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第2章 ホロン王国辺境ペルト街編
第46話魔国の騒動
しおりを挟むピヨピヨ!ピヨピヨ!
岡の上を歩く、オモガモという名の鳥が、ヒナを連れて湖から他の湖へと道を横切って歩くのどかな景色がある国シャングラー。
人族からは、魔国などと呼ばれているが、正式には魔人国。
ド・ド・ド と魔石式耕運機で耕し農業が盛んなのと、異常に発達した魔道具などが特長であり、ドローンがミカーンの実を収穫しては籠に入れて出荷する。
税金は全収入の15%なのだが、いつも予算が余り潤っている。
そんな国の城の庭では、国王が薬草の栽培をしていた。
「魔王さまー!大変ですー!」
近衛兵士がやってくる。
嫌な予感がする。
魔国王
「どうした?」
「コボルトの大軍が、魔の森からこちらに移動中。
その数およそ25万弱で、国軍のどの部隊にも所属していないのは四天王様方が確認されました。
すぐに会議室へ。」
モンスターの25万規模の大軍だと!
魔国王が会議室に入ってすぐに、情報確認に入る。
ここに緊急事態対策会議が始まった。
魔国 魔人国シャングラー
魔人王 リゾチーム・デ・へールス
魔人宰相 スクラ・ル・ファート
四天王 ジア・ス・ターゼ
オキセ・サ・ゼイン
タカ・ジ・アスターゼ
ビオ・ジ・アスターゼ
魔王とか魔国王などと日頃言われているが、正式には魔人王なのである。
趣味は園芸。
さつま~イモの石焼きが大好物の庶民派である。
前魔人王は子沢山で、今の国王リゾチームは5男の末っ子で荒れ地開拓地の畑を耕していた。
あの日までは…。
勇者と名乗る者を筆頭に隣国聖ボロボーン王国軍がやってきて略奪と虐殺を行った、あの日である。
そんな悲劇が、歴史上たびたび魔人国に起こっていた。
会議室に緊張が走る。
どこからコボルト達が沸いた?
そんなに、瘴気や魔素が濃かったとの観測報告もない。
ブリードル帝国方角から接近中とのことなので、使い魔・観測鳥を派遣する。
モニターに写ったブリードル帝国城の姿に、会議室は騒然となった。
城は半壊していて、残っている半分も穴ぼこだらけである。
しかも、騒然となる理由がもう一つあった。
倒れていて、治療を受けている者達の服に勇者のマークが入っており、それも多数いるのである!
負傷者から引っ掻き傷などが観測でき、コボルトにやられたのがよくわかる。
「ブリードル帝国が、コボルトを召喚したが失敗したのか?」
「勇者召喚をしたかもな。聖ボロボーン王国だけが召喚しているパターンとは外れるな。」
「聖ボロボーン王国からのスパイの情報は?」
「観測鳥を出せ!特急便のやつだ!」
「聖ボロボーン王国方面の魔の森に、今の所は魔素反応や、音響監視魔導装置に異常は見られません。」
「聖ボロボーン王国の観測鳥からの映像をモニターに映します。」
「異常は見られません。兵士も動いている様子もありませんね。」
魔人国王・リゾチーム
「よし!これより全国土に緊急事態宣言を発令する。
四天王のうちジアは城の防衛。
儂と残りの四天王はコボルトの大軍を食い止める。
宰相!ブリードル帝国方面の非戦闘国民の避難指示を!」
魔人国が動き出した。
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