転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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2巻

2-1

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 1 モーターが回りました


 気付いたら転生していた俺――ケイン。
 すごい魔法の数々を簡単に使える才能に恵まれた俺は、魔法陣まほうじんを使って前世で作れなかったモノ作りに挑戦して毎日気楽に過ごしていこう……と思ってたら、俺の発明を見た人達からあれが欲しいこれが欲しいって、いろいろな依頼が舞い込んできたんだ。
 そうしてみんなのために頑張るか~とモノ作りにはげんでいたところ、俺の住む領都りょうと遷都せんと先の都市計画っていう、大仕事まで任されることになっちゃった。
 まあでも、大好きなモノ作りが楽しめるなら俺としてはなんでもオッケー!
 というわけで、相棒あいぼうのドワーフのおじさん、ガンツさんと一緒に、日々モノ作りにせいを出してるんだ。


 ◇◇◇


 俺は先日、蒸気機関じょうききかんを動力にした、車とかバイクの発明に成功した。
 でも車やバイクが普及したら、今の領都の道幅では移動するのに手狭てぜまになってしまう。
 そのため、領主のデューク様に遷都を提案した結果、言いだしっぺの俺が遷都に手を貸すことになった。
 遷都に役立ちそうな魔道具まどうぐの準備をしなきゃと、デューク様のところの三人のお子様達――エリー様、ショーン様、マリー様に魔法を教えて、その代わりにまたお屋敷の図書室の魔法陣の本を貸してもらう。
 本をめくると反抗の魔法陣が出てきた。
 効果はえ~と? 「耐えます」ってなんだよ! 何に耐えるの?
 よく分からないけどいちおうメモしておいた。
 更に読み進めると「柔らかくして反発力を上げる」という反発の魔法陣や「当たったものを反射する」という反射の魔法陣、「向かってきたものを反転させる」という反転の魔法陣などが出てきたので、何に使えるかは分からないけどとりあえずメモしておいた。


 ◇◇◇


 そんな感じで準備を始めていた俺なんだけど、デューク様からいつ遷都を始めるかという連絡は全然なかった。
 なので、しばらくまた適当に好きなモノ作りを続けることにする。
 まずは先日作った車とバイクの教習所の設備を充実させるために、監視塔かんしとうや講堂や車庫を魔法で「えぃっ」と作る。
 そういえば、車用の教習コースはあるけど、バイク用の教習コースも必要だったと思い、一本橋、八の字、スラロームといったコースも魔法で「えぃっ」と作って追加する。
 ついでに洗車もできるといいなと思い、魔法で「えぃっ」と洗車場の建物を作り、インベントリから、水の魔道具を出す。
 それから魔法で「えぃっ」と作ったホースとシャワーヘッドを組み合わせ、洗車場に設置する。
 ちなみに俺は、前世で構造を理解しているものや、構造が単純なものなら、イメージしながら魔法で「えぃっ」ってやれば一瞬で作れる。
 でも、建造物も、「えぃっ」でいけちゃうんだよな~。
 普通家とかビルとか作るとしたら、前世でいう建築士とかの難しい資格がなきゃ正確な構造を把握するなんて無理だよね。どういうことなんだろ?
 前世で読んだラノベでよくあったチートってこと? まあ実際俺の魔力とか魔法はチート級みたいだし、その影響ってことか?
 正直、魔法で何が作れて何が作れないかの理屈りくつは、俺にもよく分からないや。
 あと、正確な構造を把握してない電子機器とかも、俺が試行錯誤しこうさくごの上で考えた仕組みで作っているから、前世と同じシステムが完全に再現できてるわけじゃない。
 でもまあ、動くようになればいいよね。
 とにかく、自由にモノ作りが楽しめればなんでもいいや。
 何を魔法で作って何を魔法で作らないかは、その場のノリと気分ってことにしておこう。


 そんなことをやってるうちに別に作りたいものを思いついたので、俺はガンツさんの工房に行き、魔法陣を作ることにする。
 今度は蒸気機関じゃなくて、モーターで動くものを作りたいんだよね。
 モーターの仕組みを簡単に説明すると、磁石じしゃく磁力じりょくと、電流を流すと磁石と同じ働きをする電磁石でんじしゃくの磁力を反発させ、回転の動きを生み出すという感じだ。

