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偽りの国 後日談
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あの誘拐事件から1か月が過ぎた
この世界で活躍していた日本人が居なくなった影響はそれなりにあったということだろう
特に商いや技術職をしていた者が抜けた穴が大きく、その弟子や仲間たちが居なくなった事を知らないままに継いでいる
ウルグインだけでなく、世界的に経済が一部停滞していたのだがようやく元に戻りつつある
ソシアとナートはショウヘイが日本に帰った事を知らされるといきなり異世界転移をしようとしてみにゅうに止められていた
どうやら天使族の地球への転移はルール違反になるとかで絶対に行けないからやめてくれと言う事だった
しばらく落ち込んでいた二人だったが、残されたショウ屋の仕事をすることでなんとか気を紛らわせているという状況だった。
カトーと、プラス二名は無事にラスクロで冒険者として活動しているらしい。
一度ここに訪ねてきたが、元気そうだったな
キヨマサは獣人達と相変わらず農業をしている
あの島からの輸出が主な仕事だ。かなりの人気で忙しいらしい
その人気の理由・・実は日本人はまだ結構いたらしい
誘拐されていた人々はそもそもヒミコがスキルで召喚した人のみで、それ以外で来た人はほとんど誘拐されていなかったのだという
その残った人達があの米とかを食べれば、そりゃハマるよなー
◇
そして帰らなかった最後の一人
ヒミコは・・・
「ねぇ、ちょっとカンザキきーてんの?」
昼間から焼肉ゴッドで飲んだくれていた・・
しかも既に何杯飲んでるかわからん
「あーもう、いい加減お前もなんかしろよ!働くとかさぁ!!」
「やーだー」
なんでも今まで巫女として厳しい生活をしていた反動だと本人は言っている
なんにもやる気が起こらないらしい。そして日本に帰る気もないのだとか
「日本なんて帰ってもさー、私しゃっきんまみれだもん私。帰りたくないよ」
そんな事を言っている
「はぁ・・・この人こんなにダメ人間だったんですね・・私と戦っていたときはかなりの使い手で、キリっとしてたんですが」
ミナリも昼間から酒をあおりながらそんな事を言っている
ちなみにミナリは殆ど酔わない
「ねー、ミナリちゃんもせんせーだったんでしょー。わたしもせんせーだったんだよねー」
「またその話ですか・・毎日飽きませんねー」
そう、元の日本では先生だったという驚きの事実
そして借金まみれというのはストレスからホスト遊びにドはまりしてしまい作ったのだとか
「あー・・・・どっかいい男いないかなー」
そんな事をいいながら毎日飲んだくれているから言い寄る男なんて余計にいねえとおもうわ・・
「おー旦那、注文の品届けに来たぜ」
そう言って入口に立っているのは鹿だ
背中に子供を背負っている
「おー!鹿さん!!ようこそ!」
ミナリががたっと立ち上がって鹿の背中の子供を奪うように抱き上げる
「あー、あー!」
ミナリに抱き上げられて喜ぶ鹿の息子
ちなみに名前はナーオ
「あーもうなんでミナリちゃんにはそんなになつくんだろうな・・・」
鹿がため息をつく
どうやら生まれてしばらく鹿にはなつかなかったらしいからな
「あはは、しょうがないじゃん!私子供好きだからねー」
最近ミナリはナーオに会えるのを楽しみにしている
若干以前と比べ鹿さんへの風当たりも優しい
「あー可愛いなぁー」
「はぁ・・そんな鹿頭でも結婚できるなんて・・・はー」
「ちょっとまてなんか文句あんのか!?」
ヒミコはそっちが凄いと思っている様だ
鹿はその間にぶつくさ言いながら馬車から荷物を下ろしている
「ほいよ」
鹿に代金を渡すとナーオをまた背負い家に帰っていく
ちなみに鹿が配達してくれているのは米や大豆だ。キヨマサの所で作った物だ
実はあの島と鹿の実家の庭が転送陣で結ばれていたのが分かった
それで配達を頼むようになったという経緯がある
それでウルグインでキヨマサの穀物販売は鹿がすべて牛耳るという状態だ
ちなみに米や麦は大量にあるので、ガルバの所にも卸して日本酒や焼酎を作らせようと挑戦させていたりする
この酒の醸造はキヨマサの希望でもあって、全面協力しているらしい
「そういえばそろそろ帰ってくるころか?」
カンザキは米を裏に作った蔵に運びながら思い出した
