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第七章 王都にて
第13話 年長者だから
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「あ~なんで言っちゃうかなぁ~」
「ソルト、どういうことなの? ブランカと一緒に何をしたの?」
「ソルト、私達には色々言っておきながら、勇者ってどういうこと?」
「「「ソルト(さん)!」」」
「あ~もうちゃんと説明するから……」
『なんだか、大変なことになりましたね』
「なりましたねって……ほぼほぼルーのせいだよね」
『そうですか?』
「ふぅ~まあ、いいけど……」
ソルトは部屋に集まった皆が座ったのを確認すると「コホン」と軽く咳払いをしてから、さっきまでの出来事を話す。
「あ~それで勇者って言われたんだ」
「でもさ、それって自業自得じゃないの?」
「そうですね。ソルトさん、ちょっと迂闊でしたね」
「面目ない……でもさ、あの時はちょっと英雄っぽく龍に乗って登場した方が、受け入れられやすいと思ったんだよね」
「それは分かるけど」
「大丈夫なの?」
「大丈夫って?」
「はぁ、だからね……」
エリスがソルトに大丈夫なのかと確認するが、ソルトにはエリスが何に対して不安に思っているのか分からず思わず聞き返すのに対し、エリスが嘆息しながらも説明する。
「あのね、ソルト達を召喚した連中は何を探しているのか分かってる?」
「え……確か、聖女だよね」
「それだけ?」
「ん? どゆこと?」
「だから、聖女も欲しいんだろうけど、一番の花形が必要でしょ」
「あ!」
「ふぅ~やっと分かったみたいね」
「……マズいね」
「そう、非常にマズいわよ。まさか、名前とか言ったりしてないわよね?」
「……」
「ソルト?」
「すまん!」
「え~まさか、名乗ったの?」
「正確には名乗った訳じゃないけど……」
「何? 何をしたの! ハッキリといいなさい!」
「ハイ! ギルドカードを見せました!」
「「「はぁ?」」」
「ゴメン!」
レイはソルトが何をしたのか、よく分かっていないようだが、エリスは頭を抱えてしまう。
「ソルトは大丈夫と思っていた自分を殴ってやりたいわ」
「ごめん」
「エリスさん、ソルトさんを今さら責めてもしょうがないと思います」
「リリス、分かってるわよ。分かっているんだけどね……もう!」
「エリス、落ち着いて。ね?」
「レイ、あんたこそ何を落ち着いているのよ。これはあなた達の問題でしょ!」
「うん、そうよね。ごめんなさい」
「あ~もう、調子が狂うわね。それで?」
「「「ん?」」」
ソルト達はエリスが今度は何を言いたいのかが分からずにその場にいる全員がキョトンとしてしまう。
「もう、だからね。ソルト達はこれからどうするつもりなのかってことよ」
「「「え?」」」
「あ~もう! 本当にしっかりしてよね。ソルトが勇者と呼ばれて、この街の冒険者だってバレたんでしょ。そうなると、この街にソルトをどうにかしようと来る連中が来るんじゃないかってことを心配しているのよ。分かる?」
「「「……」」」
何も反応がないソルト達にエリスの鼻息が荒くなる。
「ふん! 何、その反応のなさは? まさか、想像していなかったって言うの?」
「エリス、ごめん。確かにそういうことを想定すべきだった」
「もういいわよ。リリスが言うようにソルトだけを責めてもしょうがないことだしね」
「でも、これで教会とアイツらと両面になるのは想定外だったな」
「それと幸いと言えるのは、教会本部と今回の騒動を起こした場所が遠く離れていることよね」
確かにとソルト達がエリスの言葉に頷くが、それに対してリリスが問い掛ける。
「私達が出来ることって何があるんですか?」
「相手の出方が分からないことには何も出来ないわね」
「レイ、アイツらに確認出来ないか?」
「アイツら……って、アイツらのこと?」
「そうだよ。王国の連中に動きがあれば教えてくれるように頼んでくれ」
「そうね。でも、やってくれるかな」
「ダメ元で頼むよ」
「分かった。後で聞いてみる」
「助かる」
「で、その間私達はどうすればいいのかな?」
「とりあえず、領主が王都から出るまでの一週間はこの前のままでお願いね」
「「「分かった(わ)」」」
