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第一章 旅立ち
第二十八話 的は大きい方がいいから
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申し訳程度の魚の切り身を口にした後は、何もやることが無いものだからボーとタロにもたれ掛かりながら過ごしていたら、向こうの方から『すご~い!』と声がする。
よく見てみるとキュリが他のリザードマンに対し魔法を披露し称賛を浴びていた。
すると俺の横にちょこんと座っていた子供のリザードマンも口をぽかーんと開けて、その様子を見ていたので「魔法を使ってみるか?」と聞けば、大きくうんうんと頷くのでキュリと同じ様に水球から教えてみる。
「ほら、こんな感じでやってみて」
『うん! う~』
俺が翳した右手の上に小さなピンポン球くらいの水球を参考にしてもらい試してもらっていると『ポン!』と音がしそうな感じで子供の手の平の上に小さな水球が現れた。
リザードマンの子供は『出来たよ!』と嬉しそうに俺に手の平の上の小さな水球を見せてくる。俺も「凄い!」と正直に褒めるが、そこで小さなイタズラ心が芽生える。
「ねえ、それをさ……して、やってみて」
『え? いいの?』
「いい、俺が許す!」
『分かった! じゃあ、やってみるね』
俺はリザードマンの子供の様子を見ていると『う~ん』と唸りながら、その水球をブンと飛ばす。飛ばした先は……。
『あいた! 誰だ! ん?』
『あ……』
「大丈夫、大丈夫。ほら、もう一度やってみて」
『うん! えい!』
『あいた! コータ、お前何を教えているんだ!』
『……』
キュリを称賛していたリザードマン達は俺の横でキャッキャ言いながらキュリに水球を当てている子供に注目している。それで理解したのだろう。キュリが凄いんじゃないこと、誰でも魔法が使えるということに。
キュリを取り囲んでいたリザードマン達が一斉に俺達を取り囲むと口々に『俺も!』『俺にも教えてくれ!』『私にも出来るの?』と俺とリザードマンの子供に行って来る。
俺は同じリザードマンから教わった方が分かり易いだろうと子供を教師に仕立てるとその場から離れる。
しばらくするとキュリを目標に皆が水球を放てるようにはなっていた。
キュリは避けることを止め、俺のことをジッと睨んで立っている。
やがて何も反応しないキュリに飽きたのか、他に何が出来るのだろうと自分達で試行錯誤しだした。
そして的から解放されたキュリは俺の側まで来ると『何か言うことがあるだろ?』と聞いてくる。
「乾く前でよかったね」
『違うだろ! そうじゃねえよ!』
「でもさ、他の人に魔法を教えず自慢していたんだから、頭が冷えてちょうどよかったんじゃないの?」
『ぐぬぬ……』
「あ、やっぱり単に自慢したかっただけなんだ! ちっさ!」
『うるせえ! いいだろ、少しくらい自慢してもよ!』
「まあね。気持ちは分からないでもないけどね」
『だろ? じゃあさ、他のを教えてくれよ! アイツらがまだ知らないヤツをよ』
「ん~まあ、いいけどね。明日も役に立ってもらわないとダメだし」
『ん? 明日は単に道案内だけだろ?』
「そ、そうだよ。あ、ほら、火魔法なんてどう? これから魚を炙ったりするのに役に立つよ」
『なんか悪巧み考えてそうだな』
「や、やだな~考えすぎだよ。それよりもほら、火球だよ。ほら!」
『ちっ……まあいい。で、それはどうやるんだ?』
「どうって水球と同じだよ」
『……』
「どうしたの?」
『いや、なんでもない。ただ、使えないと思っていた魔法がよ。こんな身近なものだなんて思ってもみなかったからな』
「女神イーシュは隔たりは作ってないハズなんだけどね」
『イーシュ? そんな女神がいるのか?』
「結構前からいるって聞いてるよ」
『そうか。その女神を信仰したら何かいいことでもあるのか?』
「ん~そうだね、魔法が覚えやすくなるかもね」
『そりゃいいな! よし、明日にでも長に言っておこう』
「いいね!」
『歓喜しています』
女神イーシュへの信仰心は別にヒトに限らなくても受け入れてくれそうだ。こんな調子で女神イーシュへの信仰心を集めればいいのかな。
『肯定します』
女神イーシュへの信仰心が増えそうだなと、タロを枕に寝始めたところで真っ白な空間に呼び出される。
「もうなんなの。頼むから寝かせてよ」
『そう言わずに私の体をみるがいい!』
「だから何? え? 成長してる?」
『ふふふ、そうでしょそうでしょ。で、どうかな?』
「いや、どうだと言われてもさ。成長していると言っても五歳から六歳になったくらいの変化だからね。親戚のオジサンに大きくなったなって言われるレベルだよ」
『ぐぬぬ……私が喜んでいるのに水を差すようなことを言うなんて』
「で?」
『で……とは?』
「だから、俺をここに呼び出したのは何?」
『あ、それはね……』
「まさか、そのちょっとの成長ぶりを見せる為に態々呼んだの? 寝ている俺を?」
『まあ……その……なんというかね……』
「そんなことよりも前に言った『使徒』ってどういうことなんだよ!」
