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◆進みませんでした

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リーサさんとトロッコに乗り駅を追加し、線路を敷設して環状線となった。
「よし、これで完成。と、まだ終わるには時間があるね。」
「何だ、まだ何かするのか。」
「そうだね、せっかくボートを作ったんだから、サイカ村に挨拶しておこうかと思ってさ。ついでに新鮮なお魚を買えたらいいなと思ってね。」
「ふむ、それはいいな。」
「じゃ、ちょっと港に出てから、サイカ村に行こうか。あ、ガンツさんに言っとかないとまた拗ねるね。」
「そうだな、まったく面倒臭いジジイだな。」
「あはは、それ本人の前で言っちゃダメだからね。」
「ああ、分かってはいるが、出そうにはなるな。」
「まあ、それでいいよ。じゃ、繋ぐね。」

蒸溜所の前に繋ぎガンツさんを探す。
「あ、いた。ガンツさん、今からサイカ村に行くけど、行く?」
「ああ、そうじゃな久々に行ってみるか。」

それじゃと河口側へ移動しボートを出して乗りこむ。
「じゃ行くね。」
スロットルをゆっくり回し、河の向こうを目指す。

サイカ村に到着したが、波止場はないので砂浜に降りてボートを流されないように浜に引き上げる。
「リーサさん、アンジェさんそこからなら、足は濡れないので舳先から飛び降りてね。」
「分かった。」
「ここからですか?チラッ」
「ったく、ほら!」と手を伸ばすガンツさん、こう言う時は阿吽の呼吸だね。
「しまった!その手があったか。」
「リーサさん、ボートに戻ろうとしないで!」
「…でも、せっかくなのに。」
「普段、気付けば繋いでいると言うのにまだ欲しがりますか?」
「…う、や、やめてくれ。その目は可哀想な目で見るのだけはダメだ。分かった、分かったから。」
「はあ、いいから早くこっちに来る!」
「すまない。」

以前にサイカ村を訪ねた際にお世話になった家を何とか思い出しドアをノックすると、見覚えのあるおじさんが出て来た。
「お久しぶりです。覚えていますか?」
「お、あんたらは確か、ちょっと前にウチで飯を食わせた奴らだな。」
「そうです。名乗りもせずにすみません。俺はケインといいます。こちらはリーサさん…」
こちら側の紹介を済ませ、男の名を尋ねると「村長のティーダだ。」と告げられた。
「村長さんなら、ちょうどいい。あ、すみません。色々と話をしたくてですね。」
「話?そっちのジジイじゃなく小僧がか?」
「また、ジジイ言われた。まあいいが、話はそこのケインがするからよく聞いてくれ。」
「ほう、見た目通りの小僧じゃなさそうだな、ケインと言ったな。いいぜ聞いてやるから話してみな。」
「では、ここで採れた魚をドワーフタウンに卸しませんか?」
「ぷっははは、卸せって言ったか。卸すのはいいが分からんことがいっぱいだ。まずドワーフタウンって何だ?どこにある?」
「俺達が河の向こうを開拓するって話はしたと思いますが?」
「ああ、そんな話があったな。で、まさかもう街が出来たって言うのか?」
「橋が架かっているのがここからでも見えると思いますが、どうでしょう。」
「確かに知らない内に橋が架かっていたな。確かあんたらが来た日…まさかな、だよな?」
「そのまさかが目の前の小僧じゃ。ぷっ」
「もうガンツさん、話をややこしくしないで。で、今は結構な人がその街に住んでいるので、卸してもらえれば捌けると考えています。」
「まあ、そうだな。その辺は問題なさそうだな。だが、どうやって届ける?河を遡って行くのだって労力も時間も掛かるし、今の時期じゃ水槽にでも生きたまま入れて運ばない限りは腐っちまうぞ。」
「じゃ、見てもらった方が早いですね。浜まで一緒に行ってもらえますか。」
「ここじゃ分からないってんだな。分かった、行こう。」

