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第五章 変わりゆく世界、変わらない世界

第17話 選抜メンバーの発表!

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「と、言う訳で王都に行くぞ」
「はい。行ってらっしゃい」
「お前も行くんだよ。ソルト」
「はい?」
ゴルドさんが屋敷に訪ねて来て開口一番に言ったのが、先のセリフだ。

「何を驚いている?」
「そりゃ、驚くでしょ。なんでいきなり王都に行くことになったんですか?」
「あ~そこをすっ飛ばしていたな。まあ、いいじゃないか。サクッと王都まで行こうか」
「はい。分かりました。……って、ならないですよ。ちゃんと、理由を説明して下さい」
「分かった、分かった。話すよ。いいか……」

ゴルドさんが、エリス達も含めたパーティーメンバーの前で話してくれた。

「要は次期領主の護衛で王都まで行くってこと?」
「まあ、端的にはそうだ。実際は、領主のああなった姿とか説明出来るのがいてくれたら心強いってのもあるがな」
「それで、ソルトはどうするの?」
エリスがもっともなことを聞いてくる。

「俺は受けようと思う」
「そう。それで、一緒に連れて行くのは誰?」
エリスのその一言で周りの空気が若干ピリッとする。

「まず、連れていけないのは……ノア、ガネーシャ、シルヴァ、ブランカ、リリス、ショコラ、カスミ、コスモは決定だな」
「「「はぁ?」」」

ゴルドに連れて行けないと言われた面々が不機嫌になる。
「まあ、待て。何も無意味に連れて行けないという訳じゃない。いいか、まずノアとガネーシャは感情的になるだろうからな。そういう意味ではシルヴァとブランカも一緒だ」
「ふ~ん、俺達も信用出来ないか」
「そうよね、結局はそういうことよね」

シルヴァとブランカがゴルドに詰め寄るが、ゴルドはそれを軽く手で受け流す。
「だから、そういうところだ。いいか? 王都で何かあったら、その責任は重大だぞ。で済まされないことの方が多いんだからな」
「でも、リリス達はどうなの?」
「私もそれを聞きたい!」
「僕はどうでもいいかな」
「私は行きたいけど?」
「俺もいいかな」

「ハァ~」
ゴルドは嘆息し、リリス達に対し説明する。
「いいか。リリス達は単純だ」
「「「は?」」」
「気分を害するかも知れないが、聞くか?」
「はい。聞きたいです」
「ああ、聞かせてくれ」
「じゃあ、言うな。その……なんだ……まあ、簡潔に言えば、キレイ過ぎるってことだな」
「「え?」」
「だから、リリス達は良くも悪くも目立つんだ。だから、今回は遠慮してくれ」
「それはソルトさんも同じですか?」
「ん? 俺はさっき初めて、ゴルドさんから聞いたけど? アイタッ」
「バカソルト!」
レイに脇腹を抓られたソルトは訳が分からない。

「じゃあ、私は着いて行ってもいいのか?」
サクラが嬉しそうにゴルドに聞くがゴルドの返事は否だった。

「何故だ?」
「何故って、それはリリス達と同じだ」
「ほう、同じか。聞いたか、ソルト。同じだってよ」
サクラが少しだけ嬉しそうにソルトに向かった言う。

「なら、誰が着いて行くんだ?」
カスミが不思議そうにゴルドに聞くと、ゴルドが「そうだな」と言って同行するメンバーを告げる。

「じゃあ、言うぞ。まずは俺にソルトだな。後はレイにエリス。以上だ」
「あの~私は?」
シーナが何故自分が呼ばれないのかとゴルドに問い掛ける。
「そりゃ、戦力にならないからだな」
「え? それだけ?」
「ん? ああ、それだけだ」
「えっと、つまりは『暴力的』でもなく『キレイ』でもなく『戦力不足』でダメだと……そういう訳ですか?」
「まあ、そういうことだな」
「でも、途中で遺跡があれば、私が必要になりますよ」
「その時にはソルトが転移でシーナを呼び出せばいいだけだ」
「あ……それもそうですね」

ゴルドの説明で皆が納得してくれたようなので、とりあえず王都行きのメンバーは決定した。

「まあ、何かあってもソルトの転移でメンバー変更は随時可能だろ。だから、そう気にするな」
「それもそうね。分かったわ。じゃあ、ソルトは何か面白いことがあったら、必ず呼んでよ」
「そうだな。大立ち回りがあったらいいな」
ブランカとシルヴァはそんなフラグが立ちそうなことを言う。

「先発メンバーは諦めます。それに王都での同行は諦めますが、ソルト様の転移でメンバーの入替が可能であるならば、途中はいいんですよね?」
「それなら、私も行きたいな」
「僕も!」
「俺もいいかな」
「ああ、分かった。道中の交代はちゃんと考えるから」
ゴルドはリリス達に根負けする形で話を引き取る。
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