ダンジョンに籠りっきりのキトラとシルメリアだ
「あ、シア!そろそろキトラとシルメリア帰ってくるんだっけ?」
「ええ、今日だと思いますよ。昨日連絡ありましたから。お姉さまが今迎えに行っているはずです」
シアは裏の倉庫で在庫を数えたりしてくれていた
「そういえばさっきナーオくん来てたぜ。もう帰っちゃったけど」
「え?!鹿さんきてたんです!?ナーオくんも!?」
シアは慌てて外に出て走り出す
「あ!ちょ!」
仕事ほっぽりだして表に駆けていった
どうしてあんなに子供好きなんだろうな・・俺も子供嫌いじゃないけどさ
シアが居なくなったので仕方なく一人で在庫を数えて足りない酒なども調べておく
ちなみに魔法の袋はキトラとシルメリアに貸し出しているから手持ちは魔法の箱(あまり多くは入らない)だけしかないので蔵・・倉庫が必要になっているのだ
今まで保存で楽をしていたので、正直結構手間がかかっている
キトラとシルメリアがおそらくは、美味いモンスター肉を大量に仕留めて帰ってくるはずなのでそこは期待していたりする
カンザキは倉庫整理を終えて、店内に戻ると酒飲みが増えていた
「あーだるー」
「だるだるよねー」
そこには女神みにゅうが居た
みにゅうが増えた
ん?この言い方おかしいな・・
ダラダラしているヒミコとみにゅうはよく似ているのだ
分裂したんじゃないだろうな。アメーバみたいに。
「なんかアンタ変なこと考えているでしょ」
「いや?なんも考えてないぞ」
みにゅうが睨んでくる
「で、今日はなんか用あるのか?」
「あーええ、ちょっと頼まれて居たことがあるからね。もう来るはずよ」
ん?何が来るんだ?
そう思って外をみていると
あ・・あいつらか
「あ、皆さんお久しぶりです」
「こんちわーです」
ソシアとナートだ
「きたわねー。んじゃ、見せたげるからね」
そう言うとみにゅうは水晶玉のようなものを取り出し、そこから映像が浮かび上がる
まるで3Dホログラムのような感じで、それなりのサイズで浮かび上がる
何かと思ってみているとそれは・・
「ショウヘイさん!!」
「生きてた・・・よかった・・」
それは日本にいるショウヘイの姿だった
「え?なんだこりゃ?」
「んとね、ソシアちゃんとナートちゃんにどうしてもって頼まれたのよ。ショウヘイが元気にしているか見せてほしいって」
なるほどな
それでか
映像の中のショウヘイはどうやら店を経営している様だった
小さな、本当に小さな店だ。
そこの厨房で腕を振るっていた
「お元気そうですね・・」
ソシアが涙を浮かべながらそう言った
「そうだねー。ショウヘイさんはどこでもお店するんだね・・きっといろんな人をまた助けているのかなー」
ナートは純粋に嬉しそうな感じだ
そしてそのショウヘイの横には、あのイヨが居た
まるで夫婦のように寄り添って仲睦まじい雰囲気が伝わってくる
「あの女・・・!!いえ・・ショウヘイさんが選んだ女性です・・誰かが傍にいてくれて良かったです」
ナートもソシアも複雑な心境の様だ
だが、独りぼっちにならず誰かと一緒に頑張っている姿をみて少し安心したようだ
映像の中では店を閉店し、片付けている姿が映っている
そして二人は・・口づけを交わしている
「あああああああっ!うわーん!」
ナートがその姿を見て泣き出してしまった
ソシアも嗚咽を押し殺すようにして泣いている
「はー。らぶらぶですなーぺっぺっ!」
ヒミコが映像の二人に毒づいてるな・・・
気持ちは分からんこともないが
「ん?」
ヒミコが何かに気付いたようで、目を凝らして映像を見ている
「あれ?これイヨじゃない・・おかしいなぁ・・・」
「何がおかしいんだ?」
んーと考えてヒミコは言った
「いや・・・イヨって女の子みたいに見えるけど確か男なんだけど・・・」
「「「「え?」」」」
一瞬で静かになる
ミナリは見なかった事にして片づけを始めた
ソシアは膝をつき何かぶつぶつ言っている
ナートは気を失っている
ヒミコはにやにやと笑いながら酒を飲んでいる
「おいみにゅう・・・」
「な・・・なによ」
「おまえ責任取ってやれよ・・・・・」
「はぁ、ま、しゃーないか…」
そう言うと両手をパァンと叩く
すると店内にどさり、と落ちてくる人間が二人
「まぁ出来るだけオマケしといたわよ」
「え…!?あれ?ここ、どこだ?」
「ひ、ヒミコ様!?」
おいおい、まさかコイツ…呼び寄せたのか?
