持ったままこちらの様子を見逃すまいと注目しているし、母さんも何かと好奇心旺盛な妹達の目を塞ぎながら扉の隙間からこちらの様子を窺っているし、もちろん兄ズも同じ様に見ている。
そうなれば、当然の様にメアリー達も「まだ、帰らないのかな」と玄関先で待っていたから最初っから見ていたに違いない。
俺はそんな暴走していたリーサさんの両頬を両手でそっと包めば「そこだ!」「いけ!」と酔っ払い二人が応援しだし、ゴクリと生唾を飲み込む音が彼方此方から聞こえてくるし、当のリーサさんはソッと両目を瞑ったので「目を覚ましてください!」とリーサさんの柔らかい頬を掴んでいた手でギュッと両頬を抓る。
「痛っ! ケイン、最初は痛いと言うけど、この痛みは違うと思うぞ」
「いいから、回りを見る!」
「え? あ!」
俺は両頬を押さえ込みリーサさんが回りを見える様に首を動かせば、やっと回りの人の視線に気付いたのかそのまま両手で顔を押さえ込み玄関に向かってダッシュする。
そんなリーサさんをメアリー達は俺に頭を下げてから、姉を追いかける。
「あ~もう少しだったのに……この、へたれ!」
「そうじゃぞ。トミーの時はもっとスムーズじゃったぞ」
「そうそう……って、え?」
「マサオが人化出来たら多分色々欲しがるだろうな」と考えれば思わずニヤリとしてしまう。
「と、なれば……先ずは乗り物系かな」
俺は作るモノを決めると、図面を引かずに部品をインベントリから取り出し、手の中で形作っていく。
そうやって出来上がった物を見ると「さすがにちょっと多かったかな」と思わなくもないがマサオの喜ぶ顔を思い浮かべニヤリとする。
「マサオもいつ帰って来るか分からないし、今日は真っ直ぐ家に帰るか」
「ただいま」といつもの様に玄関を開け手洗いうがいを済ませてから食堂へと向かうと「今日は早いな」とリーサさんが料理を作りながら「お帰り」と笑顔で迎えてくれた。
エプロンを身に着け夕飯の支度をしているリーサさんをポ~ッと見ていると「おいおい、孫はまだ早いぞ」と奧に座って既に顔を赤らめている父さんがそんな風に俺とリーサさんを揶揄ってくる。
「父さん、もう飲んでるの」
「ああ、今日の仕事はもう済んだからな。お前も……っと、そうか。まだ呑めないか。じゃリ「ちょっと、リーサさんは料理中でしょ」―サさん……ん~」
「なら、ワシがお相手してあげよう」
「げっ……」
「なんじゃ。ワシじゃ不足か。ワシはお前を取り上げたんじゃぞ。お前さんのその「あぁ~ヘレンさん!」……ふふふ、今でも瞼を閉じればハッキリとそのムスコを描くことが出来るぞ」
「なら、瞼を閉じたままにしといてくれ」
「ほぉ、そういうことを言うか。分かった……ならばマギーに「あぁ、ヘレンさん。さ、飲もう! ほら、ここに座って」……ふん、最初からそうすればいいものを」
「分かったから、ほら飲みなよ」
「まあ、取り敢えず……ん? これは……」
「ふふふ、分かる?」
「分からん。だが、新しい酒だということは分かる」
「うん、正解だよヘレンさん」
ヘレンさんは父さんから受け取ったロックグラスの中味をチビリと一口飲んでから不思議そうに目の前でロックグラスを掲げグラスの中に注がれたお酒の色や匂い、対流するアルコールの流れを確かめながら「分からない」と父さんに告げれば、父さんはそれを楽しそうに答合わせを始める。
「実はね、ガンツさんのところで新しく蔵出ししたお酒を少しばかり分けてもらったんだよ」
「ほぉそれでか……うん、美味いなこれは」
「でしょ。はい、お代わりをどうぞ」
「ああ、いただこう」