家を出て、俺達が乗ってきたボートの前に行きガンツさんとティーダさんを乗せる。
「なあ、これって金属だよな?ちゃんと浮くのか、大丈夫なんだろうな。」
「ワシも乗るまではそう思っていたんじゃ。さて出すぞ。」
舳先が砂浜を離れ完全に浮いたところで船外機を起動しスロットルを開き舳先を河口に向ける。
「ガンツさん、ついでに橋の袂まで行って、時間を測っといて。」
「おう、分かった。じゃ村長よ、付き合ってもらうぞ。」
「あ、ああ。」


「行っちゃったね、じゃ村長の奥さんでいいのかな?お話をしても大丈夫ですか。」
「すみません、私ではなく主人と一緒に漁をしている人を呼んで来るので、その人としてもらえますか?」
「ええ、わかりました。ここで待っています。」
「すぐに呼んで来ますね。」

村長の奥さんが呼びに行ったので、待つ間に簡単なテーブルと椅子を作り座って待つ。
するとしばらくして村長の奥さんが戻って来た。
「お待たせしました。ってあれ?こんなところにテーブルって、あれ?」
「おい、ベッキー話があるってのはその人達か?」
「え、ええそう、そうなのよ。魚を卸して欲しいって、うちの人に言って来たの。それでうちの人は変な船に乗せられてどっか行っちゃった。」
「ちょ、ちょっと待って!いろいろ端折りすぎだって…「お前らティーダをどこにやった!」ほら~」
「すまんがケインを離してもらえないだろうか。」
「はん、その前にティーダを返せよ。それまでは預かる。」
「奥方よ、ちゃんと説明してやってもらえないだろうか。貴方も全部見ていたのだろう。」
「…はっ、そ、そうよアルフ何やってんの!その子を返しなさい!」
「えっ?だってティーダをどこか連れて行ったって…お前が言ったんだぞ?大丈夫か。」
「あ、ああそうだ、私が勘違いさせるような言い方だったわね、いいから私の説明が悪かっただけだから、離してあげて。ティーダは案内されて船に乗っただけだから。」
「本当なんだな。」
「くどいぞ、私らを見ろ。老人と女と子供だぞ、何を怖がる。(最も一番厄介なのを懐に入れているがな)」
「そう言われればそうだな。悪かったな、坊主。」
「いえ、突然で驚きはしましたが、怪我もないですしいいですよ。ただ説明はちゃんとお願いしますね。いいですか?」
「は、はいぃすみませんでしたぁ」
「もう、いいですから、座ってください。」

「で、俺に聞きたいことってのは、何だ?」
「今、ティーダさんには魚の輸送で河を遡って行くのを体験してもらっています。それでその間にここで取れる魚の種類と漁獲量について確認したいと思い奥さんに頼みました。」
「そう言うことか、分かった。輸送方法については問題ないと思っていいんだな。で、ここで取れる魚介類の種類と量だな。確かそれは帳簿に付けている筈だから、ティーダが戻ってくれば分かる。だが、それでも他に卸せるほどはないと思うぞ。」
「では…ああ、もう面倒だから、普段の口調で話させてもらうね。いい?」
「おう、いいぞ。」
「じゃ、漁の方法は?一本釣り?投網?地引網?囲い込み?」
「ここは投網が多いかな。だが遠浅でな、それほど魚の種類も多くはない。」
「なら、地引網や底引網は?」
「何だ?何のことを言っているのかさっぱりだ。」
「は~やっぱり漁の方法が問題なんだ。」
「ケイン、私達にも分かるように話してくれないか。」
「そうだね、なるべく一度に話したいから、ガンツさんを待ってもいい?その間は…「お~い、戻ったぞ。」ナイスタイミング!」
「おうケイン、好感触だったぞ。帰りにやらせてみたが上手かったぞ。」
「ごめん、ガンツさんが出てから気付いたんだけど、何も橋まで行く必要はなかった。そこの港に保冷施設作ればいいってことに気付いたんだ。」
「…あ、それな。ワシも出てから何で橋まで行くのかの?とは思ったがつい面白くなってな。だからそれはいい。で、話は進んだのか?」
「それが…」とティーダさんがほとんどを抑えているので話が進まなかったことを説明する。
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