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第二章 動き出す何か
第十九話 これまでをちゃんと説明してみた
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「なあ、そろそろホントのことを聞かせろよ」
「え? なんの話?」
「俺とお前の間で惚けるなよ」
「そんなことを言われても……何もないよ」
「タロ、どうなんだ?」
『ボクとコータは違うところから来たんだよ。凄いでしょ!』
「……タロ」
「ほう、面白いことを聞いたぞ」
「は、ははは。タロの冗談じゃないかな。ね、タロ?」
『あ、違った! あのね、こことは違う世界から来たんだよ』
「……違う世界」
「あ~言っちゃった……」
良くも悪くも嘘が付けないタロにギルマスがカマを掛けるまでもなく馬鹿正直に喋ってしまったタロを責める訳にもいかず、しょうがないとギルマスに向き直る。
「分かったよ。正直に言うけど……条件がある」
「条件? 言ってみろ」
「一回でも『嘘』とか『信じられない』って感じの言葉をギルマスが言ったら、そこまでだからね」
「あ、ああ。分かった。でもなんで急に話す気になったんだ?」
「ン~多分、誰かに知っていて欲しかったのかもね。じゃあ、いい? 話すよ。出来ればノエルさん達が帰って来る前に済ませたいから」
「ノエルには聞かせてもいいんじゃないか」
「それはギルマスの判断に任せるよ。俺はこれから巻き込むことになる予感がするから、出来るだけ俺達の事情を知っている人は少なくしたいからね」
「俺はいいのか?」
「そっちから聞いて来たんだよね」
「まあ、そうだが……分かった。話してくれ」
「じゃあ、話すね。まず俺の名前と歳からだね。名前は……」
俺はギルマスにタロとの散歩中に事故に遭い、この世界にはタロのお願いを女神イーシュが叶える形で一人と一匹で転生したこと。その際にこちらの環境に合わせる形でそれぞれの身体を作り替えたことを話した。
「信じられねぇ……」
「はい、ダウト!」
「ま、待て。まだ話はあるんだろ。今のはつい出ちまったんだ。お願いだ、聞かせてくれよ」
「分かったよ。じゃあ、さっきのは貸し一ね。じゃあ、次は女神イーシュの話ね。ロリ女神が言うには「待て!」……何?」
「ロリ女神ってのはなんだ?」
「後で纏めて説明するから、今は女神イーシュについて話を聞いてね」
「そうか……」
ギルマスに女神イーシュについて話す。
女神イーシュはこの世界を治める創世神であるが、現在は信仰心が薄くなったためにその身体が小さくなったことを伝える。また、その小さい見た目から俺が『ロリ女神』と呼んでいることも付け加える。
ならば、なぜ信仰心が薄くなったのかと言えば、女神イーシュに成り代わり女神イースが台頭してきたことを話す。
また、この女神イースが台頭したことで、誰でも使えたハズの魔法が限られた者しか使えなくなったこと。更に女神イースが実は魔族が侵攻する邪神イリスと同一人物であることまで話した。
「……って訳だよ。分かってもらえた? ギルマス? お~い、もしもし?」
「……」
ここまで俺が知っていることの殆どをギルマスに話したが、ギルマスは口を開けたままで放心状態だ。
「ギルマス!」
「はっ!」
「もう、人が話している最中に寝るのはヒドくない!」
「バカ言え! 目を開けたまんま寝るか!」
そう言ってギルマスは小声で『聞くんじゃなかった』とか言っているけど、もう知ってしまったからね。
「それで質問はあるの?」
「ああ、あるにはあるが、まだ俺の中で整理が付いていない。少し後で質問させてくれ」
「いいけど、俺は遅くても明日にはこの町を出ようと思っているんだけど」
「明後日にしろ」
「いいけど、どうして?」
「薬師ギルドに渡すヒュドラの解体を手伝え」
「いいけど、手当は出るんだよね」
「王家からたんまり貰ったんだろ。ケチケチするなよ」
「そうだ。クリフさんからの依頼料を確認してなかったような気がするけど、いくらだったの?」
「言ってなかったか?」
「だって、ちゃんと見る間もなく連れて行かれたからね」
「そうだったか。まあいい。そうだな、確か……」
この町を早く出たいのだけど、俺にヒュドラの解体に付き合えと言い、出るのを一日延ばされた。そして、そこから姫さんの護衛の依頼料の話になったんだけど、それが金貨五十枚で五千万ゼル。日本円換算でも五千万。王家の姫さんをここからクレイヴ領まで護衛して五千万。姫さんの襲撃を一度は直接戦って撃退して、お礼は要らないとは言ったけど、それでも五千万。少なすぎないかと思ったのは黙っておこう。
「あのな、額に不満があるって顔だけど、ここからクレイヴまでの護衛依頼と考えれば高すぎるくらいだぞ」
「いや、分かるよ。分かるけどさ、王家の色々を片付けた割には安すぎじゃじゃないかなとか思ったり思わなかったり?」
「あのな……一応、クリフさんから追加報酬ってことで預かっているんだが、額に不満があるようじゃ出しにくくなるじゃないか」
「え、追加であるの? もう、あるのなら早くだしてよ」
「ほれ!」
ギルマスが、俺の方に下手投げでキラキラ光る硬貨を一枚だけ放りなげる。
「え、ちょ、ちょっと……もう、投げて寄越さないでよ……ん? これって、白金?」
「おう、よく分かったな。そうだぞ白金貨ってヤツだ。俺も滅多に見たことはないな」
「へ~……って、これ一枚で一億ギルもするじゃん! そんなのを投げて寄越すなんて信じられないよ」
「まあ、そういうことだ。これで少しは溜飲も下がったんじゃないのか?」
「ん~微妙かな」
「お前、一億ももらっといて微妙ってなんだよ。微妙って!」
「だって、騙されたこととか考えるとさ。それに下手したら俺とタロも最初の襲撃で殺られちゃったかもしれないんだよ。それを考えるとね」
「あ~それもそうか。まあ、とりあえずもらえるもんはもらったんだし、大事に取っとけよ」
「うん、分かった」
「じゃあ、次は女神イーシュの魔法だな」
「あ、それはね……」
「え? なんの話?」
「俺とお前の間で惚けるなよ」
「そんなことを言われても……何もないよ」
「タロ、どうなんだ?」
『ボクとコータは違うところから来たんだよ。凄いでしょ!』
「……タロ」
「ほう、面白いことを聞いたぞ」
「は、ははは。タロの冗談じゃないかな。ね、タロ?」
『あ、違った! あのね、こことは違う世界から来たんだよ』
「……違う世界」
「あ~言っちゃった……」
良くも悪くも嘘が付けないタロにギルマスがカマを掛けるまでもなく馬鹿正直に喋ってしまったタロを責める訳にもいかず、しょうがないとギルマスに向き直る。
「分かったよ。正直に言うけど……条件がある」
「条件? 言ってみろ」
「一回でも『嘘』とか『信じられない』って感じの言葉をギルマスが言ったら、そこまでだからね」
「あ、ああ。分かった。でもなんで急に話す気になったんだ?」
「ン~多分、誰かに知っていて欲しかったのかもね。じゃあ、いい? 話すよ。出来ればノエルさん達が帰って来る前に済ませたいから」
「ノエルには聞かせてもいいんじゃないか」
「それはギルマスの判断に任せるよ。俺はこれから巻き込むことになる予感がするから、出来るだけ俺達の事情を知っている人は少なくしたいからね」
「俺はいいのか?」
「そっちから聞いて来たんだよね」
「まあ、そうだが……分かった。話してくれ」
「じゃあ、話すね。まず俺の名前と歳からだね。名前は……」
俺はギルマスにタロとの散歩中に事故に遭い、この世界にはタロのお願いを女神イーシュが叶える形で一人と一匹で転生したこと。その際にこちらの環境に合わせる形でそれぞれの身体を作り替えたことを話した。
「信じられねぇ……」
「はい、ダウト!」
「ま、待て。まだ話はあるんだろ。今のはつい出ちまったんだ。お願いだ、聞かせてくれよ」
