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◆忘れてました
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「でも、どうしましょ。これだけの子達を一度にお散歩は大変よね」
アンジェさんが、俺をチラッと見る。
ガンツさんも嘆息し、コクリと頷き、俺に向かって手を合わせる。
「分かりました」
犬舎の横に転移ゲート用の小屋を作り、その作ったばかりの小屋の中に転移ゲートの扉を用意する。
「ガンツさん、アンジェさん、ご自宅に転移ゲートの扉を取り付けたいので、一緒にいいですか?」
「ああ、アンジェ。いいか?」
「いいわよ」
ガンツさんの自宅前に転移ゲートを繋ぎ、自宅の中へと案内してもらう。
「おじゃまします。じゃ、どこに設置しましょうか?」
「そうね、あまり邪魔にならない。ここかな?」
「ガンツさんも、ここでいい?」
「ああ、そこなら邪魔にはならん」
「分かったよ」
転移ゲートの扉を取り付け、アンジェさんとガンツさんのブレスレットを登録すると、アンジェさんに転移ゲートの扉を使ってもらう。
転移ゲートを潜ると、そこは犬舎の横に作ったガンツさん達専用の転移ゲートの小屋の中だった。
「ちょっと、暗いわね」
「あ! そうだった。ちょっと待ってください」
そう言って、他の転移ゲートの小屋と同じように人感センサー付きの灯りを取り付ける。
「あら、明るくなったわ。ありがとう、ケイン君」
アンジェさんが、転移ゲートの小屋の扉を開けると、外に出る。
『ばーちゃん、どこに行ってたの?』
『そうだぞ、もう少しでマサオのアニキと一緒に探しに行くところだったんだぞ』
「あら、ごめんなさいね。でも、心配してくれたのね。ありがとう」
『ふん、別にばーちゃんを心配した訳じゃないんだぞ……』
アンジェさんにそっぽを向いた瞬間にアンジェさんに後ろから抱き抱えられる。
「あなたは、あまり素直じゃないようね。名前はあるのかしら?」
『……』
「あら、急に大人しくなっちゃったわね? どうしたの?」
『ばーちゃん、僕達はほとんどが名前はないんだ。大きい他の犬は互いに名前を付け合って呼んでいるんだけど……』
「あら、それならあなた達も名前は考えたんじゃないの?」
『考えた。考えたけど、大きいのは誰も呼んでくれないし。僕達のことは『チビで十分だ』って言って……』
「そう」
アンジェさんはそういうと、ジョン達をジッと見る。
「この子達の言っていることは本当かしら?」
『……』
「ジョンだったかしら? 私は聞いてるんですけど?」
『……本当です』
「そう。それで私はこの子達に名前を着けたいんだけど、構わないかしら?」
『はい』
「ありがとう。ほら、あなた達も帰るわよ。着いて来て』
『帰る?』
『どこに?』
『戻って来られるの?』
「私達の家へ帰るの。今日からあなた達は私と一緒よ。それとここへは好きな時に戻って来られるわよ」
『分かった』
『ばーちゃんと一緒?』
「そうよ、じゃいきましょ。ガンツはまだ仕事が残っているんでしょ?」
アンジェさんと一緒に帰ろうとしていたガンツさんが、アンジェさんの手で差し戻される。
「……」
「じゃ、お仕事頑張ってね。ほら、あなた達はさっさと入って。そう、いい子達ね」
バタンと扉が閉められ、ガンツさんが呆然としている。
「ガンツさん?」
「ケイン……薬が効き過ぎたみたいだぞ。どうしてくれる?」
「それを俺に言うの?」
「むぅ……それもそうか」
「でも、心配しなくてもすぐに頼ってくると思うけどね」
「どうして、そう思うんだ?」
