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2巻
2-3
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しばらく車で走ると、海と漁村が見える場所まで来た。
あの漁村がサイカ村か。
「結構走ったな。あそこで飯を食おう。食堂はなくても何か食べさせてくれるだろう」
ガンツさんがそう言うので漁村に入ると、車に村人が群がってくる。
車を降り、珍しそうに車を見ている村人達に、食事ができないか尋ねた。
「食堂はないし、魚しかないが飯は出せるぞ。食うか?」
「はい、ぜひお願いします」
「なら、ついてきな」
村人の男性がそう言って案内してくれた。
歩いてすぐ、男性の家らしきところに到着する。
「お~い、客人だ。ありものでいいから飯食わせてやって」
「はいよ、ちょっと待ってもらって」
家の奥から男性の奥さんらしき人の声がした。
「んじゃ、飯が出てくるまで話を聞かせてもらうか。あんた達は何をしにこんなところまで来たんだ?」
「この辺り一帯を開発することになって、その視察に来ました」
俺が説明すると、男性はハァ~と嘆息する。
「今更か。ここはもともと港にする予定だったってのは聞いているか?」
「はい、事前に聞きました」
「そうか、港にする予定だったのが遠浅なもんでな。砂を掘って岸辺の水深を増す案も出たが、肝心の予算が出ないってことで見放された土地がここだ」
「そうだったんですね、僕達は邪魔にならないように川の向こう岸で作業を始める予定です。支障はないでしょうか」
「俺達の漁にも影響しないと思うから、好きにやればいい」
「はい、ありがとうございます」
「話は終わったの? なら運ぶから手伝って」
奥さんらしき人に言われ、配膳を手伝う。
用意してもらった食事の内容は、おかずが魚のパン食だった。
魚がメインならご飯がよかったと思うけど、人の家で食事を出してもらってるのに贅沢だよね。
「ごちそうさまでした。これ、少ないですが」
食事を済ませ、お礼と共に銀貨を数枚渡して、サイカ村をあとにした。
ところで、車で走ってきて感じたけど、この川には橋がかかっていないようだ。
ダンさんにも確認したけど、開発が放置された場所なので、橋は作っていないらしい。
せっかくだから、まずは橋から作るか。
なので車に乗り川沿いを走りながら、橋を作る場所を選定する。
「お、ここがよさそう。じゃあ、作ろうかな」
「え、ケイン君。作るって何をですか?」
「いやだなぁダンさん。決まってるじゃないですか。何をって橋ですよ。えぃっ!」
一瞬で立派なトラス橋が対岸まで伸びた。
ちなみにトラス橋っていうのは、棒材を組み合わせることで強度を高めた橋のことね。
「え?」
ダンさんが放心状態なので、小突いて現実に戻ってきてもらう。
橋は三段の多層構造にして、一番下を歩行者や荷馬車、その上を車、その上を列車が走れるようにした。
もちろん各階層の出入り口やエレベーターも設置済みだ。
それから橋を渡って、向こう岸の土地に到着し、周辺を見てまわることにする。
河口付近まで来てみると、海の向こうに都市らしきものが見えることに気が付いた。
「ねえダンさん、海の向こうに見えるのはどこかの都市なの? 遠いからはっきりは見えないけど、大きな都市って感じがする」
「あ~、あれは確か王都ですよ。私も話に聞いただけですが」
「そうなの? 王都までは馬車で一週間とか掛かるって聞いていたから、もっと遠いもんだと思っていたんだけど」
「陸路では時間が掛かるんですよ」
「なら海はなんでダメなの?」
「先ほどの話にも出ましたが、遠浅で船が出入りしにくいのと、沖に出ても風が弱いので海路は難しいんですよ」
「そうなんだ。なら遠浅さえなんとかして港を作れば、魔導モーターを搭載した船で行き来できるかもね」
「おう、面白そうだな」
俺とダンさんが話していたら、乗り物の話題になった途端ガンツさんが入ってきた。
ノリノリなガンツさんに比べ、ダンさんはというと……
「…………」
あ、ダンさんがまた放心状態だ。早く慣れてほしいな。ま、いいか。
その後、ガンツさんと一緒にこの土地に何を作っていくか話し合った。
