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第1章 始まりの村からハードだった?
第28話ホロン王国パルサー領都攻防戦開始
しおりを挟む領都パルサーラの門を勢いよく出ていく100騎位の小部隊。辺境伯次男ゲース側近率いる者たちである。
見送るのは、パルサー家執事とメイド達に領軍である。
執事は、ゲースが見えなくなると、領都の大門を閉め、領軍団長とともに領主館に向かう。
執事の名はパルト・テ・ランホ
領軍団長はハールド・テ・ランホ
親子である。
パルト
「ゲース殿の側近が全員今いない。ハールド、主様を領軍を率いて王都ヘ運んでくれ。」
ハールド
「親父はどうするのだ、やっぱりゲースの奴はやはり領軍は全滅すると判断して逃げたか。」
パルト
「奴がこれまでやりたい放題して、生きて来れたのは危険察知と危険警報のスキルがあったからだ。
特に危険警報は意識外の事でも発動する。
領軍を付けず、側近だけを連れて行ったのはおそらくこの領都と領軍を囮にして、逃げる算段なのだろう。」
ハールド
「わかった。すぐに手配する。親父は……」
パルト
「わしは元領軍団長として、そして元冒険者ギルド、パルサー支部長として戦う。
領主様を頼んだ。」
ハールド
「わかった。」
領主館の領主寝室に入る二人。
側には領主末娘ミリがいた。
ミリ
「ゲースが逃げたと言うことは、ここも危ないのですね。」
執事パルト
「はい。そう判断していいと思います。
息子ハールドと領軍が主様を王都までお守りします。
王都なら主様を治せる者もいるでしょう。」
ミリ
「わかりました。では……」
そこへ、大柄のメイドが入って来た。
大柄メイド
「屋敷内全て、あと役所も全て見てきたよ。
ゲースの野郎の部下全員いない。」
執事
「コラ!お前はいつも言って……」
その時、意識不明の領主がかばっと起きた。
領主様?
「よし!我々も動くぞ!」
「「「え!!!!!」」」
領主様?
「ミリ、なに間抜けな顔している。動くぞ。」
「「「あ~!「「トーラー様!」」 「叔父様」
彼は領主の双子の弟でありペルト街防衛隊・隊長トーラー・ド・パルサーであった。
実は、この辺境領は死の森のモンスターがあまりにも強すぎるので、最前線であるペルト街の防衛隊の地位が領軍よりも高いのである。
大柄メイド
「まったく、あんたは演技が下手だから、いつバレるか冷や冷やものだったよ。」
と、大柄メイドは顔からバリバリと何かをはがす。
スライムを干して作った人工皮ふだった。
「「「アンナ様!」」」
トーラーの妻であった。
トーラー
「兄貴はペルトの街で匿ってもらっている。
入れ替わりの防衛隊隊長は近衛第2部隊長やってる実力者だが、ゴブリンジャイアントはさすがにまずい。」
アンナ
「まずいね、義妹ちゃんが疲れているようだから、スタンピード前に義姉さんをペルト街に送ったけどそれが裏目に出たか。」
執事
「あの、このことは?」
トーラー
「陛下と皇太子殿下に義姉さんとサパンと妹と妹の息子ベルガーが知っている。」
ミリ
「え?ベルガー?え?では近衛第2部隊長さんの母?がえーと(゜o゜; 」
トーラー
「うん。妹は生きていたんだ。
ワシも見た時びっくりしたがな。
うん。このスタンピード乗り越えたら、みんなでお茶会しよう。」
ミリ
「はい!では戦いの支度をしてきます。」
アンナ
「血は争えないね。」
トーラー
「義母は?」
執事
「はい、別館にています。」
トーラー
「絶対に出すな。」
兵士
「隊長!スライムとワードックにゴブリンの大軍が来ました。
その数およそ6万!ペルト街からの報告より、明らかに増えてます! 」
トーラー
「周りの死の森から、モンスターの増援が来たのか!
やはりコレはただのスタンピードではないな。」
こうして、総大将をトーラーとする領軍と、冒険者ギルド所属の冒険者達との連合軍の領都防衛戦が始まる。
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