慌ただしくなる店内、ソシアとナートはショウヘイに抱き着き泣き始める
イヨはヒミコの顔を見た途端に逃げ出そうとしてそのままヒミコに羽交い絞めにされていた
「ちょ、やめてー!くそ、洗脳スキル!」
「発動しないわよ?そんな物騒なもん消したに決まってるでしょ」
そうみにゅうは言った
「あれ?イヨ、あんたこれ…偽乳入れたの?」
「はぁ?そんなもん入れるわけな・・・ナニコレ‥‥重い!?あ、まって、股間もなんか・・・」
「スキルの代わりにちゃんと女の子にしといてあげたわよ」
みにゅうがそう言うと
ざわり、とナートとソシアの気が揺らいだ
「余計な事を…クソ女神」
「ちょっと!誰!今言ったの悪口でしょ!」
「ま、それはそうとしてお帰り?でいいの?」
そうミナリが言った
「いいんじゃねぇかなぁ。ショウヘイも帰りたくて日本に転移したわけじゃないだろうし」
それにしても随分とあっさりと返ってこれたもんだな、そう思っていると
「元々ショウヘイはこっちに来るべくして来てた人間だからね。だから簡単に帰ってこれた。イヨも付いてくるとは思わなかったけどね」
「そうなのか?ああ、そうか、イヨはこっちにスキルで呼ばれた人間だったのか」
「うん、でもこっちが居場所になっちゃったんだね」
「まぁなんにせよ、楽しそうだからいいか」
そうカンザキは言って、厨房に戻る
巨大ダンジョンが名物ウルグイン
唯一の焼肉屋
カンザキの店は今日もにぎやかだ
この世界で活躍していた日本人が居なくなった影響はそれなりにあったということだろう
特に商いや技術職をしていた者が抜けた穴が大きく、その弟子や仲間たちが居なくなった事を知らないままに継いでいる
ウルグインだけでなく、世界的に経済が一部停滞していたのだがようやく元に戻りつつある
ソシアとナートはショウヘイが日本に帰った事を知らされるといきなり異世界転移をしようとしてみにゅうに止められていた
どうやら天使族の地球への転移はルール違反になるとかで絶対に行けないからやめてくれと言う事だった
しばらく落ち込んでいた二人だったが、残されたショウ屋の仕事をすることでなんとか気を紛らわせているという状況だった。
カトーと、プラス二名は無事にラスクロで冒険者として活動しているらしい。
一度ここに訪ねてきたが、元気そうだったな
キヨマサは獣人達と相変わらず農業をしている
あの島からの輸出が主な仕事だ。かなりの人気で忙しいらしい
その人気の理由・・実は日本人はまだ結構いたらしい
誘拐されていた人々はそもそもヒミコがスキルで召喚した人のみで、それ以外で来た人はほとんど誘拐されていなかったのだという
その残った人達があの米とかを食べれば、そりゃハマるよなー
◇
そして帰らなかった最後の一人
ヒミコは・・・
「ねぇ、ちょっとカンザキきーてんの?」
昼間から焼肉ゴッドで飲んだくれていた・・
しかも既に何杯飲んでるかわからん
「あーもう、いい加減お前もなんかしろよ!働くとかさぁ!!」
「やーだー」
なんでも今まで巫女として厳しい生活をしていた反動だと本人は言っている
なんにもやる気が起こらないらしい。そして日本に帰る気もないのだとか
「日本なんて帰ってもさー、私しゃっきんまみれだもん私。帰りたくないよ」
そんな事を言っている
「はぁ・・・この人こんなにダメ人間だったんですね・・私と戦っていたときはかなりの使い手で、キリっとしてたんですが」
ミナリも昼間から酒をあおりながらそんな事を言っている
ちなみにミナリは殆ど酔わない
「ねー、ミナリちゃんもせんせーだったんでしょー。わたしもせんせーだったんだよねー」
