18 / 468
2巻
2-2
しおりを挟む
2 計画しました
セバス様の手配した馬車に揺られ、お屋敷に着く。
会議室に案内されると、デューク様の他に初対面の人が数人着席していた。どうやらこの人達は、デューク様の部下らしい。
俺とガンツさんとセバス様が座ると、デューク様が話を切りだす。
「ケイン、わざわざ来てもらってすまなかったな。前に遷都について提案してもらったが、どうもこいつらがな。車もバイクも想像がつかないと言って、話が前に進まないのだ」
「そうだったんですね。まぁ無理もないですね。では教習所まで行って、実際に車に乗ってもらうのが早そうですね。その後は路上教習コースを走りましょう」
デューク様にそう言って、ガンツさんにお願いする。
「ガンツさん、そういうわけで頼める?」
「構わんよ。車なんて乗ってみないと分からんだろう。じゃあ行くか」
俺とデューク様以外が席を立ち、ガンツさんとセバス様について会議室を出ていった。
セバス様は別に教習所に行く必要ないと思うんだけど、車好きっていうか、スピード狂な一面があることが発覚したからな。
車って聞いたら我慢できないんだろう。
「ケインよ、この時間を利用して聞きたいことがあるんだが」
「え、なんでしょう?」
みんなが戻ってくるまで暇だな~と思っていたら、デューク様に尋ねられた。
「最近、ガンツとお前が乗りまわしている乗り物はなんなんだ? 見た目は少し前に出たキックボードとほぼ同じだが、地面を蹴ることなく走っていると聞いた。どういう仕組みなんだ?」
「あ~それはですね……」
俺が魔導キックボードのことを説明すると、そもそも動力はなんなのか? という話になり、蒸気機関のことや、蒸気機関と魔導モーターの違い、モーターが磁力で動く仕組みなども説明することになった。
「なるほどなぁ。ところでその『魔導キックボード』はここに持ってきてはないのか?」
説明が終わると、デューク様が即座に言ってきた。
この人、本当に理解してるのかな。
ただ単に新しい乗り物に早く乗りたいだけなんじゃ。
なんて思いつつも「ありますよ。これです」と、魔導キックボードをデューク様の前に出す。
「ちょっと借りるぞ」
言うなり、デューク様は魔導キックボードに乗って廊下に出ていった。
「ヒャッフォ~」
遠くからデューク様の声がする。
「ハァ~これはしばらく帰ってこないな」
そしてどうせ帰ってきたら、自分にも作ってくれとせがむんだろうな。
とか思っているうちに、いつの間にか時間が経ってたみたいで、ガンツさん達が戻ってきた。
初めて車に乗った感想を、それぞれ興奮気味に話し合っている。
みんなが落ち着くのを待っているうちに、今度はデューク様が部屋に飛び込んできて「ケイン、俺の分も作ってくれ!」と叫びだしたが、セバス様になだめられてとにかく会議を進めることになった。
というわけで、改めて全員で座り、お互いに自己紹介をする。
「都市計画担当のリース・ダグラスといいます。よろしくお願いしますね」
「法務担当のジーク・ライアンです。よろしく」
「財政担当のマイク・チェスターです。よろしくね」
「通商担当のケリー・クラークといいます。よろしくお願いします」
「領主補佐のウィリアム・マードックです。よろしくお願いします」
「同じく領主補佐のビル・クリフォードです。よろしくです」
うわ~、覚えられる気がしないと心の中で思ったのは置いといて、「僕はケインといいます。よろしくお願いします」と言って頭を下げた。
それから、改めて俺から遷都の提案について詳しいことを説明する。
するとデューク様の部下達がそれぞれ自分の意見を述べていく。
まず都市計画担当のリースさんが挙手してから、話しだした。
「都市計画の面から見ると、遷都は適切でしょうね。車が走りまわることを考えると、今のこの都市の道幅では難しいと思います。また、今は人も荷馬車も同じ道を利用しています。これでは、それぞれの乗り物が安全に走ることは不可能だと思います。ただ懸念として、遷都にかかる費用や、遷都先をどこに決定するかという問題があります。今は領地の海の近くを含め、いくつかの場所を検討中です」
次に財政担当のマイクさんが言う。
「遷都にかかる費用は、今の段階では見当がつかないというか、回答できませんね。費用をかければかけるだけいい都市になるわけですが、どこまで出すべきかという判断材料が足りません。ただ、何か人手を減らす方法があれば、多少は予算が抑えられるかと」
「ふむ、ケインよ。何かあるか?」
デューク様に聞かれて、俺のアイディアを伝える。
「『重機』を俺が作れば、必要な人手は半分くらいにできるかもしれません。重機は土を運んだり掘ったり、土木工事や建設工事を迅速に進めるための道具です。ただ重機自体が大きいので、組み立てに広い場所が必要になります。場所があれば、三週間くらいでできるかと思います」
「うむ、分かった。では次に遷都ではなく都市の拡張を行いたい者の意見を言ってくれ」
デューク様が促す。
え? てっきり遷都一択で決まったと思ってたけど、この領都を拡張したいって人もいるんだ。
今度は領主補佐のウィリアムさんが、挙手してから話しだす。
