[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。3部 乱闘編 邪神vs フェイクROUND2と、乱闘に巻き込まれる者達。

第9話 何もかも石化させる邪神の襲撃!(フェイクの邪神宣言の前夜・ガス衝突暗黒地獄戦争)その5

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  ベイントス公国の国境砦の崩落。

 それは、確かにマトの街に衝撃をあたえたが、ただそれだけであった。

 前の管理者神フェイクの直接的なカザトに対する攻撃を見たベイントス公国民は、邪神軍団の攻撃でそんな事もあると織り込み済みである。

 公都までは細長い、決められた進軍行動を制限する地形に、土木工事済みだったのだ。
 
 ドーン!
 ドーン!
 ドーン!

 投石機での攻撃を食らって、自爆するガス王国侵攻軍の元ホビットワールド民間人兵。
 しかし、極大魔法攻撃が想定された地形にそんな自爆攻撃は無意味であった。
 それどころか、巻き添え自爆で進軍速度は落ちてしまい、投石機の連続攻撃によって先方は全滅したのだ。

ベイントス公国兵士
「ホビット族よ!邪神に寝返るとは、貴様ら邪神大戦の後にたてた誓いは嘘だったのか!
 もう、容赦しない!
 撃て!撃て撃て撃て!」

 防衛線は、国境砦までまた復活したが、国境砦は既に瓦礫となっている。
 工作兵が、瓦礫の山に何か仕掛けていた。
 弩弓部隊が、ガス王国侵攻軍の後陣の元ガス防衛隊に対して、攻撃を始める。

 カザトがワイバーンという、デカさでは幼体5歳でジャンボジェット機ボーイング747とほぼ同じ大きさの空を飛ぶ翼竜タイプと言われるモンスター用の魔鉄製の矢を作って、備蓄していたものである。

 いくら、痛みがあろうが進軍するガス防衛隊500万兵が無敵だろうが、串刺しになれば動けない!
 主力戦力に今の内の攻撃を仕掛けて、できるだけ無力化するのが狙いだ。

 ガス国王達が気絶しているので、ブレーダー王女の側近が、指揮を取るしか無かった。
 だが、ガス国王達だけの命令しか聞かないようになっていた為に、進軍が止まらない。
 ブレーダーの側近が決断したのは、ガス国王達をカンターレ達、ガス貴族軍の後方に回って回復させる事であった。

 ここで、ガス国王達は戦線離脱する。
 残されたのは、機械的に動くホビットワールド軍とガス防衛隊であった。


 その頃上空では、カザトとカンターレの衝突が激化していた。

カザト
「プロミネンスカッター!」

 高温の輝く炎の刃が、20作られてカンターレを襲う。

黒き魔導師カンターレ
「ブラックベクトル!」

 カンターレの背後から、黒き魔力でできたムチのようにしなやかな触手が出てきた。
 それが、繭を作り出して、プロミネンスカッターを弾く。

 ドーン!
 ドーン!

 全て、ガス王国侵攻軍の本陣と思われる所に落ちていく。
 カンターレは、それを見て舌打ちした。

黒き魔導師カンターレ
「(クソ!プロミネンスカッターの方向性を変更しても、運ばれているガス国王達に探知して方向修整しながら着弾してやがる。
 カザトのガス国王に対する殺意は、そこまで高いのか!)

 ブラックカッター!」

 カンターレは、プロミネンスカッターを迎撃することにした。



 その頃、防衛地点ビオバールデルでは。

メーベル
「カザト様が戦闘に入りました。」

エルファー
「なに!邪神ゴベールが瞬間移動した!
 警鐘を、鳴らせ!来たぞ!
 邪神ゴベールが来たぞ!」

 ここにビオバールデル戦が始まる。

邪神ゴベール
「ギャオー!」

 目が光った途端に草原の草が石化していく。
 緑から、灰色へ。
 
トワイライト
「精霊よ!全ての魔力を弾く力を集めてください。
 アンチマジックシールド!」

エルシー
「アンチマジックシールド!」

エルファー
「アンチマジックシールド!」

メーベル
「光よ!呪いを解き、壊し、崩し、灰に変え、清め給え!
 カースイレイザー!」

 邪神ゴベールの放つ石化の波動と、メーベルのカースイレイザーの光が衝突する。

 マーベルが、破邪の槍(魔鉄製)を邪神ゴベールに投擲する。

邪神ゴベール
「ギャガー!」

 ゴベールが、口からヘ石化のブレスを吐いたが、カザトが念入りに作った破邪の槍が、ゴベールのブレスに負けずに、口にたどりついた。

 ブスリ!

 口から槍を生やした邪神ゴベール。
 メリーとナタリーも、鱗の無い関節部を狙って投擲する。

 ザク!
 ザク!

 邪神ゴベールの両肩に突き刺さる破邪の槍。
 
ミラージュ
「プロミネンスボール!」

 カザトの力を使って、プロミネンスボールを放つミラージュ。
 見事、邪神ゴベールの脚に着弾した。

 ドーン!

邪神ゴベール
「クァーーー!」

 邪神ゴベールの鱗が逆だった。
 まずい!
 鱗の物理的攻撃か?
 それを見た者達は、盾を構える。

邪神ゴベール
「カー!」

 邪神ゴベールの身体が光り、鱗が発射された。

 ガンガンガンガンガンガンガン!

 15センチ厚みの500キロの魔鉄製盾に、衝撃が走る!
 土のうで作った塹壕から、煙がたった途端に爆発が起きた。
 石の塹壕もボロボロである。

 弩弓部隊が、攻撃を始める。

 ドシュー!
 ドシュー!

 ベイントス公国が使っているものと同じ、ワイバーン対策の魔鉄製の矢が、邪神ゴベールめがけて飛んでいくが、石化して落ちた。
 そこに、ナタリーがデカイ木槌をハンマー投げの回転を全力でつけて投げる。
 狙いは、口に刺さった破邪の槍の後ろの石突きである。

 目を見開いて、やばい思ったのだろう邪神ゴベールは、動かない両肩を無理矢理に骨が壊れる音を出して動かして、両手をかさねて石化波動を撃った。

 が、いつの間にか前線から間近に移動していたトワイライトと、マーベルがその時攻撃を始める。

 トワイライトの精霊魔法によって、両手が凍りつく。
 木槌が迫って来た!自動追尾でやってくる。
 邪神ゴベールは、凍った両手で木槌を受けたのだが、眼前にメーベルがいた。

メーベル
「ビッグインパクト!」

 破邪の槍の石突きに当てられたビッグインパクト!

 ドス!

 破邪の槍、邪神ゴベールの口から後頭部に貫通した。

 やったか?

 だが、この程度でやられるようなら邪神なんて言われない。
 邪神ゴベールの身体から、黒い煙が出てきた。

 とっさに、後退するトワイライトとマーベル。

 痛みで怒りの形相の邪神ゴベールの目から、これまでとは違いすぎる威力の石化光線が放たれた。


 ドコーーーーーーーン!


 その音と、光はマトの街まで届いた。


 

 バリバリバリバリバリバリバリバリ!
 
 マトの街の魔導障壁が反応して、悲鳴をあげる。
 カザトの常時展開結界も、石化波動と衝突して動くようにバリバリと音がする。
 それは、カンターレも同じだった。

黒き魔導師カンターレ
「どうする?アタイ達の側に立てば、止めてやってもいいのだぞ?」

カザト
「フン!立っても立たなくても、貴様らはやるのだろう?
 人の悲鳴は、心地よい音。
 人の不幸は、甘い砂糖。
 人の苦悩は、精力剤。
 それが、貴様らの常識なのは、ガキの頃から体験済みだ!
 (良かった。トワイライト達は無事だ。)
 貴様と遊んでいる場合ではないな。
 (鑑定!なに?ブレーダー王女の身体に入っているのは、カンターレ本体はではない。
 本体は、あのクソ聖女統括の身体の中にいるだと!)

 そろそろ、本体を出した方がいいのじゃないのか?
 リミットブレイク!
 俺も、制限を外していくぜ!」

黒き魔導師カンターレ
「ほう?この身体が、本体ではないと?
 フェイクにまだ本体が、あると疑っているのか?」

カザト
「簡単な推理だ!そんな自堕落放題のクソブレーダーの身体に、人2人分のの魂の共有量なんてない!
 もし、入ったら…
 あ!そうか、人でなしのブレーダー王女の魂なら、人一人分の3分の1すら魂が無いからスカスカで、他人は余裕を持ってはいれるのかもな。

 だが、もう一つ!あんたの技量に触れたが、強さと技量が全く釣り合ってないな。
 魂の波動の出力が弱すぎる。
 それも、分身だと判断した理由だ。」

ブレーダー王女
「ふざけるな!私の高貴なる清らかな魂が…」

 ガスッ!

黒き魔導師カンターレ
「うるさい!貴様は邪魔をするな!確かに魂の格納スペースはユルユルだな…」

 体内で、ゲンコツを食らったブレーダー王女。

 カザトは、ビオバールデルの方角から聞こえる戦闘音を聞いて、気が気でない状態である。
 すぐに、リミッターを外した分の魔力出力をトワイライト達に流す。
 
カザト
「クソ、仕方ない。
 とっておきを使うか!
 覚悟しろ!ブレーダー!
 貴様が、犯した罪は貴様が精算するべきだ。
 リミッターを90残して解除、リミットブレイク。」

 カザトの魔力出力が上がるが、半分はトワイライト達に送っている。
 
カザト
「プロミネンススピア!」

黒き魔導師カンターレ
「ブラックスピア!」

 輝く炎の槍と、黒き槍が衝突して爆発して派手にガス貴族軍を巻き込んでいく。
 その一方で、ガス防衛隊とホビットワールド軍は流血しようが、関係なしにベイントス公国に襲いかかっていた。
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