『はい! 今日はここまで。じゃあ、また次の機会にお会いしましょう! じゃあね』
「おい! 待てよ! おい! 使徒ってなんだよ~これじゃ宗教団体の勧誘しまくる輩と同じじゃねえか」
『肯定します』
よく見てみるとキュリが他のリザードマンに対し魔法を披露し称賛を浴びていた。
すると俺の横にちょこんと座っていた子供のリザードマンも口をぽかーんと開けて、その様子を見ていたので「魔法を使ってみるか?」と聞けば、大きくうんうんと頷くのでキュリと同じ様に水球から教えてみる。
「ほら、こんな感じでやってみて」
『うん! う~』
俺が翳した右手の上に小さなピンポン球くらいの水球を参考にしてもらい試してもらっていると『ポン!』と音がしそうな感じで子供の手の平の上に小さな水球が現れた。
リザードマンの子供は『出来たよ!』と嬉しそうに俺に手の平の上の小さな水球を見せてくる。俺も「凄い!」と正直に褒めるが、そこで小さなイタズラ心が芽生える。
「ねえ、それをさ……して、やってみて」
『え? いいの?』
「いい、俺が許す!」
『分かった! じゃあ、やってみるね』
俺はリザードマンの子供の様子を見ていると『う~ん』と唸りながら、その水球をブンと飛ばす。飛ばした先は……。
『あいた! 誰だ! ん?』
『あ……』
「大丈夫、大丈夫。ほら、もう一度やってみて」
『うん! えい!』
『あいた! コータ、お前何を教えているんだ!』
『……』
キュリを称賛していたリザードマン達は俺の横でキャッキャ言いながらキュリに水球を当てている子供に注目している。それで理解したのだろう。キュリが凄いんじゃないこと、誰でも魔法が使えるということに。
キュリを取り囲んでいたリザードマン達が一斉に俺達を取り囲むと口々に『俺も!』『俺にも教えてくれ!』『私にも出来るの?』と俺とリザードマンの子供に行って来る。
俺は同じリザードマンから教わった方が分かり易いだろうと子供を教師に仕立てるとその場から離れる。
しばらくするとキュリを目標に皆が水球を放てるようにはなっていた。
キュリは避けることを止め、俺のことをジッと睨んで立っている。
やがて何も反応しないキュリに飽きたのか、他に何が出来るのだろうと自分達で試行錯誤しだした。
そして的から解放されたキュリは俺の側まで来ると『何か言うことがあるだろ?』と聞いてくる。
「乾く前でよかったね」
『違うだろ! そうじゃねえよ!』
「でもさ、他の人に魔法を教えず自慢していたんだから、頭が冷えてちょうどよかったんじゃないの?」
『ぐぬぬ……』
「あ、やっぱり単に自慢したかっただけなんだ! ちっさ!」
『うるせえ! いいだろ、少しくらい自慢してもよ!』
「まあね。気持ちは分からないでもないけどね」
『だろ? じゃあさ、他のを教えてくれよ! アイツらがまだ知らないヤツをよ』
「ん~まあ、いいけどね。明日も役に立ってもらわないとダメだし」
『ん? 明日は単に道案内だけだろ?』
「そ、そうだよ。あ、ほら、火魔法なんてどう? これから魚を炙ったりするのに役に立つよ」
『なんか悪巧み考えてそうだな』
「や、やだな~考えすぎだよ。それよりもほら、火球だよ。ほら!」
『ちっ……まあいい。で、それはどうやるんだ?』
「どうって水球と同じだよ」
『……』
「どうしたの?」
『いや、なんでもない。ただ、使えないと思っていた魔法がよ。こんな身近なものだなんて思ってもみなかったからな』
「女神イーシュは隔たりは作ってないハズなんだけどね」
『イーシュ? そんな女神がいるのか?』
「結構前からいるって聞いてるよ」
『そうか。その女神を信仰したら何かいいことでもあるのか?』
「ん~そうだね、魔法が覚えやすくなるかもね」
『そりゃいいな! よし、明日にでも長に言っておこう』
「いいね!」
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『肯定します』
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「もうなんなの。頼むから寝かせてよ」
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「だから何? え? 成長してる?」
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「で?」
『で……とは?』
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『あ、それはね……』
「まさか、そのちょっとの成長ぶりを見せる為に態々呼んだの? 寝ている俺を?」
『まあ……その……なんというかね……』
「そんなことよりも前に言った『使徒』ってどういうことなんだよ!」
『はい! 今日はここまで。じゃあ、また次の機会にお会いしましょう! じゃあね』
「おい! 待てよ! おい! 使徒ってなんだよ~これじゃ宗教団体の勧誘しまくる輩と同じじゃねえか」
『肯定します』
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