A&R

90年代の音楽業界バブル。二十一世紀に入るとすぐに押し寄せたデジタル化の波の中で、レコード会社は大きく姿を変えていく。1999年入社で二年目の佐伯は、インディペンデント・レーベルで働く駆け出しのアシスタント。アメリカの影響から日本でも、制作部で働くディレクターをA&R(アーティスト・アンド・レパートリー)と呼ぶのが定着し始めた頃。ファイル共有ソフトの『Napster』の先見の明は消され、『iTunes(現Apple Music)』が登場する前夜。最も刺激的で残酷な新時代が幕を開けようとしていた。最近になってようやく声高らかに叫ばれる『DX』は、音楽業界にとっては遠い過去の出来事。デジタライズ、コークリエイション、エンパワーメント、新たな民主化、サブスクリプション・・・未曾有のビジネスモデルが立ち上がっていく黎明期に、音楽馬鹿な若者たちが酒と煙に巻かれながら書き殴られる青春グラフィティ(落書き)。
24h.ポイント 71pt
0
小説 13,610 位 / 194,582件 経済・企業 12 位 / 317件

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

和歌浦グラフィティ

真夜中
青春
レーズンの家の近くには二軒の本屋がある。雑誌を読むにはもっぱら大浦街道に面した大きい方を利用することにしている。倉庫のような白い建物にそれを照らすライティング設置用の黄色い鉄骨、看板には赤く大きな文字でBooKとある。その中にあったアイスクリームを主に売るテナントはオープンして三年程で消えた。レーズン達はよくそこで水風船を買いアイスクリームを頬張った。そこで覚えたラム・レーズンの味は最高。僕のニックネームはレーズンに決まった。 これから何度と淡い春が来て、その度にまた厳しい冬を乗り越えようとも、もう、あの頃と同じ情熱を感じることはないのかもしれない。僕は決して誠実な人間ではないけれど、あの時代に感じていたすべてを忘れることはないだろう。目一杯満喫したから二度と振り返らないなんて言わないし、サヨナラの手を振るつもりもない。あの頃からいろいろと吸うものは変わったけど、カクテルグラスに刺さった安いストローや、濃度の高い煙に巻かれながら、僕らは、この胸、深いところと共謀し、センチメンタルという一生懸命に甘くて、精一杯に酸っぱく苦しいドロップを互いの口に放り込む計画を立てている。かつて、僕のことをレーズンと呼んだあの悪ガキ達の残像が摺り寄って来ては、僕の横腹を突つきニヤっとささやくと、今、僕の横に掛けているのはあの頃とちっとも変わらないチャーミングな女の子。  それは、たった一度の魔法で、僕らはそれを初恋と呼んだ。

東へ征(ゆ)け ―神武東征記ー

長髄彦ファン
歴史・時代
日向の皇子・磐余彦(のちの神武天皇)は、出雲王の長髄彦からもらった弓矢を武器に人喰い熊の黒鬼を倒す。磐余彦は三人の兄と仲間とともに東の国ヤマトを目指して出航するが、上陸した河内で待ち構えていたのは、ヤマトの将軍となった長髄彦だった。激しい戦闘の末に長兄を喪い、熊野灘では嵐に遭遇して二人の兄も喪う。その後数々の苦難を乗り越え、ヤマト進撃を目前にした磐余彦は長髄彦と対面するが――。 『日本書紀』&『古事記』をベースにして日本の建国物語を紡ぎました。 ※この作品はNOVEL DAYSとnoteでバージョン違いを公開しています。

答えの出口

藤原雅倫
ミステリー
ベルリンの壁が崩壊した夜の満月と共に全てを失った僕の人生。 1995年、 ある日届いた署名のないメール。 僕が訪れた2つのホテルにあった存在しない部屋。 次第に巻き起こる過去と現在が交差する真実と絶望の行方は、、。 強大な音楽業界によって隠蔽され続けたスキャンダルを 恋愛とミステリーを通して暴き描いて行く問題作。 長編小説の現代ファンタジー・群像劇。

唾棄すべき日々(1993年のリアル)

緑旗工房
経済・企業
バブル崩壊で激変した日本経済、ソフトウエア産業もまた例外ではなかった。 不況に苦しめられる中小企業戦士の日々を描きます。

神武東征外伝

長髄彦ファン
歴史・時代
神武東征を扱った『東へ征(ゆ)け』の外伝です。歴史からこぼれたエピソードを綴っていきます。 第一話「銅戈(か)の眠る海」は、瀬戸内海を行く磐余彦とその一行が、地元の漁師を助けて山賊退治をする物語。 第二話「勾玉の姫」は、大国主と姫との悲恋に隠された真実。 第三話「猫と河童と鬼退治」は、高千穂伝承をベースに三毛入野命が鬼退治をする物語。愛猫ミケがいい働きをしています。

白河ゆき菜の社労士事件簿

白河ゆき菜
経済・企業
白河ゆき菜。彼女は新米の社会保険労務士であり、地域に根ざした中小企業を支えるため、日々忙しく働いている。これは、新米社労士の孤軍奮闘する物語です。

お仕事はテストエンジニア!?

とらじゃむ
経済・企業
乙女ゲームの個人開発で生計を立てていた早乙女美月。 だが個人開発で食っていくことに限界を感じていた。 意を決して就活、お祈りの荒らしを潜り抜けようやく開発者に……と思ったらテストエンジニア!? 聞いたこともない職種に回されてしまった美月は……! 異色のITシステム開発現場の生々しい奮闘ストーリー!