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第三章 旅の始まり
第三十六話 既に確定した話になっているけど、違うから!
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「さあ、コータよ。好きにしてくれていいぞ。いや、待てよ。そうだなコータは寝室で待っててくれ」
「行かないから」
「あ、そうか。場所が分からないか。寝室はだな「だから、行かないから!」……チッ!」
「それより、カリナに話があるんじゃないの?」
「それもそうだな」
出迎えてくれたメイドに「こちらへ」と案内されたのはリビングで、俺はソファに座る。
アオイはカリナが逃げないようにと腕を掴んだままでいる。
エミリーはアオイが逃がさないように捕まえているカリナを一瞥するとハァ~と嘆息してから「聞かせてくれるよな」とカリナに対し凄んでみせる。
カリナがコクコクと頭を上下に激しく動かせば「なら、俺はいいな」とアオイはカリナを解放しエミリーの方へトンと押し出し、俺の横に腰掛ける。
エミリーはカリナを自分の横に座らせると「嘘はなしだからな」とカリナに言えば、カリナもそれに頷く。
なんとか全員がソファに座った頃にメイドがお茶とお菓子を載せたワゴンを押しながらリビングへと入ってくる。
しばらくはメイドがお茶を煎れる仕草を優雅だなぁとボ~ッと見ていたら、メイドのお姉さんと目が合い、ウィンクされキョドッてしまう。
そんな俺の様子にアオイが目を閉じたり開いたりしているが、放っておくことにして目の前に置かれたカップを手に取る。
「失礼します」とメイドが退室したところで、エミリーがカリナに対し「で、どうしてお前はコータと一緒にいるんだ?」と説明を求める。俺はそれを横で見ながら、聞くのはそこからなんだと思った。
「その前にいいか?」
「アオイ? 何か聞きたいことでもあるのか?」
「ああ、そもそもだが、エミリーとカリナの関係が分からないのだが?」
「……言わないとダメか?」
「そうだな。カリナはコータが雇った従業員とも言える。ならば、背後関係はキチンとしていた方がいいだろ。な、コータ」
「ブハッ! え、そうなの?」
「「「……」」」
俺以外の三人の視線が俺に集中する。俺にどんな答えを期待しているのか分からないが、アオイの言うことも尤もだと「そうだね」とだけ答える。
「コータは大きいのが好きだと言っていただろ! なら、なんでカリナはよくて私はダメなんだ!」
「は?」
「エミリー、そこは違えてないぞ。コータは相変わらず大きい方が好きだ」
「なら「だから、従業員だと言っただろ」……あ」
「若しくは使用人だな」
「え? 俺ってそうだったの?」
アオイの説明にまた、三人の視線が俺に刺さる。確かに大きいのは好きな方だが、今それが必要なのかとアオイを問い詰めたいが、それよりもカリナの立場をハッキリさせておこうとエミリーに対し説明する。
「そうか、カリナは馬車の代わりになる物をコータに売り、それの開発を続けることを条件に旅に同行すると言うのだな」
「まあ、大体はそんな感じだね」
「羨ましい……」
「え?」
「カリナ! 私と代われ!」
「「「えぇ!」」」
「大丈夫だ。毎日、机の前で署名し、判を押すだけの簡単な仕事だ。な、いいだろ。私と……ん?」
エミリーにカリナとの約束を説明し、分かってくれたと思っていたのだが、エミリーが斜め上の発言をしだしたと思ったら、直ぐに何かを感じ取ったのか途中で止める。
「エミリー?」
「いや、カリナに無理矢理にでもギルマスの椅子に座って貰おうとしていたんだが、何やら背中に冷たいものが走った気がしてな」
俺はそれを聞いてエミリーの後ろに立つスージーさんを見た気がして「あぁ~」と声に出る。
「まあ、カリナとコータの状況は分かった。ならば、次は私とカリナの関係を話さねばなるまい」
「まあ、別にいいけど」
「そういうなコータ。聞きたいだろ?」
「別にどっちでもいいよ。話したいのなら話せばいいし。話したくないのなら、話さなくてもいいよ」
「「え?」」
「え? って別にどうでもいいでしょ」
「「いやいやいや」」
「え~聞かなきゃダメ?」
「当たり前だ! 旦那になる男が妻のことを何も知らないでは話にならないではないか」
「旦那? コータ、どういうことなの?」
「カリナ、気にするな。そこの少々残念なエルフが勝手に言っているだけだ」
「あ、それは相変わらずなんだ」
「カリナ、納得するなよ。そういう訳だ。コータよ、ちゃんと聞くんだな」
「え~」
俺がカリナとの関係を説明しエミリーには分かってもらえた様だけど、今度はエミリーとカリナの関係を説明するとか言い出したので、それは別にいいかなと俺が言えば、エミリーとカリナが不服そうな顔になる。
エミリーは勝手に俺を旦那と言い、旦那である俺には全てを知ってもらわなければと言いだし、それを聞いたカリナは俺とエミリーの関係を疑う発言をするが、アオイがそれを一蹴したことでカリナは相変わらずなんだと納得した。
