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お待ちかねの時間がやってくる――
キッチンのほうへ歩いていく蓮を見ながら、虎太郎は期待に胸が高鳴った。
――今日は一体なんだろう
蓮が運んでくるお皿を凝視しながら、正座をして姿勢を正して待つ。
「ほら、今日はマカロンだ」
「うわー」
机に置かれたお皿にのっていたのはカラフルなマカロンだった。ピンクと黄色と茶色の3色があり、丸くてかわいい形をしている。しばらく眺めた後、虎太郎はどの色のマカロンから食べるか悩んだ。1番かわいいピンク色のマカロンから食べることに決め、手に取って口に運ぶ。
噛むと、外側はサクッとしているが、中の方はしっとりとしていた。不思議でふわふわな食感だ。味もとても甘くて美味しい。
「おいしい!」
思わず笑みがこぼれ、他の色のマカロンも次々と口に運んでいく。それぞれに違う味がして、どれも美味しかった。
この家では、3時におやつが出てくるようになったのだ。
アルバイトを始めて数日が経った頃。リビングでつけっぱなしになっていたテレビで紹介されていたスイーツに釘付けになり、気がつかないうちに虎太郎はテレビの真ん前まで移動していた。その虎太郎の一連の行動を見ていた蓮が爆笑して、次の日からアルバイトの時にはおやつを出してくれるようになったのだ。
自分では買ったことも、見たこともないような美味しいおやつが出てくるので、毎日3時のおやつタイムが楽しみになっている。
虎太郎はいま夏季休暇に入っているため、たくさん来れているが、授業が始まってしまえば難しくなるだろう。夏季休暇が終わっても、呼ばれたときはどうにか3時だけでもこの家にこれないかな、と考えて調べてみたが時間割的に厳しそうで、虎太郎は肩を落とした。
蓮は最近仕事を詰め込みすぎていたらしく、まとめて1か月ほど休みを取っていたところだったようだ。蓮が電話で「他人に慣れるために色々やってるから、もっと休みを伸ばせ」とマネージャーに交渉しているのを、虎太郎は毛をブラッシングされながら聞いていた。
2人の休みがちょうど重なっていたので、虎太郎は毎日のように蓮の家に来れているのだ。
人間克服アルバイトも2週間が過ぎると、虎太郎が人間の姿の時でも、蓮との距離はだんだんと近くなっていった。それは、お互いの心の距離を表しているようでもあった。
キッチンのほうへ歩いていく蓮を見ながら、虎太郎は期待に胸が高鳴った。
――今日は一体なんだろう
蓮が運んでくるお皿を凝視しながら、正座をして姿勢を正して待つ。
「ほら、今日はマカロンだ」
「うわー」
机に置かれたお皿にのっていたのはカラフルなマカロンだった。ピンクと黄色と茶色の3色があり、丸くてかわいい形をしている。しばらく眺めた後、虎太郎はどの色のマカロンから食べるか悩んだ。1番かわいいピンク色のマカロンから食べることに決め、手に取って口に運ぶ。
噛むと、外側はサクッとしているが、中の方はしっとりとしていた。不思議でふわふわな食感だ。味もとても甘くて美味しい。
「おいしい!」
思わず笑みがこぼれ、他の色のマカロンも次々と口に運んでいく。それぞれに違う味がして、どれも美味しかった。
この家では、3時におやつが出てくるようになったのだ。
アルバイトを始めて数日が経った頃。リビングでつけっぱなしになっていたテレビで紹介されていたスイーツに釘付けになり、気がつかないうちに虎太郎はテレビの真ん前まで移動していた。その虎太郎の一連の行動を見ていた蓮が爆笑して、次の日からアルバイトの時にはおやつを出してくれるようになったのだ。
自分では買ったことも、見たこともないような美味しいおやつが出てくるので、毎日3時のおやつタイムが楽しみになっている。
虎太郎はいま夏季休暇に入っているため、たくさん来れているが、授業が始まってしまえば難しくなるだろう。夏季休暇が終わっても、呼ばれたときはどうにか3時だけでもこの家にこれないかな、と考えて調べてみたが時間割的に厳しそうで、虎太郎は肩を落とした。
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2人の休みがちょうど重なっていたので、虎太郎は毎日のように蓮の家に来れているのだ。
人間克服アルバイトも2週間が過ぎると、虎太郎が人間の姿の時でも、蓮との距離はだんだんと近くなっていった。それは、お互いの心の距離を表しているようでもあった。
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