「領主補佐の立場からは、現在の都市の拡張を提案します。メリットは遷都では移住を渋る者が出る可能性がありますが、拡張であればその心配がない点です。また遷都先に人口が集まってしまった場合、現在の都市の過疎化が問題になるでしょうが、その点も考える必要がありません。デメリットは新しい道路の整備が難しく、工事期間が遷都に比べて長引くことでしょうか」
「ああ。拡張するとなると、まずは城壁の拡張から始めるハメになるからな……その後は現在の都市をブロック単位に分けて順次工事を進めるといったところか……確かに大変そうだ」
デューク様はそれを聞いて悩んでいる様子だった。
ふーん、遷都にしろ拡張にしろ、一長一短って感じなのか。
でも、俺の発明を使ったらいい感じの折衷案が出せそうだなと思い、手を挙げて発言の許可を得る。
「ケインか。何か言いたいことがあるのか?」
「はい。遷都も拡張もどちらもやるっていうのはだめでしょうか?」
「またわけが分からないことを……ケインよ、説明してくれ」
デューク様にハァ~と嘆息されながら言われる。
「便宜上、遷都した後の領都を『新都市』、今現在の領都を『旧都市』と呼びますね。遷都の候補地の一つである川の河口付近の土地は馬車だと半日くらいの場所ですが、車なら一時間で行けます」
「そんなに短い時間で⁉」
「それなら新都市に通勤して働き、旧都市に自宅を持つということも可能そうだ」
俺の発言に、デューク様の部下達がざわつく。
「車のライセンスを取れない人もいるかもですが、その人達用に『バス』という乗合馬車のような大型の車の開発も考えています。これなら新都市は工業都市、旧都市は農業都市みたいな感じで産業を別にすれば、片方の都市が極端に過疎化することも防げるかなと思います」
「ほう、なるほどな」
「これは面白そうですね」
「ちなみに都市計画はこんな感じでどうですかね」
デューク様や部下達が納得してくれたので、俺はテーブルの上に自分のイメージしている新都市の模型を魔法で「えぃっ」と作っていく。
新都市の模型には交通整備のことを考えて、八車線の主要道路とか、円環型の高架の上を走る電車とかを配置した。
都市の中央には、行政施設や商業施設を立体駐車場と併せて建設し、住民用に高層の集合住宅も作るつもりだ。
作りまくって楽しくなってきたところで、デューク様から「そのへんでよかろう」と声を掛けられたのでやめた。
「これがケインが考える理想都市か」
「交通の便はかなりよさそうですね。これが実現すると思うと楽しみです」
それから俺はデューク様や部下達に高層の建物はエレベーターで移動できることとか、魔道具で水道、電気、ガス、冷暖房のようなインフラが整備できることとかを伝える。
「ほう、そこまで考えているか。ならあとはお前達で検討できるだろう。いいか?」
「「「はい!」」」
部下達が返事をするとデューク様は満足げに頷き、俺に聞いてくる。
「でな、ケインよ。この模型はしばらく借りてていいか?」
「いいですよ。ご自由に」
というわけで、遷都するには遷都するんだけど、新都市を作るのに加え、旧都市もいい感じに運用していくという感じでいちおう話がまとまった。
「なぁ~デューク様よ~」
ひと通りの話が終わったところで、悪い顔をしたガンツさんが話に入ってくる。
「ついでに聞くが、酒の醸造所とかの土地を用意してもらえるって話はどうなったんだ?」
「あ~その話もまだだったな~。そうだな、新都市に用意した方がいいかもな。それでもいいか?」
「ワシはそれで問題ない。だがな、それ以外のプラスアルファ何かもらえないのか? どうせ都市作りにあたってはワシもこき使う気なんだろ?」
ガンツさんは思うところがあるのか、デューク様に対し、少しくらいのワガママは通るだろうと言わんばかりに問いかける。
「ま、俺の領地内だから土地をガンツ達に与えるのは自由にできる。だが、その分は働いてもらうぞ」
「だから、さっきから言ってるだろ。新都市に関して依頼があるならプラスアルファの褒美を用意してもらわないとなぁ~。口約束だけじゃなく、何かしらの契約を残してくれ。ワシは貴族様はあまり信用できないのでな。それに新しい酒を作れると仲間に話してしまったんだ」
ガンツさんは、領都でウイスキーの醸造や熟成をやっていることを故郷にいる仲間のドワーフに手紙で報告済みらしい。
そしてそのお酒を目当てに、ドワーフ達がたくさん領都に向かってきてるみたいだ。
「だから、もしその蒸留酒の施設ができていないどころか、建設予定の場所すらないとなれば、やって来たドワーフの仲間が暴れるかもしれないなぁ~」
ガンツさんがニヤリと笑ってデューク様に言う。
いくらお酒好きな種族であるドワーフだからって、こんな脅しまがいのことまでやるなんて、ガンツさんのアル中ぶりは怖い。
ハァ~と嘆息するデューク様。
「やむをえないな。今は口約束にはなってしまうが、褒美は必ず考えておく。形になった時点でお前に報告するから、それまで暴動が起きないよう監視を頼むぞ」
「うむ、分かった。それで結構だ。では失礼するかな、ケイン行こうか」
「はい、では失礼しますね」
そんなこんなで、俺とガンツさんは会議室から出てお屋敷をあとにした。
ガンツさんとお屋敷を出てから、俺は工房に戻って、別の発明について考えることにした。
液晶画面が作れれば、いろいろな発明に応用ができる気がするんだよな~。液晶ってことは、まずはガラス板を作ればいいのかな?
