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 息をつく暇もなく、蓮が虎太郎の体をひっくり返した。前回のように腰を掴み上げられる。虎太郎のお尻だけが高く上がり、蓮へと差し出される体勢だ。虎太郎が気になり後ろを振り返ると、丁度蓮が虎太郎のお尻へと何かをかけるところだった。

「――ひっ!」
「ローションだ。大丈夫か?」

 虎太郎は蓮を見ながら頷いた。トロっとした冷たいものがお尻の間を流れていく。何度もローションを後ろへ塗りこまれ、縁をマッサージされる。なかなか指は入れられない。

「まだ、指は入れないの?」
「もう少しな。今日は犬になるなよ」

 蓮が笑いながら虎太郎に言ってきた。

「ならないよ! 大丈夫!」
「自分じゃ分かんねぇだろ」

 どうやら、前回虎太郎が驚きすぎて犬になってしまったので、驚かせないようにゆっくりと進めているようだ。後ろがベタベタにふやけそうになったくらいで、ようやく蓮が声をかけてきた。

「指入れるぞ」
「――うん」

 ゆっくりと蓮の長い指が虎太郎の中へ入ってくる。何とも言えない感覚に虎太郎は眉を寄せた。

「……んんっ」っと虎太郎は唸る。

 入ってきた指は少しの間止まり、徐々に動き始めた。優しく抜き差しされ、中をぐるりとかき混ぜられる。

「2本目入れるぞ」

 そう声をかけられた後もう1本指が追加され、バラバラに動かされる。たくさんならされたおかげで痛くはないが、違和感が強くてまったく気持ちよくない。虎太郎はシーツを掴み耐える。
 そんな虎太郎の状態に気がついた蓮が、落ち着いてしまった虎太郎のモノを空いている片手で触ってきた。

「――んっ」

 突然の刺激に虎太郎の腰が揺れる。その瞬間、虎太郎の中に入っていた蓮の指が変な場所に触れた。快感が背筋を走る。

「んぁ! ……えっ」

 虎太郎の後ろが、蓮の指をきゅっと締め付ける。

「ここがいいのか?」

 そうつぶやいた蓮が、再度その場所を押してくる。

「ふぁ!」

 虎太郎の足先が、蓮の指の動きに合わせて、ピクリと動く。虎太郎の反応を見ていた蓮が、後ろと前の両方から刺激を入れてきたので声が抑えられない。

「気持ちいいか?」
「ん、はぁ、きもちいい……」

 体のあちこちが自分の意思とは関係なく、刺激に合わせてピクピクと反応する。
 しばらくいじられ続けたが、一度止まった蓮の指が一気に虎太郎の中から抜かれる。出ていく感覚に、虎太郎は力なく後ろを振り返った。

「3本入るようになったから、次はこっちを入れるぞ」

 そう言って、立派に立ち上がった蓮のモノが虎太郎の後ろにつけられる。いつの間にか指が3本も入っていたようだ。とうとう蓮のモノが自分の中に入ってくるんだ、と思った虎太郎は無意識に力を入れた。

「おい、力を入れるな。深呼吸しろ」

 虎太郎がゆっくりと深呼吸をして力を抜いた瞬間、蓮のモノが少し入ってきた。指とは比べものにならない大きさのものが、虎太郎の中に入ってくる。とても熱くて、まるで燃えているみたいだ。
 必死に力を抜こうと頑張っていると、一度止まった蓮のモノがまた奥へと進んでくる。どんどん奥へと進んでくるため、虎太郎は怖くなった。

「まだ、入るの? もう、もう、僕のお腹、いっぱい」
「――くっ、もう少しだ」

 息も絶え絶えに言った虎太郎の背中が、優しく撫でられる。最後にグイッと入れられて、虎太郎のお尻に蓮の腰がぶつかった。

「全部入ったぞ」
「ほんと? もう、喉のとこまで、入ってるかも。息が、苦しい」
「――ふふっ、そうか」

 ゆっくりと中に入ってきた熱いものが止まる。蓮のモノが自分のお尻の中に入っているなんて、嘘みたいだ。虎太郎はどうなっているのか確かめたくて、後ろを振り返る。
 蓮の顔が見えた瞬間、虎太郎は固まった。壮絶な色気が滲んだ顔が、目線が、虎太郎を見つめていた。汗ばんだ蓮の体がまるで光っているようだ。

「どうした? 痛いか?」
「……ううん」

 虎太郎はたまらなくなり、顔を戻して枕に埋めた。

「――もう、動くぞ」

 そう切羽詰まった声で言われた瞬間、馴染んできた蓮のモノが激しく動き始めた。指で刺激されていたところを突かれる。

「ああっ、ひぃ……」

 後ろからガンガン突かれ、揺さぶられて虎太郎の意識は飛びそうだ。自分の体がどうなっているのかよく分からない。
 シーツを必死に掴んでいた虎太郎の手の上に、一回り大きな熱い手が重ねられる。

「――虎太郎」

 耳元で大好きな人に名前を呼ばれながら、虎太郎は意識を手放した。
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