そんなんで回避したつもりだったけど「是非、聞いてくれ」とエミリーが話し出すので、取り敢えず聞くことにしたけど正直どうでもいいことだった。
『肯定します』
「行かないから」
「あ、そうか。場所が分からないか。寝室はだな「だから、行かないから!」……チッ!」
「それより、カリナに話があるんじゃないの?」
「それもそうだな」
出迎えてくれたメイドに「こちらへ」と案内されたのはリビングで、俺はソファに座る。
アオイはカリナが逃げないようにと腕を掴んだままでいる。
エミリーはアオイが逃がさないように捕まえているカリナを一瞥するとハァ~と嘆息してから「聞かせてくれるよな」とカリナに対し凄んでみせる。
カリナがコクコクと頭を上下に激しく動かせば「なら、俺はいいな」とアオイはカリナを解放しエミリーの方へトンと押し出し、俺の横に腰掛ける。
エミリーはカリナを自分の横に座らせると「嘘はなしだからな」とカリナに言えば、カリナもそれに頷く。
なんとか全員がソファに座った頃にメイドがお茶とお菓子を載せたワゴンを押しながらリビングへと入ってくる。
しばらくはメイドがお茶を煎れる仕草を優雅だなぁとボ~ッと見ていたら、メイドのお姉さんと目が合い、ウィンクされキョドッてしまう。
そんな俺の様子にアオイが目を閉じたり開いたりしているが、放っておくことにして目の前に置かれたカップを手に取る。
「失礼します」とメイドが退室したところで、エミリーがカリナに対し「で、どうしてお前はコータと一緒にいるんだ?」と説明を求める。俺はそれを横で見ながら、聞くのはそこからなんだと思った。
「その前にいいか?」
「アオイ? 何か聞きたいことでもあるのか?」
「ああ、そもそもだが、エミリーとカリナの関係が分からないのだが?」
「……言わないとダメか?」
「そうだな。カリナはコータが雇った従業員とも言える。ならば、背後関係はキチンとしていた方がいいだろ。な、コータ」
「ブハッ! え、そうなの?」
「「「……」」」
俺以外の三人の視線が俺に集中する。俺にどんな答えを期待しているのか分からないが、アオイの言うことも尤もだと「そうだね」とだけ答える。
「コータは大きいのが好きだと言っていただろ! なら、なんでカリナはよくて私はダメなんだ!」
「は?」
「エミリー、そこは違えてないぞ。コータは相変わらず大きい方が好きだ」
「なら「だから、従業員だと言っただろ」……あ」
「若しくは使用人だな」
「え? 俺ってそうだったの?」
アオイの説明にまた、三人の視線が俺に刺さる。確かに大きいのは好きな方だが、今それが必要なのかとアオイを問い詰めたいが、それよりもカリナの立場をハッキリさせておこうとエミリーに対し説明する。
「そうか、カリナは馬車の代わりになる物をコータに売り、それの開発を続けることを条件に旅に同行すると言うのだな」
「まあ、大体はそんな感じだね」
「羨ましい……」
「え?」
「カリナ! 私と代われ!」
「「「えぇ!」」」
「大丈夫だ。毎日、机の前で署名し、判を押すだけの簡単な仕事だ。な、いいだろ。私と……ん?」
エミリーにカリナとの約束を説明し、分かってくれたと思っていたのだが、エミリーが斜め上の発言をしだしたと思ったら、直ぐに何かを感じ取ったのか途中で止める。
「エミリー?」
「いや、カリナに無理矢理にでもギルマスの椅子に座って貰おうとしていたんだが、何やら背中に冷たいものが走った気がしてな」
俺はそれを聞いてエミリーの後ろに立つスージーさんを見た気がして「あぁ~」と声に出る。
「まあ、カリナとコータの状況は分かった。ならば、次は私とカリナの関係を話さねばなるまい」
「まあ、別にいいけど」
「そういうなコータ。聞きたいだろ?」
「別にどっちでもいいよ。話したいのなら話せばいいし。話したくないのなら、話さなくてもいいよ」
「「え?」」
「え? って別にどうでもいいでしょ」
「「いやいやいや」」
「え~聞かなきゃダメ?」
「当たり前だ! 旦那になる男が妻のことを何も知らないでは話にならないではないか」
「旦那? コータ、どういうことなの?」
「カリナ、気にするな。そこの少々残念なエルフが勝手に言っているだけだ」
「あ、それは相変わらずなんだ」
「カリナ、納得するなよ。そういう訳だ。コータよ、ちゃんと聞くんだな」
「え~」
俺がカリナとの関係を説明しエミリーには分かってもらえた様だけど、今度はエミリーとカリナの関係を説明するとか言い出したので、それは別にいいかなと俺が言えば、エミリーとカリナが不服そうな顔になる。
エミリーは勝手に俺を旦那と言い、旦那である俺には全てを知ってもらわなければと言いだし、それを聞いたカリナは俺とエミリーの関係を疑う発言をするが、アオイがそれを一蹴したことでカリナは相変わらずなんだと納得した。
そんなんで回避したつもりだったけど「是非、聞いてくれ」とエミリーが話し出すので、取り敢えず聞くことにしたけど正直どうでもいいことだった。
『肯定します』
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