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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。3部 乱闘編 邪神vs フェイクROUND2と、乱闘に巻き込まれる者達。

第27話 食料争奪戦勃発に対する一手 4

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 あ~あ、やっちまったのか~

 マトの街の宿屋の朝。
 昨日の夜にマトの街に帰って来たカザト達は、あのクソ笑い過ぎたガス国王の魔導通信放送から、1週間ベイントス公国から流れる川を整備して、新生ガス王国の北の地域まで流れていた川の跡を復活させて、ポべー帝国にまで繋げていた。

 日夜ゴーレムだけは動きっぱなしの突貫高次であったが、それだけ急がないといけない工事でもあった。

 そろそろ豪雨頼みの農業だとヤバい。
 ため池を作って計画的に農業をやらないと食料がやばいことになる。

 これは、あのガス国王の放送の影響でもあったな。
 
 で、なんとか川の水をポべー帝国まで流して一仕事終わっで帰って来たのだけど、宿に売りに来た[マトの街新聞]を、見て冒頭にもどる。

 旧商業ギルド本部の発表していた農作物生産予測の数値は、ゴン太の父親たちが(知識チート)で達成できるだろう予測最高生産量を既に生産出来た数値として出していたことが発覚。
 つまり、虚偽データーを元に小麦を売っちまって、倉庫に在庫がない!
 これが、一面の内容だ。
 既に小麦大袋の価格が1000タールから、20000タールになってしまったらしい。

 ハァ?
 そして明後日からパンの値段が30倍値上げだと!

 その記事を読んでいたオレ(カザト)を横から見ていた者がいたら、少し目が飛び出ていたのを見たであろうと、書けるほどびっくりした。

 つまり100タール(約100日本円)のコッペパンだったのが、明後日から3000タール(3000円)!?

 それにつられて、蝋燭の価格も一本100タールが、3000タール?!

 ヤバいぞ!
 マジでヤバいぞ!

 確か、ベイントス公国の奥地の収穫時期が後一ヶ月。
 それまで、ずっと高騰するのか!
 
 そして、ガス王国の農作物生産量報告書がすべて嘘で、生産量が0であると発表された。

 奴らは、新生ガス王国の領地での生産量を組み込んで発表していたのかと、思っていたら調査もせずに30年間も同じ数字を発表し続ける事をして、全く調べてもいなかったらしい。

 誰が、そんな事を指揮したのか?
 元々の原因はガス先王だという。

 うわ~。
 [前勇者達の決めた事をから脱却して、独立を宣言する!]なんていって、前勇者達の決めた制度を全て廃止にした結果、偽装報告になったらしい。

 ダメダメだ。

 え?このガス先王って、とんでもないトラブル生産をしていないか?
 今の、全土笑い殺し放送をしたガス国王を、後継指名したのも、先王だよな?

 まだ、記事は続く。
 他の小国が、タダで食料をよこせとベイントス公国に言いに言って、拒否されたから食料サミットを開催して、冒険者カザトを強制指名して不作の原因である邪神を強制討伐させる予定だって?

 マジか?!
 ここまで堕落したのかよ。
 自分達のことは自分達で解決しようとしないのかよ。

 宿のボックス席でカザトがため息をついていると、食堂に何処かの貴族がやって来た。
 うわ~。
 また面倒くさい事かよ。
 斬るか?
 と、剣に手を添えると使用人がやっ来た。

「冒険者カザト殿ですな。
 我が主人が貴方にお話があるので、来てもらえませんか。」

 うわ~。いらね~。
 もちろん断った。
 騎士でもやっくるのかね~、と思っていたら、その貴族がやって来たらしい。

 だが、気配を消してカウンターに代金を置いてサッサと食堂を退散した。

 その足で冒険者ギルドに行く。
 食糧サミットとかしらんが、俺に迷惑を押し付けるなよな~っと、ギルドに向かうとなんと、ギルド前に馬車の大行列が出来ていた。

 マトの街に入ることができるって事は、敵対関係ではない国家の貴族なのだろうが、面倒事のにおいてしかしない。

 あ?!

 屋根を何人か走っている奴がいるな。
 忍者かよ!
 斥候達も、活動を激しくしていた。
 城に行くことにした。
 が、ここも馬車が城に入ろうとして大渋滞を起こしていた。

 何を考えてやがる。
 俺は、あまり使いたくないのだが、国内貴族用の門から入る事にした。

 そして知る事になる。
 あの勇者ゴン太達勇者組の親がやらかして、既に飢饉が発生したと言う事を。

 ラッド国王に面会を求めて来た、他国の貴族はすべて公爵か王太子であった。
 王城に来たのはすべて、食糧支援要請のばかりらしい。

 で、冒険者ギルドにやってきているのは、俺を奴隷にして、戦争させようとする輩か?というと全員黙りやがった。
 
元ニャントゥ王国の公爵
「お願いします。私は外交の為に難を逃れましたが、母国は滅びました。邪神を倒してもらえないでしょうか。」

 え?
 あれ?
 どういう事?

