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転生勇者と魔剣編
第七十話 亡郷(2)
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「な、なんでワイバーンが……」
レッドは戦慄してしまう。
野生のワイバーンが生息する地など限られたもので、アトール王国には端の端くらいの場所にしかない。翼で飛んで大移動することもあるが、場所は決まっていてそれ以外の場所などまず訪れない。こんな場所で、何匹も飛んでくるなんてあり得ないのだ。
たった一つの、可能性を除けばの話だが。
「まさか……」
ある恐ろしい結論に辿り着こうとしたが、直前に止められてしまう。
また炎が、自らに迫ってきた。
「くっ!」
咄嗟にグリフォンに急降下させ、回避する。ワイバーンの炎のブレスだ。間違いなく、この炎が領地を焼いたのだ。
「野郎っ!」
やられっ放しではいられない。そう思ったレッドは、反撃を決意した。
魔剣は、レッド自身の影に入っている都合上、影が無ければ取り出せない。であるため、例えば光の無い深夜などは使えないという欠点がある。
しかし幸いなことに、他ならぬワイバーンが出した炎がそこかしこに燃え上がっている。光源には困らない。
降下しながら、グリフォンの背に映った影から魔剣を取り出すと、グリフォンに上昇を命じる。
「突っ込め!」
命令に従い、グリフォンは急上昇する。追撃していたワイバーンたちも驚いて停止するが、間に合わない。
激突スレスレの距離で、二体の空の覇者は交錯する。
「そぉらぁっ!」
すれ違いざまに、魔剣を振るいワイバーンの首を切り落とす。失速したワイバーンの体は、クルクル回りながら地面に落ちていった。
「まだまだぁ!」
その勢いのまま、今度は旋回して再び急下降する。仲間が殺され動揺しているワイバーンの群れ、あえてその中心に飛び込んだ。
いきなりのことにワイバーンたちはどうしようもなく、容赦なく割って入られる。
「うらぁっ!」
群れを突っ切る刹那、魔剣を二振りし、両側にいた二匹のワイバーンを斬りつけた。互いに羽を斬り落とされ、飛ぶ力を失った竜たちは哀れにも墜落していく。
「次っ!」
そう叫ぶと、またグリフォンに急上昇を命じようとする。確認した限りワイバーンは五匹。あと二匹仕留めれば、とりあえずは終わるはずだった。
しかし、そうして旋回しようとした彼らに、まだ業火が迫る。
「おわっ!」
グリフォンもなんとか避ける。生き残ったワイバーンたちが、接近戦は不利だと考えてブレス攻撃に切り替えたらしい。
グリフォンは飛行速度自体はワイバーンより上だが、炎のブレスなど遠距離攻撃手段を持たない。近づけない限り、一方的に喰らうだけである。
「――ならっ!」
ワイバーンから距離を取りつつ、レッドは魔剣に闇を纏わせた。
闇に覆われた魔剣は、刀身に闇の刃を形成する。
ワイバーンたちが、炎のブレスを連続で放つ。
それを回避し、レッドはグリフォンを飛ばしワイバーンたちを正面に捉える。
「行けぇっ!」
その場で魔剣を大きく二回振ると、闇の刃が放たれ高速で竜たちに襲い掛かる。
予想だにしないことにワイバーンたちは避ける暇もなく、凶刃によって二つに分断されていった。
「はぁ、はぁ……」
ワイバーンの気配が失せたところで、レッドは荒れた息を整えつつ、気になることを探りにグリフォンを着陸させる。幸いにも、足元にまだ燃えていない箇所があったため、そこに着陸が可能だった。
そこで一旦降りると、地面に落下したワイバーンの死体を確認する。
「これは……」
注目したのは、ワイバーンの耳と両足の部分だった。
そこには、記号が刻まれた魔物用のピアスと足輪があった。
「間違いない……うちの停泊地のワイバーンだ……」
レッドはそう確信する。
移動用に使われるワイバーンには、出身地や生年月日など記録されたタグを付けるのが義務となっている。停泊地を点々とするワイバーンの運用上、常に出身である停泊地に居る訳ではないが、タグを見ればどこのワイバーンか一発で分かるのだ。
そして今レッドが仕留めたワイバーンには、このカーティス領の停泊地かあるいは近辺の停泊地を示す記号が刻まれていた。
つまり、他でもないこのカーティス領の停泊地で飼われていたワイバーンが村々を襲ったということだ。
