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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。3部 乱闘編 邪神vs フェイクROUND2と、乱闘に巻き込まれる者達。
第24話 食料争奪戦勃発に対する一手 1
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ガス王国の貴族たちが、やっと話しだした。
なぜ?今頃になって降伏した?
降伏するなら、もっと前の段階でも出来ただろう?
新生ガス王国の建国の時に、傘下の貴族募集の時に挙手出来ただろう?
ガス貴族のスントー公爵は、その当時商業ギルドとの経済的戦争に命をかけていた為に、ラッド国王に合流できなかったという正当な理由があり、ラッド国王を経済戦争に巻き込みたくなかったという理由も正当な理由なので、承認出来るが、他のガス貴族が言う派閥抗争なんて本体のガス王国の存亡の危機なのに、やっている理由ではないだろう?
当時のラッド公爵をのけものにしたから、重要な役職につけないので、参入しなかった。
当時のガス国王は、まだ防衛隊を隠し持っていると思っていた。資金もあると思っていた。
だが防衛隊は復活できたが、資金はもうなかった。
まさか、新流通金貨がヘドロから出来ていた偽物だとは知らなかった。
なんて、言い出した。
さて、コイツラをどうするのか?
ベイントス公国の建国の時は、カザトは処刑にするのは駄目だといって、貴族たちを強制的に平民に転職させる事にしたが、貴族たちが心を入れ替えて行動なんてしなかった。
結局、元国王達が「これだけ人数がいるのだから投獄すら無理だよな~?ヒュッハー!」なんて煽ったから、カザトは錬金術と鍛冶で牢屋を大量生産して新政府におくったら、当時の王都のメイン通りの横の通りに牢屋を雨ざらしに並べられた。
その内に、落ち着き考え直したのか、それとも相当道行くガキンチョ達に、論破されて反省したのか?鑑定でも反省した貴族たちの雇われ私兵たちとかを、移動させて冒険者やゴブリン軍団に対抗するための遠征軍に組み込まれて行った。
だが、最後までやはり国王達は反省なんてしなかった。
今は、邪神の元で魔王見習いをやっている。
つまり、モンスターになった。
では、ガス貴族達をどう扱うか?
既に、今はガス国王は一応人間なのだが、モンスターとなりつつある。
いや、行動は既にモンスターだ。
戦争の後処理サミットでは投票で、ガス王国討伐隊を創設して、ガス貴族達そこに編入させる案が可決された。
次に問題になったのは、ホビット族の捕虜である。
だが、ホビット族の捕虜は全員未婚の女性であった。
なぜ?
それは、ホビット大王が逃げる時に馬に乗った者達だけで逃げたから。
歩兵は、すべてカザト達の戦闘から飛び火する魔法攻撃の余波で、戦闘不能。
捕虜扱いではなく、病人扱いで今も野戦病院で寝ている。
では、彼女達が捕虜になってしまった原因は自爆要員として縄で繋がれていたから。
彼女達は、開放を希望したが被害が酷すぎた。
この戦争の被害が酷すぎたので、被害国民は[開放]の要求に首を縦に振らないのだ。
と、言っても実はベイントス公国側の死亡者はいない。
新生ガス王国側の死亡者もいない。
兵士に重症患者がいるが、すでにカザト達がハイパーポーションなどを提供した為に、軽症者に移った。
カザトは、彼女達の代表の言い分を会議場で気配を消して聞いていたが、カザトがいないと錯覚したホビット族の捕虜代表が、
「カザトが奴隷となって魔王討伐しなかったから、我々がこんな目にあった!」
なんて言い出したから、カザトはついつい殺気を放ってしまった。
ドサリ!
倒れるホビット族の女性リーダー
ホビット貴族の公爵令嬢らしい。
それを見ていた、他のホビット族の女達はしゃかんで泣き出した。
もう殺されると確定したと思ったらしい。
その気絶した公爵令嬢を力を制御することなく鑑定すると…
あれま?
スキルスロットって、空のスキルが無条件に入るスキルがあるじゃないか!
待てよ!これは!
その場で拘束された元公爵令嬢達の処遇を、先程の鑑定結果と織り交ぜて、話し出す事にした。
ラッド国王
「あ!あのスキルか!まさか!」
そう、農業が苦手でも農業スキルを会得出来れば、話は変わる。
処刑か?就労か?それともガス王国討伐隊入か?
彼女達に、選択肢を出した。
新生ガス王国の捕虜収容所の広間。
公爵令嬢
「この映像通り、死刑は免れましたがこの魔導具で冒険者カザトを魅了することはできませんでした。」
「ち、力の出力、魔力の出力の差があり過ぎる。」
「私達に、なにをさせるつもりだ。」
収容所監視員
「魅了ね?
だけどその魔導具は、既に会議場に入った時に封印されていた事を感じなかったのか?」
いきなり、現れた監視員にびっくりする公爵令嬢達を無視して、監視員は続ける。
収容所監視員
「いいか?お前達は、自爆要員だったとしても兵士だ。
捕虜扱いに一応なっているが、国境の砦を既に崩した以上、事故であったとかの言い訳は効かない。
そして、フェイクランドのワールドルールだと、邪神に与した事で処刑させるだろうな。
その後、いきなり恩赦が出たとしても誰かの保護の内に入らないと、被害者達に命を狙われるだろう。
え~、国境付近の戦闘ルールでは、後に破壊活動を実行した兵士に対して、復讐しても罪には問われないのだ。
もちろん、その兵士の家族を皆殺しにしても罪には問われない。
つまり、誰かの慰み者にされても仕方ない状態なのだが?
どうする?
特別措置の就労の選択だと、なんとベイントス公国が保護してくれる。
逃げ出さなければ!という条件だがな。
貴族の身分はない。
公国は、冒険者カザトの故郷の国の政治体制をコピーした、実験的国家だからな。
次に、ガス王国討伐隊は恐らく悲惨な戦争になるだろう。
なんせ、(災害)のガス国王は、碌でもない事しかしない。
ホビット族同士の戦闘になる。
そして、カザトの援軍はない!
貴様らが、あまりにも酷い扱いをしてきた前勇者達の記憶を継承する冒険者カザトは既に怒っていたのだ。
貴様らの起こした戦争は、貴様らが納めろ!
という、基本方針らしいから諦めろ。」
うつむく、ホビット族の女性達。
殺し合いか、それとも謎の労働か?
消えた監視員の制服の男が居たところを、何度も確認したが、やはりいなかった。
ため息を吐く公爵令嬢。
実は、この女性たちは皆貴族令嬢。
一般人ホビット族と初期の段階で分けられていた。
カンターレの貴族の女性に対する怒りが、そうさせたのだが、それはもう知る必要もない話。
彼女達は、話し合うしかなかった。
やれやれ、その監視員の制服の男は収容所から出てきて、着替えていた。
マトの街に入って食堂で果実水を注文する。
果たして吉と出るか、それとも名誉ある死を!なんて言って毒入りワインを煽るか?
カザトは、ため息をついておすすめディナーをたのんで、角のボックス席に座る。
バッカー達が来た。
そして、少し話し合いに入る。
実は、カンターレの本体が乗っ取っていた皇国の聖女統括の女は、バッカーの昔の彼女だったらしい。
そして、元冒険者パーティーの回復役でもあった。
昔のバッカーのパーティー仲間が来たのだが、まぁ言われる事は予想していた。
「聖女統括をやっている昔のパーティー仲間が、いきなり転移して神聖皇国から消えたんだ。
なにか知らないか?」
バッカーが、紹介する前に言った元ガートナーをやっていたバフトさんの第一発言がこれだ。
わかっちまった。
年齢=彼女いない歴の男を俺もやっていた。
あれ?
なぜか、前世の俺が頭の中の地平線の向こう側から出てきたぞ?
うん、前世の俺でなくても聞こうじゃないか。
バッカーの仕切り直しと、そして今の神聖皇国の冒険者ギルドマスターのバフトさん。
一度あった事がある。
磯部 珠(いそべ りん)を始めとする、女子高生組のフェイクランド脱出作戦にも、協力してくれた人だ。
読めてきたぞ。
バッカーが、俺の顔を見てはじめに言った。
バフトさんは、あの神聖皇国の聖女ファルミの姉のフェルべーが、好きみたいなのだ。
バフトさんは、顔を真っ赤にして黙ってうなずく。
困ったな。
実は、トワイライト達がカンターレがブレーダー王女からフェルベーの身体に乗り換えていたのを見ていたとは、聞いている。
だが!
俺の記憶にはないのよ!
何が起こったのかすら、記憶にはない!
と言ってもいい加減な事を言えない。
カザト
「実は、あの戦いの最終的局面の記憶がないのだ。
トワイライト達は、確かにカンターレが自分の分身を喚び出したのを見ていたらしい。
それが、神聖皇国の前聖女統括で、聖女ファルミの姉のフェルべーだと、聖女メーベルも目撃していたらしいが、皇国ではトップシークレットなのか?」
バフト
「その、その事は聞いている。
妹の聖女フェルミが、姉に悪魔が憑いているとして、石室の厳重な魔封じ部屋に閉じ込めていたが、それが破壊されて転移していったらしいのだ。
あまり生きていると期待もしていない。
だが、せめて遺体だけでもなんとか、返す方法はないのか?」
カザト
「あの後、俺は意識不明になって落ちたらしい。
あの滑稽な場面は公開されてしまったから、知っているよね。」
バフト
「あ、あぁ。」
カザト
「その後、うちのキスカ達が現場検証をしたが、何もきれいに無くなっていたらしい。
ま、待てよ、そのな!
ガス国王達も、あの現場にいたんだよ!
そしてブレーダー王女が、5体満足でニャントゥ王国に攻め込んでいただろう?
その事で、あのガス国王のクソ破廉恥な魔道通信の全土放送の後に、現場検証の記録映像を見直したのだよ。
あの現場にいた俺がいうが、カンターレは自分の実力以上の魔神を喚び出していた。
そこで成立する仮定は、それ以上の魔神を喚ぼうとして失敗したのか、それともあの大邪魔神を維持できなくて、空間が崩壊してしまってどこかの異次元に行ってしまったのか、という仮説を今、俺は立てている。」
バフト
「異次元の彼方。
だけど、ガス国王は生きて出てきたぞ!」
カザト
「そう!いきなり、ニャントゥ王国の城に!
あのガス平原には、新生ガス王国の斥候が常時監視している。
そして、実はニャントゥの城にあのクソ破廉恥な女王を監視するために、他の王国のスパイによる映像通信魔導具が仕掛けられていたのだけど、いきなりホビット達が倒れた途端にガス国王達が、出現したらしい。
だが、奴らの国境からの入国は無かった。」
バッカー
「奴らは、どうやって出てきた?」
カザト
「わからね~。
だけど、おそらくだがなにか非常時にどこかの城の下にある、魔法陣に喚び出せるような魔法でもかけていたのじゃないのか?
その魔法陣が、ガス国王達をフェイクランドに喚び出す為に生命力を吸い込んだから、ホビット達が倒れたのではないかとの仮定を立てている。
俺が言いたいのは、聖女統括なんだろ?
なにか、位置確認みたいな魔法陣でもあの黒服に組み込んでないのか?」
バフト
「な!なるほど。
だが…、あ!そうか!
カンターレも呼び出す可能性があるから、神聖皇国の上層部は沈黙しているのか!」
カザト
「カンターレは強い!
俺が、やつとの会話でわかった事は、フェイクの部品にされていたということで、ヤツ単体ならかなり強い。
俺が、生きているのが不思議なくらいだ。」
バフト
「あ、あぁ。すまなかったな。
大変な事を思い出させて。」
バッカー
「しかし、いつ、カンターレはフェルべーを分身にしたのだ?
誰が仲介したのだ?」
バフト
「分からない。」
カザト
「初代管理者神の作った、古代勇者召喚神殿がどこにあるか分かれば、空間の扉の事もなにかわかるかもしれないが、それしか今は空間の手がかりがない。
あのクソガス国王をとっ捕まえたら、なにかわかるかもしれないが、喋るかな?」
う~ん
3人共唸るしかなかった。
かなり白熱した会話だったので、迎えに来た冒険者ギルドの職員やマーベル達も、聞き入っていたことすら3人共気が付かなかった。
なぜ?今頃になって降伏した?
