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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第38話[主人公重症で休憩回] 後始末と、偵察隊の報告

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 勝鬨から、一週間後。
 全く反応を見せないバカークレー王国。
 ドワーフ国は、各国の要望を受け入れたという名目でドワーフ使節団と、言う名の斥候班が国境を超えた。
 目指すは、山の下のバカークレー王国。
 見る限り、バカークレー王国の魔の森の砦はクレーターになっていた。
 たしか、バカークレー王国の王都付近に、(仮)管理者神フェイクが、墜落したはずだ。
 その確認もある。
 
 ドワーフ使節は、報告に不正が無いように魔導通信でのライブ中継をやりながら、バカークレー王国に入る。
 まず、国境付近。
 バカークレー王国辺境地帯でもある。
 ここにあった、冒険者ギルドは既に撤退しており、その跡地を目指すが、辺境地帯の辺境伯領都すらクレーターになっていて、なかった。

 クロ焦げのクレーター。
 フェイクの瘴気砲か、邪神達の邪気砲で出来たものである。

 王都に続く街道は、クレーターだらけであった。
 一路、いやクレーター地帯を苦労して、王都に向かう使節団。
 冒険者ギルドから取り寄せた、盗賊地帯の街道跡を通るが、盗賊すら出ない。
 
 途中、現地で勤務していた商業ギルド職員の助言で、あるはずの村や街に立ち寄るが、全てフェイク達の姉妹の大砲でクレーターになった所ばかりであった。

 2日後。使節団は、王都寸前までやってきたのだが、無いのだ。
 記録に残っている、城壁が見当たらない。
 外が暗くなっているのも有るから野営をするが、モンスターや盗賊すら出ない。
 普通なら、これだけ派手に料理をしたら獣とか出てくるのだが、それもなかった。
 そして、バカークレー王国民1人すら会わない。

 既に、マトの街で各国の大使による会議が始まった。
 今回のワールドアナウンスの検証である。
 ホットワードは(バトルフィールド)(本来の姿に戻る)などがある。

 神聖皇国の大使の司祭が元々このフェイクランドは、前管理者神様とその眷属様とお仲間たちの修行の場であったと伝えられていると、発表する事から始まった会議。

 カザトは重症だが、勇者の試練のダンジョンの壁画の写しと、その翻訳の資料をマーベルが持ち込んで来たので、そこから何がこれから起こるのかを調べる事になった。

 なんとか復活したキスカ副女王も頑張って外交をする。
 カザトを邪神と戦わせようとする小王国群はの一角バカークレー王国が、戦争で?というよりも呼び出したフェイク達の起こした戦闘で滅びた可能性がでてくると、黙ることになってしまった。

 なぜ?
 それは、邪神の討伐はとんでもない戦闘がつきもので、お前の王国で邪神討伐を始めようか!なんて言われたら、王国崩壊確実な雰囲気がでてきたのだ。

 ドワーフ使節団の送る映像が、王都の城があったはずの場所を映す。
 玉座があった。
 それも、それだけ。
 そして、この前にデカイ魔導通信珠があった。
 通信珠は、瘴気砲で溶解していた。
 そして、玉座には完全に灰になった人の塊があって風に吹かれて、散っていった。

 それをみた会議場の者達は絶句する。
 次に会議場の全員一致での使節団への要請は、フェイク墜落現場の現場の様子をしらべることである。

 管理者神ワルドーによって、身体を貫かれて墜落した現場に向かう使節団。
 ハチェット(手斧)とかは、使節団だから装備できないが、全員が大盾を持って不測の事態に備えて現場に向かう。

 そこには、フェイクの部下天使達が集結しており、野営があった。
 
部下天使
「あ~そうか。
 お前たちに危害を加えるつもりはない。
 速く、退散せよ。
 ワールドアナウンスの内容を精査したらわかるが、フェイク様の執務室もあそこに墜落した。」

 よく見ると、デカイ建物が森の向こうに見えた。
 
部下天使
「バトルフィールドというのは、我らもよくわからん。
 今、天界にお伺いしているところだ。
 あと、この王国の国王は…灰になったのか。
 一時、この王国のエリアは我々が使う事になる。」