ソルトはこれで話は終わったと思ったのだが、今度はレイから質問される。
「ねえ、私達が王都で活動するのはいいんだけど、ソルトは何をするの?」
「俺? 俺はシーナと一緒に「シーナと!」……な、なんだよ!」
「シーナと何をするの?」
「レイ、何ってシーナとは遺跡巡りだな」
「遺跡?」
「おいおい、忘れたのかよ。地脈を暴走させないように隠された遺跡を見付けて正常に稼働させるのが目的だろ」
「そうですよ。レイさん、忘れたんですか?」
「ううん、忘れてはないけどさ……なんで、シーナが一緒なの?」
「なんでって、シーナは遺跡の管理者だぞ。いないと困るじゃないか。何を言ってんだ?」
「私は?」
「レイ、お前は王都ですることがあるだろ」
「でも……」
「はいはい、レイはちょっと落ち着こうね」
「エリス、エリスはいいの?」
「いいわよ。私も着いて行くから」
「「「は?」」」
エリスはレイに対し落ち着くように言い、自分はソルトに着いていくから問題ないと言うが、その言葉にソルト達がキョトンとなる。
「え? 何、その反応は?」
「いやいやいや、エリス。お前はレイと一緒にいてくれないとダメだろ」
「え、なんで?」
「なんでって、レイ一人じゃムリだろ」
「でも、リリスやショコラもいるんだから、大丈夫でしょ?」
「ハァ~全然、大丈夫じゃないよ」
「「「え?」」」
ソルトの言葉にエリスだけでなく、リリス達もどこか不満そうだ。
「あのな、王都でレイを自由にしていいことはないだろ。ちゃんとしたお目付役が必要だ」
「だから「ダメだ」……もう、なんでよ」
「あのな、言っちゃ悪いがリリス達に常識を求める方がどうかしているだろ」
「あ~」
「ソルトさん、それはどういう意味ですか!」
「「「そうだ、そうだ!」」」
ソルトの言葉にエリスは納得するが、リリス達は常識がないと言われては黙っていられないとばかりにソルトに食ってかかる。
「あのな、リリス達は人の世界で暮らし始めてから一年も経っていないだろ」
「「「……」」」
「その点、リリスはこの中で一番の年長者だ。一番的確だろ……うぐっ」
ソルトに年長者と言われたエリスが思わずソルトに肘鉄を食らわせるとソルトに注意する。
「ソルト! 歳の話はしないで!」
「すまん……」
「ソルト、どういうことなの? ブランカと一緒に何をしたの?」
「ソルト、私達には色々言っておきながら、勇者ってどういうこと?」
「「「ソルト(さん)!」」」
「あ~もうちゃんと説明するから……」
『なんだか、大変なことになりましたね』
「なりましたねって……ほぼほぼルーのせいだよね」
『そうですか?』
「ふぅ~まあ、いいけど……」
ソルトは部屋に集まった皆が座ったのを確認すると「コホン」と軽く咳払いをしてから、さっきまでの出来事を話す。
「あ~それで勇者って言われたんだ」
「でもさ、それって自業自得じゃないの?」
「そうですね。ソルトさん、ちょっと迂闊でしたね」
「面目ない……でもさ、あの時はちょっと英雄っぽく龍に乗って登場した方が、受け入れられやすいと思ったんだよね」
「それは分かるけど」
「大丈夫なの?」
「大丈夫って?」
「はぁ、だからね……」
エリスがソルトに大丈夫なのかと確認するが、ソルトにはエリスが何に対して不安に思っているのか分からず思わず聞き返すのに対し、エリスが嘆息しながらも説明する。
「あのね、ソルト達を召喚した連中は何を探しているのか分かってる?」
「え……確か、聖女だよね」
「それだけ?」
「ん? どゆこと?」
「だから、聖女も欲しいんだろうけど、一番の花形が必要でしょ」
「あ!」
「ふぅ~やっと分かったみたいね」
「……マズいね」
「そう、非常にマズいわよ。まさか、名前とか言ったりしてないわよね?」
「……」
「ソルト?」
「すまん!」
「え~まさか、名乗ったの?」
「正確には名乗った訳じゃないけど……」
「何? 何をしたの! ハッキリといいなさい!」
「ハイ! ギルドカードを見せました!」
「「「はぁ?」」」
「ゴメン!」
レイはソルトが何をしたのか、よく分かっていないようだが、エリスは頭を抱えてしまう。
「ソルトは大丈夫と思っていた自分を殴ってやりたいわ」
「ごめん」
「エリスさん、ソルトさんを今さら責めてもしょうがないと思います」
「リリス、分かってるわよ。分かっているんだけどね……もう!」
