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30 同居継続!
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夜も更けてきたため、虎太郎は犬になり寝室へと向かう。
蓮はまだ仕事が残っているらしく、虎太郎だけ先に寝ることにしたのだ。
寝室にたどり着いた虎太郎は、ベッドにピョンと飛び乗った。いつもの定位置である枕元に座り込む。
蓮が来るまで起きていようと思っていたが、暗い寝室にいると眠気が押し寄せてくる。クワッと大きな欠伸をした虎太郎はその場に伏せて丸くなった。
眠りに落ちそうになった虎太郎は、とあることに気がつく。
――あれ? 封筒の件が解決したから、この家を出て行かなきゃいけないのかな?
とても重要な事に思える。ちゃんと考えないと、と頭の片隅で思ったが、眠気が勝ってしまった虎太郎はそのまま眠りに落ちた。
朝、虎太郎が起きると、蓮はすでに仕事に行った後だった。
起きたときには大抵人間になっているが、最近では蓮も文句を言うことは少なくなっていた。言っても仕方ないと諦めたのかもしれないが……
服を着た虎太郎はリビングまで行き、ソファに座った。ソファに置いてあるクッションを抱えてため息をつく。昨日寝る前に考えたことを覚えていたのだ。
「この家、出て行かなきゃいけないのかな……」
とても居心地がよく、出来ればずっとこのまま居座りたい。だけど、蓮の仕事の邪魔になりそうだし出て行ったほうがいいのかもしれない。でも、まだ直接出て行けと言われたわけじゃないし、もう少しいてもいいのかな、と虎太郎は唸りながらグルグルと考え続けた。
悩んだけれども結論は出ずにソワソワしていると、夜ご飯の時に帰ってきていた蓮からとうとう指摘されてしまった。
「おい、お前、何でそんなに落ち着きがないんだ。なんか言いたいことでもあるのか?」
「――え! えっと、その」
「なんだ?」
「あの、僕、この家出て行かないとダメですかね?」
「は?」
「嫌がらせをされていた件は解決したんで、出て行かなきゃいけないのかなって思ったんですけど、でも、でも、出ていきたくなくて……」
「あ―、別にこのままでいいんじゃね?」
たくさん悩んでいた虎太郎に反して、蓮が軽く返してきたので驚いた虎太郎は驚いて目を見開いた。
「いいんですか!」
「まぁ、別に邪魔じゃないし、バイトの度に来るのも大変だろうからな」
「え! やったー!」
両手をあげて喜びを表現する虎太郎を見た蓮は、少し笑いながら虎太郎を見つめた。箸を動かし、夜ご飯の野菜炒めを数口食べた後、蓮は再度口を開いた。
「このマンションは民度が低い事が分かったし、引っ越すからな。次のとこは今よりも公園に近いぞ」
「わーい!」
喜んでまったくご飯が進まない虎太郎に、蓮は呆れたように「さっさと食え」と言ってきたが、虎太郎の頭では『同居継続』の4文字が踊っており、全然聞いていなかった。
蓮はまだ仕事が残っているらしく、虎太郎だけ先に寝ることにしたのだ。
寝室にたどり着いた虎太郎は、ベッドにピョンと飛び乗った。いつもの定位置である枕元に座り込む。
蓮が来るまで起きていようと思っていたが、暗い寝室にいると眠気が押し寄せてくる。クワッと大きな欠伸をした虎太郎はその場に伏せて丸くなった。
眠りに落ちそうになった虎太郎は、とあることに気がつく。
――あれ? 封筒の件が解決したから、この家を出て行かなきゃいけないのかな?
とても重要な事に思える。ちゃんと考えないと、と頭の片隅で思ったが、眠気が勝ってしまった虎太郎はそのまま眠りに落ちた。
朝、虎太郎が起きると、蓮はすでに仕事に行った後だった。
起きたときには大抵人間になっているが、最近では蓮も文句を言うことは少なくなっていた。言っても仕方ないと諦めたのかもしれないが……
服を着た虎太郎はリビングまで行き、ソファに座った。ソファに置いてあるクッションを抱えてため息をつく。昨日寝る前に考えたことを覚えていたのだ。
「この家、出て行かなきゃいけないのかな……」
とても居心地がよく、出来ればずっとこのまま居座りたい。だけど、蓮の仕事の邪魔になりそうだし出て行ったほうがいいのかもしれない。でも、まだ直接出て行けと言われたわけじゃないし、もう少しいてもいいのかな、と虎太郎は唸りながらグルグルと考え続けた。
悩んだけれども結論は出ずにソワソワしていると、夜ご飯の時に帰ってきていた蓮からとうとう指摘されてしまった。
「おい、お前、何でそんなに落ち着きがないんだ。なんか言いたいことでもあるのか?」
「――え! えっと、その」
「なんだ?」
「あの、僕、この家出て行かないとダメですかね?」
「は?」
「嫌がらせをされていた件は解決したんで、出て行かなきゃいけないのかなって思ったんですけど、でも、でも、出ていきたくなくて……」
「あ―、別にこのままでいいんじゃね?」
たくさん悩んでいた虎太郎に反して、蓮が軽く返してきたので驚いた虎太郎は驚いて目を見開いた。
「いいんですか!」
「まぁ、別に邪魔じゃないし、バイトの度に来るのも大変だろうからな」
「え! やったー!」
両手をあげて喜びを表現する虎太郎を見た蓮は、少し笑いながら虎太郎を見つめた。箸を動かし、夜ご飯の野菜炒めを数口食べた後、蓮は再度口を開いた。
「このマンションは民度が低い事が分かったし、引っ越すからな。次のとこは今よりも公園に近いぞ」
「わーい!」
喜んでまったくご飯が進まない虎太郎に、蓮は呆れたように「さっさと食え」と言ってきたが、虎太郎の頭では『同居継続』の4文字が踊っており、全然聞いていなかった。
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