海側から、遠浅の影響を受けない波止場や港、船で物資を運んだ時用の倉庫、船の乗客用の駐車場や待合所、造船所、今領都にあるのより大きな工房、醸造所、蒸留所、職人用の住宅街、その間を繋ぐ道路や線路などなど、次から次にアイディアが出てくる。
夢が広がっちゃうな。
せっかくなので、構想した内容をそのまま具現化した模型を「えぃっ」っと作り、インベントリに収納した。
こうして視察が済んだところで、いったん領都に戻る。
それからデューク様のお屋敷に行って欲しい土地の説明をすると、デューク様はこめかみを押さえる。
「……お前ら、こんなデカい土地をくれって言うのか?」
「え~? くれるって約束しましたよね、せっかく橋まで作ったのに、今更嘘つくんですか?」
「いや、今ここで確約しよう。どうだ、今までの発明の功績への褒美も加えての大盤振る舞いだぞ!」
デューク様が得意げに言うと、ガンツさんがフンと鼻を鳴らし不機嫌そうになる。
「ケインよ。こうは言っているが、橋の建設費用と工事期間のことを思えば、ずいぶん買い叩かれていると覚えておけよ」
「厳しいなガンツよ。まあだがその通りだ」
「な、ケインこういうことだ。だから貴族様は信用しすぎるなよ」
ガンツさんに同意を求められるけど、「うーん、俺としては自由にモノ作りができてればなんでもいいや!」と言ったら、ガンツさんはまた「フン!」と鼻息を荒くしていた。
それからお屋敷を出てガンツさんと工房の前まで来ると、何やら騒がしい。
集団で騒いでいる見慣れない人達がいる。
その騒がしい集団にゆっくり近付くと、ドワーフの団体だった。
「お、ガンツ! やっと戻ってきやがった」
その集団の中の一人がガンツさんにそう声を掛けると、ガンツさんもその声の主に気付く。
「ガンボか! お前が里から出てきたのか?」
声の主のドワーフは、ガンツさんの知り合いらしい。
名前はガンボか。見た目も名前もガンツさんそっくりだ。
ガンボさんは、ガンツさんにニヤリと笑顔で話しかける。
「ああ、お前が新しい酒ができたって言うから、わざわざここまで来たんだ。さ、見せろ! いや、ってか飲ませろ!」
「まったくせっかちだな。分かったわ。ケインよ、またな」
そう言ってガンツさんは、ガンボさん達ドワーフと一緒に工房に入っていく。
お酒目当てで領都に向かってるドワーフ達がいるって聞いたけど、本当だったんだな。
お酒のためだけに凄い行動力だ。
なんて思いつつ、俺も家に着く。
今日はハンバーグが食べられるはずだ。
「ただいま~ねぇ母さん、どう?」
台所に立つ母さんの手元を覗き込みながら、聞いてみる。
「あはは。ケイン、そんなに気になるかい? お目当てのものはそこにあるけど、どうだい? うまくできたと思うけど?」
母さんが指さしたところを見ると、皿に盛られた茶色いものがある。
見た目はミートボールだな、ハンバーグには見えないけど、形まで伝えていないししょうがない。
でも、これはこれで美味しそう。
「ちょっともらっていい?」
「一個だけならね」
ミートボールを一つ摘み、口に入れる。
「うわぁ~肉汁が凄い! 硬いところがない! 美味しい!」
「成功みたいだね。じゃあ、夕ご飯にしようか。それ持ってきて」
「うん!」
母さんを手伝い、ミートボールが盛られた皿をテーブルの上に置く。
「お、見慣れないおかずだな。どれ。ん、美味いな、ツマミにもなる。凄いな母さん」
父さんが食べてそう言うと、兄ズも「俺も」「僕も」と口に入れ「美味い!」と絶賛する。
「これね、ケインがくれたミキサーってので作ったのよ。ありがとうねケイン」
「俺のワガママで作ってもらったんだからお礼はいらないよ、俺こそありがとう母さん」
「ふふふ。そうね、でも嬉しいのは本当よ」
「ならさ母さん、今度はこれをパン粉を使って揚げてみてよ」
「あら、また新しい料理ね。でも『パン粉』って何?」
「硬くなっちゃったパンをミキサーで細かくしたものだよ。それでね、この肉団子に纏わせて揚げるの。どう?」
「これにそのパン粉をつけるのね。でも、パン粉はこのままじゃつかないわよ?」
「それは溶き卵を使えばできるんじゃないかな?」
「それはできそうね、分かったわ。次に作る時にやってみるから」