「でもそもそも磁力って、どうすれば魔法陣から出るんだろ?」

 今まで魔法陣は本で勉強して、そこに載っている「熱を出す」「水を出す」みたいな図式をそのまま描き写して効果が発動するようにしてきた。
 でも磁力を出す魔法陣はどこにも載ってなかったな~。
 なので試しに、熱を出す魔法陣に描かれている「熱を出す」っていう図式を、「こうすればSきょくの磁力を出すっていう図式になるかな?」っていうイメージで描き替えてみる。

「まさかね~、こんな適当なやり方で磁力が出るわけないよね~。でも、ものは試しっと」

 そう言いつつ魔法陣に魔力を流しながら鉄の部品を近付けると、鉄の部品がシュッと吸い寄せられる。

「え? あれ? できちゃったの?」

 なんでできたか分からないけど、磁力が生まれたっぽい。
 同じように「N極の磁力を出す」っていう自分流の図式を描いた魔法陣を作ったら、「S極の磁力を出す」って描いた魔法陣とペタッとくっついた。
 よく分かんないけど、なんか成功したっぽい。
 とりあえず、これでモーターは作れるようになったな。

「やった! 成功だ! このモーターの魔道具を小型化すれば電動工具が作れるな」

 そんなことを思っていたが、よくよく考えてみると、このモーターは電気ではなく魔力で動いているんだった。

「待てよ、なら電動じゃないよな。魔導まどうモーターとか魔導工具って言おう」

 とにかくこのモーターを部品と組み合わせれば、魔導で動く機械がいろいろと作れそう。 

「ケイン、邪魔じゃまするぞ。お、また何か作ったのか? なんだこれは? 見た感じ、蒸気機関とは違うな」

 ガンツさんが工房に入ってきてそう言ったので、説明する。

「魔導モーターだよ。魔力を流すと回転する力が発生するんだ」
「ほう、またなんでこんなもんを作ったんだ?」
「蒸気機関は圧力が高くなるまで待たないと動かないでしょ? その待ち時間を短くしたいと思ってさ」
「そうか? 待つのも楽しいと思うけどな」
「でも、すぐ動かせるようになるのは便利でしょ?」
「それはそうかもな。で、どんなことを考えているんだ? ただそれだけじゃないんだろ?」
「さすがガンツさん、分かってるね~。今度はモーターの魔道具を小型化して、魔導工具を作りたいと思ってるんだ」
「魔導工具? なんだそりゃ?」
「今ってスパナ、レンチ、ヤスリ、ドライバーみたいな工具を使っているでしょ。これを全部魔導工具にできれば、作業が楽になると思わない?」
「なるほどな。人力でやっていたことが魔導モーターでできるってわけか」
「そう! あ、そうだ。手はじめに前に発明したキックボードを魔導にしてみない?」
「お、いいな」

 ということで早速さっそく、魔導モーターを小型化してキックボードに取りつけた。ガンツさんに試運転で工房の中で乗ってもらう。

「お、おお~いいぞ。これはなかなかいい。気に入った。明日から使わせてもらおう」
「そんなに? なら俺のにもつけよう」

 俺のキックボードにも取りつけ、工房から家への帰り道に乗ってみる。
 キックボードに足を乗せ、モーターと連動しているスロットルを回すとキックボードが走りだす。

「うぉ~楽チン楽チン!」

 流れていく風景の中で驚いた顔をしている人もいれば、「またやっているよ」ってあきれて見ている人もいる。
 こういう驚いたり呆れたりする人がいなくなるくらいに、俺の発明があるのが自然な風景になればいいな~。


 ◇◇◇


 翌日、工房に着いて自分の開発室に入ると、ガンツさんが魔導モーターに見入っていた。

「おはようございます。ガンツさん」
「おう、おはよう。ケインよ、改めて見ると凄いな、これは」
「ってか、ずいぶん熱心に見てるよね? 何か気になる?」
「何か分からんが、こうグッとかれるものがあってな。このモーターに連動して回っているギアを見ているだけでもなぜか楽しい気分になる」
「ガンツさんもなの? 俺もだよ。なんだか楽しいよね」
「だな」

