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第一章 旅立ち
第三十八話 いよいよ出発
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残り四軒もバレルさんと同じ反応をされたけど、ノエルさんからの紹介だということとギルドカードを見せることでなんとか注文を受けてくれたので俺達の明日の準備は終わってしまった。
「さて、これから夕方までどうしようか」
『ん~ついでだから、色々見て回る?』
「それもそうだね。じゃあ、この町を観光しよう!」
『おう!』
「ってかタロは普通に話してちゃダメでしょ!」
『ワフ~』
注文した食事の受け取りまで時間が空いたので俺はタロと一緒に町の中をブラつくことにした。
「こういう時にこそ、街中での出会いがあったりするもんだけど、何もないね」
『ワフ!』
テンプレ通りなら『お花買って下さい』とか誰かに追われている美少女を助けるとかありそうなものだけど、今の所は何も起きそうにない歩きながら寝てしまいそうになるくらいに平和で退屈だ。
「ゆっくり町の中を歩いたことなかったから今更なんだけど、どうしてこうも中世ヨーロッパ風なんだろうか。まあ、和風でも引きそうだけどね」
町の中は石畳に石造りの建物が並んでいて木造の建物は見当たらない。
確か、中世だと窓から糞尿を捨てていたと聞いていたけど、そういう匂いはしてこない。やっぱりここは定番のスライムを使っての排水処理とかなんだろうかとか、実際には今の持て余した時間をどうしようかとも考えている。
そんな風にタロと一緒に歩いているとちょっと懐かしいというか嗅いだことのあるスパイシーな香りに鼻先をクンクンと向けてみる。
「ねえ、タロ。この匂いの元に連れて行ってくれるかな」
『ワフ!』
「よし、じゃあお願いね」
『ワン!』
タロの嗅覚を頼りにしばらく歩くと香辛料が店先に並べられていた。
「これは唐辛子だよね。こっちは……山椒っぽい。ちょっと待て! これだけ結構な種類があるなら、もしかしたらもしかするよね」
「いらっしゃい。何かお探しかい……って子供かい。イタズラするんじゃないよ」
俺が店先に並べられた香辛料のいろいろな匂いを確認していると、店の奥から腰の曲がったお婆さんが出て来たけど俺が子供だと分かった瞬間にイヤな顔になる。
「しないよ。しないけど、ちょっと聞いてもいい?」
「ん? なんだい。買ってくれるってんなら、聞いてやらないでもないよ」
「じゃあ、先に胡椒を黒と白で、あと唐辛子に山椒もお願い。塩があればそれもまずは全部一キロ単位でお願いします」
「……坊や、お金はあるんだろうね?」
「え? どういうこと?」
「はぁこれだから物を知らない子供はイヤなんだよ。いいかい、塩や唐辛子はそれほどでもないけど、胡椒を一キロはどこの貴族様かって話だよ」
「もしかして結構高いの?」
「ああ、それ以前に胡椒を一キロなんてここにはないよ」
「そうなの? じゃあ、塩はあるんだよね」
「ああ、これなら一キロで千ギルだね」
「あ、意外と高い」
「なんだい、買わないのかい?」
「いや、買います!」
「で、他には唐辛子だったね。これはちょっと安いよ。三百ギルだ。山椒は五百ギルだね」
「じゃあ、今までのが一千八百と。で、胡椒はあるっていうけど、今この店にある分でどれくらいするの?」
「ちょっと待ちな」
そう言うとお婆さんが店の奥から大事そうに手の平に収まるくらいの小さな壺を抱えてきた。
「胡椒はこれだけだね。これで十万ギルだよ。どうする?」
小さい壺には百グラムあるかないかぐらいの胡椒がはいっていた。そしてその値段が金貨一枚と言われる。高い、高いけど欲しい。ヒュドラも討伐して冒険者ギルドに買い取ってもらったけど、まだ錬金ギルドなんかと交渉中とかで現金化されていない。でも、クリフさんからの依頼料が口座に入っているハズだから、多少の無駄使いは許されるだろうと、そこまで考えて買うことに決めた。
「はいよ、毎度あり。じゃあ、折角だから少しおまけしてあげようかね。金貨一枚と銀貨十五枚でどうだい」
「たった三枚か」
「なんだい?」
「あ、いえ。それでお願いします」
「はいよ。で、聞きたいのはなんだい?」
「えっと……」
俺はこの世界で再現したい皆大好きな香辛料を一杯使う料理を頭に思い浮かべ、必要なスパイスを一つずつ思い出しながらお婆さんに確認する。
「悪いがここにはないね」
「そうですか……」
「まあ、地道に探すなり、商業ギルドに確認するなり何等かの手段はあるだろうさ。気長にお探し」