「だって、あの子達に名前を着けるんだよ。絶対に後の方になれば悩むでしょ」
「そうか。そこでワシが手を貸すと言う訳だな」
「そう」
「そうか、アンジェがワシを頼ってくるか」
どこか、機嫌が良さそうなガンツさんに一言。
「アルガンさんから連絡は?」
「アルガン? あいつがなにかしたか?」
「やっぱり、忘れてる」
「忘れてる?」
「はぁ……樽を頼んでいたでしょ?」
「樽? 樽? あ! 樽か!」
「そう、忘れてたでしょ。まあ、俺もだけどさ」
そんなわけで、アズマ村で修行中のアルガンさんの元へと向かう。
「ダインさ~ん、こんにちは~」
木工職人のダインさんに声を掛けると、奥からダインさんとアルガンさんが出て来る。
「やっと、来たか。ケイン」
「ごめんなさい」
「まあ、いい。樽はそこに出来てるから、持っていけ」
「うん、分かりました。ガンツさん、値段は聞いといてね」
「な、お前……ダイン、いくらになる?」
「そうだな……」
ガンツさんが支払いを済ませている内にと樽をインベントリにどんどん収納していく。
「なあ、ケイン」
「なに? アルガンさん」
「その、聞きにくいんだが……その、なんだ、親父と……」
「アンジェさんのこと?」
「あ、ああ、そうだ。俺とイーガン兄さんが一度に家を出たから母さんがどうしているのか気になってさ」
「あ~そういうこと。なら、直接聞けばいいじゃない」
「それが出来ないから聞いてるんだろ。分かってくれよ」
「面倒だな~でも、アンジェさんなら、もうアルガンさん達のことはどうでもいいみたいよ。特に今はね」
「なんでだ? それはそれで気になるぞ」
「ん~それは自分で確かめたら、いいんじゃないかな。ガンツさん、終わった?」
「おう、終わったぞ。支払いも次の注文も済ませた」
「分かった。じゃ、帰ろうか。アルガンさん、またね」
「あ、ケイン……」
まだ、なにか言いたそうなアルガンさんをその場に残して、ドワーフタウンの蒸溜所へと向かう。
アンジェさんが、俺をチラッと見る。
ガンツさんも嘆息し、コクリと頷き、俺に向かって手を合わせる。
「分かりました」
犬舎の横に転移ゲート用の小屋を作り、その作ったばかりの小屋の中に転移ゲートの扉を用意する。
「ガンツさん、アンジェさん、ご自宅に転移ゲートの扉を取り付けたいので、一緒にいいですか?」
「ああ、アンジェ。いいか?」
「いいわよ」
ガンツさんの自宅前に転移ゲートを繋ぎ、自宅の中へと案内してもらう。
「おじゃまします。じゃ、どこに設置しましょうか?」
「そうね、あまり邪魔にならない。ここかな?」
「ガンツさんも、ここでいい?」
「ああ、そこなら邪魔にはならん」
「分かったよ」
転移ゲートの扉を取り付け、アンジェさんとガンツさんのブレスレットを登録すると、アンジェさんに転移ゲートの扉を使ってもらう。
転移ゲートを潜ると、そこは犬舎の横に作ったガンツさん達専用の転移ゲートの小屋の中だった。
「ちょっと、暗いわね」
「あ! そうだった。ちょっと待ってください」
そう言って、他の転移ゲートの小屋と同じように人感センサー付きの灯りを取り付ける。
「あら、明るくなったわ。ありがとう、ケイン君」
アンジェさんが、転移ゲートの小屋の扉を開けると、外に出る。
『ばーちゃん、どこに行ってたの?』
『そうだぞ、もう少しでマサオのアニキと一緒に探しに行くところだったんだぞ』
「あら、ごめんなさいね。でも、心配してくれたのね。ありがとう」
『ふん、別にばーちゃんを心配した訳じゃないんだぞ……』
アンジェさんにそっぽを向いた瞬間にアンジェさんに後ろから抱き抱えられる。
「あなたは、あまり素直じゃないようね。名前はあるのかしら?」
『……』