でも液晶って別にガラスでできてるわけじゃないよね? うーん分からん。
でも「えぃっ」っでなんとかなるだろ。
ひとまず、0から9までのアラビア数字を電光で表示する部品である「7セグ」こと「7セグメントディスプレイ」に挑戦するか。
とりあえず光の魔道具を使えば数字を光らせるのはできそう。
あとはここから、魔法陣をどう改造するかだよな~。
いつもは魔法陣に描かれている図形を解析して、目的に応じて自己流に図式を変更しているんだよね。これで「磁力を出す」もできたから、「好きな箇所を好きなように光らせる」魔法陣も作れるでしょ。
ってことで魔導リューターで「0から9までのアラビア数字を電光で表示する」魔法陣を描いてみて、魔力を流すとイメージ通りの7セグができた。
「できたね~。これができるといろんなものに使えるな~」
何に使えるかをいろいろ考えながらメモに書き込んでいく。
エレベーターの階数表示、温度計、湿度計、携帯電話の番号表示、あとは電卓ができるかも。
まずは電卓が欲しいな。でも構造はよく分からない。
ということで前世でぼんやり覚えている8ビットとかメモリとか四則演算とか適当な電卓知識をイメージしつつ、7セグの魔法陣を組み込み、「えぃっ」と電卓を作る。
それっぽいものが完成したので、とりあえずインベントリに収納する。
窓の外を見るともう夕方だったので、工房をあとにした。
家に帰ると次兄のクリス兄さんがソファに座っていたので、試作品の電卓を取り出しクリス兄さんに渡す。
「ケインこれは何?」
「『電卓』だよ、クリス兄さん。試しにボタンを押して計算してみて」
「分かった。やってみるね」
ボタンを押し結果が表示されたのを見て、クリス兄さんの目の色が変わった。
それからクリス兄さんはいくつかのボタンを押した後、電卓の表示を見て笑う。
たぶん、暗算した結果と合っていたのだろう。
クリス兄さんは俺を見ながら大きい声を出す。
「凄い! ケイン、凄いよ! これは!」
「クリス、何を興奮してるんだ?」
騒いでたら長兄のサム兄さんが様子を見に来た。
ちなみにサム兄さん、クリス兄さんのことは、まとめて兄ズって呼んでる。
「サム兄さん、これはケインが作ったんだけど、ボタンを押すだけで計算ができるんだ。ソロバン以上だよ」
「そんなに興奮するほどか?」
クリス兄さんと違い、サム兄さんは何が凄いのか理解していない。
「チッチッ、分かってないな~サム兄さんは。ソロバンは使い方を覚えるまでに一定の期間が必要だけど、電卓は誰でもすぐに計算が可能になるんだ。ほんと凄いよ、これは!」
「そんなに凄いのか?」
今度は父さんがやって来て、興奮冷めやらぬクリス兄さんに確認する。
「父さん、これを使えば今まで面倒だった店の経理がかなり楽になるよ。ケイン、これはもらっていいの? もらったら返さないよ!」
嬉しそうに俺に電卓をねだるクリス兄さんに頷く。
「クリス兄さんなら価値を理解してくれると分かってたからね……って、あ。そうだ」
俺はそこであることを思い出してみんなに言う。
「みんな携帯電話を持ってきてもらえる? 機種変更したいから」
「「「機種変更?」」」
一斉に首を捻る父さん達に「ま、いいからとりあえず持ってきてよ」とお願いすると、父さん達は持ってきた携帯電話をテーブルに置く。
「はい、これが新しい携帯電話。番号は前のままだから」
俺は電卓を作った後にパパッと作っておいた液晶画面つきの携帯電話をみんなに配り、使い方を説明する。
「なるほど。かける相手の番号が表示されるようになったんだな。これだけでもありがたいな」
「それだけじゃないよ。電話をかけてきた相手の番号も表示されるんだ」
「へ~、いいな」
父さんと会話していると、母さんもリビングに来た。
「はいはい、ご飯にするからテーブルの上は片付けてね」
「「「は~い」」」
父さん達と返事をしながら母さんを見て、ミキサーのことを思い出す。
「あ、そうだ母さん、今度これを使ってみてよ」
インベントリから取り出した魔導ミキサーを、テーブルの上に置く。
「ん? ケイン、なんなのこれは?」
「『魔導ミキサー』だよ。これで玉ねぎを刻んだり、肉を細かくすることができるんだ」
「これを使うと玉ねぎのみじん切りが簡単にできるってことでいいのね、でも肉を細かくしてどうすんの? 細切れの肉なんて美味しくないでしょ?」
