異世界勇者召喚失敗か?

どら焼き

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第4章 魔王と邪神が怖がり逃げ出す者。

第137話 レオラルド王国内 魔王戦

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第137話 レオラルド王国内 魔王戦

(勇者国王視点)

 スノービックホワイトラット サブマスターキング2世
 その力は、数の力ではない! 
 個体の力であった。
 咆哮を上げると筋肉が変化して隆起していき、身体が鋼鉄のように光り、口からの息が光る。

勇者国王
「まさか、光の勇者の極意、光鋼鉄身体強化か!」

 雑食故に、その力を取り入れてモノにする柔軟さ!
 それは、勇者国王が目指していたものだが、それを政治ではなくて、戦闘でやられると腹が立った勇者国王。

 助けろー!
 わしは、戦闘員ではない!
 悲鳴が聞こえるが、無駄だ!
 勇者として召喚された以上、勇者として戦え!戦わなかったら、死ぬだけだ。

 オオベにそれを言ったら、「何を血迷った事を言っている? 無理やり喚んだのはお前たちだが、俺達はお前達の奴隷ではない。」と、言いやがった。

 オオベに勝てる気がしない。それも事実だ。
 クソ! 光の魔法を発射するが、ヤツの体表の毛すら焼け無い。

 いつの間にか、コッカイギイン達の悲鳴も聞こえなくなった。
 静かだ。クソ!こいつが魔王の上だと言うのか?勝てるのか?
 

 ふと、準大魔王が戦闘を止めた。
 どこかを見ている。隙あり!

勇者国王
「ブレイバークロススラッシュ!」
 最大の必殺技を叩き込む。
 スパッ! 少し毛が切れただけだった…。

 呆然として、準大魔王が見ている方を見ると、せっかく喚び出したコッカイギイン達が、異世界召喚魔法陣そっくりの魔法陣に乗っている。

 そして、デモタイ、トクシュブタイ、コッカイギイン達が、消えた。帰っていったのか?



(オオベ視点)

 スノービックホワイトラット サブマスターキング2世か。強そうだな。

 国会議員達やデモ隊とかを魔王の魔石を、使って魔法陣魔法で地球に返した後、良かった~地球に送れた~と、ものすごくヒビっていたのは秘密だ。

 そして、逸れを見ていたというのは、プライドと信念を持った大魔王クラスだということだ。

 小手先の技の力や、魔力押しの戦闘ではない。
 うん。剣を抜いた。
 決めるのも、使うのも一撃!
 
スノービックホワイトラット サブマスターキング2世
「ショー!(ククッそうでなくては!あぁこれこそが待ち望んでいた事。)」

「大縁 増田(おおべ ますた)未熟ながら参る!」


スノービックホワイトラット サブマスターキング2世
「キュイーー!(ラットネイルスクリューアタック!)」

「御乎幤(おおべ)流 月光斬!」

 
 異世界315日目 午後9時 

 月が照らす、レオラルド王国の城付近。
 レオラルド王国達は、やっと魔瘴気と闘気のぶつかり合いで起った金縛りから、体を動かせるようになって、付近を調べると勇者国王が座り込んでいた。

 二時間だった。
 1時間は、にらみ合い白準大魔王ネズミとオオベの魔瘴気と闘気がぶつかり合い、火花は他の建物を吹き飛ばした。
 そして、準大魔王ネズミのが技を出す。
 長く強化された爪を起点とするドリル技の出す準大魔王。剣を刺突で構えたまま動くオオベ。
 そして交差したあと、落ちる白ネズミの頭。
 だが、その頭がまたもとに戻ろうとして、ネズミの体から黒い魔瘴気が放たれるが、それも後ろにいるオオベの闘気ぶつかり合いになる。

 斬っても、勝敗はつかないのか!
 そして、1時間後準大魔王ネズミは石となって砕けて消えた。
 魔石を回収したオオベは、気かついたらいなかったと言うのが勇者国王の証言。

 
 異世界316日目 午前5時 早朝

 実はオレは、レオラルド王国の宿屋に泊まっていた。
 何故かって? それは、勇者国王にケリをつけさせないといけないからだ。

 調子に乗って呪いとかふざけんな!って蹴りでも入れてやると、思っていたが、兵士が遠巻きに向こうの路地に立っているだけだった。

 ん?珍しいな~。狂ったように、根拠もなしに見下げている目線の言葉使いをして、煽って来るのに、今日は来ないのか?

 冒険者ギルド新聞が、今日は朝刊が発行されていないらしい。
 ふ~ん。
 なので、商業ギルド新聞を見ていたら、妙な事が書かれていた。

 スカカバ王国は、ナッシュ王国のよって廃止が了承された?
 いや、国家を廃止って事はあるだろうけど、了承って…?

 ナッシュ王国の女王様が、親書をブリントン王国に出す予定だと?
 それをありがたく読むように!とか書いてある。

 もういいだろう。我慢するのはもういい。
 封印のお勤めとか、課されて1551年経って、やっと解放されたのだ。
 しかも[裏切り者]多数どころか99%だ。
 それでも、生きるために奴らの言葉とか聞かないといけないとか、[我慢する]のがずっと普通になっていたけど、やめだ。
 忖度(そんたく)する?気を使う?そんな事を、しても関係改善なんてない。だって奴らは[裏切り者]だから!

 あの勇者国王を見ていても、よくわかった。
 アイツも自分の国の為だとか言っているが、為になっていないのがこの破壊された姿が物語っている。

 この勇者国王が、やってくれた事にケリをつけたら、ナッシュ王国の女王だという萌音野 彩花(もねの さいか)と土の女神(大精霊)を攻めるか?

 そして、使いがやってきた。
 時と場合ではなくて、斬る事を前提にした。
 もう我慢はしない。
 こちらに失礼な事を言うと、すぐに戦闘開始だ。

レオラルド王国の使い
「(なんだ?私の危機察知スキルが、警報をならしている。どういう事だ…。対応を間違えたら、私は終わりだと言うのか。小癪な!こちらはレオラルド王国!ひれ伏す事も謝る事もない!)
 オオベだな。国王陛下がありがたくお呼びだ!」

 ドサッ!ドサドサドサドサドサ!

 ヒィ!
 護衛が、悲鳴をあげる。バラバラになった使い。

「ずいぶんと、教養のない馬鹿な使いだな。言葉がなってない。どういう立場か少し教えてやったが、反省しないとそのまま死ぬぞ。
 う~ん、2日間!反省すればその生きたままバラバラ状態から、かってに戻る。反省しなくかったら、一応戻るがすぐに爆発するとかに、するか。

 おい護衛?あの、先祖に怒られたバカがオレに会いたとかいうなら、午前中はここらへんにいるから、自分から来いと言っておけ!」
 
 使いを放置して逃げる護衛!
 邪魔だから、しっかりと奴らの背中にはバラバラの執事をくっつけておいた。

 教養のないとか、よく言えたな~。そうだ!この世界の事とか、ある程度落ち着いたら地球で報酬の利息とか少し使って、大学でも買うか?
 旧帝大とか?
 それで、授業料無し!試験なし!ただし教科をマスターしないと卒業できない!資格を2つは最低取るべし!とかやれば案外日本の進学率とか改善するかな?
 社会人になるしか無かった人達も、大学に入れるようになったら、変な見下し偏重社会も変わるかもな。
 
 我慢する事をやめたら、心がこれまで考えて無かった事を提案してきた。

 うん!これが正解なのだろう。
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