「どうなってんだ、いったい……」
いくら誕生から今まで人間の管理下で飼育されてきたワイバーンとはいえ、所詮は魔物なので突如暴れ出すリスクはある。テイマーのように魔力で従えているわけではないので、飼育されていた魔物が暴走被害を出したなど、珍しくもない事件だ。
しかし、だからこそ管理は徹底して行われてきたはず。しかもこれだけの魔物が一斉に暴れ出すなど、どう考えても尋常ではない。
停泊地に、何かが起こったと思うしかなかった。
「――行くしかないか」
そう決めて、もう一度グリフォンに乗り込むと、すぐに上昇させる。
ある程度上昇させると、そこで滞空させる。停泊地がどこにあるか、炎の明かりがあるとはいえ流石に夜中なのでので見辛かったが、なんとかそれらしき建物を発見できた。
「よし……行くぞ、グリフォン」
そう命じ、グリフォンを飛ばせる。
すぐに停泊地へと辿り着いたが、こちらも酷い有様だった。
「なんだ、これ……」
思わず絶句してしまう。
意外なことに、厩舎は燃えてはいなかった。
しかし、厩舎は屋根が崩れ、半壊していた。
それもメチャクチャに壊されている割には、空から見ると床がはっきり見える穴がぽっかり開いているという奇妙な光景であった。
明らかに、あの場所からワイバーンが飛び立った証拠である。
「――降下しよう」
あの場所に、この事態の原因がある。そう確信し、グリフォンを厩舎の傍へ着陸させる。
降りたレッドは急いで厩舎へ駆ける。
その中は、おぞましい残酷な姿となっていた。
「これは……」
もはや、言葉を失うしかなかった。
外からでも破壊されているのが分かった厩舎だが、中も酷い惨状である。
柵も、檻も、全てバラバラに破壊されていた。ほんの一か月前、来たのが嘘のように跡形もなかった。
柵だけでなく、飼い葉は辺りに散乱し、調教用の鞭や荷車まで壊されている。もう手あたり次第だ。
そして厩舎全体を染める、夥しい量の赤い血。
「うっ……」
思わず吐きそうになるくらいの惨い様子である。
ワイバーンの物ではない。ワイバーンの血はかなりきつい悪臭がする。昔、他でもないこの厩舎で怪我したワイバーンの治療にたまたまかち合ったことがあり、その際嗅いでしまい堪らず嘔吐したことがある。そんな強い匂いは感じられなかった。
その上、そこかしこに転がっている腕や足など僅かな肉片が、この血が人間の物だと何より証明していた。恐らく、この停泊地で働いていた者たちだろう。
「何が起こったってんだ、いったい……」
やはり賊でも侵入し、飼育員を襲撃しワイバーンを解き放ったのだろうか? しかし、彼らの殺され方は魔物に食い殺されたのに間違い無いし、第一ワイバーンほどの危険な魔物を解き放つなんて無謀だ。自分すら焼き殺されかねないのに、わざわざ解放する馬鹿などおるまい。
やはり、何も分からなかった。何か手掛かりは無いかと、厩舎を歩き回っていた。すると、
「……ん?」
ふと気付くと、崩れた屋根板の下に、人の手が覗いていた。板を何枚か取り払うと、人が倒れている。
突っ伏しているので分かりにくいが、特徴的な白い髭が見えた。
「サーブ爺さんっ!」
驚いて木板を退かし続ける。まだ生きているかもしれないと、必死に重い屋根板を外していく。
その時、ふと気が付いた。
忘れもしない、あの酷い悪臭を。
「――え?」
思わず振り返る。
そこには、今のサーブのように屋根板があった。
正確には、屋根板に埋まっているものがあった。
人間ではない。大きさは三、四メートルくらいはある何かが、こんもりと小山を作っていた。
その中から、あの酷い匂いがする。厩舎一面にぶち撒けられた人間の血があまりに多すぎて、気付けなかった。
「…………」
何か嫌なものを感じ、その山からも木板を取り除いていく。
するとすぐに、中にいたものが出てきた。
「……っ!」
それは、ワイバーンだった。
体中ズタズタで、酷い有様である。
しかしレッドにとって、問題はそこではなかった。
一流の飼育員などは、ワイバーンの顔を見ただけで個体が識別できるという。
しかし、たまに乗る程度のレッドには、ワイバーンなど全て同じ顔に見える。
けれども、この今倒れているワイバーンが誰だかは、容易に判別出来た。
何故なら、彼の耳は少し赤みがかっていたからだ。
「……グレン」
そこには、かつて自分が名付けたワイバーンが、痛々しい姿で横たわっていた。
レッドは戦慄してしまう。
野生のワイバーンが生息する地など限られたもので、アトール王国には端の端くらいの場所にしかない。翼で飛んで大移動することもあるが、場所は決まっていてそれ以外の場所などまず訪れない。こんな場所で、何匹も飛んでくるなんてあり得ないのだ。
たった一つの、可能性を除けばの話だが。
「まさか……」
ある恐ろしい結論に辿り着こうとしたが、直前に止められてしまう。
また炎が、自らに迫ってきた。
「くっ!」
咄嗟にグリフォンに急降下させ、回避する。ワイバーンの炎のブレスだ。間違いなく、この炎が領地を焼いたのだ。
「野郎っ!」
やられっ放しではいられない。そう思ったレッドは、反撃を決意した。
魔剣は、レッド自身の影に入っている都合上、影が無ければ取り出せない。であるため、例えば光の無い深夜などは使えないという欠点がある。
しかし幸いなことに、他ならぬワイバーンが出した炎がそこかしこに燃え上がっている。光源には困らない。
降下しながら、グリフォンの背に映った影から魔剣を取り出すと、グリフォンに上昇を命じる。
「突っ込め!」
命令に従い、グリフォンは急上昇する。追撃していたワイバーンたちも驚いて停止するが、間に合わない。
激突スレスレの距離で、二体の空の覇者は交錯する。
「そぉらぁっ!」
すれ違いざまに、魔剣を振るいワイバーンの首を切り落とす。失速したワイバーンの体は、クルクル回りながら地面に落ちていった。
「まだまだぁ!」
その勢いのまま、今度は旋回して再び急下降する。仲間が殺され動揺しているワイバーンの群れ、あえてその中心に飛び込んだ。
いきなりのことにワイバーンたちはどうしようもなく、容赦なく割って入られる。
「うらぁっ!」
群れを突っ切る刹那、魔剣を二振りし、両側にいた二匹のワイバーンを斬りつけた。互いに羽を斬り落とされ、飛ぶ力を失った竜たちは哀れにも墜落していく。
「次っ!」
そう叫ぶと、またグリフォンに急上昇を命じようとする。確認した限りワイバーンは五匹。あと二匹仕留めれば、とりあえずは終わるはずだった。
しかし、そうして旋回しようとした彼らに、まだ業火が迫る。
「おわっ!」
グリフォンもなんとか避ける。生き残ったワイバーンたちが、接近戦は不利だと考えてブレス攻撃に切り替えたらしい。
グリフォンは飛行速度自体はワイバーンより上だが、炎のブレスなど遠距離攻撃手段を持たない。近づけない限り、一方的に喰らうだけである。
「――ならっ!」
ワイバーンから距離を取りつつ、レッドは魔剣に闇を纏わせた。
闇に覆われた魔剣は、刀身に闇の刃を形成する。
ワイバーンたちが、炎のブレスを連続で放つ。
それを回避し、レッドはグリフォンを飛ばしワイバーンたちを正面に捉える。
「行けぇっ!」
その場で魔剣を大きく二回振ると、闇の刃が放たれ高速で竜たちに襲い掛かる。
予想だにしないことにワイバーンたちは避ける暇もなく、凶刃によって二つに分断されていった。
「はぁ、はぁ……」
ワイバーンの気配が失せたところで、レッドは荒れた息を整えつつ、気になることを探りにグリフォンを着陸させる。幸いにも、足元にまだ燃えていない箇所があったため、そこに着陸が可能だった。
そこで一旦降りると、地面に落下したワイバーンの死体を確認する。
「これは……」
注目したのは、ワイバーンの耳と両足の部分だった。
そこには、記号が刻まれた魔物用のピアスと足輪があった。
「間違いない……うちの停泊地のワイバーンだ……」
レッドはそう確信する。
移動用に使われるワイバーンには、出身地や生年月日など記録されたタグを付けるのが義務となっている。停泊地を点々とするワイバーンの運用上、常に出身である停泊地に居る訳ではないが、タグを見ればどこのワイバーンか一発で分かるのだ。
そして今レッドが仕留めたワイバーンには、このカーティス領の停泊地かあるいは近辺の停泊地を示す記号が刻まれていた。
つまり、他でもないこのカーティス領の停泊地で飼われていたワイバーンが村々を襲ったということだ。
「どうなってんだ、いったい……」
いくら誕生から今まで人間の管理下で飼育されてきたワイバーンとはいえ、所詮は魔物なので突如暴れ出すリスクはある。テイマーのように魔力で従えているわけではないので、飼育されていた魔物が暴走被害を出したなど、珍しくもない事件だ。
しかし、だからこそ管理は徹底して行われてきたはず。しかもこれだけの魔物が一斉に暴れ出すなど、どう考えても尋常ではない。
停泊地に、何かが起こったと思うしかなかった。
「――行くしかないか」
そう決めて、もう一度グリフォンに乗り込むと、すぐに上昇させる。
ある程度上昇させると、そこで滞空させる。停泊地がどこにあるか、炎の明かりがあるとはいえ流石に夜中なのでので見辛かったが、なんとかそれらしき建物を発見できた。
「よし……行くぞ、グリフォン」
そう命じ、グリフォンを飛ばせる。
すぐに停泊地へと辿り着いたが、こちらも酷い有様だった。
「なんだ、これ……」
思わず絶句してしまう。
意外なことに、厩舎は燃えてはいなかった。
しかし、厩舎は屋根が崩れ、半壊していた。
それもメチャクチャに壊されている割には、空から見ると床がはっきり見える穴がぽっかり開いているという奇妙な光景であった。
明らかに、あの場所からワイバーンが飛び立った証拠である。
「――降下しよう」
あの場所に、この事態の原因がある。そう確信し、グリフォンを厩舎の傍へ着陸させる。
降りたレッドは急いで厩舎へ駆ける。
その中は、おぞましい残酷な姿となっていた。
「これは……」
もはや、言葉を失うしかなかった。
外からでも破壊されているのが分かった厩舎だが、中も酷い惨状である。
柵も、檻も、全てバラバラに破壊されていた。ほんの一か月前、来たのが嘘のように跡形もなかった。
柵だけでなく、飼い葉は辺りに散乱し、調教用の鞭や荷車まで壊されている。もう手あたり次第だ。
そして厩舎全体を染める、夥しい量の赤い血。
「うっ……」
思わず吐きそうになるくらいの惨い様子である。
ワイバーンの物ではない。ワイバーンの血はかなりきつい悪臭がする。昔、他でもないこの厩舎で怪我したワイバーンの治療にたまたまかち合ったことがあり、その際嗅いでしまい堪らず嘔吐したことがある。そんな強い匂いは感じられなかった。
その上、そこかしこに転がっている腕や足など僅かな肉片が、この血が人間の物だと何より証明していた。恐らく、この停泊地で働いていた者たちだろう。
「何が起こったってんだ、いったい……」
やはり賊でも侵入し、飼育員を襲撃しワイバーンを解き放ったのだろうか? しかし、彼らの殺され方は魔物に食い殺されたのに間違い無いし、第一ワイバーンほどの危険な魔物を解き放つなんて無謀だ。自分すら焼き殺されかねないのに、わざわざ解放する馬鹿などおるまい。
やはり、何も分からなかった。何か手掛かりは無いかと、厩舎を歩き回っていた。すると、
「……ん?」
ふと気付くと、崩れた屋根板の下に、人の手が覗いていた。板を何枚か取り払うと、人が倒れている。
突っ伏しているので分かりにくいが、特徴的な白い髭が見えた。
「サーブ爺さんっ!」
驚いて木板を退かし続ける。まだ生きているかもしれないと、必死に重い屋根板を外していく。
その時、ふと気が付いた。
忘れもしない、あの酷い悪臭を。
「――え?」
思わず振り返る。
そこには、今のサーブのように屋根板があった。
正確には、屋根板に埋まっているものがあった。
人間ではない。大きさは三、四メートルくらいはある何かが、こんもりと小山を作っていた。
その中から、あの酷い匂いがする。厩舎一面にぶち撒けられた人間の血があまりに多すぎて、気付けなかった。
「…………」
何か嫌なものを感じ、その山からも木板を取り除いていく。
するとすぐに、中にいたものが出てきた。
「……っ!」
それは、ワイバーンだった。
体中ズタズタで、酷い有様である。
しかしレッドにとって、問題はそこではなかった。
一流の飼育員などは、ワイバーンの顔を見ただけで個体が識別できるという。
しかし、たまに乗る程度のレッドには、ワイバーンなど全て同じ顔に見える。
けれども、この今倒れているワイバーンが誰だかは、容易に判別出来た。
何故なら、彼の耳は少し赤みがかっていたからだ。
「……グレン」
そこには、かつて自分が名付けたワイバーンが、痛々しい姿で横たわっていた。
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