「試しにさ、細かくした肉と玉ねぎをお団子にしたらどうかな?」
「あら、それはいいわね。分かったわ、今日は無理だから明日試してみるわ」
よし、これでハンバーグが食べられるかもしれない。
「ありがとう! 母さん」
「あら、大げさね。試してみるだけなのに。さ、食べましょ」
「「「いただきま~す」」」
3 視察しました
翌朝、工房に行くとガンツさんに声を掛ける。
「ガンツさん、今日はデューク様のお屋敷に行って用事を済ませてしまおうよ」
「用事? 何かあったか」
「遷都先の土地をね、先にもらってしまおうと思って」
「なるほどな。なかなかもらえないのなら、自分達で取りに行こうってか。いいぞ、乗った!」
ということでデューク様のお屋敷に移動し、応接室に通してもらう。
「で、ガンツにケインよ、話とはなんだ?」
デューク様が俺達に話を振ってくる。
それに対し、ガンツさんが話し始める。
「先日の土地の話なんだがな。遷都候補の土地のうち、ワシ達の分だけ先に確保できないかなと思ってな」
「またその話か。決まってから連絡すると言ったばかりだろう。まあいちおう候補地は決めてはいるから、そこでもいいか?」
デューク様に聞かれて、俺が答える。
「どちらにしても、今の領都の中にはもうもらえる土地がないですよね? なら新都市で俺達が開発した場所を報酬として欲しいんです」
「悪くはないがな。一体どれだけの土地が必要なんだ?」
「まずは自分達の工房ですね。それに車の製造工場、重機の製造工場、醸造所、職人の住宅、車を更に改良する前提なら、レース場とか作ってもいいかもしれませんね……まだまだ増えるかもしれませんが、思いつくのはこんなところですか」
「おいおい、まったく遠慮がないな。まあいい、セバスよ地図を頼む」
セバス様から地図を受け取り、デューク様がテーブルの上に広げる。
「候補地として考えているのは、この辺りだ」
デューク様が指さしたのは、川が海へ流れ込む河口付近一帯の土地だ。
領都からの距離は馬車で一日ほどで、今はサイカ村という小さな漁村があるだけらしい。
「最初は港を作ろうと思っていたが、水深の浅い遠浅の地形でな。大型の船が入ってこられないので諦めたんだ」
「そうなんですね。じゃあサイカ村の対岸の、無人の地域をもらって開発しますね。ガンツさんもそれでいい?」
「ワシは土地さえもらえるならいいぞ」
「では視察に行ってきますので、ダンさんをお借りできますか?」
俺はデューク様の部下で、教習所で車のライセンスを取ったダンという人に運転を頼み、早速新都市の候補地に向かう。
セバス様の手配した馬車に揺られ、お屋敷に着く。
会議室に案内されると、デューク様の他に初対面の人が数人着席していた。どうやらこの人達は、デューク様の部下らしい。
俺とガンツさんとセバス様が座ると、デューク様が話を切りだす。
「ケイン、わざわざ来てもらってすまなかったな。前に遷都について提案してもらったが、どうもこいつらがな。車もバイクも想像がつかないと言って、話が前に進まないのだ」
「そうだったんですね。まぁ無理もないですね。では教習所まで行って、実際に車に乗ってもらうのが早そうですね。その後は路上教習コースを走りましょう」
デューク様にそう言って、ガンツさんにお願いする。
「ガンツさん、そういうわけで頼める?」
「構わんよ。車なんて乗ってみないと分からんだろう。じゃあ行くか」
俺とデューク様以外が席を立ち、ガンツさんとセバス様について会議室を出ていった。
セバス様は別に教習所に行く必要ないと思うんだけど、車好きっていうか、スピード狂な一面があることが発覚したからな。
車って聞いたら我慢できないんだろう。
「ケインよ、この時間を利用して聞きたいことがあるんだが」
「え、なんでしょう?」
みんなが戻ってくるまで暇だな~と思っていたら、デューク様に尋ねられた。
「最近、ガンツとお前が乗りまわしている乗り物はなんなんだ? 見た目は少し前に出たキックボードとほぼ同じだが、地面を蹴ることなく走っていると聞いた。どういう仕組みなんだ?」
「あ~それはですね……」
俺が魔導キックボードのことを説明すると、そもそも動力はなんなのか? という話になり、蒸気機関のことや、蒸気機関と魔導モーターの違い、モーターが磁力で動く仕組みなども説明することになった。
「なるほどなぁ。ところでその『魔導キックボード』はここに持ってきてはないのか?」
