20 / 123
転生勇者と魔剣編
第十九話 闇に染まる時(2)
しおりを挟む
戦いの音が聞こえた場所に、レッドたちが到着した時には、既に喧騒は止んでいた。
流石に火の手が回り始めて逃げたのか、とも思ったが、そうではなかった。
単に、戦う相手がいなくなっただけらしかった。
「……っ」
喧騒、つまり村人同士殺し合っていたであろう場所には、山ほどの死体が転がっていた。
そしてその死体を踏みつけるように立っているのも、やはり村人たちである。
十数人はいる亜人たちのメンバーは、あの反対派のリーダーと取り巻きたちだった。
――よりによって、こいつらが生き延びちまったか……
一番最悪なパターンを引いてしまったらしいと、レッドはめまいがしてきた。
未だに剣と鍬を持ってこちらを殺気がかった目で睨んでくる彼らを見れば、何が起きるか見当がつくからだ。
「……ああん!? テメエら、何しに来やがった!」
体中血まみれで、同様に血に染まった剣を持つリーダーの、そんな頭が壊れたような言葉にレッド自身も激昂してしまう。
「――何してんだはこっちの台詞だ! 貴様ら、なんてことしてるんだよっ!」
「うるせぇんだよ人族が! こっちにうるさく指図するジジイどもぶっ殺して何が悪いっ! 余所者がぎゃあぎゃあ騒いでんじゃねえ!」
もはや正気を失っているなどというレベルではなかった。自分が何をしているのかさえ分かっていないのかもしれない。ただ激情に任せて、暴れ狂っただけだ。
「……もう、もう止めてくださいっ!!」
溜まらずにアレンが飛び出した。目には涙が溢れている。
「こんなことして何になるんですか!? ブルードラゴン様はもう完全に狂暴化してしまっているんです、こんなことしても……!!」
「ブルードラゴンなんて関係あるかっ!!」
アレンの必至の説得も、村人たちには届かない。もはや怒りと憎しみだけの怪物と化してしまっていた。
「犬畜生も余所の連中も人族も……余所者が勝手にズカズカ入り込んできやがって! うざいんだよっ! 目障りなんだよ気色悪いんだよっ!! 殺して何が悪い、仲良くしようなんて反吐が出るんだよっ!!」
アレンはもはや言葉を失っていた。
アレン自身、村の人々が自分やレッドたちに忌諱感を抱いていたことくらい承知していただろう。しかし、その正体がこんなものだとは予想すらしていなかったはずだ。
そもそも亜人の国であるマガラニ同盟国と、人間の国である他国と停戦条約が結ばれたのはたった一年前に過ぎない。そのマガラニ同盟国ですら、所詮は他種族たちが否応無しに寄り集まった代物でしかない。
何百年も前から他種族を憎み合い殺し合い、それを是として生きてきた者たちが、突然互いに仲良くしましょうなんて言われて収まれるはずがない。彼らは同盟国が建国された後の世代だが、親や祖父の世代から散々叩きこまれて来たのだろう。
要は――今回のブルードラゴンの騒動などただのきっかけに過ぎない。この国においてこんな惨劇は、どこでも起こり得る当たり前の光景なのだ。
「――下がってろ、アレン」
目の前に立ったアレンを手で退けさせる。聖剣を抜いて村人たちに向けた。
「勇者様――っ!」
アレンはもう泣いているのか怒っているのかさえ分からないほど顔をくしゃくしゃにしていた。そんな彼から、レッドは目を背けてしまう。なんと声をかければいいのか、答えに窮したからだ。
「ああん!? やんのかテメエっ!!」
剣を抜いたレッドに敵愾心を剥き出しにして、向こうも剣や鍬を構える。こちらが勇者だなんてとっくに頭から無くなってるに違いない、もう呆れる他なかった。
今にも襲い掛かってきそうな村人たちだったが、実のところレッドはどうすべきか迷っていた。
というのも実は、レッドは訓練での対人戦闘の経験はあったが実戦、もっと言えば人殺しをしたことが無かった。
前回の時も、亜人狩りと称して父や兄たちと亜人の村を襲撃したことはあったが、直接手を下した経験は無い。人殺しをしたくなかったというより、単に臆病で怖かっただけである。
そんな自分が、今更人殺しを出来るだろうか? 殺さずに拘束するとしても、この状況では同盟国に引き渡す余裕なんか無いだろう。かといってこんなイカレた奴らを放置すれば被害は拡大する一方だ。