「うん、お願いね。母さん」
4 寮完備でした
昨夜はガンツさんの工房にお仲間がたくさん来ていたから、今朝はもしかしたら、もしかするよな~と思いつつ、工房のドアを開けると全体的にお酒臭かった。
やっぱりお酒好きのドワーフだけあって、酒盛りするのを止められなかったみたいだ。
気を取り直してエレベーターに乗り込み自分の開発室に入る。
お酒臭いし、加齢臭も凄い。その原因はといえば、死屍累々といった様子で転がっているドワーフ達だ。
「えっ、なぜここに?」
よく見るとドワーフ達の手には、ブルドーザーにユンボにトラックにクレーンにパワーショベルといった俺の作った重機の模型や、スラレールが握られている。
「ガンツさん、ガンツさんってば!」
騒ぎを起こした張本人を発見し、肩を思いっきり揺らす。
「お、おう、ケ、ケインか。起きる、起きるから揺らすのを止めてくれ。ウ、ウプッ」
「は~さっさと身支度を済ませてよ。あと、他のドワーフ達もなんとかしてね!」
「ケ、ケイン、すまんがちょいと二日酔いを治してくれんか。頼むわ」
「もう、しょうがないな」
『ヒール』を唱えると、転がっていたドワーフ達があちこちで動きだす。
「お、何か気分がよくなったぞ。さっきまでの頭痛が嘘のようだ」
「おいガンボ、さっさと支度するぞ。こっちに来い。お前らもさっさとする!」
「「「は~い」」」
転がっていた大小様々なドワーフ達が起き上がって動きだす。
ガンツさんが出ていった後で窓を開け、空気を入れ替える。
しばらくすると、顔を洗い朝食を済ませたガンツさん達がゾロゾロと部屋に入ってきた。
だから、なんで俺の開発室に集まるのさ。
「改めてすまんかったな、ケイン」
「「「すみませんでした」」」
ガンツさんに続き、ドワーフ達が頭を下げた。
「もういいよ。それにしてもなんでこの部屋だったの?」
俺の素朴な質問にガンツさんが答える。
「いやな最初はワシの部屋だったんだよ。ただ話をするうちにな、ケインの発明が信じられんとか言われてな。ワシがムキになってケインの部屋になら何か証明になるものが何かあるだろと思って入ったんだ。証拠になる発明はあるにはあったが……あとは見ての通りだ」
「は~、そう。もう二度としないでね! で、このドワーフ達はこれからどうするの?」
「それがな、醸造所ができるなら河口近くの土地で働きたいらしい」
「はあ~? どんだけお酒が好きなのさ。でもまあ、手はいくらあっても足りないからいいか」
というわけで昨日作った河口付近の土地の模型を出し、ドワーフ達に建設計画を説明する。
俺がご褒美でもらったこの土地は、これからドワーフがたくさん住むからってことで「ドワーフタウン」と名付け、開発を進めていくことにする。
ひとまずみんなの住居を作らなきゃなので、ドワーフタウンの建設予定地に移動するか。
ということで、昨日行った場所に魔法で作った「転移ゲート」を繋げる。
俺自身は魔法で転移できるんだけど、人を転移させることはできないかな~って考えてたら、いつの間にかこの「転移ゲート」を出せるようになってたんだよね。
ちなみに転移ゲートと名付けてはいるけど、形状は空間にぽっかり開いたただの穴だ。
この穴を潜ると、他の人も転移できるようになるんだよね。理屈はよく分からない。
ちなみに転移ゲートは俺の意思で出したり消したりできるものであり、ずっとその場所に存在しっぱなしってわけではない。
あと、転移ゲートが繋がるのは既に行ったことのある場所限定だ。
「「「……」」」
いきなり転移ゲートが出現したのに驚いたのか、ドワーフ達は固まっている。
「たかが魔法じゃない、そんなに驚かないでよ~。さあ行くよ」
「軽く言うなよ、これは凄いことなんだぞ……」
なんてガンツさんに突っ込まれつつ、その場にいた全員でドワーフタウン予定地に移動した。
その後はひとまず、単身者向けの寮みたいな十階建ての建物を「えぃっ」と作った。
一階にはエレベーターが設置してあり、食堂やバーもある。
地下には風呂と貯蔵庫と酒蔵を用意したと伝えると、ドワーフ達が一斉に「ほう、バー! 酒蔵!」と嬉しそうな声を出した。
二階には集会所兼会議室、三階から十階にはワンルームの部屋がある。ベッド、机、クローゼットは既に設置済みだ。