 しばらく二人で魔導モーターが回るのをボーっと見ていたが、ふと我に返って今後の予定を話し合う。
 そして昨日言っていた魔導工具を作っていくことにした。
 そこで気付いたんだけど、魔導モーターには、電動モーターでは電気の流れを逆にするだけで簡単にできる逆回転の仕組みがない。
 さて、どうやって作ろうか。
 ところで魔法陣について、最近気付いたことがある。
 俺は今まではガンツさんにもらった本を読んだり、図書室で調べたりしながら魔法陣を勉強してきた。
 で、「熱を出す」とか「風を出す」とか、いろいろな魔法陣の働きを組み合わせて魔道具を作ってたんだ。
 でも磁力の魔法陣を作ったのをきっかけに、俺が「~がしたい」って考えたことは、自己流の図式にして魔法陣に描き込めばなんでも実現可能らしいと判明した。
 といっても、たぶんこれは誰でもできるわけじゃなく、俺の魔法の能力が人に比べて凄いせいでできてしまうっぽいけどね。
 今まで工夫してきたことはなんだったんだ⁉ って感じもするけど、まあコツコツ魔法陣の勉強を頑張ってきたおかげで自己流の図式が描けるようになったので、勉強は無駄じゃなかったかな。
 俺がよく分かってない仕組みまで実現されるのは謎でしかないけど……
 まぁ、前世で読んだラノベ風のファンタジー世界に転生してきたんだから、ファンタジーでなんでもありっていうことなんだろうな~と理解することにした。
 俺としては自由に楽しくモノ作りができればなんでもいいや。
 自己流魔法陣や「えぃっ」を駆使しつつも、試行錯誤して手作りしたいと思ったものはコツコツ作る感じでやっていこう。
 というわけで、モーターの逆回転についてしばらく考えをめぐらせる。
 そして、そういえば図書館で調べた魔法陣の中に、反転の魔法陣があったなと思い出す。
 まあ、自己流魔法陣で「~したい」を描き込めばできるかもしれないけど、せっかく調べたんだし、使ってみるか。
 反転の魔法陣を解析しながら、試作品の魔導モーターに反転の魔法陣を組み込んで動作を確認すると、右回りの正転せいてんだけでなく、左回りの逆転ぎゃくてんもできるようになった。
 ちなみにこの世界では、魔法陣を描いたりきざんだりしたものに魔力を流せば、その媒体ばいたいの素材がなんであれ、魔法陣の効果が発動するんだよね。
 しかしモーターを小型化するとなると、魔法陣を小さい面積に刻まなきゃいけないのが大変だな~。
 これ以上モーターを小型化するなら、拡大鏡かくだいきょうが欲しくなるな。

「ん? 待てよ。魔導リューターを作ればいいんじゃないか?」

 リューターっていうのは、金属や木材に細かい加工をしたり、装飾をつけたりする時に使う工具のこと。先端に取りつけるビットという部品を交換することで、いろいろな加工が可能になるんだ。
 よし、一つ目の魔導工具は魔導リューターにしよう。
 ふふんふ~んと鼻歌まじりに完成させる。
 本体ができたなら、次はビット部分だな。
 まずはけずるのでいいか、と大きさが異なるヤスリ状のビットを作り出す。

「お、何ができたんだ?」

 ガンツさんが俺の手元をのぞき込んで聞いてくる。

「これは魔導リューターだよ。この先のビットをつけ替えて使うんだ」

 俺は細いヤスリのビットをつけて、金属板の表面に文字を書いてみせる。

「ほう、そういう使い方をするのか」
「うん。ガラスとか金属板の表面を削って文字を書いたりすることができるんだ。今後、小さな魔法陣を刻むのに便利かな~と思ってさ」
「ほう、それもそうだな。なるほど、確かにこれは便利だな」
「でしょ? じゃあどんどん作っていくね」