降伏するなら、もっと前の段階でも出来ただろう?
新生ガス王国の建国の時に、傘下の貴族募集の時に挙手出来ただろう?
ガス貴族のスントー公爵は、その当時商業ギルドとの経済的戦争に命をかけていた為に、ラッド国王に合流できなかったという正当な理由があり、ラッド国王を経済戦争に巻き込みたくなかったという理由も正当な理由なので、承認出来るが、他のガス貴族が言う派閥抗争なんて本体のガス王国の存亡の危機なのに、やっている理由ではないだろう?
当時のラッド公爵をのけものにしたから、重要な役職につけないので、参入しなかった。
当時のガス国王は、まだ防衛隊を隠し持っていると思っていた。資金もあると思っていた。
だが防衛隊は復活できたが、資金はもうなかった。
まさか、新流通金貨がヘドロから出来ていた偽物だとは知らなかった。
なんて、言い出した。
さて、コイツラをどうするのか?
ベイントス公国の建国の時は、カザトは処刑にするのは駄目だといって、貴族たちを強制的に平民に転職させる事にしたが、貴族たちが心を入れ替えて行動なんてしなかった。
結局、元国王達が「これだけ人数がいるのだから投獄すら無理だよな~?ヒュッハー!」なんて煽ったから、カザトは錬金術と鍛冶で牢屋を大量生産して新政府におくったら、当時の王都のメイン通りの横の通りに牢屋を雨ざらしに並べられた。
その内に、落ち着き考え直したのか、それとも相当道行くガキンチョ達に、論破されて反省したのか?鑑定でも反省した貴族たちの雇われ私兵たちとかを、移動させて冒険者やゴブリン軍団に対抗するための遠征軍に組み込まれて行った。
だが、最後までやはり国王達は反省なんてしなかった。
今は、邪神の元で魔王見習いをやっている。
つまり、モンスターになった。
では、ガス貴族達をどう扱うか?
既に、今はガス国王は一応人間なのだが、モンスターとなりつつある。
いや、行動は既にモンスターだ。
戦争の後処理サミットでは投票で、ガス王国討伐隊を創設して、ガス貴族達そこに編入させる案が可決された。
次に問題になったのは、ホビット族の捕虜である。
だが、ホビット族の捕虜は全員未婚の女性であった。
なぜ?
それは、ホビット大王が逃げる時に馬に乗った者達だけで逃げたから。
歩兵は、すべてカザト達の戦闘から飛び火する魔法攻撃の余波で、戦闘不能。
捕虜扱いではなく、病人扱いで今も野戦病院で寝ている。
では、彼女達が捕虜になってしまった原因は自爆要員として縄で繋がれていたから。
彼女達は、開放を希望したが被害が酷すぎた。
この戦争の被害が酷すぎたので、被害国民は[開放]の要求に首を縦に振らないのだ。
と、言っても実はベイントス公国側の死亡者はいない。
新生ガス王国側の死亡者もいない。
兵士に重症患者がいるが、すでにカザト達がハイパーポーションなどを提供した為に、軽症者に移った。
カザトは、彼女達の代表の言い分を会議場で気配を消して聞いていたが、カザトがいないと錯覚したホビット族の捕虜代表が、
「カザトが奴隷となって魔王討伐しなかったから、我々がこんな目にあった!」
なんて言い出したから、カザトはついつい殺気を放ってしまった。
ドサリ!
倒れるホビット族の女性リーダー
ホビット貴族の公爵令嬢らしい。
それを見ていた、他のホビット族の女達はしゃかんで泣き出した。
もう殺されると確定したと思ったらしい。
その気絶した公爵令嬢を力を制御することなく鑑定すると…
あれま?
スキルスロットって、空のスキルが無条件に入るスキルがあるじゃないか!
待てよ!これは!
その場で拘束された元公爵令嬢達の処遇を、先程の鑑定結果と織り交ぜて、話し出す事にした。
ラッド国王
「あ!あのスキルか!まさか!」
そう、農業が苦手でも農業スキルを会得出来れば、話は変わる。
処刑か?就労か?それともガス王国討伐隊入か?