「あとは各自で部屋を決めてね」
俺がそう言うと、ドワーフ達は我先にとエレベーターに殺到する。
あ、そうだ。携帯電話も全員分作って配っておこう。
「おいケイン、次は工房を作りに行くか」
ガンツさんに言われ、工房の建設予定地に移動する。
工房の建物は、一階は天井を高くしてプレス機とか大きな機械も置けるようにし、二階は会議室、食堂、更衣室、休憩所、簡易シャワー室、工作室、そして三階は俺とガンツさんそれぞれの開発室を作ることになった。もちろんエレベーターつきだ。
工房の隣には別棟を作り、溶鉱炉、耐火性のレンガを平積みした鍛冶場、プレス加工の機械、天井に吊るす簡易クレーンなどを設置する。
あとで鉱石やスライム液のストックを、こっちの倉庫にも移動させておこう。
というわけで「えぃっ」
俺の掛け声で俺達の前に、さっきガンツさんと話し合った通りの工房が建つ。
「お、できたな。それじゃ中を確認するか。ふむふむ、なかなかいい感じだが新鮮味はないな」
「ガンツさん、無理言わないでよ。工房で新鮮味って何?」
「それもそうだな。無理言ってすまん。ありがとうな」
「どういたしまして。ちなみに中に置く工具や機械はどうしよう? 旧都市の工房から持ってくる?」
「あっちはあっちで作っているものもあるからな。新しく作るか」
ガンツさんはそう言うとガンボさん達の方に行き、作業の割り振りを始める。
あ、そういえばずんぐりむっくりなドワーフは普通の自動車に乗るのが難しいから、以前ドワーフ専用の自動車を開発したんだ。
試乗してもらって調整しようと思ってたけど、今やるか。そう思って、インベントリから取り出す。
ちなみにインベントリは、自分で運べないくらい重いものでもイメージすれば出したりしまったりできる。あと、実験して分かったけど中では時間が経過しないんだ。
取り出したドワーフ専用車に試乗してもらったところ、乗車はスムーズになったし、ハンドルやブレーキにも手が届くようになっていた。
けど、座席を低くしすぎてルームミラーがほとんど見えないそうだ。
車にカメラを取りつけて車体後部の映像が見られる「バックモニター」をつけてあげたい。
けどまだ映像を撮ったり残したりする魔道具、ないんだよな。
カメラとモニターを「えぃっ」で作り、この構造を分析してバックモニターができないか考えてみる。
今回は光の魔法陣を自己流に改造し、取り込んだ光を吸収する魔法陣、吸収した光を映像としてパネルに表示する魔法陣を作った。
二つを繋げて、それぞれを起動して確認する。
「お、映ったね」
ガンツさんのところに行き、ドワーフ専用車のダッシュボードの中央部分にバックモニターを取りつける。
カメラは、バックギアに入れた時に起動するようにした。
「ガンツさん、ちょっと確認してみて!」
「ほう、どれどれ。ふむ、こう映るのか、なるほど。いいな、これ。余分に作っといてくれな」
「うん、分かったよ」
バックモニターを量産したところで、ふとドローンが作れないかなと思いついた。
ドローンにカメラを搭載できたら、空撮ができて、この世界の地理を把握しやすくなるかもしれない。
確か図書室でメモした魔法陣に反発や反射の機能があったな。重力に反発するように描き替えたら、浮かせるのは結構簡単にできるかも。
というわけで自己流魔法陣の描き替えで、「重力に反発」する魔法陣を作った。
ドローン本体とドローンからの映像を受信するリモコンは「えぃっ」で作り、魔導モーター、プロペラ、カメラ、高度計を組み込む。
そして姿勢制御しやすいように重力に反発する魔法陣をドローンの四隅に取りつけた。
工房の外に出て、もろもろの起動スイッチを入れ、スティックを上方向にゆっくり倒すとドローンが浮き上がる。
モニターには、まだ地面しか映っていない。
「よし、もう少し上げてみるか。五メートル……十メートル……よし、これくらいで」
高く上がったドローンから映像が送られてきた。
映像を見ると、モニターのほぼ中央に自分が映っている。
「これがドローンか~。前世では大きなドローンは許可制になったから買うのを躊躇ったんだよね~」
いろいろ済ませてふと気が付くと日が暮れ始めていたので、ガンツさんと旧都市に帰ることにした。