父さんとヘレンさんは夕食の時間になっても二人で盛り上がり、リーサさんお手製の料理を摘まみにずっと飲み続け、母さんはそんな二人を見ながら嘆息しまだ小さな妹達やメアリー達に対し「あんな大人になっちゃダメよ」と声を掛け寝室へと向かう。
「ケイン、どうするんだ?」
「放っておくよ」
「しかし、いいのか?」
「何が?」
「ヘレンは年老いてるとは言え、あれでも女だぞ」
「へ?」
「だからああいうのでも男と女だからな。何か間違いがあったからでは遅いぞ」
「えぇ?」
「……いや、私は思ってないぞ。そんなことは一ミリもあってはならないことだし」
「うん、そうだね」
「だがな、この世の中に絶対はないのだ」
「あぁ~うん……」
「それにな、もし……その、なんだ……」
「ん?」
「……ケインももしかしたらお酒の力を借りれば」
「リーサさん?」
「ケイン、もういいだろ?」
「リーサさん?」
「幸いにも他の家族は寝てしまったし、残っているのはあそこにいる酔っ払い二人だ」
「ちょっと落ち着こうか」
「いいや、このチャンスを逃せば今度はいつになるのか分からないではないか」
「いやいやいや、だからね焦らなくても「ダメだ!」……へ?」
「ケイン、ケインも分かっているのだろう」
「え?」
「私の出番が少なすぎる!」
「あ……」
「だから、早く既成事実を作ろうではないか! さあ、早く!」
「リーサさん……」
「さ、私の決意が揺らぐ前に!」
「リーサさん!」
「な、なんだ。ケイン、急に大きな声を出して。そんな大きな声を出したら皆が起きるではないか」
「リーサさん!」
「だから、声が大きい。それに声を出すのは……どちらかと言えば……コホン……私の方では……」
「だから、リーサさん! 落ち着いて回りを見て!」
「ふふふ、何を言っているんだ。私にはさっきからケインしか見えていないのだぞ。さ、二人で一緒に階段を登ろうではないか」
「……リーサさん」
お酒を酌み交わし程よく酔っ払っている父さんとヘレンさんがひょっとしたら間違いを犯すのではと心配する様子を見せていたリーさんだったが、話題は少しずつ逸れ始めいつの間にか俺とリーサさんの関係を進める方へと進んで行った。
だけど、いくらなんでもこういう状況下で始められるハズもない。
それに暴走しているリーサさんは気付いていない様子だが、父さんとヘレンさんはグラスを持ったままこちらの様子を見逃すまいと注目しているし、母さんも何かと好奇心旺盛な妹達の目を塞ぎながら扉の隙間からこちらの様子を窺っているし、もちろん兄ズも同じ様に見ている。
そうなれば、当然の様にメアリー達も「まだ、帰らないのかな」と玄関先で待っていたから最初っから見ていたに違いない。
俺はそんな暴走していたリーサさんの両頬を両手でそっと包めば「そこだ!」「いけ!」と酔っ払い二人が応援しだし、ゴクリと生唾を飲み込む音が彼方此方から聞こえてくるし、当のリーサさんはソッと両目を瞑ったので「目を覚ましてください!」とリーサさんの柔らかい頬を掴んでいた手でギュッと両頬を抓る。
「痛っ! ケイン、最初は痛いと言うけど、この痛みは違うと思うぞ」
「いいから、回りを見る!」
「え? あ!」
俺は両頬を押さえ込みリーサさんが回りを見える様に首を動かせば、やっと回りの人の視線に気付いたのかそのまま両手で顔を押さえ込み玄関に向かってダッシュする。
そんなリーサさんをメアリー達は俺に頭を下げてから、姉を追いかける。
「あ~もう少しだったのに……この、へたれ!」
「そうじゃぞ。トミーの時はもっとスムーズじゃったぞ」
「そうそう……って、え?」
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