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最凶最悪の龍姫
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リーモの中心地から、泣け無しのお金で手配した馬車に揺られながら町はずれの郊外を目指していた。
「ホントに良かったの馬車使って、これで依頼達成させないと一文無しのうえに野宿だよ ~」
「コッチには、白龍の龍姫様が着いてるんだしどうとでもなるでしょ。成功報酬300ルークだよ、豪遊出来るよ、美味しいモノ食べ放題だよ !!」
「それは依頼達成出来ればの話でしょ、あれだけの冒険者が失敗してるんだよ。それに行方知らずになってる人も何人かいるみたいだし、ハッキリ言って怖いですーーー 」
「こんなにプルプル震えてる龍姫様は初めて見たよ。ところでさ、妖泉湖って何なのかな、ボク専門外だからーーー 」
コシの言葉を聞いた瞬間、ガックリと肩を落とし深く溜息をつく。詳しい内容も知らずに報酬額だけで、コシは依頼を受けていた事に呆れてしまった。
妖泉湖というのは、様々な影響で妖気が滞留したトコロに出来る湖のこと。人工的には再現不能な程の妖気が湖水の中に含まれ、発電や薬剤など色々なモノに使われている。妖気を含んでいる分、妖獣が好み良く出没する。
小さな村などの場合は、冒険者か武芸者を雇って採水しに行く。しかし、リーモは妖水の一大産地の為、工業的に確立されている。そのため宮廷騎士の屯所から何名かが派遣され、常に常駐して警備をしている。
一応カタチだけの手続きを終え、妖泉湖の中に入り小さな妖獣相手に枢車の練習をしながら張り込んでいるが何も起きない。これだけ大きな妖泉湖なら、中型の妖獣くらい出ても良いのだけれど一向に現れるのは小型の妖獣ばかり。
「ねぇコシ、なんかおかしくない ?」
「えっ、何が !?」
「さっきから小さい妖獣しか居ないのよ、普通これだけ大きな妖泉湖だったら中型の群れくらい居てもおかしくないんだけど」
「そうなの、妖泉湖ってこんなんだと思ってたよ。後、さっきから遠くで鳴ってるこの音何なのかな ?」
確かに先程からドォーンという音が遠くで鳴ってるのだが、何か工事をしているモノだと思って気にしていなかった。
「工事の音だと思ってたけど、なんか近づいて来てない ?」
刹那、おぞましい殺意を感じ枢車の闘糸身体に巻き付けようとするが白龍の注告が入る。
(そんなモノ意味をなさんぞ、急いて覇龍化をーーー )
覇気を纏わせ覇龍化しようとするが、目の前の空間が揺らぎそこから青い龍姫が現われる。ショートの髪にボロボロの修練着を身につけ、身体中傷だらけのうえに左手には管轄院の兵士の首を掴み持ち上げていた。さらに右手には龍覇を打ち込もうと青い覇気が凝縮されていた。
「ぐっ !?」
咄嗟に枢車の糸に闘気と覇気を纏わせ、ギリギリで直撃は回避するもその衝撃は凄まじく吹き飛ばされてしまう。
(そのまま覇龍化しろ、直ぐに次激が来るぞ)
地面に叩きつけられるも、なんとか覇龍化し体制を整えようと襲って来た敵に向かい立ち上がる。
「へぇ~、今の攻撃耐えはるん。聞いとった話と違ぉとうわ~、やけどウチその方が好きやわァ~」
左手に大人一人分の重みを抱えているとは思えない程の速度でコチラに接近する。大分距離が詰まったところで、彼女の姿が揺らめいたかと思うと突然姿が消える。
(気を付けろ、魔天龍は術と魔法を自在に操るーーー )
刹那、私の前に突如件の彼女が現れる。そして勢いのまま、覇気を纏わせた腕で腹部を貫く。
「ガァっふーーー 」
貫かれた腕を伝って生暖かい血が地面にポタポタと零れ落ちる。しかし、零れ落ちる血は私のモノではなくキンカモミジのモノだった。
「何しはるん、キンカモミジ ?」
「アオバラ、白龍の龍姫はぁ・・・抹殺たいし・・・ょうじゃない・・わよ、ごふっーーー 」
「嫌やわァ~、そんな事分こぉとることやて。やけんど、殺した方が後々楽になる思うただけどす。それに、ウチ前々から思うてはってん。聖五龍天に天龍は二匹も要らんて !!」
アオバラと呼ばれた女性が腕を引き抜くと、せき止められていた鮮血が噴き出す。
「キンカモミジーーー!?」
「大・・丈夫。これ・・・く・・らい、じゃ、天龍の・・龍・姫は・・死な・・・ない !!」
キンカモミジに金色の覇気が集まり、眼の色がどんどん白くなって行く。眼から帯びた覇気が全身を纏うと、重傷だった傷がみるみるうちにに回復していく。
「嫌やわァ~、天龍の白い眼言い張りましたっけ。ホンマ卑怯や違う、覇気がある限りの完全回復なんて。ああ、やけど体力と受ける痛みは変わらへんやったなぁ~」
「天雷!!」
アオバラの頭上に雷雲が立ち篭めると、そこから雷が放たれる。しかし、覇気を纏ったアオバラは易々と防いでしまう。
「せっかちは嫌われるとぉよ、話の途中で攻撃するなんてあんまりやわぁ~」
次いでキンカモミジの頭上から、雷が彼女に堕ちる。無論、天覇により相殺されてしまう。
「あんさんの天雷とウチの龍雷、名前だけのうて能力まで似とぅの嫌やわァ~」
(我の力が跳ね上がるように、魔天龍は覇気をあらゆる物資に変える。天龍は天災と呼ばれる事象を起す。巻き込まれるなよーーー)
「回復はやっかいやけど、その分何回も痛めつけれるちゅうことやなぁ!! 」
アオバラの周りに青い覇気が集まると、キンカモミジに向かい一気に飛び出して行く。覇気の変換能力と天災のぶつかり合い、さらには龍爪や龍覇等の龍が元来持つ力が組み合わさり膨大な力と力がぶつかり合う。
「龍壁 !」
「天震 !!」
アオバラが覇気から土壁を創り出し、キンカモミジを囲いこもうとする。しかし、キンカモミジが地面を震えさせ土壁を崩壊させる。息をつく暇もなく次々と攻防が繰り広げられる。
「天焔 !」
「龍氷!!」
火山の噴火と氷河を思わせる炎と氷のぶつかり合い。ほぼ互角の闘いなのだが、圧倒的な戦闘センスと相手を痛めつける事に対して躊躇しないアオバラの攻撃が勝る。何回かアオバラの攻撃を受けるが、その度に天龍の白い眼の力により致命傷を回避する。
「どないしはったん、大分速度が落ちてきとぉよ~」
「はぁはぁ、まだ・・まだ、これ・・・からよ !!」
威勢を張るがアオバラの言う通り、致命傷を瞬時に回復する程の力を使っている。その為、キンカモミジの覇気と体力は限界に近い。 僅かにキンカモミジの反応が遅れ、その隙をつきアオバラが迫る。さらに何故かは分からないけど、キンカモミジの反応が大きく遅れる。
アオバラの覇気を纏った腕は、キンカモミジの腹部を貫く。最早立っていることも出来ずに膝を着くようにして項垂れる。
「忘れてたん違う、魔天龍の黄色の眼は3秒間だけ意識を刈り取る。まぁ、殺してまうとウチが怒られる。やから、ギリギリで生かしといたる。でも、あんさんの眼は厄介やなぁ~。せやから、貰ってきぃます」
貫いた腕を抜き取り、キンカモミジの首を掴むと空いている手で彼女の左眼を抜き取る。
「ッアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ !!」
キンカモミジの言葉にもならない絶叫が響き、まるで動力が切れたかのように崩れ落ちる。地面がみるみるうちに赫く染まっていき、赤色の水溜まりが出来る。
酷い、あまりにも酷すぎる。惨たらしい程に残酷な光景を見ながら、次は私の番だと恐怖する。現時点で私が最強だと思っていた龍姫が敗れたのだ。アオバラから感じる留めどない恐怖に威圧され、その場にへたり込んでしまう。
(逃げろ、確実に殺されるぞ)
震える手足を抑えながら、アオバラから離れて行く。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、まだ死にたくない。
「なんやぁ~、次は鬼ごっこ ? かまへんよ、たっぷり遊ぼうなぁ~」
迫り来る恐怖に怯えながら、あてもなく走り出す。逃げ切れるかなんて分からない、最後は必ず殺し合いになる。そしたら私はーーー。
「ホントに良かったの馬車使って、これで依頼達成させないと一文無しのうえに野宿だよ ~」
「コッチには、白龍の龍姫様が着いてるんだしどうとでもなるでしょ。成功報酬300ルークだよ、豪遊出来るよ、美味しいモノ食べ放題だよ !!」
「それは依頼達成出来ればの話でしょ、あれだけの冒険者が失敗してるんだよ。それに行方知らずになってる人も何人かいるみたいだし、ハッキリ言って怖いですーーー 」
「こんなにプルプル震えてる龍姫様は初めて見たよ。ところでさ、妖泉湖って何なのかな、ボク専門外だからーーー 」
コシの言葉を聞いた瞬間、ガックリと肩を落とし深く溜息をつく。詳しい内容も知らずに報酬額だけで、コシは依頼を受けていた事に呆れてしまった。
妖泉湖というのは、様々な影響で妖気が滞留したトコロに出来る湖のこと。人工的には再現不能な程の妖気が湖水の中に含まれ、発電や薬剤など色々なモノに使われている。妖気を含んでいる分、妖獣が好み良く出没する。
小さな村などの場合は、冒険者か武芸者を雇って採水しに行く。しかし、リーモは妖水の一大産地の為、工業的に確立されている。そのため宮廷騎士の屯所から何名かが派遣され、常に常駐して警備をしている。
一応カタチだけの手続きを終え、妖泉湖の中に入り小さな妖獣相手に枢車の練習をしながら張り込んでいるが何も起きない。これだけ大きな妖泉湖なら、中型の妖獣くらい出ても良いのだけれど一向に現れるのは小型の妖獣ばかり。
「ねぇコシ、なんかおかしくない ?」
「えっ、何が !?」
「さっきから小さい妖獣しか居ないのよ、普通これだけ大きな妖泉湖だったら中型の群れくらい居てもおかしくないんだけど」
「そうなの、妖泉湖ってこんなんだと思ってたよ。後、さっきから遠くで鳴ってるこの音何なのかな ?」
確かに先程からドォーンという音が遠くで鳴ってるのだが、何か工事をしているモノだと思って気にしていなかった。
「工事の音だと思ってたけど、なんか近づいて来てない ?」
刹那、おぞましい殺意を感じ枢車の闘糸身体に巻き付けようとするが白龍の注告が入る。
(そんなモノ意味をなさんぞ、急いて覇龍化をーーー )
覇気を纏わせ覇龍化しようとするが、目の前の空間が揺らぎそこから青い龍姫が現われる。ショートの髪にボロボロの修練着を身につけ、身体中傷だらけのうえに左手には管轄院の兵士の首を掴み持ち上げていた。さらに右手には龍覇を打ち込もうと青い覇気が凝縮されていた。
「ぐっ !?」
咄嗟に枢車の糸に闘気と覇気を纏わせ、ギリギリで直撃は回避するもその衝撃は凄まじく吹き飛ばされてしまう。
(そのまま覇龍化しろ、直ぐに次激が来るぞ)
地面に叩きつけられるも、なんとか覇龍化し体制を整えようと襲って来た敵に向かい立ち上がる。
「へぇ~、今の攻撃耐えはるん。聞いとった話と違ぉとうわ~、やけどウチその方が好きやわァ~」
左手に大人一人分の重みを抱えているとは思えない程の速度でコチラに接近する。大分距離が詰まったところで、彼女の姿が揺らめいたかと思うと突然姿が消える。
(気を付けろ、魔天龍は術と魔法を自在に操るーーー )
刹那、私の前に突如件の彼女が現れる。そして勢いのまま、覇気を纏わせた腕で腹部を貫く。
「ガァっふーーー 」
貫かれた腕を伝って生暖かい血が地面にポタポタと零れ落ちる。しかし、零れ落ちる血は私のモノではなくキンカモミジのモノだった。
「何しはるん、キンカモミジ ?」
「アオバラ、白龍の龍姫はぁ・・・抹殺たいし・・・ょうじゃない・・わよ、ごふっーーー 」
「嫌やわァ~、そんな事分こぉとることやて。やけんど、殺した方が後々楽になる思うただけどす。それに、ウチ前々から思うてはってん。聖五龍天に天龍は二匹も要らんて !!」