ガンボさん達はこのドワーフタウンの寮に住み始めるので、いったんここでお別れだ。
あの漁村がサイカ村か。
「結構走ったな。あそこで飯を食おう。食堂はなくても何か食べさせてくれるだろう」
ガンツさんがそう言うので漁村に入ると、車に村人が群がってくる。
車を降り、珍しそうに車を見ている村人達に、食事ができないか尋ねた。
「食堂はないし、魚しかないが飯は出せるぞ。食うか?」
「はい、ぜひお願いします」
「なら、ついてきな」
村人の男性がそう言って案内してくれた。
歩いてすぐ、男性の家らしきところに到着する。
「お~い、客人だ。ありものでいいから飯食わせてやって」
「はいよ、ちょっと待ってもらって」
家の奥から男性の奥さんらしき人の声がした。
「んじゃ、飯が出てくるまで話を聞かせてもらうか。あんた達は何をしにこんなところまで来たんだ?」
「この辺り一帯を開発することになって、その視察に来ました」
俺が説明すると、男性はハァ~と嘆息する。
「今更か。ここはもともと港にする予定だったってのは聞いているか?」
「はい、事前に聞きました」
「そうか、港にする予定だったのが遠浅なもんでな。砂を掘って岸辺の水深を増す案も出たが、肝心の予算が出ないってことで見放された土地がここだ」
「そうだったんですね、僕達は邪魔にならないように川の向こう岸で作業を始める予定です。支障はないでしょうか」
「俺達の漁にも影響しないと思うから、好きにやればいい」
「はい、ありがとうございます」
「話は終わったの? なら運ぶから手伝って」
奥さんらしき人に言われ、配膳を手伝う。
用意してもらった食事の内容は、おかずが魚のパン食だった。
魚がメインならご飯がよかったと思うけど、人の家で食事を出してもらってるのに贅沢だよね。
「ごちそうさまでした。これ、少ないですが」
食事を済ませ、お礼と共に銀貨を数枚渡して、サイカ村をあとにした。
ところで、車で走ってきて感じたけど、この川には橋がかかっていないようだ。
ダンさんにも確認したけど、開発が放置された場所なので、橋は作っていないらしい。
せっかくだから、まずは橋から作るか。
なので車に乗り川沿いを走りながら、橋を作る場所を選定する。
「お、ここがよさそう。じゃあ、作ろうかな」
「え、ケイン君。作るって何をですか?」
「いやだなぁダンさん。決まってるじゃないですか。何をって橋ですよ。えぃっ!」
一瞬で立派なトラス橋が対岸まで伸びた。
ちなみにトラス橋っていうのは、棒材を組み合わせることで強度を高めた橋のことね。
「え?」
ダンさんが放心状態なので、小突いて現実に戻ってきてもらう。
橋は三段の多層構造にして、一番下を歩行者や荷馬車、その上を車、その上を列車が走れるようにした。
もちろん各階層の出入り口やエレベーターも設置済みだ。
それから橋を渡って、向こう岸の土地に到着し、周辺を見てまわることにする。
河口付近まで来てみると、海の向こうに都市らしきものが見えることに気が付いた。
「ねえダンさん、海の向こうに見えるのはどこかの都市なの? 遠いからはっきりは見えないけど、大きな都市って感じがする」
「あ~、あれは確か王都ですよ。私も話に聞いただけですが」
「そうなの? 王都までは馬車で一週間とか掛かるって聞いていたから、もっと遠いもんだと思っていたんだけど」
「陸路では時間が掛かるんですよ」
「なら海はなんでダメなの?」
「先ほどの話にも出ましたが、遠浅で船が出入りしにくいのと、沖に出ても風が弱いので海路は難しいんですよ」
「そうなんだ。なら遠浅さえなんとかして港を作れば、魔導モーターを搭載した船で行き来できるかもね」
「おう、面白そうだな」
俺とダンさんが話していたら、乗り物の話題になった途端ガンツさんが入ってきた。
ノリノリなガンツさんに比べ、ダンさんはというと……
「…………」
あ、ダンさんがまた放心状態だ。早く慣れてほしいな。ま、いいか。
その後、ガンツさんと一緒にこの土地に何を作っていくか話し合った。
海側から、遠浅の影響を受けない波止場や港、船で物資を運んだ時用の倉庫、船の乗客用の駐車場や待合所、造船所、今領都にあるのより大きな工房、醸造所、蒸留所、職人用の住宅街、その間を繋ぐ道路や線路などなど、次から次にアイディアが出てくる。