「そうですよね。諦めるには早いですよね。よし!」
それからはタロと適当に屋台からお昼ご飯を調達し、時折休憩を挟みながら町の中を散策し時間を潰す。
「よし、いい時間だね。タロ、受け取りに回るよ」
『ワフ!』
それからは注文していた品々を受け取るが、行く先々で大量の品物をどうやって運ぶのかを心配と好奇心から聞いてくるので、その場でアイテムボックスに収納し代金を払って店を出る。
『オヤツは?』
「え? さっき屋台で食べたよね」
『あれはお昼でしょ』
「え~」
タロにオヤツがないと不満を言われたので、途中の屋台で串焼きを購入しタロが満足するまでとはいかないが、タロも気が済んだようで足取りも軽く館へと帰る。
次の日、日が昇る前にクリフさんが起こしに来たのでお礼を言ってタロを起こしてから身支度を済ませる。
部屋の中を見渡して忘れ物がないかを二度、三度と確認する。
「よし、忘れ物なし! タロもいい?」
『うん、いいよ』
「じゃ、お世話になりました」
『ワフ!』
この町に来てから今までお世話になった部屋に一礼してから部屋を出ると、既にクリフさん達は玄関の前で待っていたので慌てる。
「すみません、お待たせしました」
「いいえ。それほどお待ちしておりません」
「そうなんですね。あれ? ソフィアは……」
「ええ、実を言えばお嬢様をお待ちしております」
「ああ、もしかして……」
「はい。朝が弱いものですから」
「ははは……」
その内に姫さんがバツが悪そうに階段を下りて来てウェルターさんに代表して挨拶をすると玄関が開かれ馬車へと乗り入れる。
来た時と同じ様にキンバリー家とメイドさん達使用人が並び俺達というか、姫さんの馬車を見送る。まあ、一人というかアリス嬢だけは違っていてずっと「わんわん、わんわん」と泣きながら連呼していた。
タロと仲良くなったのだから、別れは辛いだろうとは思うが俺のことなんて一ミリも覚えていないのだろうなと思う。
『肯定します』
まあ、気を取り直して今からは川を遡りクレイヴ領までの旅程をしっかり護衛しないとね。
何も起きないといいけどと思ったら、隣を併走している騎士の声が聞こえた。
「俺、今回の姫様の帰省から戻ったら結婚するんだ」
おうふ、これってフラグがたったんでしょうか。
『肯定します』
※※※
ここで第一章が終了となります。
今までご愛読ありがとうございました。
「さて、これから夕方までどうしようか」
『ん~ついでだから、色々見て回る?』
「それもそうだね。じゃあ、この町を観光しよう!」
『おう!』
「ってかタロは普通に話してちゃダメでしょ!」
『ワフ~』
注文した食事の受け取りまで時間が空いたので俺はタロと一緒に町の中をブラつくことにした。
「こういう時にこそ、街中での出会いがあったりするもんだけど、何もないね」
『ワフ!』
テンプレ通りなら『お花買って下さい』とか誰かに追われている美少女を助けるとかありそうなものだけど、今の所は何も起きそうにない歩きながら寝てしまいそうになるくらいに平和で退屈だ。
「ゆっくり町の中を歩いたことなかったから今更なんだけど、どうしてこうも中世ヨーロッパ風なんだろうか。まあ、和風でも引きそうだけどね」
町の中は石畳に石造りの建物が並んでいて木造の建物は見当たらない。
確か、中世だと窓から糞尿を捨てていたと聞いていたけど、そういう匂いはしてこない。やっぱりここは定番のスライムを使っての排水処理とかなんだろうかとか、実際には今の持て余した時間をどうしようかとも考えている。
そんな風にタロと一緒に歩いているとちょっと懐かしいというか嗅いだことのあるスパイシーな香りに鼻先をクンクンと向けてみる。
「ねえ、タロ。この匂いの元に連れて行ってくれるかな」
『ワフ!』
「よし、じゃあお願いね」
『ワン!』
タロの嗅覚を頼りにしばらく歩くと香辛料が店先に並べられていた。
「これは唐辛子だよね。こっちは……山椒っぽい。ちょっと待て! これだけ結構な種類があるなら、もしかしたらもしかするよね」
「いらっしゃい。何かお探しかい……って子供かい。イタズラするんじゃないよ」
俺が店先に並べられた香辛料のいろいろな匂いを確認していると、店の奥から腰の曲がったお婆さんが出て来たけど俺が子供だと分かった瞬間にイヤな顔になる。
「しないよ。しないけど、ちょっと聞いてもいい?」
「ん? なんだい。買ってくれるってんなら、聞いてやらないでもないよ」
「じゃあ、先に胡椒を黒と白で、あと唐辛子に山椒もお願い。塩があればそれもまずは全部一キロ単位でお願いします」
「……坊や、お金はあるんだろうね?」
「え? どういうこと?」
「はぁこれだから物を知らない子供はイヤなんだよ。いいかい、塩や唐辛子はそれほどでもないけど、胡椒を一キロはどこの貴族様かって話だよ」
「もしかして結構高いの?」
「ああ、それ以前に胡椒を一キロなんてここにはないよ」
「そうなの? じゃあ、塩はあるんだよね」
「ああ、これなら一キロで千ギルだね」
「あ、意外と高い」
「なんだい、買わないのかい?」
「いや、買います!」
「で、他には唐辛子だったね。これはちょっと安いよ。三百ギルだ。山椒は五百ギルだね」
「じゃあ、今までのが一千八百と。で、胡椒はあるっていうけど、今この店にある分でどれくらいするの?」
「ちょっと待ちな」
そう言うとお婆さんが店の奥から大事そうに手の平に収まるくらいの小さな壺を抱えてきた。
「胡椒はこれだけだね。これで十万ギルだよ。どうする?」
小さい壺には百グラムあるかないかぐらいの胡椒がはいっていた。そしてその値段が金貨一枚と言われる。高い、高いけど欲しい。ヒュドラも討伐して冒険者ギルドに買い取ってもらったけど、まだ錬金ギルドなんかと交渉中とかで現金化されていない。でも、クリフさんからの依頼料が口座に入っているハズだから、多少の無駄使いは許されるだろうと、そこまで考えて買うことに決めた。
「はいよ、毎度あり。じゃあ、折角だから少しおまけしてあげようかね。金貨一枚と銀貨十五枚でどうだい」
「たった三枚か」
「なんだい?」
「あ、いえ。それでお願いします」
「はいよ。で、聞きたいのはなんだい?」
「えっと……」
俺はこの世界で再現したい皆大好きな香辛料を一杯使う料理を頭に思い浮かべ、必要なスパイスを一つずつ思い出しながらお婆さんに確認する。
「悪いがここにはないね」
「そうですか……」
「まあ、地道に探すなり、商業ギルドに確認するなり何等かの手段はあるだろうさ。気長にお探し」
「そうですよね。諦めるには早いですよね。よし!」
それからはタロと適当に屋台からお昼ご飯を調達し、時折休憩を挟みながら町の中を散策し時間を潰す。
「よし、いい時間だね。タロ、受け取りに回るよ」
『ワフ!』
それからは注文していた品々を受け取るが、行く先々で大量の品物をどうやって運ぶのかを心配と好奇心から聞いてくるので、その場でアイテムボックスに収納し代金を払って店を出る。
『オヤツは?』
「え? さっき屋台で食べたよね」
『あれはお昼でしょ』
「え~」
タロにオヤツがないと不満を言われたので、途中の屋台で串焼きを購入しタロが満足するまでとはいかないが、タロも気が済んだようで足取りも軽く館へと帰る。
次の日、日が昇る前にクリフさんが起こしに来たのでお礼を言ってタロを起こしてから身支度を済ませる。
部屋の中を見渡して忘れ物がないかを二度、三度と確認する。
「よし、忘れ物なし! タロもいい?」
『うん、いいよ』
「じゃ、お世話になりました」
『ワフ!』
この町に来てから今までお世話になった部屋に一礼してから部屋を出ると、既にクリフさん達は玄関の前で待っていたので慌てる。
「すみません、お待たせしました」
「いいえ。それほどお待ちしておりません」
「そうなんですね。あれ? ソフィアは……」
「ええ、実を言えばお嬢様をお待ちしております」
「ああ、もしかして……」
「はい。朝が弱いものですから」
「ははは……」
その内に姫さんがバツが悪そうに階段を下りて来てウェルターさんに代表して挨拶をすると玄関が開かれ馬車へと乗り入れる。
来た時と同じ様にキンバリー家とメイドさん達使用人が並び俺達というか、姫さんの馬車を見送る。まあ、一人というかアリス嬢だけは違っていてずっと「わんわん、わんわん」と泣きながら連呼していた。
タロと仲良くなったのだから、別れは辛いだろうとは思うが俺のことなんて一ミリも覚えていないのだろうなと思う。
『肯定します』
まあ、気を取り直して今からは川を遡りクレイヴ領までの旅程をしっかり護衛しないとね。
何も起きないといいけどと思ったら、隣を併走している騎士の声が聞こえた。
「俺、今回の姫様の帰省から戻ったら結婚するんだ」
おうふ、これってフラグがたったんでしょうか。
『肯定します』
※※※
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今までご愛読ありがとうございました。
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