 ドワーフ使節団は、生き延びた者がいたら、どこかの国に導いて欲しいと言うと、了承された。

 ここで、使節団は持ってきた酒などを献上して、退散する。

 この時点でバカークレー王国は、フェイクエリアと名付けられた。


 一方…
 フェイク・ランドの外の世界。
 宇宙を超えた外の超高次元の世界では。

 管理者神ワルドーが、時計を持った二足歩行のウサギの着ぐるみを着た、何者かに追いかけられていた。

 10次元体と、神体を破壊されてなんとか自動回復を全開にしているが、ヘロヘロなワルドーは、自分の上司様(室長)の隠れ家に向かうが、トランプの着ぐるみの兵隊がいたり、卵っぽい着ぐるみの者が居たりで、追い詰められていた。

管理者神ワルドー
「な、なんだ。あのフェイクの所でえらい目にあっただけで無くて、私を追い詰める奴がこんなにいるとは、どうなっているのだ?」

 そこにやって来た、仮面を被った少女が鍵を出してワルドーに向けて、鍵を回す。

管理者神ワルドー
「お前たちは、何者だ?
 なんだ?その鍵は!
 は!へ!
 ヘルホールだと!
 イヤダ!嫌だ!
 助けてくれ!
 君達に危害は加えていないだ…
 あーーーーーーーーーーーーー!」

 ワルドーの足の下に、黒い穴が開きワルドーは落ちて行った。


 天界

 そこでは、縄で縛られた運命局の裏部隊の面々が全員いた。

コスモ
「あら?!ついにろくでもない事をして、バラバラにされたのね?隊長さん。」

 隊長は、「あう~あう~」としか、もう喋れないようだ。

フロンティア
「全く、あなた達はなんて事をしてくれたのですか!
 不幸の押しつけを、運命局絡みでしかも部隊まで使って!」

 女神達は激怒である。
 運命局の課長達は全て捕縛された。
 その管轄の上部の者達が、会議室にやってくる。
 コスモ達を見て、顔は真っ青になる。
 そこに、管理者神ワルドーの逮捕が知らされた。
 連れて来られた、他の部署の上部の存在達は頭を抱える。
 この会議、解決策が無いのだ。
 しかし、解決策を作らないといけない。
 泣き寝入りをさせることは禁止!
 それは、管理者神ワルドー逮捕と運命局の裏部隊の逮捕で、出席者全員が知ることになる。

 カザト次第で、落とし所すら無くなる。
 しかし、過度の天界の関与は禁止。
 だか、折衷策すら過度の関与が必要。
 その折衷策すら、カザト次第で崩壊する。

 どうする?
 しかし、カザトは重症であり、何故か他の部署が精神だけを呼び出して、泣き寝入りをさせようとしたが、呼び出す事すらできなかった。

 こうなれば、武力で!なんていう原理が働くのは、地球社会でも同じだが…コスモが「では今から戦争ですね~。」なんて言うと、マジでやばいと、この会議の出席出席達は知っているから、その武力行使交渉カードは使えない。
 
 使うと自爆が待っている。
 既に、フライングしてカザトを呼び出そうとした実行者は、会議室から見える所の柱に縛られていた。

「どうすればいいのだよ!」
 なんて逆ギレ気味にいうが、どうするのか編み出さないといけない会議が始まる。

 

 1つだけ平和なトコロがあった。
 ドワーフの王城の一室である。
 城の文官や、武官は後始末に大忙し。
 厨房すら、大忙し!
 だけど、皆晴れ晴れとした顔である。
 死者が出なかったのだ。

 そして、ある一室では。

 く~、か~。
 く~、か~。
 く~、か~。
 カザトが、膝枕で平和に寝ていた。
 酸素吸入をしている。
 膝枕は、3時間の交代制。
 カザトは、疲労困憊の重症だが寝息は平和だった。
 それだけが、看病する彼女達の救いであった。
 
 
 
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