「エリス、落ち着いて。ね?」
「レイ、あんたこそ何を落ち着いているのよ。これはあなた達の問題でしょ!」
「うん、そうよね。ごめんなさい」
「あ~もう、調子が狂うわね。それで?」
「「「ん?」」」
ソルト達はエリスが今度は何を言いたいのかが分からずにその場にいる全員がキョトンとしてしまう。
「もう、だからね。ソルト達はこれからどうするつもりなのかってことよ」
「「「え?」」」
「あ~もう! 本当にしっかりしてよね。ソルトが勇者と呼ばれて、この街の冒険者だってバレたんでしょ。そうなると、この街にソルトをどうにかしようと来る連中が来るんじゃないかってことを心配しているのよ。分かる?」
「「「……」」」
何も反応がないソルト達にエリスの鼻息が荒くなる。
「ふん! 何、その反応のなさは? まさか、想像していなかったって言うの?」
「エリス、ごめん。確かにそういうことを想定すべきだった」
「もういいわよ。リリスが言うようにソルトだけを責めてもしょうがないことだしね」
「でも、これで教会とアイツらと両面になるのは想定外だったな」
「それと幸いと言えるのは、教会本部と今回の騒動を起こした場所が遠く離れていることよね」
確かにとソルト達がエリスの言葉に頷くが、それに対してリリスが問い掛ける。
「私達が出来ることって何があるんですか?」
「相手の出方が分からないことには何も出来ないわね」
「レイ、アイツらに確認出来ないか?」
「アイツら……って、アイツらのこと?」
「そうだよ。王国の連中に動きがあれば教えてくれるように頼んでくれ」
「そうね。でも、やってくれるかな」
「ダメ元で頼むよ」
「分かった。後で聞いてみる」
「助かる」
「で、その間私達はどうすればいいのかな?」
「とりあえず、領主が王都から出るまでの一週間はこの前のままでお願いね」
「「「分かった(わ)」」」
ソルトはこれで話は終わったと思ったのだが、今度はレイから質問される。
「ねえ、私達が王都で活動するのはいいんだけど、ソルトは何をするの?」
「俺? 俺はシーナと一緒に「シーナと!」……な、なんだよ!」
「シーナと何をするの?」
「レイ、何ってシーナとは遺跡巡りだな」
「遺跡?」
「おいおい、忘れたのかよ。地脈を暴走させないように隠された遺跡を見付けて正常に稼働させるのが目的だろ」
「そうですよ。レイさん、忘れたんですか?」
「ううん、忘れてはないけどさ……なんで、シーナが一緒なの?」
「なんでって、シーナは遺跡の管理者だぞ。いないと困るじゃないか。何を言ってんだ?」
「私は?」
「レイ、お前は王都ですることがあるだろ」
「でも……」
「はいはい、レイはちょっと落ち着こうね」
「エリス、エリスはいいの?」
「いいわよ。私も着いて行くから」
「「「は?」」」
エリスはレイに対し落ち着くように言い、自分はソルトに着いていくから問題ないと言うが、その言葉にソルト達がキョトンとなる。
「え? 何、その反応は?」
「いやいやいや、エリス。お前はレイと一緒にいてくれないとダメだろ」
「え、なんで?」
「なんでって、レイ一人じゃムリだろ」
「でも、リリスやショコラもいるんだから、大丈夫でしょ?」
「ハァ~全然、大丈夫じゃないよ」
「「「え?」」」
ソルトの言葉にエリスだけでなく、リリス達もどこか不満そうだ。
「あのな、王都でレイを自由にしていいことはないだろ。ちゃんとしたお目付役が必要だ」
「だから「ダメだ」……もう、なんでよ」
「あのな、言っちゃ悪いがリリス達に常識を求める方がどうかしているだろ」
「あ~」
「ソルトさん、それはどういう意味ですか!」
「「「そうだ、そうだ!」」」
ソルトの言葉にエリスは納得するが、リリス達は常識がないと言われては黙っていられないとばかりにソルトに食ってかかる。
「あのな、リリス達は人の世界で暮らし始めてから一年も経っていないだろ」
「「「……」」」
「その点、リリスはこの中で一番の年長者だ。一番的確だろ……うぐっ」
ソルトに年長者と言われたエリスが思わずソルトに肘鉄を食らわせるとソルトに注意する。
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「すまん……」
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