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第10章「幻夢晴れて現れる、壊れた虚構」編
第539話 本物と即席の差 その1
しおりを挟むドサッ!
グサッ!
倒れた女のこめかみに。ハイヒールのカカトの兇器が突き刺さる。
周りで見ていた者達は、どう言えばいいのかわからない。
ある者は、優雅にアイスを食べ、
ある者は、そろそろ動くかとため息をつき、
ある者は、手にトゲがついた、大金棒を持つ。
一時間前…
シドニーに現れた自称・臨時内閣総理大臣 愚下駄 幌耳実(くけた ほじみ)。
いきなり、会う人全てに魅了をかけていき、自分の領域を増やしていったのだが、いきなり魅了が効かない奴が出てきた。
マルダス世界の騎士シー・ド・ダイハードという奴だ!
生意気だ!
思いっきり、力を込めて魅了をかけるが駄目だった。
涼しい顔をして、「どうされました?」
とか言う。
クソ!私は総理大臣様だぞ!
今、思えばこのときに逃げるべきだった。
しかし、命令だ!
そして、世界の王に…なんて思っていたから…
ホテルの大ロビーにいた、女王様っポイ奴がいた!
クソ!どう見ても、モデル体型で私よりも美人だ!
許せねえ!
喰らえ!スーパー魅了光線!
よし!
「こちらを向いて、私の靴を舐めろ!」
と、命令したが…
フロント皇女
「あらあら? そういうご趣味の方なのですわね? この世界では、いえ、これからはあの方に会うまでは使わないようにしていたのですが、このままだと混乱が発生するので、仕方ないですわね。」
そして、このリアル女王の眼が、少し光ると私は、うつ伏せに倒れていた…
何が起こった?
腕が…いや…身体が…動かない…
フロント皇女
「魅了をかけた、方々を今すぐ開放しなさい。
10秒待ちましょう。
もし、しないのなら強制的に解除しますわよ!
そうなると、魅了をかけた全ての痛みが返ってきますわよ!
おわかり?」
そんな事をすると、私が総理大臣ではなくなってしまう。
国会の選挙なしで総理大臣になったのは、魅了のおかげなのは、嫌ほどわかっているので絶対にするか!
しかし、口も動かない!
クソ!オイ…、
アレ?
そして、冒頭に戻る!
グサッ!
こめかみに、ハイヒールのかかとが突き刺さった!
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
こめかみから、電流が身体に流れたようになり、痙攣する!
そして記憶が無くなった!
気がつくと、ホテルの一室だった。
黒服の男
「気がついたか。ではご同行願おう。」
抵抗したが…
連れて行かれる。
日本政府専用機で、日本に帰って来てしまった。
歓迎するどころか、犯人護送だ!
「私は、総理大臣だぞーーーーーー!」
思いっきり、叫んだ!
だが、連れ込まれたのは、証人喚問真っ最中の国会であった。
魅了が全て解けていた!
仕方ない。
また魅了をかけようとするが、発動しない!
それどころか、体が痛い!
口から泡が出ているのが、わかったとき…
意識が無くなった…。
その頃…
用達は、浮遊都市を作っていた。
石造りの古代都市を彷彿とする建物がある浮遊都市である。
古代都市…
某有名アニメ映画のものでは無く、
かつての外道諸国連合と言われた国家群となる前の建築様式のものである。
今のコンクリート建築様式よりは、進んでいるタイプのものだ。
そして、その建物の中には…
用達が、取り戻した巨大クリスタル・コアの代わりに取り付けた八面体の、ガラスコアが浮遊して回っていた!
外道諸国連合軍のチートブーストコア(ガラス製)と、激むずレトロゲートを繋いだコアを、載せた浮遊都市風岩盤である。
いくら、バカお人好しの用でも外道達のクリスタルコアまで面倒を見たくない。
その意志の表明である。
そして、そのニセ岩盤は、太平洋の外道諸国連合基地目指してまっすぐつき進み出した!
それは高速で進み出す!
NASAも、ISSも気がついた!
その情報を傍受した外道達も慌て出す!
外道達が撃墜しようとしたが…
アレ?
旗が立っている?
それを見た司令官は、王に報告に行った。
旗には
「デストピア大陸」
と、書かれていたからで…
形状も、大きさは違うが形は同じだった。
異次元通過するときに、圧縮された可能性があるから、ニセモノ、無関係とか言い切れないからである。
パンデビート王
「何だと!デストピア大陸がこちらに衝突する勢いで、むかってきているだと!
そういえば…
クリスタル・コアを使うときに、帰属プログラムとかが入っている、とか言っていたな。
自動で、儂らを追跡してきたのか?
確かに地球魔導怪獣大戦後に、地球に来たのは今回が最初だから…」
フェントロー王
「いや、俺たちがここに来たから、デストピア世界が不調を起こして、崩壊したのではないと思う。
ゼーロの奴と、1号が、変な顔をしていたから、恐らくあいつらも関わっている!
で?衝突するとどうなる?」
ゲルーゲス将軍
「簡単に言いますと、我らの基地は崩壊!
クリスタル・コアが潰れたら、我らは改造前の古き身体に戻ります。
基地を貫通して地球に衝突すると…」
パンデビート王
「もういい! 暗い報告はいらない!
早く誰かを乗り込まさせて、操縦しろ!
反重力砲とかで減速させればいいだろう!
早くやれ!」
外道軍が動き出す!
その頃…火星付近では?
用!
「アレ?あんなに加速するか?
まぁ、スラポのおかげで、魔導モビルスーツも馴れたから、そろそろ地球に移動するか?」
AI
「やっとですか! だけど、テンアトミックランドをどこに駐車するのですか?」
ヨッピー
「太平洋上でいいんじゃない?
アレ?スラポどうしたの笑っているけど?」
そして、フロント皇女に魅了をかけて、支配しようとしたが…返り討ちにあった日本クーデターの首謀者が国会の証人喚問に強制出席になった事が、スラポから知らされる。
え??スライムは、シドニーに一匹しかいないじゃん?
いえ、アメーバーとか、いろいろ姿を変えているのですよ!
スラポ
「周りには、前世の義母が自分にやっていた事と重なったから、むきになってやってしまった、とか言っているみたいよ。」
用!
「フロントも、やってるよ!
あいつら…俺に対して、付近の村の子供達に石を投げつけさせる為に、村ごと魅了を見かけていたからな。
全く、基本的にアイツの辞書には反省って文字がないんだよ!」
ヨッピー
「それ、僕もやられた。
痛かったよ。
どうする?主?
あの真・世紀末的爆弾ゴミを、どう処理するか?
地獄でも、受付禁止なのでは?」
用!
「嫌がるだろうな~。なんとかしないと。」
そしてテンアトミックランドは、遂に動き出したのである!
地球軌道内目指して!
そして、同じく外道諸国連合基地からは、一般兵用の魔導生態装甲体が、現デストピア大陸に向かって打ち上げられた!
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