夢が広がっちゃうな。
せっかくなので、構想した内容をそのまま具現化した模型を「えぃっ」っと作り、インベントリに収納した。
こうして視察が済んだところで、いったん領都に戻る。
それからデューク様のお屋敷に行って欲しい土地の説明をすると、デューク様はこめかみを押さえる。
「……お前ら、こんなデカい土地をくれって言うのか?」
「え~? くれるって約束しましたよね、せっかく橋まで作ったのに、今更嘘つくんですか?」
「いや、今ここで確約しよう。どうだ、今までの発明の功績への褒美も加えての大盤振る舞いだぞ!」
デューク様が得意げに言うと、ガンツさんがフンと鼻を鳴らし不機嫌そうになる。
「ケインよ。こうは言っているが、橋の建設費用と工事期間のことを思えば、ずいぶん買い叩かれていると覚えておけよ」
「厳しいなガンツよ。まあだがその通りだ」
「な、ケインこういうことだ。だから貴族様は信用しすぎるなよ」
ガンツさんに同意を求められるけど、「うーん、俺としては自由にモノ作りができてればなんでもいいや!」と言ったら、ガンツさんはまた「フン!」と鼻息を荒くしていた。
それからお屋敷を出てガンツさんと工房の前まで来ると、何やら騒がしい。
集団で騒いでいる見慣れない人達がいる。
その騒がしい集団にゆっくり近付くと、ドワーフの団体だった。
「お、ガンツ! やっと戻ってきやがった」
その集団の中の一人がガンツさんにそう声を掛けると、ガンツさんもその声の主に気付く。
「ガンボか! お前が里から出てきたのか?」
声の主のドワーフは、ガンツさんの知り合いらしい。
名前はガンボか。見た目も名前もガンツさんそっくりだ。
ガンボさんは、ガンツさんにニヤリと笑顔で話しかける。
「ああ、お前が新しい酒ができたって言うから、わざわざここまで来たんだ。さ、見せろ! いや、ってか飲ませろ!」
「まったくせっかちだな。分かったわ。ケインよ、またな」
そう言ってガンツさんは、ガンボさん達ドワーフと一緒に工房に入っていく。
お酒目当てで領都に向かってるドワーフ達がいるって聞いたけど、本当だったんだな。
お酒のためだけに凄い行動力だ。
なんて思いつつ、俺も家に着く。
今日はハンバーグが食べられるはずだ。
「ただいま~ねぇ母さん、どう?」
台所に立つ母さんの手元を覗き込みながら、聞いてみる。
「あはは。ケイン、そんなに気になるかい? お目当てのものはそこにあるけど、どうだい? うまくできたと思うけど?」
母さんが指さしたところを見ると、皿に盛られた茶色いものがある。
見た目はミートボールだな、ハンバーグには見えないけど、形まで伝えていないししょうがない。
でも、これはこれで美味しそう。
「ちょっともらっていい?」
「一個だけならね」
ミートボールを一つ摘み、口に入れる。
「うわぁ~肉汁が凄い! 硬いところがない! 美味しい!」
「成功みたいだね。じゃあ、夕ご飯にしようか。それ持ってきて」
「うん!」
母さんを手伝い、ミートボールが盛られた皿をテーブルの上に置く。
「お、見慣れないおかずだな。どれ。ん、美味いな、ツマミにもなる。凄いな母さん」
父さんが食べてそう言うと、兄ズも「俺も」「僕も」と口に入れ「美味い!」と絶賛する。
「これね、ケインがくれたミキサーってので作ったのよ。ありがとうねケイン」
「俺のワガママで作ってもらったんだからお礼はいらないよ、俺こそありがとう母さん」
「ふふふ。そうね、でも嬉しいのは本当よ」
「ならさ母さん、今度はこれをパン粉を使って揚げてみてよ」
「あら、また新しい料理ね。でも『パン粉』って何?」
「硬くなっちゃったパンをミキサーで細かくしたものだよ。それでね、この肉団子に纏わせて揚げるの。どう?」
「これにそのパン粉をつけるのね。でも、パン粉はこのままじゃつかないわよ?」
「それは溶き卵を使えばできるんじゃないかな?」
「それはできそうね、分かったわ。次に作る時にやってみるから」
「うん、お願いね。母さん」
4 寮完備でした
昨夜はガンツさんの工房にお仲間がたくさん来ていたから、今朝はもしかしたら、もしかするよな~と思いつつ、工房のドアを開けると全体的にお酒臭かった。