「分かったよ。じゃあ、さっきのは貸し一ね。じゃあ、次は女神イーシュの話ね。ロリ女神が言うには「待て!」……何?」
「ロリ女神ってのはなんだ?」
「後で纏めて説明するから、今は女神イーシュについて話を聞いてね」
「そうか……」
ギルマスに女神イーシュについて話す。
女神イーシュはこの世界を治める創世神であるが、現在は信仰心が薄くなったためにその身体が小さくなったことを伝える。また、その小さい見た目から俺が『ロリ女神』と呼んでいることも付け加える。
ならば、なぜ信仰心が薄くなったのかと言えば、女神イーシュに成り代わり女神イースが台頭してきたことを話す。
また、この女神イースが台頭したことで、誰でも使えたハズの魔法が限られた者しか使えなくなったこと。更に女神イースが実は魔族が侵攻する邪神イリスと同一人物であることまで話した。
「……って訳だよ。分かってもらえた? ギルマス? お~い、もしもし?」
「……」
ここまで俺が知っていることの殆どをギルマスに話したが、ギルマスは口を開けたままで放心状態だ。
「ギルマス!」
「はっ!」
「もう、人が話している最中に寝るのはヒドくない!」
「バカ言え! 目を開けたまんま寝るか!」
そう言ってギルマスは小声で『聞くんじゃなかった』とか言っているけど、もう知ってしまったからね。
「それで質問はあるの?」
「ああ、あるにはあるが、まだ俺の中で整理が付いていない。少し後で質問させてくれ」
「いいけど、俺は遅くても明日にはこの町を出ようと思っているんだけど」
「明後日にしろ」
「いいけど、どうして?」
「薬師ギルドに渡すヒュドラの解体を手伝え」
「いいけど、手当は出るんだよね」
「王家からたんまり貰ったんだろ。ケチケチするなよ」
「そうだ。クリフさんからの依頼料を確認してなかったような気がするけど、いくらだったの?」
「言ってなかったか?」
「だって、ちゃんと見る間もなく連れて行かれたからね」
「そうだったか。まあいい。そうだな、確か……」
この町を早く出たいのだけど、俺にヒュドラの解体に付き合えと言い、出るのを一日延ばされた。そして、そこから姫さんの護衛の依頼料の話になったんだけど、それが金貨五十枚で五千万ゼル。日本円換算でも五千万。王家の姫さんをここからクレイヴ領まで護衛して五千万。姫さんの襲撃を一度は直接戦って撃退して、お礼は要らないとは言ったけど、それでも五千万。少なすぎないかと思ったのは黙っておこう。
「あのな、額に不満があるって顔だけど、ここからクレイヴまでの護衛依頼と考えれば高すぎるくらいだぞ」
「いや、分かるよ。分かるけどさ、王家の色々を片付けた割には安すぎじゃじゃないかなとか思ったり思わなかったり?」
「あのな……一応、クリフさんから追加報酬ってことで預かっているんだが、額に不満があるようじゃ出しにくくなるじゃないか」
「え、追加であるの? もう、あるのなら早くだしてよ」
「ほれ!」
ギルマスが、俺の方に下手投げでキラキラ光る硬貨を一枚だけ放りなげる。
「え、ちょ、ちょっと……もう、投げて寄越さないでよ……ん? これって、白金?」
「おう、よく分かったな。そうだぞ白金貨ってヤツだ。俺も滅多に見たことはないな」
「へ~……って、これ一枚で一億ギルもするじゃん! そんなのを投げて寄越すなんて信じられないよ」
「まあ、そういうことだ。これで少しは溜飲も下がったんじゃないのか?」
「ん~微妙かな」
「お前、一億ももらっといて微妙ってなんだよ。微妙って!」
「だって、騙されたこととか考えるとさ。それに下手したら俺とタロも最初の襲撃で殺られちゃったかもしれないんだよ。それを考えるとね」
「あ~それもそうか。まあ、とりあえずもらえるもんはもらったんだし、大事に取っとけよ」
「うん、分かった」
「じゃあ、次は女神イーシュの魔法だな」
「あ、それはね……」
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