彼女達に、選択肢を出した。
新生ガス王国の捕虜収容所の広間。
公爵令嬢
「この映像通り、死刑は免れましたがこの魔導具で冒険者カザトを魅了することはできませんでした。」
「ち、力の出力、魔力の出力の差があり過ぎる。」
「私達に、なにをさせるつもりだ。」
収容所監視員
「魅了ね?
だけどその魔導具は、既に会議場に入った時に封印されていた事を感じなかったのか?」
いきなり、現れた監視員にびっくりする公爵令嬢達を無視して、監視員は続ける。
収容所監視員
「いいか?お前達は、自爆要員だったとしても兵士だ。
捕虜扱いに一応なっているが、国境の砦を既に崩した以上、事故であったとかの言い訳は効かない。
そして、フェイクランドのワールドルールだと、邪神に与した事で処刑させるだろうな。
その後、いきなり恩赦が出たとしても誰かの保護の内に入らないと、被害者達に命を狙われるだろう。
え~、国境付近の戦闘ルールでは、後に破壊活動を実行した兵士に対して、復讐しても罪には問われないのだ。
もちろん、その兵士の家族を皆殺しにしても罪には問われない。
つまり、誰かの慰み者にされても仕方ない状態なのだが?
どうする?
特別措置の就労の選択だと、なんとベイントス公国が保護してくれる。
逃げ出さなければ!という条件だがな。
貴族の身分はない。
公国は、冒険者カザトの故郷の国の政治体制をコピーした、実験的国家だからな。
次に、ガス王国討伐隊は恐らく悲惨な戦争になるだろう。
なんせ、(災害)のガス国王は、碌でもない事しかしない。
ホビット族同士の戦闘になる。
そして、カザトの援軍はない!
貴様らが、あまりにも酷い扱いをしてきた前勇者達の記憶を継承する冒険者カザトは既に怒っていたのだ。
貴様らの起こした戦争は、貴様らが納めろ!
という、基本方針らしいから諦めろ。」
うつむく、ホビット族の女性達。
殺し合いか、それとも謎の労働か?
消えた監視員の制服の男が居たところを、何度も確認したが、やはりいなかった。
ため息を吐く公爵令嬢。
実は、この女性たちは皆貴族令嬢。
一般人ホビット族と初期の段階で分けられていた。
カンターレの貴族の女性に対する怒りが、そうさせたのだが、それはもう知る必要もない話。
彼女達は、話し合うしかなかった。
やれやれ、その監視員の制服の男は収容所から出てきて、着替えていた。
マトの街に入って食堂で果実水を注文する。
果たして吉と出るか、それとも名誉ある死を!なんて言って毒入りワインを煽るか?
カザトは、ため息をついておすすめディナーをたのんで、角のボックス席に座る。
バッカー達が来た。
そして、少し話し合いに入る。
実は、カンターレの本体が乗っ取っていた皇国の聖女統括の女は、バッカーの昔の彼女だったらしい。
そして、元冒険者パーティーの回復役でもあった。
昔のバッカーのパーティー仲間が来たのだが、まぁ言われる事は予想していた。
「聖女統括をやっている昔のパーティー仲間が、いきなり転移して神聖皇国から消えたんだ。
なにか知らないか?」
バッカーが、紹介する前に言った元ガートナーをやっていたバフトさんの第一発言がこれだ。
わかっちまった。
年齢=彼女いない歴の男を俺もやっていた。
あれ?
なぜか、前世の俺が頭の中の地平線の向こう側から出てきたぞ?
うん、前世の俺でなくても聞こうじゃないか。
バッカーの仕切り直しと、そして今の神聖皇国の冒険者ギルドマスターのバフトさん。
一度あった事がある。
磯部 珠(いそべ りん)を始めとする、女子高生組のフェイクランド脱出作戦にも、協力してくれた人だ。
読めてきたぞ。
バッカーが、俺の顔を見てはじめに言った。
バフトさんは、あの神聖皇国の聖女ファルミの姉のフェルべーが、好きみたいなのだ。
バフトさんは、顔を真っ赤にして黙ってうなずく。
困ったな。
実は、トワイライト達がカンターレがブレーダー王女からフェルベーの身体に乗り換えていたのを見ていたとは、聞いている。
だが!