「またその話ですか・・毎日飽きませんねー」
そう、元の日本では先生だったという驚きの事実
そして借金まみれというのはストレスからホスト遊びにドはまりしてしまい作ったのだとか
「あー・・・・どっかいい男いないかなー」
そんな事をいいながら毎日飲んだくれているから言い寄る男なんて余計にいねえとおもうわ・・
「おー旦那、注文の品届けに来たぜ」
そう言って入口に立っているのは鹿だ
背中に子供を背負っている
「おー!鹿さん!!ようこそ!」
ミナリががたっと立ち上がって鹿の背中の子供を奪うように抱き上げる
「あー、あー!」
ミナリに抱き上げられて喜ぶ鹿の息子
ちなみに名前はナーオ
「あーもうなんでミナリちゃんにはそんなになつくんだろうな・・・」
鹿がため息をつく
どうやら生まれてしばらく鹿にはなつかなかったらしいからな
「あはは、しょうがないじゃん!私子供好きだからねー」
最近ミナリはナーオに会えるのを楽しみにしている
若干以前と比べ鹿さんへの風当たりも優しい
「あー可愛いなぁー」
「はぁ・・そんな鹿頭でも結婚できるなんて・・・はー」
「ちょっとまてなんか文句あんのか!?」
ヒミコはそっちが凄いと思っている様だ
鹿はその間にぶつくさ言いながら馬車から荷物を下ろしている
「ほいよ」
鹿に代金を渡すとナーオをまた背負い家に帰っていく
ちなみに鹿が配達してくれているのは米や大豆だ。キヨマサの所で作った物だ
実はあの島と鹿の実家の庭が転送陣で結ばれていたのが分かった
それで配達を頼むようになったという経緯がある
それでウルグインでキヨマサの穀物販売は鹿がすべて牛耳るという状態だ
ちなみに米や麦は大量にあるので、ガルバの所にも卸して日本酒や焼酎を作らせようと挑戦させていたりする
この酒の醸造はキヨマサの希望でもあって、全面協力しているらしい
「そういえばそろそろ帰ってくるころか?」
カンザキは米を裏に作った蔵に運びながら思い出した
ダンジョンに籠りっきりのキトラとシルメリアだ
「あ、シア!そろそろキトラとシルメリア帰ってくるんだっけ?」
「ええ、今日だと思いますよ。昨日連絡ありましたから。お姉さまが今迎えに行っているはずです」
シアは裏の倉庫で在庫を数えたりしてくれていた
「そういえばさっきナーオくん来てたぜ。もう帰っちゃったけど」
「え?!鹿さんきてたんです!?ナーオくんも!?」
シアは慌てて外に出て走り出す
「あ!ちょ!」
仕事ほっぽりだして表に駆けていった
どうしてあんなに子供好きなんだろうな・・俺も子供嫌いじゃないけどさ
シアが居なくなったので仕方なく一人で在庫を数えて足りない酒なども調べておく
ちなみに魔法の袋はキトラとシルメリアに貸し出しているから手持ちは魔法の箱(あまり多くは入らない)だけしかないので蔵・・倉庫が必要になっているのだ
今まで保存で楽をしていたので、正直結構手間がかかっている
キトラとシルメリアがおそらくは、美味いモンスター肉を大量に仕留めて帰ってくるはずなのでそこは期待していたりする
カンザキは倉庫整理を終えて、店内に戻ると酒飲みが増えていた
「あーだるー」
「だるだるよねー」
そこには女神みにゅうが居た
みにゅうが増えた
ん?この言い方おかしいな・・
ダラダラしているヒミコとみにゅうはよく似ているのだ
分裂したんじゃないだろうな。アメーバみたいに。
「なんかアンタ変なこと考えているでしょ」
「いや?なんも考えてないぞ」
みにゅうが睨んでくる
「で、今日はなんか用あるのか?」
「あーええ、ちょっと頼まれて居たことがあるからね。もう来るはずよ」
ん?何が来るんだ?