説明が終わると、デューク様が即座に言ってきた。
この人、本当に理解してるのかな。
ただ単に新しい乗り物に早く乗りたいだけなんじゃ。
なんて思いつつも「ありますよ。これです」と、魔導キックボードをデューク様の前に出す。
「ちょっと借りるぞ」
言うなり、デューク様は魔導キックボードに乗って廊下に出ていった。
「ヒャッフォ~」
遠くからデューク様の声がする。
「ハァ~これはしばらく帰ってこないな」
そしてどうせ帰ってきたら、自分にも作ってくれとせがむんだろうな。
とか思っているうちに、いつの間にか時間が経ってたみたいで、ガンツさん達が戻ってきた。
初めて車に乗った感想を、それぞれ興奮気味に話し合っている。
みんなが落ち着くのを待っているうちに、今度はデューク様が部屋に飛び込んできて「ケイン、俺の分も作ってくれ!」と叫びだしたが、セバス様になだめられてとにかく会議を進めることになった。
というわけで、改めて全員で座り、お互いに自己紹介をする。
「都市計画担当のリース・ダグラスといいます。よろしくお願いしますね」
「法務担当のジーク・ライアンです。よろしく」
「財政担当のマイク・チェスターです。よろしくね」
「通商担当のケリー・クラークといいます。よろしくお願いします」
「領主補佐のウィリアム・マードックです。よろしくお願いします」
「同じく領主補佐のビル・クリフォードです。よろしくです」
うわ~、覚えられる気がしないと心の中で思ったのは置いといて、「僕はケインといいます。よろしくお願いします」と言って頭を下げた。
それから、改めて俺から遷都の提案について詳しいことを説明する。
するとデューク様の部下達がそれぞれ自分の意見を述べていく。
まず都市計画担当のリースさんが挙手してから、話しだした。
「都市計画の面から見ると、遷都は適切でしょうね。車が走りまわることを考えると、今のこの都市の道幅では難しいと思います。また、今は人も荷馬車も同じ道を利用しています。これでは、それぞれの乗り物が安全に走ることは不可能だと思います。ただ懸念として、遷都にかかる費用や、遷都先をどこに決定するかという問題があります。今は領地の海の近くを含め、いくつかの場所を検討中です」
次に財政担当のマイクさんが言う。
「遷都にかかる費用は、今の段階では見当がつかないというか、回答できませんね。費用をかければかけるだけいい都市になるわけですが、どこまで出すべきかという判断材料が足りません。ただ、何か人手を減らす方法があれば、多少は予算が抑えられるかと」
「ふむ、ケインよ。何かあるか?」
デューク様に聞かれて、俺のアイディアを伝える。
「『重機』を俺が作れば、必要な人手は半分くらいにできるかもしれません。重機は土を運んだり掘ったり、土木工事や建設工事を迅速に進めるための道具です。ただ重機自体が大きいので、組み立てに広い場所が必要になります。場所があれば、三週間くらいでできるかと思います」
「うむ、分かった。では次に遷都ではなく都市の拡張を行いたい者の意見を言ってくれ」
デューク様が促す。
え? てっきり遷都一択で決まったと思ってたけど、この領都を拡張したいって人もいるんだ。
今度は領主補佐のウィリアムさんが、挙手してから話しだす。
「領主補佐の立場からは、現在の都市の拡張を提案します。メリットは遷都では移住を渋る者が出る可能性がありますが、拡張であればその心配がない点です。また遷都先に人口が集まってしまった場合、現在の都市の過疎化が問題になるでしょうが、その点も考える必要がありません。デメリットは新しい道路の整備が難しく、工事期間が遷都に比べて長引くことでしょうか」
「ああ。拡張するとなると、まずは城壁の拡張から始めるハメになるからな……その後は現在の都市をブロック単位に分けて順次工事を進めるといったところか……確かに大変そうだ」
デューク様はそれを聞いて悩んでいる様子だった。
ふーん、遷都にしろ拡張にしろ、一長一短って感じなのか。
でも、俺の発明を使ったらいい感じの折衷案が出せそうだなと思い、手を挙げて発言の許可を得る。
「ケインか。何か言いたいことがあるのか?」
「はい。遷都も拡張もどちらもやるっていうのはだめでしょうか?」
「またわけが分からないことを……ケインよ、説明してくれ」
デューク様にハァ~と嘆息されながら言われる。
