62 / 64
62
しおりを挟む息をつく暇もなく、蓮が虎太郎の体をひっくり返した。前回のように腰を掴み上げられる。虎太郎のお尻だけが高く上がり、蓮へと差し出される体勢だ。虎太郎が気になり後ろを振り返ると、丁度蓮が虎太郎のお尻へと何かをかけるところだった。
「――ひっ!」
「ローションだ。大丈夫か?」
虎太郎は蓮を見ながら頷いた。トロっとした冷たいものがお尻の間を流れていく。何度もローションを後ろへ塗りこまれ、縁をマッサージされる。なかなか指は入れられない。
「まだ、指は入れないの?」
「もう少しな。今日は犬になるなよ」
蓮が笑いながら虎太郎に言ってきた。
「ならないよ! 大丈夫!」
「自分じゃ分かんねぇだろ」
どうやら、前回虎太郎が驚きすぎて犬になってしまったので、驚かせないようにゆっくりと進めているようだ。後ろがベタベタにふやけそうになったくらいで、ようやく蓮が声をかけてきた。
「指入れるぞ」
「――うん」
ゆっくりと蓮の長い指が虎太郎の中へ入ってくる。何とも言えない感覚に虎太郎は眉を寄せた。
「……んんっ」っと虎太郎は唸る。
入ってきた指は少しの間止まり、徐々に動き始めた。優しく抜き差しされ、中をぐるりとかき混ぜられる。
「2本目入れるぞ」
そう声をかけられた後もう1本指が追加され、バラバラに動かされる。たくさんならされたおかげで痛くはないが、違和感が強くてまったく気持ちよくない。虎太郎はシーツを掴み耐える。
そんな虎太郎の状態に気がついた蓮が、落ち着いてしまった虎太郎のモノを空いている片手で触ってきた。
「――んっ」
突然の刺激に虎太郎の腰が揺れる。その瞬間、虎太郎の中に入っていた蓮の指が変な場所に触れた。快感が背筋を走る。
「んぁ! ……えっ」
虎太郎の後ろが、蓮の指をきゅっと締め付ける。
「ここがいいのか?」
そうつぶやいた蓮が、再度その場所を押してくる。
「ふぁ!」
虎太郎の足先が、蓮の指の動きに合わせて、ピクリと動く。虎太郎の反応を見ていた蓮が、後ろと前の両方から刺激を入れてきたので声が抑えられない。
「気持ちいいか?」
「ん、はぁ、きもちいい……」
体のあちこちが自分の意思とは関係なく、刺激に合わせてピクピクと反応する。
しばらくいじられ続けたが、一度止まった蓮の指が一気に虎太郎の中から抜かれる。出ていく感覚に、虎太郎は力なく後ろを振り返った。
「3本入るようになったから、次はこっちを入れるぞ」
そう言って、立派に立ち上がった蓮のモノが虎太郎の後ろにつけられる。いつの間にか指が3本も入っていたようだ。とうとう蓮のモノが自分の中に入ってくるんだ、と思った虎太郎は無意識に力を入れた。
「おい、力を入れるな。深呼吸しろ」
虎太郎がゆっくりと深呼吸をして力を抜いた瞬間、蓮のモノが少し入ってきた。指とは比べものにならない大きさのものが、虎太郎の中に入ってくる。とても熱くて、まるで燃えているみたいだ。
必死に力を抜こうと頑張っていると、一度止まった蓮のモノがまた奥へと進んでくる。どんどん奥へと進んでくるため、虎太郎は怖くなった。
「まだ、入るの? もう、もう、僕のお腹、いっぱい」
「――くっ、もう少しだ」
息も絶え絶えに言った虎太郎の背中が、優しく撫でられる。最後にグイッと入れられて、虎太郎のお尻に蓮の腰がぶつかった。
「全部入ったぞ」
「ほんと? もう、喉のとこまで、入ってるかも。息が、苦しい」
「――ふふっ、そうか」
ゆっくりと中に入ってきた熱いものが止まる。蓮のモノが自分のお尻の中に入っているなんて、嘘みたいだ。虎太郎はどうなっているのか確かめたくて、後ろを振り返る。
蓮の顔が見えた瞬間、虎太郎は固まった。壮絶な色気が滲んだ顔が、目線が、虎太郎を見つめていた。汗ばんだ蓮の体がまるで光っているようだ。
「どうした? 痛いか?」
「……ううん」
虎太郎はたまらなくなり、顔を戻して枕に埋めた。
「――もう、動くぞ」
そう切羽詰まった声で言われた瞬間、馴染んできた蓮のモノが激しく動き始めた。指で刺激されていたところを突かれる。
「ああっ、ひぃ……」
後ろからガンガン突かれ、揺さぶられて虎太郎の意識は飛びそうだ。自分の体がどうなっているのかよく分からない。
シーツを必死に掴んでいた虎太郎の手の上に、一回り大きな熱い手が重ねられる。
「――虎太郎」
耳元で大好きな人に名前を呼ばれながら、虎太郎は意識を手放した。
82
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
【魔導具師マリオンの誤解】 ~陰謀で幼馴染みの王子に追放されたけど美味しいごはんともふもふに夢中なので必死で探されても知らんぷりします
真義あさひ
BL
だいたいタイトル通りの前世からの因縁カプもの、剣聖王子×可憐な錬金魔導具師の幼馴染みライトBL。
攻の王子はとりあえず頑張れと応援してやってください……w
◇◇◇
「マリオン・ブルー。貴様のような能無しはこの誉れある研究学園には必要ない! 本日をもって退学処分を言い渡す!」
マリオンはいくつもコンクールで受賞している優秀な魔導具師だ。業績を見込まれて幼馴染みの他国の王子に研究学園の講師として招かれたのだが……なぜか生徒に間違われ、自分を呼び寄せたはずの王子からは嫌がらせのオンパレード。
ついに退学の追放処分まで言い渡されて意味がわからない。
(だから僕は学生じゃないよ、講師! 追放するなら退学じゃなくて解雇でしょ!?)
マリオンにとって王子は初恋の人だ。幼い頃みたく仲良くしたいのに王子はマリオンの話を聞いてくれない。
王子から大切なものを踏みつけられ、傷つけられて折れた心を抱え泣きながら逃げ出すことになる。
だがそれはすべて誤解だった。王子は偽物で、本物は事情があって学園には通っていなかったのだ。
事態を知った王子は必死でマリオンを探し始めたが、マリオンは戻るつもりはなかった。
もふもふドラゴンの友達と一緒だし、潜伏先では綺麗なお姉さんたちに匿われて毎日ごはんもおいしい。
だがマリオンは知らない。
「これぐらいで諦められるなら、俺は転生してまで追いかけてないんだよ!」
王子と自分は前世からずーっと同じような追いかけっこを繰り返していたのだ。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします。……やっぱり狙われちゃう感じ?
み馬
BL
※ 完結しました。お読みくださった方々、誠にありがとうございました!
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、とある加護を受けた8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 独自設定、造語、下ネタあり。出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
氷の魔術師は狼獣人と巣ごもりしたい
ぷかり
BL
魔塔所属のエリート魔術師サリウスは任務の帰り吹雪に合って行き倒れたところを狼獣人のリルに拾われた。
リルの献身的な手当てによりサリウスは英気を養い職場のある王都に帰るが、もう会うことのないと思っていたリルの温かさが恋しくなり、度々リルの元を訪れるようになる。
そんなある日、サリウスはリルの発情に巻き込まれてしまう。
オメガバースの設定をお借りしております
ムーンライトノベルズさまにて別タイトルで完結済です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる