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第10章「幻夢晴れて現れる、壊れた虚構」編

第580話 吠える前勇者!マルダス世界戦開始!

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 マルダス世界

 外道王とその取り巻き達は、活力がみなぎっていた。

 外部演算ガラスコアが、大陸ごと太平洋に海水漬にしたために、かなり冷却されたため胸の焼けるような痛みが無くなり、マルダス世界の魔力を吸い込んで体が回復していたからだ。

 略奪した食べ物はうまい!

 こんな、外道な事を言って、ニンマリしながら食事をする外道王達…

 


 だが、その外道王軍の外では、ジャングラー国を始めとして、散々痛い目にあった者達が、反撃の準備をしていた。


前勇者タツヤ
「あのヤローども!好き勝手しやがって!」


悲しいかな…

いくら勇者スキルを使えるとしても、魂を改造した外道兵は強かった!

同時に使うスキルの数が違う!

全員五大属性全ての魔法を同時に使う兵!

傷もすぐに治る!

毒すら平気!

強酸をかけても、すぐに再生する。



強すぎる!

だが、シャングラーの民は心が強かった!

子供でさえ、ファイヤーアローを撃って戦う!


そして、勇者達が悲観してはいるが、絶望していないのは、謎の国ブリザード公国が強すぎるのである!

ブリザード公国の旅商人隊を襲う、外道兵が負けたのである。


前勇者タツヤは、用が言っていたことこそが、真実なんだと認めざるしかなかった。

心のどこかで、オレの方がマルダス世界を知っているなんて、驕り高ぶっていたのだ。


外道兵のビームライフルからの光線を、素手で曲げる!痩せたブリザード公国の商人!

ミスリルソードでも、斬れなかった外道兵の装甲を、手刀で切り裂く!ブリザード公国の商人!

素手の拳で、あの魔導生体装甲をふっ飛ばす!
ブリザード公国の商人!


あ…

護衛…いらないのでは?



一度聞いてみた。

すると、答えは

「普通の日常のありがたみを、感じる事が生きている実感をもたらすのですよ。」

護衛さんとの会話も、心の護衛なのだとか…


このブリザード公国の育て親だと言う「主」とは、どんな人なのだろう?

勇者達が、一度は会ってみたい人ランキングの1位か、この謎の「主」である。




 だが、奴らに動きがあった。

ブリンド王
「聞け!マルダス世界に取り残された、愚民ども!

 我は、正当な支配者ブリンド国の国王である!

 貴様らの、我らに対する大いなる不敬!

 それは、正当なる支配者が帰って来たのにもかかわらず、歓待しない!攻撃するなどバカな事を散々してきたことである!

 よって、ここに判決を言い渡す!

 死刑!

 貴様ら!皆殺しだ!」


 遂に始まったマルダス世界戦である。

ブリードル帝国・国王リッパー
「撃て! ありったけ撃て! 奴らは、万能過ぎるから、逆に弱い簡単な攻撃に対応しようとすると、動きが鈍くなるんだ!

 撃てーーーーーー!」

まるで、奴らと戦って来たことがあるような、発言であると、タツヤは思った。


大邪神?
「ブリンド!貴様らパプアニューギニアで負けたくせに、でかい口を叩くな!」

急激に、普通のおっさん化している大邪神?
本当の名は、大教皇サウザーと言うらしい。

あのキレイなブリザード公国のプリナ女王と、話している感じだと、敵では無く悪夢から抜けて帰ってきた、おっさんの印象が大きいとタツヤは思う。


シャングラー国
国王リゾチーム・デ・へールス
「撃て! 助け合って、一体ずつ集中砲火!」

どうもパプアニューギニアでは、四天王の二人率いるシャングラー軍と、パプアニューギニア軍が、外道軍を撃退したらしい。


大教皇から、もたらされたその報に、リッパー達と喜びあうその姿は、戦争がいかに人を無理矢理歪めたのかを感じざる得ないタツヤであった。


 前賢者マサキ
「サブドラシルブラック!準備はいいか?

行くぞ!拡大ワイドエリアヒール!」


マサキが…マサキが…

すっごく、かっこよく地味な仕事だが、

後方支援をしている!

そういえば、あいつも「主様」とか言う時があるな?

どんな人なのだ?




ブリンド王
「粋がるのもそこまでだ!

わが、魔導生体装甲の力を見れてやる!」


出やがった!

かなりでかいぞ!


俺も、やるときはやるんだ!

用君!使うぞ!


前勇者タツヤ
「来い! ZAAA・KO81 !」

ペンダントを、掲げると空間跳躍して、
青いオレ専用のモビルスーツ
ZAAA・KO81が、姿を表す!


すぐに乗り込んで、勇者隊に信号を送り、出撃する!

前勇者タツヤ
「タツヤ発進!」


リアルでアニメのモビルスーツを使って戦うとわかる。

アニメの主人公の事を当時、腰抜け!腑抜け!なんて言ったけど…

 ごめんなさい! と謝りたい。

確かに、いきなりこんなのに乗るのは怖いよ!


免許取り立て初運転の自動車運転で、200キロオーバーで公道ダウルヒルするようなものだ!

9割以上の確率で、事故する! 


ブリンド王直属虐殺戦隊隊長
マッドブラッド大佐
「さて、ぶっ殺しに行くか! なんだ?

ロボット?モビルスーツ?

そういえば、ゼーロ様がお遊びで使っていたのとそっくりだな!

いいぜ、遊んでやるよ!」


前勇者タツヤ
「どけーーーーーー!」


ガキン!


タツヤの大剣と、マッドブラッド大佐の爪が衝突して火花が出る!


マッドブラッド大佐
「ホウ? なかなかの業物だな!

数億年ぶりだな、オレの爪とぶつかっても切れずに、火花を出す獲物なんて!

 ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!

 これは、楽しくなってきたぞ!」

前勇者タツヤ
「(コイツ!強い!オレのスキル剣術レベル9でも、対応できるか?

 空間ごと斬ってやがる!

 気が抜けない!

 なぜ、俺はコイツと戦えているのだ?

 クソ!

 戦って、戦ってやる!)

 うらーーーーーーー!」

ガキン!

ガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキン!


マルダス世界戦が始まった。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
お詫びと、訂正です。

前話にて大木君のエピソードを、別の話に切り離す事を、発表しましたが題名の文字数制限がwebサイト上あったみたいなので、題名が変わっております。

今の題名は、

スキル[守るもの]の覚醒! 仕返ししたいのだが…俺を追放したパーティーとか、魔王討伐を強制した国王が逃亡したけど、どうしよう?

となっております。

申し訳ございませんでした。
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