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第七章 王都にて

第6話 今後の話

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「で、どうだったんだ?」
「まあ、予測通りだね」
「そうか。で、どうするんだ?」
「どうするって何を?」
「いや、だからさ。そもそもお前がケンカ売った相手が逆恨みして領主に手を出してきた訳だろ。だからよ「え、ちょっと待ってよ!」……ん?」
「待ってよ。なんで俺が手を出したことになってんの?」
「ん? 違ったか?」
「いやいやいや、違うでしょ。そもそも領主……元領主か。元領主が教会に騙されて? 唆されて? あ~もうどっちでもいいけど、とにかく! 元領主とその息子が勝手にやって自爆したんでしょ。それを俺に言われても困るんだけど」
「あれ?」

 領主の屋敷を見張っていた連中を一掃した次の日、街から呼び戻したゴルドに昨夜のことを説明していたら、話がソルト主体になっていたのでゴルドにそれは違うんじゃないかと説明していたのだが、ゴルドはゴルドでどうも納得がいかないようだ。

「ねえ、そもそもの出発点が違うと思うんだけどさ」
「出発点ねぇ」
「よ~く思い出してよ。あの街を一掃しようと画策していたのは誰なのさ」
「……元領主だな」
「だよね。じゃ、それを唆していたのはどこの誰だった?」
「……教会だな」
「だよね。俺達は降りかかってきた火の粉を払ったに過ぎないのになんで俺のせいみたいになっているの? どちらかと言えばさ。街の衛士で、隊長のゴルドさんの職務じゃないの?」
「いやいやいや、それこそ俺は単なる衛士の隊長でしかないぞ」
「それを言ったら俺だって一介の冒険者に過ぎないよ」
「いやいやいや、普通の冒険者は教会の企みを潰すなんてことは出来ないぞ」
「でも、ゴルドさんはその冒険者のパーティの一員だって覚えてる?」
「あ!」
「分かった? だから、俺に背負わせるってことはゴルドさんもそれを背負うことになるんだからね」
「でもよぉ~」
「だからさ……」

 まだ納得出来ていないゴルドに対し、ソルトに任せるということは自分自身にも降りかかってくるということを説明するも、どうも納得してくれない。

 そんなゴルドにソルトは嘆息しながら説明する。

「だからね、そもそも教会が元領主に手を貸したのが原因なんだから、これから先のことは領主が考えることじゃないのかな」
「それは分かるんだが、あのまだ若いアラン様に全部を背負わせるのは、どうも気の毒に思えてな」
「まあ、分かるけどさ」
「なら「だから、それは俺達がすることじゃないから!」……ぐっ」

 ソルトが街のことを考えるのは自分達の責任の範疇ではないと説明するがゴルドには納得がいかない。

「もう、分からない人だな。そもそも領主になるってことは、そういう面倒なことも含めて街を運営していくもんでしょ。それを若いからってのを理由に俺達が横から手を出すことじゃないでしょ」
「でもなぁ……」
「だから、それが心配なら手伝えばいいだけの話じゃない。それなら何も悩まなくてもいいでしょ」
「まあ、手伝うだけならな」
「じゃ、この話はここまで。それで、ここにはいつまでいるの?」
「そうだな。アラン様の話ではなんだかんだと引き延ばされている感じがするらしいが、あと一週間もすれば手続きは終わるだろうと言っていたな」
「一週間か……」

 ゴルドからまだ一週間も掛かると言われソルトは考える。

「教会……はまだ早いか。いや、でも邪神アイツが産まれる前に動くのもアリっちゃぁアリなのか」
「ソルト、どうした?」
「いや、あのね。一週間待つだけってのもアレだから、どうせなら向こう教会に行って潰すってのもアリかなと思ってさ」
「本気か?」
「一応、本気だよ。だって、一番の元凶は向こう教会なんだから片付ければゴルドさんの悩みも解決するよ」
「いや、それはそうだが。あまりにも話が飛躍し過ぎてな」
「でも、いつかは行かないとダメなんだよ」
「そうだな……って、俺も入っているのか?」
「当たり前じゃない。同じパーティなんだから」
「……」

 とりあえず、放心気味のゴルドさんは横に置いて他のメンバーと一度話し合う必要があるなと言うことで、ここはもう安全だろうとゴルドさんと他の領主お抱えの衛士達に任せて俺はエンディの街に転移する。
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