アオバラと呼ばれた女性が腕を引き抜くと、せき止められていた鮮血が噴き出す。
「キンカモミジーーー!?」
「大・・丈夫。これ・・・く・・らい、じゃ、天龍の・・龍・姫は・・死な・・・ない !!」
キンカモミジに金色の覇気が集まり、眼の色がどんどん白くなって行く。眼から帯びた覇気が全身を纏うと、重傷だった傷がみるみるうちにに回復していく。
「嫌やわァ~、天龍の白い眼言い張りましたっけ。ホンマ卑怯や違う、覇気がある限りの完全回復なんて。ああ、やけど体力と受ける痛みは変わらへんやったなぁ~」
「天雷!!」
アオバラの頭上に雷雲が立ち篭めると、そこから雷が放たれる。しかし、覇気を纏ったアオバラは易々と防いでしまう。
「せっかちは嫌われるとぉよ、話の途中で攻撃するなんてあんまりやわぁ~」
次いでキンカモミジの頭上から、雷が彼女に堕ちる。無論、天覇により相殺されてしまう。
「あんさんの天雷とウチの龍雷、名前だけのうて能力まで似とぅの嫌やわァ~」
(我の力が跳ね上がるように、魔天龍は覇気をあらゆる物資に変える。天龍は天災と呼ばれる事象を起す。巻き込まれるなよーーー)
「回復はやっかいやけど、その分何回も痛めつけれるちゅうことやなぁ!! 」
アオバラの周りに青い覇気が集まると、キンカモミジに向かい一気に飛び出して行く。覇気の変換能力と天災のぶつかり合い、さらには龍爪や龍覇等の龍が元来持つ力が組み合わさり膨大な力と力がぶつかり合う。
「龍壁 !」
「天震 !!」
アオバラが覇気から土壁を創り出し、キンカモミジを囲いこもうとする。しかし、キンカモミジが地面を震えさせ土壁を崩壊させる。息をつく暇もなく次々と攻防が繰り広げられる。
「天焔 !」
「龍氷!!」
火山の噴火と氷河を思わせる炎と氷のぶつかり合い。ほぼ互角の闘いなのだが、圧倒的な戦闘センスと相手を痛めつける事に対して躊躇しないアオバラの攻撃が勝る。何回かアオバラの攻撃を受けるが、その度に天龍の白い眼の力により致命傷を回避する。
「どないしはったん、大分速度が落ちてきとぉよ~」
「はぁはぁ、まだ・・まだ、これ・・・からよ !!」
威勢を張るがアオバラの言う通り、致命傷を瞬時に回復する程の力を使っている。その為、キンカモミジの覇気と体力は限界に近い。 僅かにキンカモミジの反応が遅れ、その隙をつきアオバラが迫る。さらに何故かは分からないけど、キンカモミジの反応が大きく遅れる。
アオバラの覇気を纏った腕は、キンカモミジの腹部を貫く。最早立っていることも出来ずに膝を着くようにして項垂れる。
「忘れてたん違う、魔天龍の黄色の眼は3秒間だけ意識を刈り取る。まぁ、殺してまうとウチが怒られる。やから、ギリギリで生かしといたる。でも、あんさんの眼は厄介やなぁ~。せやから、貰ってきぃます」
貫いた腕を抜き取り、キンカモミジの首を掴むと空いている手で彼女の左眼を抜き取る。
「ッアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ !!」
キンカモミジの言葉にもならない絶叫が響き、まるで動力が切れたかのように崩れ落ちる。地面がみるみるうちに赫く染まっていき、赤色の水溜まりが出来る。
酷い、あまりにも酷すぎる。惨たらしい程に残酷な光景を見ながら、次は私の番だと恐怖する。現時点で私が最強だと思っていた龍姫が敗れたのだ。アオバラから感じる留めどない恐怖に威圧され、その場にへたり込んでしまう。
(逃げろ、確実に殺されるぞ)
震える手足を抑えながら、アオバラから離れて行く。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、まだ死にたくない。
「なんやぁ~、次は鬼ごっこ ? かまへんよ、たっぷり遊ぼうなぁ~」
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