どうすべきかと、剣を構えたまま苦悶していたが、
ふと、その剣がピクピクと脈動するのを感じた。
「――っ!?」
レッドは戦慄する。この感覚は知っていた。前回でも今回でも飽きるほど感じた、危険を察知した聖剣独特の反応。
「レッド!!」
珍しくラヴォワの叫び声が聞こえたかと思えば、同時にものすごい強風が吹いてその場にいた全員を空中へ放り出した。
「うわぁっ!」
強烈な風が否応なしに皆を吹き飛ばし、荒れ狂った嵐が家々を燃やしていた炎を消してしまう。もっとも、風は一瞬で収まったが。
「ううっ……」
全身を打ち付けられてそこかしこに痛みを感じたが、大した怪我はしていないようだ。そう確認したレッドが、起き上がってみると、
「……っ!」
その場に、今までレッドたちが対峙していた場所を埋めるかの如く、巨大な影が鎮座していた。
いや、それは影ではなかった。
闇の中でも、まだ燃え続ける家屋が照らしてくれた、青い肌。
その二枚の羽で空を舞い、先ほどの風を巻き起こしたであろう、大きな翼。
無数の牙を見せつけるかのように開いた、大きな口。
忘れもしない、先ほどあの大空洞でその神の如き姿を見せつけられた、ブルードラゴンが目の前に居たのだ。
「……血の匂いを嗅ぎつけてきやがったな……!」
レッドはそう吐き捨てる。仮にレッドが、ブルードラゴンの狂暴化の可能性を知っていなくても、今の彼は同じことを結論付けたであろう。
何故なら、眼前にいるブルードラゴンは、剥き出しになった牙から涎をダラダラと零し、瞳を飢えと渇きに血走らせていたからだ。
しかし、そんなことも理解できない者たちがいた。突如として、狂ったような高笑いがその場に響く。
「ははは、ははははは、ははははははははははははぁっ!!」
それはあのリーダーが発した笑いだった。生き残った反対派の数人も立ち上がり、同じく笑い出す。
「おい、貴様ら何してんだ! とっとと逃げ……」
「うるせぇ! ブルードラゴン様だぞ、ブルードラゴン様が来てくれたぞ! クソ生意気な人族と犬コロ喰い殺しに来てくれたんだよっ! やっぱ俺たちの神様だってことだ! さあブルードラゴン様、このウザったい奴らをぶっ殺」
最後の言葉まで、彼は喋ることが出来なかった。
何故なら、彼らはブルードラゴンに頭から喰われ、ほぼ一瞬でその身を口の中に含まれたからである。
「――そりゃ、多くて抵抗してない奴から食うわよね」
こちらも起き上がってきたマータが冷たく言い放つ。他の皆も少々怪我をしているようだが全員無事らしい。
グチャグチャと、ブルードラゴンが村人たちを咀嚼する音が響いてくる。あんなものでブルードラゴンの食欲を満たすことは出来ないだろう。すぐに次の獲物を求めるに違いない。
「――ラヴォワ、他の生存者は?」
「……あの人たちが最後だったみたい。他は全員死んだ……」
「つまり、次喰われるのはあたしたちってことね」
咀嚼音が短くなってきた。あの咀嚼音が終わった時、自分たちの余命も尽きる。そう考えると、まるで死に神の足音のように聞こえてしまう。
「どうする、逃げるか?」
「――無理だな。この周辺にはもう俺たちしかおるまい。逃げるにしろ、こいつと戦わないで上手く逃げれるか」
「そうかい、分かったよ」
ロイがそう理解すると斧を背中から降ろし構えた。筋肉バカではあるが、こうして自分のすべきことを理解すればこの男は頼もしい。
マータもラヴォワも戦闘態勢に入る。どの道戦うしかないのであれば、腹をくくるしかない。
だが唯一アレンだけが、その場に立ちすくんでいた。
「――アレン、下がってろ」
「…………」
「アレン!」
レッドが叫ぶと、ビクッと体を揺らしアレンが気付いた。
「――下がってろ。防御魔術は自分だけでいい。己の身だけを守っとけ」
「で、でも勇者様……っ!」
「いいから逃げろっ!」
もう一度命令すると、アレンは必至になって駆けだした。この場で彼を守りながら戦うなんて出来ない。なるべく離れてもらうしかない。
そのすぐ後に、ブルードラゴンの咀嚼音が消えた。食い切ったらしい。
余韻に浸る間もなく、ブルードラゴンは次のターゲットを目に付けた。つまり、レッドたちである。
「来るぞっ!」
その叫びに呼応するように、ブルードラゴンはこちらに食らいついてきた。