俺の記憶にはないのよ!
何が起こったのかすら、記憶にはない!
と言ってもいい加減な事を言えない。
カザト
「実は、あの戦いの最終的局面の記憶がないのだ。
トワイライト達は、確かにカンターレが自分の分身を喚び出したのを見ていたらしい。
それが、神聖皇国の前聖女統括で、聖女ファルミの姉のフェルべーだと、聖女メーベルも目撃していたらしいが、皇国ではトップシークレットなのか?」
バフト
「その、その事は聞いている。
妹の聖女フェルミが、姉に悪魔が憑いているとして、石室の厳重な魔封じ部屋に閉じ込めていたが、それが破壊されて転移していったらしいのだ。
あまり生きていると期待もしていない。
だが、せめて遺体だけでもなんとか、返す方法はないのか?」
カザト
「あの後、俺は意識不明になって落ちたらしい。
あの滑稽な場面は公開されてしまったから、知っているよね。」
バフト
「あ、あぁ。」
カザト
「その後、うちのキスカ達が現場検証をしたが、何もきれいに無くなっていたらしい。
ま、待てよ、そのな!
ガス国王達も、あの現場にいたんだよ!
そしてブレーダー王女が、5体満足でニャントゥ王国に攻め込んでいただろう?
その事で、あのガス国王のクソ破廉恥な魔道通信の全土放送の後に、現場検証の記録映像を見直したのだよ。
あの現場にいた俺がいうが、カンターレは自分の実力以上の魔神を喚び出していた。
そこで成立する仮定は、それ以上の魔神を喚ぼうとして失敗したのか、それともあの大邪魔神を維持できなくて、空間が崩壊してしまってどこかの異次元に行ってしまったのか、という仮説を今、俺は立てている。」
バフト
「異次元の彼方。
だけど、ガス国王は生きて出てきたぞ!」
カザト
「そう!いきなり、ニャントゥ王国の城に!
あのガス平原には、新生ガス王国の斥候が常時監視している。
そして、実はニャントゥの城にあのクソ破廉恥な女王を監視するために、他の王国のスパイによる映像通信魔導具が仕掛けられていたのだけど、いきなりホビット達が倒れた途端にガス国王達が、出現したらしい。
だが、奴らの国境からの入国は無かった。」
バッカー
「奴らは、どうやって出てきた?」
カザト
「わからね~。
だけど、おそらくだがなにか非常時にどこかの城の下にある、魔法陣に喚び出せるような魔法でもかけていたのじゃないのか?
その魔法陣が、ガス国王達をフェイクランドに喚び出す為に生命力を吸い込んだから、ホビット達が倒れたのではないかとの仮定を立てている。
俺が言いたいのは、聖女統括なんだろ?
なにか、位置確認みたいな魔法陣でもあの黒服に組み込んでないのか?」
バフト
「な!なるほど。
だが…、あ!そうか!
カンターレも呼び出す可能性があるから、神聖皇国の上層部は沈黙しているのか!」
カザト
「カンターレは強い!
俺が、やつとの会話でわかった事は、フェイクの部品にされていたということで、ヤツ単体ならかなり強い。
俺が、生きているのが不思議なくらいだ。」
バフト
「あ、あぁ。すまなかったな。
大変な事を思い出させて。」
バッカー
「しかし、いつ、カンターレはフェルべーを分身にしたのだ?
誰が仲介したのだ?」
バフト
「分からない。」
カザト
「初代管理者神の作った、古代勇者召喚神殿がどこにあるか分かれば、空間の扉の事もなにかわかるかもしれないが、それしか今は空間の手がかりがない。
あのクソガス国王をとっ捕まえたら、なにかわかるかもしれないが、喋るかな?」
う~ん
3人共唸るしかなかった。
かなり白熱した会話だったので、迎えに来た冒険者ギルドの職員やマーベル達も、聞き入っていたことすら3人共気が付かなかった。
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水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
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