 ガンツさんが部屋を出た後、リューターを使って工具用の小型モーターの魔道具をたくさん作る。

「これくらいでいいかな?」

 しばらくすると、目の前には結構な量の魔導モーターが転がっていた。
 それらを利用して、魔導ドリル、魔導ドライバー、そしてそれぞれのつけ替え用ビットを数種類ずつ作る。

「ひとまずこんなものかな? あとは追加で魔導丸ノコと魔導糸ノコも作ろ~」

 そしてその二つも作り終え、並べて眺めて満足感にひたった。
 ちなみに丸ノコは木材もくざいを直線的に切断する時に、糸ノコは曲線状の細工をする時に使う工具のことね。
 その時、前世にあったある玩具おもちゃのことが頭に浮かんだ。
 今なら、作れそうな気がする。
 前世では作りたかったけど、値段が高かったり場所が必要だったりでできなかったもんな~。でも今なら魔法とかで自作できるし、場所もある。できない理由がない!

「よし、作ってみよう!」

 ということで、ミニチュアの線路をつなげて玩具の電車を走らせ、人によってはその周囲にジオラマを作ったりして楽しむという某鉄道玩具てつどうがんぐを再現してみることにする。
 プラスチックはないから、前に作ったスライムに石灰せっかいを混ぜたスライム液を硬質化させて、合成樹脂みたいにしてプラスチックの代わりにしようかな。
 というわけで、プラスチック代わりのスライム樹脂で、線路のレールと魔導モーターを使った動く電車の玩具を作る。
 前世の鉄道玩具をもじって「スラレール」とでも名付けよう。

「ポチッとな」

 手に持った電車の魔導モーターのスイッチを入れると、車輪が回りだす。
 思わず顔がニヤつくのが分かり、はやる気持ちを抑えられない。

「よし、いけぇ!」

 楕円だえん形に組んだレールに電車を載せると、シャーと音を発しながら電車が走りだす。

「あ~いいなぁ、電車はいいよなぁ~」
「何がいいんだ? ん? また何か作っているな。なんだ、今度は玩具か?」

 気付いたらガンツさんがいて声を掛けてきた。

「ガンツさん、ノックぐらいしてよね」
「したぞ、何度もな。返事がないから勝手に開けさせてもらったんだ。なんだ、何が恥ずかしいんだ? そんなに顔を赤くして」
「べ、別に何もないよ」
「それで、『でんしゃ』ってのはなんだ? その玩具のことか?」
「こ、これは……その、そう! 『スラレール』っていう子供向けの玩具なんだ」
「ほう、『スラレール』か、楽しそうだな。『レール』っていうのはこの道路みたいな部品か? この繋ぎ目で互いに接続して、好きなようにレールを繋げられるんだな。ほぉほぉ、ふ~ん」

 なんだかんだいって、ガンツさんも興味津々だった。
 本当に俺達って、乗り物関連のものばっか作ってるな~。まあ男の子だからしょうがないよね。


 ◇◇◇


 その翌日、いつものように家から工房に来たら、ガンツさんがいなかった。

「いつもこの時間はこの辺で作業しているのにな。ま、いいか」

 独り言を言いながら自分の開発室に入ると、アルコールしゅうが鼻につく。

「うわっ! お酒くさっ! 何?」

 部屋に充満するお酒のにおいに違和感を覚えながら足を踏み入れると、何かを踏み、「痛っ」と声が出る。
 部屋の中をよく見ると、スラレールがギッシリと敷かれていて、中央には酒瓶さかびんを抱えたガンツさんが寝ていた。
 しかもスラレールの電車は一両しか作ってなかったはずなのに、今は五両編成のが三台ほど走行していて、シャーシャーと音が重なって聞こえる。