流石に火の手が回り始めて逃げたのか、とも思ったが、そうではなかった。
単に、戦う相手がいなくなっただけらしかった。
「……っ」
喧騒、つまり村人同士殺し合っていたであろう場所には、山ほどの死体が転がっていた。
そしてその死体を踏みつけるように立っているのも、やはり村人たちである。
十数人はいる亜人たちのメンバーは、あの反対派のリーダーと取り巻きたちだった。
――よりによって、こいつらが生き延びちまったか……
一番最悪なパターンを引いてしまったらしいと、レッドはめまいがしてきた。
未だに剣と鍬を持ってこちらを殺気がかった目で睨んでくる彼らを見れば、何が起きるか見当がつくからだ。
「……ああん!? テメエら、何しに来やがった!」
体中血まみれで、同様に血に染まった剣を持つリーダーの、そんな頭が壊れたような言葉にレッド自身も激昂してしまう。
「――何してんだはこっちの台詞だ! 貴様ら、なんてことしてるんだよっ!」
「うるせぇんだよ人族が! こっちにうるさく指図するジジイどもぶっ殺して何が悪いっ! 余所者がぎゃあぎゃあ騒いでんじゃねえ!」
もはや正気を失っているなどというレベルではなかった。自分が何をしているのかさえ分かっていないのかもしれない。ただ激情に任せて、暴れ狂っただけだ。
「……もう、もう止めてくださいっ!!」
溜まらずにアレンが飛び出した。目には涙が溢れている。
「こんなことして何になるんですか!? ブルードラゴン様はもう完全に狂暴化してしまっているんです、こんなことしても……!!」
「ブルードラゴンなんて関係あるかっ!!」
アレンの必至の説得も、村人たちには届かない。もはや怒りと憎しみだけの怪物と化してしまっていた。
「犬畜生も余所の連中も人族も……余所者が勝手にズカズカ入り込んできやがって! うざいんだよっ! 目障りなんだよ気色悪いんだよっ!! 殺して何が悪い、仲良くしようなんて反吐が出るんだよっ!!」
アレンはもはや言葉を失っていた。
アレン自身、村の人々が自分やレッドたちに忌諱感を抱いていたことくらい承知していただろう。しかし、その正体がこんなものだとは予想すらしていなかったはずだ。
そもそも亜人の国であるマガラニ同盟国と、人間の国である他国と停戦条約が結ばれたのはたった一年前に過ぎない。そのマガラニ同盟国ですら、所詮は他種族たちが否応無しに寄り集まった代物でしかない。
何百年も前から他種族を憎み合い殺し合い、それを是として生きてきた者たちが、突然互いに仲良くしましょうなんて言われて収まれるはずがない。彼らは同盟国が建国された後の世代だが、親や祖父の世代から散々叩きこまれて来たのだろう。
要は――今回のブルードラゴンの騒動などただのきっかけに過ぎない。この国においてこんな惨劇は、どこでも起こり得る当たり前の光景なのだ。
「――下がってろ、アレン」
目の前に立ったアレンを手で退けさせる。聖剣を抜いて村人たちに向けた。
「勇者様――っ!」
アレンはもう泣いているのか怒っているのかさえ分からないほど顔をくしゃくしゃにしていた。そんな彼から、レッドは目を背けてしまう。なんと声をかければいいのか、答えに窮したからだ。
「ああん!? やんのかテメエっ!!」
剣を抜いたレッドに敵愾心を剥き出しにして、向こうも剣や鍬を構える。こちらが勇者だなんてとっくに頭から無くなってるに違いない、もう呆れる他なかった。
今にも襲い掛かってきそうな村人たちだったが、実のところレッドはどうすべきか迷っていた。
というのも実は、レッドは訓練での対人戦闘の経験はあったが実戦、もっと言えば人殺しをしたことが無かった。
前回の時も、亜人狩りと称して父や兄たちと亜人の村を襲撃したことはあったが、直接手を下した経験は無い。人殺しをしたくなかったというより、単に臆病で怖かっただけである。
そんな自分が、今更人殺しを出来るだろうか? 殺さずに拘束するとしても、この状況では同盟国に引き渡す余裕なんか無いだろう。かといってこんなイカレた奴らを放置すれば被害は拡大する一方だ。
どうすべきかと、剣を構えたまま苦悶していたが、
ふと、その剣がピクピクと脈動するのを感じた。
「――っ!?」