カザト
「え?ニャントゥ王国って、私に訳のわからない理不尽な要求をしていた、あのニャントゥーとかいう女王の国ですよね?
 滅ぼしたのは、ガス王国ですよね?
 邪神を倒す事と、直接関係はあります?」

 しまった、言ってしまった。
 黙って斬ってやると、あれほど心の中で決めていたのに、言ってしまった。
 もういいか。

カザト
「最近、あの女王の弟が俺に戦争をふっかけて来たけど、何を考えている国なのだ。
 山賊か、海賊か?」

元ニャントゥ王国の公爵
「今、なんといった!召喚された者が義務を全うするのは当たり前だろが!」

カザト
「あ~、思い出した。クソニャーコ王女だったか?そいつだけは、前勇者達に対してそんな、義務も義理もない貴様らが根拠もない暴言を吐かなかったから、生かしておいた記録と記憶があったな。
 やはり、時間が経って国は腐ったか。
 ハァ。
 で?
 死闘をなんとか制して、魔王を倒しても感謝すらせずに、罵倒ばかり浴びせてついに怒らせて、邪神戦争で一度滅ぼされたニャントゥ王国の公爵さん?
 次は、俺と戦争するつもりか?」

 周りの他の王国の使者たちは、席を離れて後ずさる。
 新生ガス王国の文官は、人を呼びにやった。
 既に、俺は剣をいつでも抜ける体制である。
 元ニャントゥ公爵の側付きたちは、抜剣していた。

 逆ギレしているが、言葉を出さないニャントゥ王国の公爵。

 そう言えば、ラッド国王は何をしているのか?
 空間把握で見ると、ガス先王に詰問していた。
 なるほどね。
 それも大事か。
 
元ニャントゥ王国の公爵
「小癪な小僧が!」

 抜かしやがった。
 宣戦布告確定だな。
 ラッド国王の側近は真っ青になっている。
 
カザト
「ほう、よく貴殿達の根性はわかった。
 では、そこまで私に戦争を仕掛ける力があると思いなら、なぜ貴殿の国はあのクソガス国王と、戦わない。
 最近、戦ったけど奴ら(ガス国王)は逃げていったぞ?!
 俺よりも強いと言うなら、ガス国王くらい血祭にあげることが出来るだろう?」

 あれ?
 何だ?
 いつもなら、避けて通る方法を真っ先に考えるのだけど、あれれ?
 どうしたの?おれ?

 いかん、どうも最近理不尽な事に対して、怒るようになってしまった?
 いや、前から起こってはいたよ。
 だけどね、ぶっ叩いてもクソが、反省するなんてあんまり無いのよ。
 
 あれ?
 こんな思考は前にしなかったぞ。
 あれ?

 戸惑うカザト。

元ニャントゥ王国の公爵
「クソ!我が人脈の力を見せてやる。」
とか、言って席を立って部屋から出ようとしたけど、

カザト
「あれだけ言って、生きて出られると思うほど、人を舐めているのならここで斬っておくか。」

 え?俺の口から、こんなセリフがスラスラ出るなんて!
 護衛の奴が斬り掛かって来たが、奴らの剣と服を抜刀術で斬っておいた。

カザト
「また、つまらぬ物を斬らせおって。」

 はいーー?
 今まで、言おうとしてなかなか出なかった言葉が、なぜ今になってでてくるの!

 パサリ!
 パサリ!

 猫獣人達の、なにの皮か知らないが鎧がすべて床に落ちた。
 もちろん剣も三等分に斬ってやった。

 く、このまま行けばこの斬りたくも無い、何かを大きく間違った猫獣人の公爵を斬らないといけなくなるな。

 どうする?
 新築の城を汚したくない。85%
 自分も建築に関わったからには綺麗に使いたい。10%
 血が出ないように、バラバラに斬ってマジックバックに則収納するか氷漬けにするか?5%

 あれ?
 何だこの選択肢は。
 普段なら、気絶させて放り出す。95% 
 なのに。
 ヤバい!ヤバいぞ!
 クソ繰り返すのだ。
 土下座したら許してやる。土下座したら許してやる。土下座したら許してやる。

元ニャントゥ王国の公爵
「ヒッ、ヒギャ、グエ!」

 公爵が、俺がすぐに殺さないように、自身に暗示をかけている間に、扉を開けたら扉のそとから、どこかで見た下品な思考の猫獣人の女王が飛び込んできて、公爵と衝突した。

 伸びている二人。
 そこで思いついた。
 画像を録画出来る魔導具を取り出して、パチリと画像保存。
 絡み合って気絶する二人の画像ゲット!
 二人をぐるぐる巻に縄で縛って、牢屋に入れることにした。
 付き人が裸で爪を立てて、また襲ってきたので爪を斬って、コイツラも縛っておいた。

 それを見て、各国の使者は退散した。
 ホット胸を下ろす文官達。
 ラッド国王になんとかして、断れと言われていたらしい。

 すぐに、他の王国とかに注意喚起をした。
 キスカからは、ベイントス公国の国境を閉めるように言われる。
 
 始まったのだ。
 ガス王国と旧商業ギルド本部を震源とする、食糧争奪戦争が。


 
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