「便宜上、遷都した後の領都を『新都市』、今現在の領都を『旧都市』と呼びますね。遷都の候補地の一つである川の河口付近の土地は馬車だと半日くらいの場所ですが、車なら一時間で行けます」
「そんなに短い時間で⁉」
「それなら新都市に通勤して働き、旧都市に自宅を持つということも可能そうだ」
俺の発言に、デューク様の部下達がざわつく。
「車のライセンスを取れない人もいるかもですが、その人達用に『バス』という乗合馬車のような大型の車の開発も考えています。これなら新都市は工業都市、旧都市は農業都市みたいな感じで産業を別にすれば、片方の都市が極端に過疎化することも防げるかなと思います」
「ほう、なるほどな」
「これは面白そうですね」
「ちなみに都市計画はこんな感じでどうですかね」
デューク様や部下達が納得してくれたので、俺はテーブルの上に自分のイメージしている新都市の模型を魔法で「えぃっ」と作っていく。
新都市の模型には交通整備のことを考えて、八車線の主要道路とか、円環型の高架の上を走る電車とかを配置した。
都市の中央には、行政施設や商業施設を立体駐車場と併せて建設し、住民用に高層の集合住宅も作るつもりだ。
作りまくって楽しくなってきたところで、デューク様から「そのへんでよかろう」と声を掛けられたのでやめた。
「これがケインが考える理想都市か」
「交通の便はかなりよさそうですね。これが実現すると思うと楽しみです」
それから俺はデューク様や部下達に高層の建物はエレベーターで移動できることとか、魔道具で水道、電気、ガス、冷暖房のようなインフラが整備できることとかを伝える。
「ほう、そこまで考えているか。ならあとはお前達で検討できるだろう。いいか?」
「「「はい!」」」
部下達が返事をするとデューク様は満足げに頷き、俺に聞いてくる。
「でな、ケインよ。この模型はしばらく借りてていいか?」
「いいですよ。ご自由に」
というわけで、遷都するには遷都するんだけど、新都市を作るのに加え、旧都市もいい感じに運用していくという感じでいちおう話がまとまった。
「なぁ~デューク様よ~」
ひと通りの話が終わったところで、悪い顔をしたガンツさんが話に入ってくる。
「ついでに聞くが、酒の醸造所とかの土地を用意してもらえるって話はどうなったんだ?」
「あ~その話もまだだったな~。そうだな、新都市に用意した方がいいかもな。それでもいいか?」
「ワシはそれで問題ない。だがな、それ以外のプラスアルファ何かもらえないのか? どうせ都市作りにあたってはワシもこき使う気なんだろ?」
ガンツさんは思うところがあるのか、デューク様に対し、少しくらいのワガママは通るだろうと言わんばかりに問いかける。
「ま、俺の領地内だから土地をガンツ達に与えるのは自由にできる。だが、その分は働いてもらうぞ」
「だから、さっきから言ってるだろ。新都市に関して依頼があるならプラスアルファの褒美を用意してもらわないとなぁ~。口約束だけじゃなく、何かしらの契約を残してくれ。ワシは貴族様はあまり信用できないのでな。それに新しい酒を作れると仲間に話してしまったんだ」
ガンツさんは、領都でウイスキーの醸造や熟成をやっていることを故郷にいる仲間のドワーフに手紙で報告済みらしい。
そしてそのお酒を目当てに、ドワーフ達がたくさん領都に向かってきてるみたいだ。
「だから、もしその蒸留酒の施設ができていないどころか、建設予定の場所すらないとなれば、やって来たドワーフの仲間が暴れるかもしれないなぁ~」
ガンツさんがニヤリと笑ってデューク様に言う。
いくらお酒好きな種族であるドワーフだからって、こんな脅しまがいのことまでやるなんて、ガンツさんのアル中ぶりは怖い。
ハァ~と嘆息するデューク様。
「やむをえないな。今は口約束にはなってしまうが、褒美は必ず考えておく。形になった時点でお前に報告するから、それまで暴動が起きないよう監視を頼むぞ」
「うむ、分かった。それで結構だ。では失礼するかな、ケイン行こうか」
「はい、では失礼しますね」
そんなこんなで、俺とガンツさんは会議室から出てお屋敷をあとにした。
ガンツさんとお屋敷を出てから、俺は工房に戻って、別の発明について考えることにした。
液晶画面が作れれば、いろいろな発明に応用ができる気がするんだよな~。液晶ってことは、まずはガラス板を作ればいいのかな?