「あら、急に大人しくなっちゃったわね? どうしたの?」
『ばーちゃん、僕達はほとんどが名前はないんだ。大きい他の犬は互いに名前を付け合って呼んでいるんだけど……』
「あら、それならあなた達も名前は考えたんじゃないの?」
『考えた。考えたけど、大きいのは誰も呼んでくれないし。僕達のことは『チビで十分だ』って言って……』
「そう」
アンジェさんはそういうと、ジョン達をジッと見る。
「この子達の言っていることは本当かしら?」
『……』
「ジョンだったかしら? 私は聞いてるんですけど?」
『……本当です』
「そう。それで私はこの子達に名前を着けたいんだけど、構わないかしら?」
『はい』
「ありがとう。ほら、あなた達も帰るわよ。着いて来て』
『帰る?』
『どこに?』
『戻って来られるの?』
「私達の家へ帰るの。今日からあなた達は私と一緒よ。それとここへは好きな時に戻って来られるわよ」
『分かった』
『ばーちゃんと一緒?』
「そうよ、じゃいきましょ。ガンツはまだ仕事が残っているんでしょ?」
アンジェさんと一緒に帰ろうとしていたガンツさんが、アンジェさんの手で差し戻される。
「……」
「じゃ、お仕事頑張ってね。ほら、あなた達はさっさと入って。そう、いい子達ね」
バタンと扉が閉められ、ガンツさんが呆然としている。
「ガンツさん?」
「ケイン……薬が効き過ぎたみたいだぞ。どうしてくれる?」
「それを俺に言うの?」
「むぅ……それもそうか」
「でも、心配しなくてもすぐに頼ってくると思うけどね」
「どうして、そう思うんだ?」
「だって、あの子達に名前を着けるんだよ。絶対に後の方になれば悩むでしょ」
「そうか。そこでワシが手を貸すと言う訳だな」
「そう」
「そうか、アンジェがワシを頼ってくるか」
どこか、機嫌が良さそうなガンツさんに一言。
「アルガンさんから連絡は?」
「アルガン? あいつがなにかしたか?」
「やっぱり、忘れてる」
「忘れてる?」
「はぁ……樽を頼んでいたでしょ?」
「樽? 樽? あ! 樽か!」
「そう、忘れてたでしょ。まあ、俺もだけどさ」
そんなわけで、アズマ村で修行中のアルガンさんの元へと向かう。
「ダインさ~ん、こんにちは~」
木工職人のダインさんに声を掛けると、奥からダインさんとアルガンさんが出て来る。
「やっと、来たか。ケイン」
「ごめんなさい」
「まあ、いい。樽はそこに出来てるから、持っていけ」
「うん、分かりました。ガンツさん、値段は聞いといてね」
「な、お前……ダイン、いくらになる?」
「そうだな……」
ガンツさんが支払いを済ませている内にと樽をインベントリにどんどん収納していく。
「なあ、ケイン」
「なに? アルガンさん」
「その、聞きにくいんだが……その、なんだ、親父と……」
「アンジェさんのこと?」
「あ、ああ、そうだ。俺とイーガン兄さんが一度に家を出たから母さんがどうしているのか気になってさ」
「あ~そういうこと。なら、直接聞けばいいじゃない」
「それが出来ないから聞いてるんだろ。分かってくれよ」
「面倒だな~でも、アンジェさんなら、もうアルガンさん達のことはどうでもいいみたいよ。特に今はね」
「なんでだ? それはそれで気になるぞ」
「ん~それは自分で確かめたら、いいんじゃないかな。ガンツさん、終わった?」
「おう、終わったぞ。支払いも次の注文も済ませた」
「分かった。じゃ、帰ろうか。アルガンさん、またね」
「あ、ケイン……」
まだ、なにか言いたそうなアルガンさんをその場に残して、ドワーフタウンの蒸溜所へと向かう。
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