そう思って外をみていると
あ・・あいつらか
「あ、皆さんお久しぶりです」
「こんちわーです」
ソシアとナートだ
「きたわねー。んじゃ、見せたげるからね」
そう言うとみにゅうは水晶玉のようなものを取り出し、そこから映像が浮かび上がる
まるで3Dホログラムのような感じで、それなりのサイズで浮かび上がる
何かと思ってみているとそれは・・
「ショウヘイさん!!」
「生きてた・・・よかった・・」
それは日本にいるショウヘイの姿だった
「え?なんだこりゃ?」
「んとね、ソシアちゃんとナートちゃんにどうしてもって頼まれたのよ。ショウヘイが元気にしているか見せてほしいって」
なるほどな
それでか
映像の中のショウヘイはどうやら店を経営している様だった
小さな、本当に小さな店だ。
そこの厨房で腕を振るっていた
「お元気そうですね・・」
ソシアが涙を浮かべながらそう言った
「そうだねー。ショウヘイさんはどこでもお店するんだね・・きっといろんな人をまた助けているのかなー」
ナートは純粋に嬉しそうな感じだ
そしてそのショウヘイの横には、あのイヨが居た
まるで夫婦のように寄り添って仲睦まじい雰囲気が伝わってくる
「あの女・・・!!いえ・・ショウヘイさんが選んだ女性です・・誰かが傍にいてくれて良かったです」
ナートもソシアも複雑な心境の様だ
だが、独りぼっちにならず誰かと一緒に頑張っている姿をみて少し安心したようだ
映像の中では店を閉店し、片付けている姿が映っている
そして二人は・・口づけを交わしている
「あああああああっ!うわーん!」
ナートがその姿を見て泣き出してしまった
ソシアも嗚咽を押し殺すようにして泣いている
「はー。らぶらぶですなーぺっぺっ!」
ヒミコが映像の二人に毒づいてるな・・・
気持ちは分からんこともないが
「ん?」
ヒミコが何かに気付いたようで、目を凝らして映像を見ている
「あれ?これイヨじゃない・・おかしいなぁ・・・」
「何がおかしいんだ?」
んーと考えてヒミコは言った
「いや・・・イヨって女の子みたいに見えるけど確か男なんだけど・・・」
「「「「え?」」」」
一瞬で静かになる
ミナリは見なかった事にして片づけを始めた
ソシアは膝をつき何かぶつぶつ言っている
ナートは気を失っている
ヒミコはにやにやと笑いながら酒を飲んでいる
「おいみにゅう・・・」
「な・・・なによ」
「おまえ責任取ってやれよ・・・・・」
「はぁ、ま、しゃーないか…」
そう言うと両手をパァンと叩く
すると店内にどさり、と落ちてくる人間が二人
「まぁ出来るだけオマケしといたわよ」
「え…!?あれ?ここ、どこだ?」
「ひ、ヒミコ様!?」
おいおい、まさかコイツ…呼び寄せたのか?
慌ただしくなる店内、ソシアとナートはショウヘイに抱き着き泣き始める
イヨはヒミコの顔を見た途端に逃げ出そうとしてそのままヒミコに羽交い絞めにされていた
「ちょ、やめてー!くそ、洗脳スキル!」
「発動しないわよ?そんな物騒なもん消したに決まってるでしょ」
そうみにゅうは言った
「あれ?イヨ、あんたこれ…偽乳入れたの?」
「はぁ?そんなもん入れるわけな・・・ナニコレ‥‥重い!?あ、まって、股間もなんか・・・」
「スキルの代わりにちゃんと女の子にしといてあげたわよ」
みにゅうがそう言うと
ざわり、とナートとソシアの気が揺らいだ
「余計な事を…クソ女神」
「ちょっと!誰!今言ったの悪口でしょ!」
「ま、それはそうとしてお帰り?でいいの?」
そうミナリが言った
「いいんじゃねぇかなぁ。ショウヘイも帰りたくて日本に転移したわけじゃないだろうし」
それにしても随分とあっさりと返ってこれたもんだな、そう思っていると
「元々ショウヘイはこっちに来るべくして来てた人間だからね。だから簡単に帰ってこれた。イヨも付いてくるとは思わなかったけどね」
「そうなのか?ああ、そうか、イヨはこっちにスキルで呼ばれた人間だったのか」
「うん、でもこっちが居場所になっちゃったんだね」
「まぁなんにせよ、楽しそうだからいいか」
そうカンザキは言って、厨房に戻る
巨大ダンジョンが名物ウルグイン
唯一の焼肉屋
カンザキの店は今日もにぎやかだ
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