でも液晶って別にガラスでできてるわけじゃないよね? うーん分からん。
でも「えぃっ」っでなんとかなるだろ。
ひとまず、0から9までのアラビア数字を電光で表示する部品である「7セグ」こと「7セグメントディスプレイ」に挑戦するか。
とりあえず光の魔道具を使えば数字を光らせるのはできそう。
あとはここから、魔法陣をどう改造するかだよな~。
いつもは魔法陣に描かれている図形を解析して、目的に応じて自己流に図式を変更しているんだよね。これで「磁力を出す」もできたから、「好きな箇所を好きなように光らせる」魔法陣も作れるでしょ。
ってことで魔導リューターで「0から9までのアラビア数字を電光で表示する」魔法陣を描いてみて、魔力を流すとイメージ通りの7セグができた。
「できたね~。これができるといろんなものに使えるな~」
何に使えるかをいろいろ考えながらメモに書き込んでいく。
エレベーターの階数表示、温度計、湿度計、携帯電話の番号表示、あとは電卓ができるかも。
まずは電卓が欲しいな。でも構造はよく分からない。
ということで前世でぼんやり覚えている8ビットとかメモリとか四則演算とか適当な電卓知識をイメージしつつ、7セグの魔法陣を組み込み、「えぃっ」と電卓を作る。
それっぽいものが完成したので、とりあえずインベントリに収納する。
窓の外を見るともう夕方だったので、工房をあとにした。
家に帰ると次兄のクリス兄さんがソファに座っていたので、試作品の電卓を取り出しクリス兄さんに渡す。
「ケインこれは何?」
「『電卓』だよ、クリス兄さん。試しにボタンを押して計算してみて」
「分かった。やってみるね」
ボタンを押し結果が表示されたのを見て、クリス兄さんの目の色が変わった。
それからクリス兄さんはいくつかのボタンを押した後、電卓の表示を見て笑う。
たぶん、暗算した結果と合っていたのだろう。
クリス兄さんは俺を見ながら大きい声を出す。
「凄い! ケイン、凄いよ! これは!」
「クリス、何を興奮してるんだ?」
騒いでたら長兄のサム兄さんが様子を見に来た。
ちなみにサム兄さん、クリス兄さんのことは、まとめて兄ズって呼んでる。
「サム兄さん、これはケインが作ったんだけど、ボタンを押すだけで計算ができるんだ。ソロバン以上だよ」
「そんなに興奮するほどか?」
クリス兄さんと違い、サム兄さんは何が凄いのか理解していない。
「チッチッ、分かってないな~サム兄さんは。ソロバンは使い方を覚えるまでに一定の期間が必要だけど、電卓は誰でもすぐに計算が可能になるんだ。ほんと凄いよ、これは!」
「そんなに凄いのか?」
今度は父さんがやって来て、興奮冷めやらぬクリス兄さんに確認する。
「父さん、これを使えば今まで面倒だった店の経理がかなり楽になるよ。ケイン、これはもらっていいの? もらったら返さないよ!」
嬉しそうに俺に電卓をねだるクリス兄さんに頷く。
「クリス兄さんなら価値を理解してくれると分かってたからね……って、あ。そうだ」
俺はそこであることを思い出してみんなに言う。
「みんな携帯電話を持ってきてもらえる? 機種変更したいから」
「「「機種変更?」」」
一斉に首を捻る父さん達に「ま、いいからとりあえず持ってきてよ」とお願いすると、父さん達は持ってきた携帯電話をテーブルに置く。
「はい、これが新しい携帯電話。番号は前のままだから」
俺は電卓を作った後にパパッと作っておいた液晶画面つきの携帯電話をみんなに配り、使い方を説明する。
「なるほど。かける相手の番号が表示されるようになったんだな。これだけでもありがたいな」
「それだけじゃないよ。電話をかけてきた相手の番号も表示されるんだ」
「へ~、いいな」
父さんと会話していると、母さんもリビングに来た。
「はいはい、ご飯にするからテーブルの上は片付けてね」
「「「は~い」」」
父さん達と返事をしながら母さんを見て、ミキサーのことを思い出す。
「あ、そうだ母さん、今度これを使ってみてよ」
インベントリから取り出した魔導ミキサーを、テーブルの上に置く。
「ん? ケイン、なんなのこれは?」
「『魔導ミキサー』だよ。これで玉ねぎを刻んだり、肉を細かくすることができるんだ」
「これを使うと玉ねぎのみじん切りが簡単にできるってことでいいのね、でも肉を細かくしてどうすんの? 細切れの肉なんて美味しくないでしょ?」
「試しにさ、細かくした肉と玉ねぎをお団子にしたらどうかな?」
「あら、それはいいわね。分かったわ、今日は無理だから明日試してみるわ」
よし、これでハンバーグが食べられるかもしれない。
「ありがとう! 母さん」
「あら、大げさね。試してみるだけなのに。さ、食べましょ」
「「「いただきま~す」」」
3 視察しました
翌朝、工房に行くとガンツさんに声を掛ける。
「ガンツさん、今日はデューク様のお屋敷に行って用事を済ませてしまおうよ」
「用事? 何かあったか」
「遷都先の土地をね、先にもらってしまおうと思って」
「なるほどな。なかなかもらえないのなら、自分達で取りに行こうってか。いいぞ、乗った!」
ということでデューク様のお屋敷に移動し、応接室に通してもらう。
「で、ガンツにケインよ、話とはなんだ?」
デューク様が俺達に話を振ってくる。
それに対し、ガンツさんが話し始める。
「先日の土地の話なんだがな。遷都候補の土地のうち、ワシ達の分だけ先に確保できないかなと思ってな」
「またその話か。決まってから連絡すると言ったばかりだろう。まあいちおう候補地は決めてはいるから、そこでもいいか?」
デューク様に聞かれて、俺が答える。
「どちらにしても、今の領都の中にはもうもらえる土地がないですよね? なら新都市で俺達が開発した場所を報酬として欲しいんです」
「悪くはないがな。一体どれだけの土地が必要なんだ?」
「まずは自分達の工房ですね。それに車の製造工場、重機の製造工場、醸造所、職人の住宅、車を更に改良する前提なら、レース場とか作ってもいいかもしれませんね……まだまだ増えるかもしれませんが、思いつくのはこんなところですか」
「おいおい、まったく遠慮がないな。まあいい、セバスよ地図を頼む」
セバス様から地図を受け取り、デューク様がテーブルの上に広げる。
「候補地として考えているのは、この辺りだ」
デューク様が指さしたのは、川が海へ流れ込む河口付近一帯の土地だ。
領都からの距離は馬車で一日ほどで、今はサイカ村という小さな漁村があるだけらしい。
「最初は港を作ろうと思っていたが、水深の浅い遠浅の地形でな。大型の船が入ってこられないので諦めたんだ」
「そうなんですね。じゃあサイカ村の対岸の、無人の地域をもらって開発しますね。ガンツさんもそれでいい?」
「ワシは土地さえもらえるならいいぞ」
「では視察に行ってきますので、ダンさんをお借りできますか?」
俺はデューク様の部下で、教習所で車のライセンスを取ったダンという人に運転を頼み、早速新都市の候補地に向かう。
11
お気に入りに追加
4,901
あなたにおすすめの小説
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
天災少年はやらかしたくありません!
