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冷蔵庫を開けようとするカーネルさんとそれをなんとか止めようとするサマンサさんを尻目にカーネルさんの家から出たところでヨサックさんと手を繋いで息を切らしているハンナさんと出会ったので、余計かもしれないけど一言だけ言わせてもらった。
「急いだ方がいいよ」
「ありがとう、ケイン君。ハンナ、急いで!」
「あ~もうなんなのよ。ケイン君またね」
「待って! カーネルさん!」
「お邪魔しま~す」
カーネルさんの家の玄関を焦った様子で開けるヨサックさんに引っ張られながらハンナさんも入っていく。
『たかがプリンで大の大人がね……』
「……」
『なんだよ』
「別に……ただ、たかがってのが引っ掛かってね。たかが……ね」
『ぐ……ちょっと口から出ただけだろ。実際にはたかがなんてちっとも思ってないからな! バケツプリンならたかがじゃないだろ』
「まあ、いいけど。帰るから乗せてね」
『乗るのかよ』
「え? ダメなの?」
『ダメじゃないが、卵を持ったままってのはな』
「そうなんだよね。どうも生き物はインベントリに入れられないんだよ」
「『ん?』」
『ケイン、今何言った?』
「マサオ、俺何言ったの?」
「『落ち着け!』」
少し慌てた俺とマサオは互いに落ち着けと言い放つ。そうだよ、俺は何を言ったんだ? 『生き物はインベントリに入れることは出来ない』って言ったよな。ってことはだ……。
これがマンガやアニメの世界なら、俺の頭の上に電球が光っていただろう。そうピカッと神々しいくらいに。
「マサオ、俺はさっき『生き物はインベントリに入れられない』って言ったよな?」
『ああ、言ったぞ。確かに聞いたぞ』
「だよね、ちょっと試してみるから」
俺はカーネルさんから貰った籠をそのままインベントリに収納しようとすると妙な抵抗を感じたので、止める。それならばと、一個ずつ取り出しインベントリに収納していくと、三十個近くの卵から、十二個がインベントリに収納出来なかった。
「マサオ!」
『ケイン!』
残された卵を籠に入れ直し、カーネルさんちの家の扉を乱暴に開け「カーネルさん、大変だ!」と家の中に入ると、そこにはプリプリと怒っているハンナさんと、そのハンナさんの前で土下座しているヨサックさんと面倒臭そうにそれを見ているカーネルさん達がいた。
「えっと、お邪魔かな?」
「おう、ケイン。どうした? 卵が足りなかったのか?」
「違うんだよ、カーネルさん。一大事だよ!」
「一大事? 何があったんだ? おや、籠の中身が随分減っているじゃないか。ああ、そうか。持って帰る途中で転んだんだな。ハァ~気持ちは分かるが、それは一大事と言うほどでもないだろう。割った分くらいなら、また持って来てやろうじゃないか」
「だから、違うんだって! 一大事なんだって!」
「だから、割ったんだろう?」
「だから「カーネルもケインも落ちつきなって」……あ、ごめんなさい」
「すまない」
サマンサさんに注意され、テーブルに座るように言われたので、まずは言われた通りにカーネルさんの前に座る。
「で、どうした? 卵を割ったんじゃないのなら何が一大事なんだ?」
「えっとね、この卵が俺のインベントリに入らなかったんだ」
「「いんべんとり?」」
「そう、インベントリ。知っているでしょ?」
「いや、何を言っているんだ?」
「ケイン、どうしたの?」
「あ~そこから説明しないとダメか……いい? インベントリって言うのは……」
カーネルさん達に空間魔法であるインベントリを説明すると「あ~それでか」と納得してくれた。
「いやな、ケインが何も持ってないのにいきなりこの冷蔵庫を出したりしたのは確かに不思議だったが、プリンの前に黙ってしまった」
「そうよね。次々に色んな物を出していたのは知っていたけど、後で聞けばいいかなと思ってはいたんだけどね」
「それで、そのいんべんとり……が、どうした?」
「だからね……」
そもそもインベントリには生命が宿っているものを入れることが出来ないことを説明する。例えば、果実は大丈夫だし、肉も大丈夫だけど、鉢植えの花や、豚とか動物はダメなことを話す。
「まあ、話は大体分かったが、それがなんで一大事なんだ?」
「だから、コレ! この卵はインベントリに入れられなかったの!」
「ん?」
「あ~そういうことなのね」
「あ? サマンサは分かったのか?」
「分かったわよ。じゃあ、早速これをあの孵卵器に入れたらいいのよね」
「うん、お願い!」
「おいおい、俺にはちっとも分からないぞ」
「「いいから見てて!」」
「お、おう……」
サマンサさんは籠の中の卵を孵卵器に一つずつ丁寧に並べていくとダイヤルを二十日に設定する。
「ケイン、これでいいのよね?」
「うん、イケると思う」
「教えてくれよ……」
「「いいから見てて!」」
「はい……」
『オッサン、ここで一緒に見てようや』
「ああ……」
マサオに慰められるようにカーネルさんはマサオの横で体育座りで俺達の様子をジッと見ていた。
「ハンナ、もういいだろ?」
「よくない! なんで私だけ一個なの!」
「だから、それは……」
「納得出来ない!」
「どうしろっていうんだよ~」
「急いだ方がいいよ」
「ありがとう、ケイン君。ハンナ、急いで!」
「あ~もうなんなのよ。ケイン君またね」
「待って! カーネルさん!」
「お邪魔しま~す」
カーネルさんの家の玄関を焦った様子で開けるヨサックさんに引っ張られながらハンナさんも入っていく。
『たかがプリンで大の大人がね……』
「……」
『なんだよ』
「別に……ただ、たかがってのが引っ掛かってね。たかが……ね」
『ぐ……ちょっと口から出ただけだろ。実際にはたかがなんてちっとも思ってないからな! バケツプリンならたかがじゃないだろ』
「まあ、いいけど。帰るから乗せてね」
『乗るのかよ』
「え? ダメなの?」
『ダメじゃないが、卵を持ったままってのはな』
「そうなんだよね。どうも生き物はインベントリに入れられないんだよ」
「『ん?』」
『ケイン、今何言った?』
「マサオ、俺何言ったの?」
「『落ち着け!』」
少し慌てた俺とマサオは互いに落ち着けと言い放つ。そうだよ、俺は何を言ったんだ? 『生き物はインベントリに入れることは出来ない』って言ったよな。ってことはだ……。
これがマンガやアニメの世界なら、俺の頭の上に電球が光っていただろう。そうピカッと神々しいくらいに。
「マサオ、俺はさっき『生き物はインベントリに入れられない』って言ったよな?」
『ああ、言ったぞ。確かに聞いたぞ』
「だよね、ちょっと試してみるから」
俺はカーネルさんから貰った籠をそのままインベントリに収納しようとすると妙な抵抗を感じたので、止める。それならばと、一個ずつ取り出しインベントリに収納していくと、三十個近くの卵から、十二個がインベントリに収納出来なかった。
「マサオ!」
『ケイン!』
残された卵を籠に入れ直し、カーネルさんちの家の扉を乱暴に開け「カーネルさん、大変だ!」と家の中に入ると、そこにはプリプリと怒っているハンナさんと、そのハンナさんの前で土下座しているヨサックさんと面倒臭そうにそれを見ているカーネルさん達がいた。
「えっと、お邪魔かな?」
「おう、ケイン。どうした? 卵が足りなかったのか?」
「違うんだよ、カーネルさん。一大事だよ!」
「一大事? 何があったんだ? おや、籠の中身が随分減っているじゃないか。ああ、そうか。持って帰る途中で転んだんだな。ハァ~気持ちは分かるが、それは一大事と言うほどでもないだろう。割った分くらいなら、また持って来てやろうじゃないか」
「だから、違うんだって! 一大事なんだって!」
「だから、割ったんだろう?」
「だから「カーネルもケインも落ちつきなって」……あ、ごめんなさい」
「すまない」
サマンサさんに注意され、テーブルに座るように言われたので、まずは言われた通りにカーネルさんの前に座る。
「で、どうした? 卵を割ったんじゃないのなら何が一大事なんだ?」
「えっとね、この卵が俺のインベントリに入らなかったんだ」
「「いんべんとり?」」
「そう、インベントリ。知っているでしょ?」
「いや、何を言っているんだ?」
「ケイン、どうしたの?」
「あ~そこから説明しないとダメか……いい? インベントリって言うのは……」
カーネルさん達に空間魔法であるインベントリを説明すると「あ~それでか」と納得してくれた。
「いやな、ケインが何も持ってないのにいきなりこの冷蔵庫を出したりしたのは確かに不思議だったが、プリンの前に黙ってしまった」
「そうよね。次々に色んな物を出していたのは知っていたけど、後で聞けばいいかなと思ってはいたんだけどね」
「それで、そのいんべんとり……が、どうした?」
「だからね……」
そもそもインベントリには生命が宿っているものを入れることが出来ないことを説明する。例えば、果実は大丈夫だし、肉も大丈夫だけど、鉢植えの花や、豚とか動物はダメなことを話す。
「まあ、話は大体分かったが、それがなんで一大事なんだ?」
「だから、コレ! この卵はインベントリに入れられなかったの!」
「ん?」
「あ~そういうことなのね」
「あ? サマンサは分かったのか?」
「分かったわよ。じゃあ、早速これをあの孵卵器に入れたらいいのよね」
「うん、お願い!」
「おいおい、俺にはちっとも分からないぞ」
「「いいから見てて!」」
「お、おう……」
サマンサさんは籠の中の卵を孵卵器に一つずつ丁寧に並べていくとダイヤルを二十日に設定する。
「ケイン、これでいいのよね?」
「うん、イケると思う」
「教えてくれよ……」
「「いいから見てて!」」
「はい……」
『オッサン、ここで一緒に見てようや』
「ああ……」
マサオに慰められるようにカーネルさんはマサオの横で体育座りで俺達の様子をジッと見ていた。
「ハンナ、もういいだろ?」
「よくない! なんで私だけ一個なの!」
「だから、それは……」
「納得出来ない!」
「どうしろっていうんだよ~」
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