やっぱりお酒好きのドワーフだけあって、酒盛りするのを止められなかったみたいだ。
気を取り直してエレベーターに乗り込み自分の開発室に入る。
お酒臭いし、加齢臭も凄い。その原因はといえば、死屍累々といった様子で転がっているドワーフ達だ。
「えっ、なぜここに?」
よく見るとドワーフ達の手には、ブルドーザーにユンボにトラックにクレーンにパワーショベルといった俺の作った重機の模型や、スラレールが握られている。
「ガンツさん、ガンツさんってば!」
騒ぎを起こした張本人を発見し、肩を思いっきり揺らす。
「お、おう、ケ、ケインか。起きる、起きるから揺らすのを止めてくれ。ウ、ウプッ」
「は~さっさと身支度を済ませてよ。あと、他のドワーフ達もなんとかしてね!」
「ケ、ケイン、すまんがちょいと二日酔いを治してくれんか。頼むわ」
「もう、しょうがないな」
『ヒール』を唱えると、転がっていたドワーフ達があちこちで動きだす。
「お、何か気分がよくなったぞ。さっきまでの頭痛が嘘のようだ」
「おいガンボ、さっさと支度するぞ。こっちに来い。お前らもさっさとする!」
「「「は~い」」」
転がっていた大小様々なドワーフ達が起き上がって動きだす。
ガンツさんが出ていった後で窓を開け、空気を入れ替える。
しばらくすると、顔を洗い朝食を済ませたガンツさん達がゾロゾロと部屋に入ってきた。
だから、なんで俺の開発室に集まるのさ。
「改めてすまんかったな、ケイン」
「「「すみませんでした」」」
ガンツさんに続き、ドワーフ達が頭を下げた。
「もういいよ。それにしてもなんでこの部屋だったの?」
俺の素朴な質問にガンツさんが答える。
「いやな最初はワシの部屋だったんだよ。ただ話をするうちにな、ケインの発明が信じられんとか言われてな。ワシがムキになってケインの部屋になら何か証明になるものが何かあるだろと思って入ったんだ。証拠になる発明はあるにはあったが……あとは見ての通りだ」
「は~、そう。もう二度としないでね! で、このドワーフ達はこれからどうするの?」
「それがな、醸造所ができるなら河口近くの土地で働きたいらしい」
「はあ~? どんだけお酒が好きなのさ。でもまあ、手はいくらあっても足りないからいいか」
というわけで昨日作った河口付近の土地の模型を出し、ドワーフ達に建設計画を説明する。
俺がご褒美でもらったこの土地は、これからドワーフがたくさん住むからってことで「ドワーフタウン」と名付け、開発を進めていくことにする。
ひとまずみんなの住居を作らなきゃなので、ドワーフタウンの建設予定地に移動するか。
ということで、昨日行った場所に魔法で作った「転移ゲート」を繋げる。
俺自身は魔法で転移できるんだけど、人を転移させることはできないかな~って考えてたら、いつの間にかこの「転移ゲート」を出せるようになってたんだよね。
ちなみに転移ゲートと名付けてはいるけど、形状は空間にぽっかり開いたただの穴だ。
この穴を潜ると、他の人も転移できるようになるんだよね。理屈はよく分からない。
ちなみに転移ゲートは俺の意思で出したり消したりできるものであり、ずっとその場所に存在しっぱなしってわけではない。
あと、転移ゲートが繋がるのは既に行ったことのある場所限定だ。
「「「……」」」
いきなり転移ゲートが出現したのに驚いたのか、ドワーフ達は固まっている。
「たかが魔法じゃない、そんなに驚かないでよ~。さあ行くよ」
「軽く言うなよ、これは凄いことなんだぞ……」
なんてガンツさんに突っ込まれつつ、その場にいた全員でドワーフタウン予定地に移動した。
その後はひとまず、単身者向けの寮みたいな十階建ての建物を「えぃっ」と作った。
一階にはエレベーターが設置してあり、食堂やバーもある。
地下には風呂と貯蔵庫と酒蔵を用意したと伝えると、ドワーフ達が一斉に「ほう、バー! 酒蔵!」と嬉しそうな声を出した。
二階には集会所兼会議室、三階から十階にはワンルームの部屋がある。ベッド、机、クローゼットは既に設置済みだ。
「あとは各自で部屋を決めてね」
俺がそう言うと、ドワーフ達は我先にとエレベーターに殺到する。
あ、そうだ。携帯電話も全員分作って配っておこう。
「おいケイン、次は工房を作りに行くか」
