[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。3部 乱闘編 邪神vs フェイクROUND2と、乱闘に巻き込まれる者達。

第32話[幕間]マトの街の外から、ついに発生した団体

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 マトの街の外
 通称 牢屋エリア
 ここでは、ガス貴族軍が収監されている。

ガス貴族 某子爵
「だせよ~。わかったよ反省するよ。
 殺すのは1日1人にするから。」

 こいつは!まったく反省していないな!

 最近は、食事を配給する兵士以外、このエリアに誰も来ない。
 そんな中、本当に人脈があったらしい、ニャントゥ王国の女王の母親違いの弟の大使の牢屋に、10人の来客があった。

 本当に人脈があったのか!と、側で見守るマトの街の兵士達。

 だが、どうも会話内容を聞くと…。

ワンダフル王国 大使
「ワンダル国王とカザト様の直接対談(炊き出しの時の会話を含む)で、完全に貴方に非があることがわかりました。」

ライオーン王国 大使
「うちの国王は、お前に激怒していたぞ。
 勝手に名前を使ったとな。
 カザト殿と国王陛下は、ガス王国冒険者時代の飲み友だ!
 それに、邪神ゴキブリを見てすぐにカザト殿は出し惜しみ無く戦闘を開始した。
 ふざけんな!反省しろ!」

 などなど、新聞を渡されて音読のさせられたあと、矛先はニャントゥーン女王に向かった。

 なぜ陥落した?
 前女王陛下はどこにいった?
 など、場所を取り調べ室に移して、大使による取り調べが始まった。

 出てきた自白は、この女王は自称女王。
 本当は、ソックリさんの影武者。
 では本物の女王陛下は?

 影武者はニャンゲが本名らしい。
 で?いつから入れ変わった?
 本物の女王陛下はどこだ!と聞くが、なかなか言わない影武者。
 
 そして、キレた取り調べ官達。

 「よし!拷問だ!」

 ニャー!

 マトの街の片隅の取り調べ所から聞こえる悲鳴。


 その頃、大使達のそんな会話を見ていたガス貴族の3男以下の、家を継げるわけでもない、まして家なんて領地でなんて邪神達にボロボロにされて、継ぐものなんてあるか?という状態になって、何かに目覚めた者がいた。

「ブレーダー王女の奴ら、せっかくガス防衛隊を見つけた俺達を、こんなところに放置してやがる。」

「そうだ!裏切りやがった!」

「黙れ!所詮、子爵の5男が!」

「貴様こそ黙れ!騙されて何もかも吹っ飛んでこんな牢屋に入れられた侯爵のエライはずの御当主さまが!不敬!不敬!」

「き、貴様ら!」

「やはり、お前たちも思うか。
 ガス国王に裏切られたと。」

「こ!公爵様!そんな事を言うと!」

「こんな状態が、その証明。しかし、ラッドを蔑んだ事が間違っていた事の証明。
 ラッドの言っていた事は、正しかったのかもしれない。」

「どういう事ですか!」

「おい、なにの話だ。」

「ハァ、話すか。
 わしの親がガス先王の弟だと知っているな?
 まぁ一応公爵だからな。
 スキル(王紋)のある無しも、国王選定には重要だったのだが、今にして思えばもともと、ガス先王が、始めた前勇者達の施策を全廃するような政策を始めたのが、失敗の素だったのだ。」

「どういう事だ?俺も公爵で、おじさんに当たる貴方から聞くまで、そんな話は初耳だが。」

「お前の父親を暗殺したのは、おそらくだが、ガス先王だ。」

「な!なんだと!」

「そして、そんな事をするガス先王に、反対意見を言ったのがラッドだ、今の新生ガス王国のラッド国王だな。

 そして、暗殺大賛成をしたのが、今のガス国王だ。」

「ハァ~なんだって!」

「つまりだな、未だに原因不明のガス防衛隊500万の特殊肉体魔力強化スキルが消えたのは、それを作った前勇者の決めた暗殺禁止とかの法律に歯向かう事を既にしていたからって事か?」

「あ~。確かにカンターレ様も、よく似た事を言っていたな。」

「え?なら、その決定打は?」

「おそらくだが、今の勇者召喚だ。
 その後に城の無敵結界も、ガス防衛隊の異変も起こっている。
 だよな。」

「そうとしか、思えない。」

「そして、あの勇者共は戦えなかった。
 正反対に、結局ゴブリンエンペラーや、それを生み出した、ゴブリンスーパースターキング達を倒したのは、冒険者カザト。」

「既にやつは、貴族を殺せる権利を得たよ。
 国が大きかろうが小さかろうが、国は国。
 公爵だろうが、国王よりも下!
 ドワーフの女王達の伴侶と、国王位よりも上の聖者なんて言われている状態で、ガス王国貴族の爵位を振りかざしたら、牢屋行き。」

「くそ!俺達は貴族だぞ!」

「だからこそ、国王よりも下!」

「う!」

「ラッドは、先王側についてガス国王を推挙した俺等を、敵として認識しているだろう。
 だが、ラッドにつかないと生きて行けないのという可能性が、既に濃厚。」

「どうするのだよ!」

「冒険者カザト様~なんて、今頃言っても、斬られるだけだぞ!」

「それだ!それだよ!
 聖者様なら、教団をたちあげよう!」

「貴様らは…、うむ、それしかないのか?」

「そんな手しかないのか?」

「なぁ?おい聞いてくれよ。
 俺は男爵の6男だけど、カンターレ様がカザト殿の側近のエルフや、血祭りのマーベルメーベルの二人を人質にするなんて言ったときな、
 もっと簡単な方法があるじゃないかって思っていたんだよな?
 まぁ、カンターレ様が怖くて言えなかったけど。」

「まっまさか!」

「あ~、そうか!
 やつは、ケロッとしてガス国王の側に、写真で映っているな!」

「中に天使がいるから、前は失敗したのとカンターレ様がいたからできなかったが、カザトを怒らせないで、有効関係を築いてだな、ラッドとの橋渡しを、奴と勇者ゴン太の首でしてもらうのか?」

「そう言えば、冒険者カザトは前勇者の子孫だよな。
 あのカンターレ達との戦闘で、間違いなく証明された。
 つまりだな、制度上ガス国王よりも上の前勇者達の地位を持っていてもおかしくない者として扱ってもいいと言う事。」

「ブレーダーをぶっ殺すことから、やりなしだ!」

「そうだ!それこそ正解なんだ!」

 それを聞いた兵士は、ラッド国王に報告する。

ラッド国王
「湧いたか…。
 嫌な予想通りになったな。
 ワンダフル王国に避難して正解だったぞ、カザト殿。」

 なんて、言っていたらしい。


 

 
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