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◆視察団を結成しました
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リーサさん達に頼んで、里長と里の代表格の人達十名ほどをドワーフタウンに招待することにした。
「ケイン、集めたわよ」
「ありがとう、リーサさん」
リーサさん達に集めてもらった人達を残し、他の人達には一旦、解散してもらい後日改めて話をすることにした。
そして、残ってもらった人達に向かって話す。
「残ってらった人達には、これからドワーフタウンを視察してもらいます。一日では終わらないと思いますので、視察の間は独身寮に泊まってもらいます。二、三日分の着替えを用意して、また集まってもらえますか?」
「泊まるのか?」
「そうです。泊まってもらった方がより分かってもらえると思いますので。泊まるのがイヤと言う人にはブレスレットをお渡しするので、転移ゲートを使ってもらいます」
「転移ゲートって、あの小屋か?」
「そうです」
「ケイン。どうせなら、今から実際に使ってもらえばよかろう」
「それもいいか。じゃ、皆さんこれを」
視察団の人と里長にブレスレットを渡し、魔力を登録してもらうと、転移ゲート小屋に連れて行き、皆のブレスレットを鍵として登録してもらう。
「これで、好きなときにドワーフタウンと行き来出来る様になりました。では、実際に使って見ましょう。さあ、どうぞ」
ケインが視察団の人達に転移ゲートを使うように勧めるが、誰一人として動かない。
「何? 誰も使わないの? ケイン君、私にもそのブレスレットをもらえるかしら?」
「あ、そうでした。まだ渡してませんでしたね。はい、どうぞ」
「ありがと」
リディアさんが俺から受け取ったブレスレットに魔力を通したので、転移ゲート小屋の鍵も登録してもらい、転移ゲートを使えるようにする。
「これで、私も通れるのね。じゃ、行ってくるわ。あなた達もよく見てなさい!」
リディアさんが視察団の人達に焚き付けるように言うと、転移ゲートの扉を開き潜っていく。
「ごめん、リーサさん。リディアさんに着いていてもらえる。マサオもお願い」
「そうだな。まだ一人にするのは心配だな」
『任せとけ!』
リディアさんの後を追うようにリーサさんとマサオが転移ゲートの扉を潜っていくのを見送る。
「ふふふ、リディアもリーサも潜って行ったぞ。お前達はどうするんだ? 多分だが、こんなことで腰が引けていると、向こうに行ってもまともに動けないと思うぞ」
「「「……」」」
「じゃ、ワシは行くな。ふふふ、この年でも驚くことがあるとはな。楽しみだ!」
里長がワクワクしながら転移ゲートの扉を開き潜って行く。
「どうする?」
「どうするって、里長も行ったんだぞ」
「別に怖がる必要はないんじゃないのか?」
視察団として集まってもらった人達はそれほど若いという感じではなく、見た目二十代後半から五十代手前といった感じの人達だ。そんなおじさん達が転移ゲートの前で順番を譲り合っている。
「あの、行かないんですか?」
「いや、行きたいんだけど……その……」
「もしかして、怖いんですか?」
「な、何を言ってるのかな~君は」
「そ、そうだぞ。お、俺達が怖がるなんて、なあ?」
「あ、ああ。そうだ。こ、こんな、て、転移ゲート……くらいなんてことないんだからな。おう、行ってやるさ! 行くともさ!」
一番見た目が若い男性が勢いよく転移ゲートの扉を開くと、その中に飛び込むように駆け込む。すると、他の人達も覚悟を決めたように互いに顔を見合わせるとコクリと頷き合い我先にと転移ゲートの扉の中へと入っていく。
「やっと、行ったか。いい年こいた男が情けないやら」
「いや、ガンツさんだって……」
「昔のことは忘れた」
「随分、都合のいいことで」
「それより、ワシらも行くぞ」
「そだね」
「ケイン、集めたわよ」
「ありがとう、リーサさん」
リーサさん達に集めてもらった人達を残し、他の人達には一旦、解散してもらい後日改めて話をすることにした。
そして、残ってもらった人達に向かって話す。
「残ってらった人達には、これからドワーフタウンを視察してもらいます。一日では終わらないと思いますので、視察の間は独身寮に泊まってもらいます。二、三日分の着替えを用意して、また集まってもらえますか?」
「泊まるのか?」
「そうです。泊まってもらった方がより分かってもらえると思いますので。泊まるのがイヤと言う人にはブレスレットをお渡しするので、転移ゲートを使ってもらいます」
「転移ゲートって、あの小屋か?」
「そうです」
「ケイン。どうせなら、今から実際に使ってもらえばよかろう」
「それもいいか。じゃ、皆さんこれを」
視察団の人と里長にブレスレットを渡し、魔力を登録してもらうと、転移ゲート小屋に連れて行き、皆のブレスレットを鍵として登録してもらう。
「これで、好きなときにドワーフタウンと行き来出来る様になりました。では、実際に使って見ましょう。さあ、どうぞ」
ケインが視察団の人達に転移ゲートを使うように勧めるが、誰一人として動かない。
「何? 誰も使わないの? ケイン君、私にもそのブレスレットをもらえるかしら?」
「あ、そうでした。まだ渡してませんでしたね。はい、どうぞ」
「ありがと」
リディアさんが俺から受け取ったブレスレットに魔力を通したので、転移ゲート小屋の鍵も登録してもらい、転移ゲートを使えるようにする。
「これで、私も通れるのね。じゃ、行ってくるわ。あなた達もよく見てなさい!」
リディアさんが視察団の人達に焚き付けるように言うと、転移ゲートの扉を開き潜っていく。
「ごめん、リーサさん。リディアさんに着いていてもらえる。マサオもお願い」
「そうだな。まだ一人にするのは心配だな」
『任せとけ!』
リディアさんの後を追うようにリーサさんとマサオが転移ゲートの扉を潜っていくのを見送る。
「ふふふ、リディアもリーサも潜って行ったぞ。お前達はどうするんだ? 多分だが、こんなことで腰が引けていると、向こうに行ってもまともに動けないと思うぞ」
「「「……」」」
「じゃ、ワシは行くな。ふふふ、この年でも驚くことがあるとはな。楽しみだ!」
里長がワクワクしながら転移ゲートの扉を開き潜って行く。
「どうする?」
「どうするって、里長も行ったんだぞ」
「別に怖がる必要はないんじゃないのか?」
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「あの、行かないんですか?」
「いや、行きたいんだけど……その……」
「もしかして、怖いんですか?」
「な、何を言ってるのかな~君は」
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「あ、ああ。そうだ。こ、こんな、て、転移ゲート……くらいなんてことないんだからな。おう、行ってやるさ! 行くともさ!」
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「いや、ガンツさんだって……」
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「それより、ワシらも行くぞ」
「そだね」
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