ガンツさんに言われ、工房の建設予定地に移動する。
工房の建物は、一階は天井を高くしてプレス機とか大きな機械も置けるようにし、二階は会議室、食堂、更衣室、休憩所、簡易シャワー室、工作室、そして三階は俺とガンツさんそれぞれの開発室を作ることになった。もちろんエレベーターつきだ。
工房の隣には別棟を作り、溶鉱炉、耐火性のレンガを平積みした鍛冶場、プレス加工の機械、天井に吊るす簡易クレーンなどを設置する。
あとで鉱石やスライム液のストックを、こっちの倉庫にも移動させておこう。
というわけで「えぃっ」
俺の掛け声で俺達の前に、さっきガンツさんと話し合った通りの工房が建つ。
「お、できたな。それじゃ中を確認するか。ふむふむ、なかなかいい感じだが新鮮味はないな」
「ガンツさん、無理言わないでよ。工房で新鮮味って何?」
「それもそうだな。無理言ってすまん。ありがとうな」
「どういたしまして。ちなみに中に置く工具や機械はどうしよう? 旧都市の工房から持ってくる?」
「あっちはあっちで作っているものもあるからな。新しく作るか」
ガンツさんはそう言うとガンボさん達の方に行き、作業の割り振りを始める。
あ、そういえばずんぐりむっくりなドワーフは普通の自動車に乗るのが難しいから、以前ドワーフ専用の自動車を開発したんだ。
試乗してもらって調整しようと思ってたけど、今やるか。そう思って、インベントリから取り出す。
ちなみにインベントリは、自分で運べないくらい重いものでもイメージすれば出したりしまったりできる。あと、実験して分かったけど中では時間が経過しないんだ。
取り出したドワーフ専用車に試乗してもらったところ、乗車はスムーズになったし、ハンドルやブレーキにも手が届くようになっていた。
けど、座席を低くしすぎてルームミラーがほとんど見えないそうだ。
車にカメラを取りつけて車体後部の映像が見られる「バックモニター」をつけてあげたい。
けどまだ映像を撮ったり残したりする魔道具、ないんだよな。
カメラとモニターを「えぃっ」で作り、この構造を分析してバックモニターができないか考えてみる。
今回は光の魔法陣を自己流に改造し、取り込んだ光を吸収する魔法陣、吸収した光を映像としてパネルに表示する魔法陣を作った。
二つを繋げて、それぞれを起動して確認する。
「お、映ったね」
ガンツさんのところに行き、ドワーフ専用車のダッシュボードの中央部分にバックモニターを取りつける。
カメラは、バックギアに入れた時に起動するようにした。
「ガンツさん、ちょっと確認してみて!」
「ほう、どれどれ。ふむ、こう映るのか、なるほど。いいな、これ。余分に作っといてくれな」
「うん、分かったよ」
バックモニターを量産したところで、ふとドローンが作れないかなと思いついた。
ドローンにカメラを搭載できたら、空撮ができて、この世界の地理を把握しやすくなるかもしれない。
確か図書室でメモした魔法陣に反発や反射の機能があったな。重力に反発するように描き替えたら、浮かせるのは結構簡単にできるかも。
というわけで自己流魔法陣の描き替えで、「重力に反発」する魔法陣を作った。
ドローン本体とドローンからの映像を受信するリモコンは「えぃっ」で作り、魔導モーター、プロペラ、カメラ、高度計を組み込む。
そして姿勢制御しやすいように重力に反発する魔法陣をドローンの四隅に取りつけた。
工房の外に出て、もろもろの起動スイッチを入れ、スティックを上方向にゆっくり倒すとドローンが浮き上がる。
モニターには、まだ地面しか映っていない。
「よし、もう少し上げてみるか。五メートル……十メートル……よし、これくらいで」
高く上がったドローンから映像が送られてきた。
映像を見ると、モニターのほぼ中央に自分が映っている。
「これがドローンか~。前世では大きなドローンは許可制になったから買うのを躊躇ったんだよね~」
いろいろ済ませてふと気が付くと日が暮れ始めていたので、ガンツさんと旧都市に帰ることにした。
ガンボさん達はこのドワーフタウンの寮に住み始めるので、いったんここでお別れだ。
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