「これは、どういうこと? 起こして聞かないと分からないか。ガンツさ~ん!!」

 ガンツさんを呼びながら、り起こす。

「う~ん、お、ケインか。もう朝か」
「おはようガンツさん、それでこれはどういう状況なのかな?」
「いやな、お前が帰った後、これがな、走っているのを眺めているうちにな、楽しくなってな、せっかくレールがあるなら、どこまで繋げられるか気になってな、あるだけ繋いだら、こうなった。でな、走らせているうちにな、ちょっと楽しくなって酒を飲み始めてな、でな、よく見たら、このスラレールの後ろに連結箇所が見えたからな、電車も接続できるなと思ってな、動力部を抜いたものを作ってな、後ろに繋げてみたんだ。そしたら、これが動いているのを見ているだけなのに意外に楽しくてな。電車を増やしたら、もっと楽しくなるかなと思ってな、増やしたらこうなった」
「は~長々と。まぁ楽しくなる気持ちは分からなくもないけど、寝坊するまではやりすぎだよ。とにかく朝の支度を済ませてきて!」
「それもそうだな。ちょっと待ってろ」

 ガンツさんを見送り、スラレールや工具類をインベントリにまとめて収納する。

「よくこれだけ繋いだよな。しかし、実物を知らないのに想像だけで電車を作っちゃったよ。ガンツさんの技術力って本当に凄いな……」


 しばらくしてガンツさんが戻ってきた。

「悪かったな、ケイン。それで今日はどういう予定だ?」
「そうだね~、まずは魔導工具を工房で働いている他の職人さんに見せて、職人さん達が使えるようにしたいかな」
「そうだな。それはワシから、伝えておこう」
「お願いね」

 ガンツさんと一緒に工房の一階に行くと、ちょうとデューク様の執事しつじのセバス様が訪ねてきたところだった。
 俺はガンツさんに他の職人さんへの説明をお願いし、セバス様の対応をする。

「セバス様、こんなに早い時間にどうしました?」
「ケイン様、おはようございます。実はこの間提案していただいた遷都の件なのですが、話がうまくまとまらないので、もう一度関係者の前で説明をお願いできますでしょうか?」
「説明ですか。分かりました。では、お昼過ぎに行く感じでよろしいですか?」
「ありがとうございます。旦那だんな様にはそのようにお伝えしておきます。お昼にこちらにお迎えに参りますので、よろしくお願いします」
「分かりました」

 しばらくほったらかしになっていると思った遷都の話だけど、デューク様達サイドで話がごたついてたのか。
 まあ、大変な事業だもんね。
 それはさておき、お昼まで時間があるので、俺は別の発明を考え始めた。
 モーターが作れたことでいろいろとアイディアがいてきたんだよね。前世で使っていた家電を再現するまで、あと一歩と感じられるところまできた。
 とりあえず、今の段階で何が作れそうかを考えてみる。
 まずは洗濯機せんたくき乾燥機かんそうき掃除機そうじき扇風機せんぷうき換気扇かんきせん、ミキサー、スライサー、電子レンジあたりかな。
 思いついたものは、メモしておく。
 さて、何から作るのがいいかな~。使う頻度ひんどとか便利さとかを度外視して考えるなら、ミキサーが欲しいな。
 ミキサーがあれば果汁をしぼっただけのジュースじゃなくて、果肉入りミックスジュースも飲めるし、肉を挽肉ひきにく風にしてハンバーグ、パンをパン風にしてメンチカツやトンカツが作れるかも。
 よし、それならミキサーいってみるか。
 まずはミキサーの土台をスライム製プラスチックで作り、魔導モーターを内部に設置して、モーターの回転軸の先端部分だけを出す。
 次に半透明なスライム製プラスチックで作ったカップ部分を作り、モーターの回転軸と接続できるカッターをつける。
 こんなもんかなと思ったあと、試しにカップをひっくり返すようにしてモーターと接続し、上から押し込むとギュイーンとカッターが回った。

「おお~! これでハンバーグが食べられるようになる~」

 ハンバーグのことを思い出していると、思わずよだれあふれてくる。

「おうケイン、工具の説明をしてきたぞ……ってなんだそれは! 口元の涎をかんか。昼寝でもしてたか?」
「昼寝じゃないよ、ちょっと食べたいもののことを考えていただけなんだ」
「そうなのか? ケインが涎を垂らすほどのものか。美味うまそうな感じだな。できたらごちそうしてくれ」
「分かったよ。任せて! あ、ところでまた遷都の説明をしにお屋敷に行くことになったよ」

 なんて話していたらタイミングよく工房の内線電話が鳴り、職人さんからセバス様が迎えに来ていると告げられた。


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