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「いってきまーす」
「ああ」
今日も大学で講義があるので、虎太郎は元気に蓮の部屋から出た。
マンションの管理人には今回の件を伝えており、対策として特別に虎太郎と蓮はマンションの表ではなく裏の入り口から出入りすることになっている。
一応の変装として大きめのキャップを深くかぶった虎太郎は、マンションの裏口から出て左右を確認する。人影がないことを確認して、急いでマンションから出た虎太郎は大学へ向かった。
「おはよう。熊田君、馬場君」
「おはー」
「おはよう」
今日は馬場も遅れずに来れたようで、虎太郎が着いた時には既に講義室の席に座っていた。ただし、目は半分閉じていて今にも眠ってしまいそうだ。
「実はね、この前相談した封筒が入れられる件なんだけど、全部解決したわけじゃないけど大丈夫になったの!」
虎太郎の話に反応した馬場が眠たげだった目を勢いよく開いた。
「え、ほんとに!?」
「良かったな。確かにクマは消えてるな。どう解決したんだ?」
「実はね、今アルバイトで行っているところの人の家に泊まらせてもらってて――」
「――はぁ? そいつ大丈夫な奴なの?」
「うん! すごく優しい人だよ」
「男?」
「うん」
「歳は?」
「え―何歳くらいだろう? 聞いたことないな。25歳とかかな? よく分かんない」
熊田と馬場は一度お互いに顔を見合わせた後、真剣な顔をして虎太郎のほうを向いた。
「そいつ、やばいやつじゃないの?」
「ううん。えっとね、その人モデルさんなんだけど、その人のファンが僕に嫌がらせをしていたんじゃないかって話になって、責任を感じて助けてくれたの」
「モデル? ホントに? ――それ、虎太郎を家におびき寄せるための自作自演なんてことはない?」
「ありえるな。一回殴りこみに行くか」
「ほんとにモデルさんだし、優しい人なんだってば! 信じてよ! なんでいつも殴ろうとするんだよ」
なぜか2人に相談すると、最後には物騒な話になってしまうので、虎太郎は必死に否定しながら首を傾げた。
蓮の優しさを2人にアピールするために、蓮の家での出来事を色々と思い出す。ポメラニアンに関することは言えないので、ボール遊びに付き合ってくれることやブラッシングをしてくれること、散歩に連れて行ってくれたことは言えない。それ以外のことで考えて、思い当たった事を虎太郎は2人に伝えた。
「毎回、おやつを用意してくれるの。それがとっても美味しいんだよ」
「おい、餌付けされてんじゃねえか」
2人に蓮のことを理解してもらうには、結構時間がかかった。
「ああ」
今日も大学で講義があるので、虎太郎は元気に蓮の部屋から出た。
マンションの管理人には今回の件を伝えており、対策として特別に虎太郎と蓮はマンションの表ではなく裏の入り口から出入りすることになっている。
一応の変装として大きめのキャップを深くかぶった虎太郎は、マンションの裏口から出て左右を確認する。人影がないことを確認して、急いでマンションから出た虎太郎は大学へ向かった。
「おはよう。熊田君、馬場君」
「おはー」
「おはよう」
今日は馬場も遅れずに来れたようで、虎太郎が着いた時には既に講義室の席に座っていた。ただし、目は半分閉じていて今にも眠ってしまいそうだ。
「実はね、この前相談した封筒が入れられる件なんだけど、全部解決したわけじゃないけど大丈夫になったの!」
虎太郎の話に反応した馬場が眠たげだった目を勢いよく開いた。
「え、ほんとに!?」
「良かったな。確かにクマは消えてるな。どう解決したんだ?」
「実はね、今アルバイトで行っているところの人の家に泊まらせてもらってて――」
「――はぁ? そいつ大丈夫な奴なの?」
「うん! すごく優しい人だよ」
「男?」
「うん」
「歳は?」
「え―何歳くらいだろう? 聞いたことないな。25歳とかかな? よく分かんない」
熊田と馬場は一度お互いに顔を見合わせた後、真剣な顔をして虎太郎のほうを向いた。
「そいつ、やばいやつじゃないの?」
「ううん。えっとね、その人モデルさんなんだけど、その人のファンが僕に嫌がらせをしていたんじゃないかって話になって、責任を感じて助けてくれたの」
「モデル? ホントに? ――それ、虎太郎を家におびき寄せるための自作自演なんてことはない?」
「ありえるな。一回殴りこみに行くか」
「ほんとにモデルさんだし、優しい人なんだってば! 信じてよ! なんでいつも殴ろうとするんだよ」
なぜか2人に相談すると、最後には物騒な話になってしまうので、虎太郎は必死に否定しながら首を傾げた。
蓮の優しさを2人にアピールするために、蓮の家での出来事を色々と思い出す。ポメラニアンに関することは言えないので、ボール遊びに付き合ってくれることやブラッシングをしてくれること、散歩に連れて行ってくれたことは言えない。それ以外のことで考えて、思い当たった事を虎太郎は2人に伝えた。
「毎回、おやつを用意してくれるの。それがとっても美味しいんだよ」
「おい、餌付けされてんじゃねえか」
2人に蓮のことを理解してもらうには、結構時間がかかった。
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