レッドは戦慄する。この感覚は知っていた。前回でも今回でも飽きるほど感じた、危険を察知した聖剣独特の反応。
「レッド!!」
珍しくラヴォワの叫び声が聞こえたかと思えば、同時にものすごい強風が吹いてその場にいた全員を空中へ放り出した。
「うわぁっ!」
強烈な風が否応なしに皆を吹き飛ばし、荒れ狂った嵐が家々を燃やしていた炎を消してしまう。もっとも、風は一瞬で収まったが。
「ううっ……」
全身を打ち付けられてそこかしこに痛みを感じたが、大した怪我はしていないようだ。そう確認したレッドが、起き上がってみると、
「……っ!」
その場に、今までレッドたちが対峙していた場所を埋めるかの如く、巨大な影が鎮座していた。
いや、それは影ではなかった。
闇の中でも、まだ燃え続ける家屋が照らしてくれた、青い肌。
その二枚の羽で空を舞い、先ほどの風を巻き起こしたであろう、大きな翼。
無数の牙を見せつけるかのように開いた、大きな口。
忘れもしない、先ほどあの大空洞でその神の如き姿を見せつけられた、ブルードラゴンが目の前に居たのだ。
「……血の匂いを嗅ぎつけてきやがったな……!」
レッドはそう吐き捨てる。仮にレッドが、ブルードラゴンの狂暴化の可能性を知っていなくても、今の彼は同じことを結論付けたであろう。
何故なら、眼前にいるブルードラゴンは、剥き出しになった牙から涎をダラダラと零し、瞳を飢えと渇きに血走らせていたからだ。
しかし、そんなことも理解できない者たちがいた。突如として、狂ったような高笑いがその場に響く。
「ははは、ははははは、ははははははははははははぁっ!!」
それはあのリーダーが発した笑いだった。生き残った反対派の数人も立ち上がり、同じく笑い出す。
「おい、貴様ら何してんだ! とっとと逃げ……」
「うるせぇ! ブルードラゴン様だぞ、ブルードラゴン様が来てくれたぞ! クソ生意気な人族と犬コロ喰い殺しに来てくれたんだよっ! やっぱ俺たちの神様だってことだ! さあブルードラゴン様、このウザったい奴らをぶっ殺」
最後の言葉まで、彼は喋ることが出来なかった。
何故なら、彼らはブルードラゴンに頭から喰われ、ほぼ一瞬でその身を口の中に含まれたからである。
「――そりゃ、多くて抵抗してない奴から食うわよね」
こちらも起き上がってきたマータが冷たく言い放つ。他の皆も少々怪我をしているようだが全員無事らしい。
グチャグチャと、ブルードラゴンが村人たちを咀嚼する音が響いてくる。あんなものでブルードラゴンの食欲を満たすことは出来ないだろう。すぐに次の獲物を求めるに違いない。
「――ラヴォワ、他の生存者は?」
「……あの人たちが最後だったみたい。他は全員死んだ……」
「つまり、次喰われるのはあたしたちってことね」
咀嚼音が短くなってきた。あの咀嚼音が終わった時、自分たちの余命も尽きる。そう考えると、まるで死に神の足音のように聞こえてしまう。
「どうする、逃げるか?」
「――無理だな。この周辺にはもう俺たちしかおるまい。逃げるにしろ、こいつと戦わないで上手く逃げれるか」
「そうかい、分かったよ」
ロイがそう理解すると斧を背中から降ろし構えた。筋肉バカではあるが、こうして自分のすべきことを理解すればこの男は頼もしい。
マータもラヴォワも戦闘態勢に入る。どの道戦うしかないのであれば、腹をくくるしかない。
だが唯一アレンだけが、その場に立ちすくんでいた。
「――アレン、下がってろ」
「…………」
「アレン!」
レッドが叫ぶと、ビクッと体を揺らしアレンが気付いた。
「――下がってろ。防御魔術は自分だけでいい。己の身だけを守っとけ」
「で、でも勇者様……っ!」
「いいから逃げろっ!」
もう一度命令すると、アレンは必至になって駆けだした。この場で彼を守りながら戦うなんて出来ない。なるべく離れてもらうしかない。
そのすぐ後に、ブルードラゴンの咀嚼音が消えた。食い切ったらしい。
余韻に浸る間もなく、ブルードラゴンは次のターゲットを目に付けた。つまり、レッドたちである。
「来るぞっ!」
その叫びに呼応するように、ブルードラゴンはこちらに食らいついてきた。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる