異世界勇者召喚失敗か?

どら焼き

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第4章 魔王と邪神が怖がり逃げ出す者。

第104話 加減?できる相手ではないでしょ!

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第104話 加減?できる相手ではないでしょ!

異世界236日目

 バラバラバラバラにされた果蓮 杉名(かれん すきな)は、逆再生するかのように元通りに戻る。
 が、左腕と右腕がまたずれる。首に赤い線が走り、血が垂れるがまた逆再生するかのように元に戻る。
 今度は盾に真っ二つに赤い線が走るが、すぐに戻る。
 騎士が、異常に気づいてフードの男に剣を抜いて斬りかかるが、その剣も細切れになる。

 足を折られて土下座している宰相は、自分を助けるために解任されたのがわかった。
 目の前にいるフードの者がオオベだと。
 あのまま、勇者の論理を言っていたら問答無用で斬り刻まれると悟って黙るしか無かった。

 勇者国王も、騎士を引かせる。
 おかしい。大縁 増田(おおべ ますた)が特におかしい。あんなスキル聞いたことが無い。
 まるで、あれは女神の時間操作だ。
 だが、全くフードの男も負けていない。何度も致命傷をあたえている。
 そして、クソ召喚勇者の右腕が飛んだ!
 
 大臣達も、果蓮 杉名(かれん すきな)の異常性に気がついた。
 
果蓮 杉名(かれん すきな)
「かぁーー!」
 バギバギバギバギバギと体がミスリルの美しく光る金属に変化した。が!すぐに切り刻まれる。
 それもだんだんと、斬られる大きさが細かくなっていくのだ。

果蓮 杉名(かれん すきな)
「舐めるな!」

 今度は、茶色な黄金!アダマンタイトに身体を変化させたが、また縦に真っ二つにした。

ローブの男
「舐めるな邪神志望の水の大精霊ベグザゲよ。いや水の大邪精霊ベグザゲよ!」

果蓮 杉名(かれん すきな)
「き、貴様!なぜその名を!我が名は美しき土の女神ビスカス!」

ローブの男
「他の女神の名を語るとは言語道断!
 まして、貴様は詐欺を働いた。女神を名乗る資格は無い。」

果蓮 杉名(かれん すきな)
「クソ!これならどうだ!」
 身体がダイヤモンドとミスリルにアダマンタイトになる。

ローブの男
「御乎幤(おおべ)流剣術 浄切!」

果蓮 杉名(かれん すきな)
「ハウッ!」

 バラバラになるが、元通りに再生しない大縁 増田(おおべ ますた)を、何かの魔法で拘束して何か札を貼るローブの男。

果蓮 杉名(かれん すきな)
土の大精霊ベグザゲ
「「ギャーーーーーー!」」
 2体は身体を捻られて、城の天井に穴を開けて天に飛んで言った。

ローブの男
「天の意志により、邪神の志望で邪な事をした者は斬りそして逮捕して収監された。
 ヤツの意思を追随すると言うなら、容赦しない。」

 クソ召喚勇者達が、怒鳴っているが他の異世界召喚勇者達はそれどころではない。
 果蓮 杉名(かれん すきな)に女神が宿っていたのはしっていたが、それが敗れた。
 しかも果蓮(かれん)は若くして、異世界召喚勇者達[裏切り者]達の中で、若くして2人の居合い切りの達人だったのだ。
 それに対して、居合い切りで、全く見えない太刀筋でバラバラに身体を斬るなんてヤツの相手なんて無理だ。

 勇者国王も、真っ青になっている。
 御乎幤(おおべ)流剣術?やはりオオベ。なぜ名乗らない?何か意味はあるのか?

マリーナ
「では、国王陛下?勇者の事情などは、オオベ様には圏外の事なので、これ以降話に出すのもお辞めいただきたい。」

大臣
「それはならぬ!」

 いかん!ローブの男(たぶんオオベ)が剣を抜いた!
 だが、なんとかオオベに認めさせないと…。

聖大教会帝国の使者
「(いかん、本気で怒っている。怒らせるなとは、アークシスターのご命令。)
 なぜ、お前たちが指揮を取ろうとする?
 何を企んでおる?聖大教会帝国がお前たちの下僕でも奴隷でもないのと同じく、オオベ国はお前たちの道具でも下僕でも奴隷でもない。
 まさか血の雨を振らせて、本来なら貴様らが下僕にならないといけないのを、教育しないといけないのか?」

大臣
「聖大教会帝国は、何を考えている!これまでの方針そのものだろうが!」

勇者国王
「オオベ殿が参加しないと、魔王に全滅される運命の神託は、この世界の有り様を見れば間違いないとしか言えない。
 ここでワシが殺されようと、要請を断られようと、人類全滅の時間差が有るだけ。」

リーナ
「なぜ、勇者バルハルが残した事を無視して、また押し付けようとする!」

 ハァ~とため息吐く、フードの男。

勇者国王
「できないものはできない!だからこそ頼むのだ。」

 開き直りやがった。
 いかんいかん、今日はオレは極力喋らないのだ。
 
オオベ国の使者
「陛下、それでは本末転倒ですぞ。他人に丸投げなんて、かつての国王が勇者に苦労だけ丸投げのコピーじゃないですか!」

 お、よくぞいった!いかんいかん、今日はオレは極力喋らないのだ。

 ウグッ!と黙るしかない勇者国王。
 
リーナ
「はあ、何も襲ってきた魔王をこの王国に投げ飛ばすのではなく、それは討伐している。
 畑の予定地にダンジョンがあれば、例えキノコ雲と爆音が出ても討伐して、ダンジョンも潰している。何も全て投げていない。こちらは勇者でもない。私もすでに勇者ではない。だから、勇者ジョブレベル3の無限の力が湧くスキルなんてない。だから限界がある。
 あ~、身体レベルではないぞ!ジョブレベルだ。
 ジョブにもレベルがあるのだ。
 それを上げさせろ!そうすれば、別に魔力が足りないなんて話にもならない。」

 へ?なにそれ? ジョブレベル?という顔をしたレオラルド王国の閣僚を尻目に、クソ召喚勇者達を麻痺させて、さっさと帰ったオオベ国と聖大教会帝国の使者達。

 その後、オオベ国の使者はブリントン王国の準男爵から伯爵に上がった。かつて自分の叔父に、子爵の家督を取られた父親の仇を取ったのだが、基本職務の内に[使者]もある。
 (オオベ国は国政最適化という方針を取っており、使者の叔父の子爵は自動的に、使者の部下に組み込まれて、家督を継いだのも使者となった。
 ついでにいうと使者の叔父は、隠れ旧クソ第8王子派だったので、王子のやらかした事への加担により領地もすでに無い。
 もはや、収入がほとんど無くなったこの叔父は、甥に頭を下げないといけなくなった。)

 [使者]の時は侯爵並みの判断を任せられており、その職務では超有能だと認められた話が有名になってしまって「使者の親孝行」「使者の仇討ち」なんて出世物語の絵本も出たのだった。

 「使者の仇討ち」では、何故か叔父の家は皆殺しで家督継承を誤った前当主は火炙りになるという話になっていたのを、この叔父が(旧王国の法律に従って、)新女王に発禁を要請したが、オオベが「お前の不正とピーチ達にやったことなども調べた結果、旧王国の処罰例だと、お前はこの絵本通りになるぞ?」というと、黙るしかなかったらしい。

 なお、実はこの絵本の原型を書いたのは、この叔父だった!
 作中の名前を(使者)ではなく、(使者の叔父)を替え、(使者を庇った親戚)を(前当主)に替えただけの絵本だった。
 絵本を出版する商業ギルドに持ち込んだのは、それを書かされ不当解雇された子爵の元メイドさんたち。

 


 
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