もるもる(๑˙ϖ˙๑ )
ファンタジー
旧題:チート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!
【アルファポリス様にて発売中!!】
「天災少年はやらかしたくありません!」のタイトルで2022年10月19日出荷されました!
※書籍化に伴い一部を掲載停止させて頂きます
あれ?何でこうなった?
僕の目の前の標的どころか防御結界が消滅。またその先の校舎の上部が消滅。
さらにさらに遠く離れた山の山頂がゴッソリと抉れてしまっている。
あっけにとられる受験者。気絶する女の子。呆然とする教員。
ま……まわりの視線があまりにも痛すぎる……
1人に1つの魂(加護)を3つも持ってしまった少年が、個性の強い魂に振り回されて知らず知らずの内に大災害を発生させて、更なるチートで解決していく物語です!
書籍化記念書き下ろし
天災少年はやらかしたくありません!スピンオフ Stories
https://www.alphapolis.co.jp/novel/589572036/842685585
第2部『旅行中でもチート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/589572036/979266310
第3部『ダンジョンでもチート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/589572036/211266610
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界に転生したけどトラブル体質なので心配です
小鳥遊 ソラ(著者名:小鳥遊渉)
ファンタジー
元々、トラブルに遭いやすい体質だった男の異世界転生記。
トラブルに巻き込まれたり、自分から飛び込んだり、たまに自分で作ったり、魔物と魔法や剣のある異世界での転生物語。余り期待せずに読んで頂ければありがたいです。
戦闘は少な目です。アルフレッドが強すぎて一方的な戦いが多くなっています。
身内には優しく頼れる存在ですが、家族の幸せの為なら、魔物と悪人限定で無慈悲で引くくらい冷酷になれます。
転生した村は辺境過ぎて、お店もありません。(隣町にはあります)魔法の練習をしたり、魔狼に襲われ討伐したり、日照り解消のために用水路を整備したり、井戸の改良をしたり、猪被害から村に柵を作ったり、盗賊・熊・ゴブリンに襲われたり、水車に風車に手押しポンプ、色々と前世の記憶で作ったりして、段々と発展させて行きます。一部の人達からは神の使いと思われ始めています。………etc そんな日々、アルフレッドの忙しい日常をお楽しみいただければ!
知識チート、魔法チート、剣術チート、アルは無自覚ですが、強制的に出世?させられ、婚約申込者も増えていきます。6歳である事や身分の違いなどもある為、なかなか正式に婚約者が決まりません。女難あり。(メダリオン王国は一夫一妻制)
戦闘は短めを心掛けていますが、時にシリアスパートがあります。ご都合主義です。
基本は、登場人物達のズレた思考により、このお話は成り立っております。コメディーの域にはまったく届いていませんが、偶に、クスッと笑ってもらえる作品になればと考えております。コメディー要素多めを目指しております。女神と神獣も出てきます。
※舞台のイメージは中世ヨーロッパを少し過去に遡った感じにしています。魔法がある為に、産業、医療などは発展が遅れている感じだと思っていただければ。
中世ヨーロッパの史実に出来るだけ近い状態にしたいと考えていますが、婚姻、出産、平均寿命などは現代と余りにも違い過ぎて適用は困難と判断しました。ご理解くださいますようお願いします。
俺はアラサーのシステムエンジニアだったはずだが、取引先のシステムがウイルスに感染、復旧作業した後に睡魔に襲われ、自前のシュラフで仮眠したところまで覚えているが、どうも過労死して、辺境騎士の3男のアルフレッド6歳児に転生? 前世では早くに両親を亡くし、最愛の妹を残して過労死した社畜ブラックどっぷりの幸薄な人生だった男が、今度こそ家族と幸せに暮らしたいと願い、日々、努力する日常。
※最後になりますが、作者のスキル不足により、不快な思いをなされる方がおられましたら、申し訳なく思っております。何卒、お許しくださいますようお願い申し上げます。
この作品は、空想の産物であり、現実世界とは一切無関係です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。