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その後、浴室に連れて行かれたオレは風雅に全身をすみずみまで洗われて、ぽい、と湯船に入れられた。途中、ピー☓☓の場所に指を入れられ、奥深く放たれたピー☓☓を掻き出されたことは記憶から抹消した。恥ずかしさに目に涙が滲んだことも抹消したとも。
次に自分の体を洗い始める風雅を横目に、オレは湯船の中で、強張ってしまった体を伸ばした。セックスというものがこんなにも気持ち良くて、その上体力を消耗するものだとは思わなかった。何事もプラスの面とマイナスの面があるものだ。ふむふむ。悟りを開いてしまった。
ふと目をやると、泡が流されていった風雅のバキバキの筋肉に覆われた背中に、無数の、──多分、引っかき傷があるのを、発見してしまった。
「・・・ごめん、オレがやったんだよね。痛む?」
記憶の端の方に、何度も風雅の背に縋った自分がいる。溺れるものは藁をも掴む的に。
「なあに、男の勲章だ。痛え訳がねえ」
「いや、痛いだろ。風雅は傷を治したりできないの?」
「オレはそっちは苦手でなあ・・・」
含みのある言い方に、真白はできたのだ、と察した。
オレは真白だ。記憶はないが真白だ。
「風雅、やってみたい。ちょっとじっとしてて」
風雅の背中に向けて両手のひらをかざす。治れ、治れ、と念じる。
「──どう?」
「ああ、楽になったよ。ありがとさん」
風雅は軽くそう言ったが、傷になんの変化も見られない。
ぺろ。
「・・っ」
ぺろぺろ。
手をかざしただけではダメなのかと湯船に立ち上がり、体を伸ばして舐めてみた。傷は塞がっているようだが、痛まないように舌を柔らかくして、背中を大きく舐める。
「・・・真白」
「うん。どうかな、少しは良くなったかな?」
「──ああ、ありがとう。お返しをしねえとな」
腕を取られて湯船から出され、風雅の膝に向かい合うように座らせられた。な、なぜ!?
「ふ、風雅っ」
うろたえるオレの口を口で塞がれる。風雅の舌が口の中で大きく一周し、オレの舌を連れて行く。強弱をつけて吸われ、あっという間に体が熱くなった。
「ん、んっ、・・・ゃっ」
二人の間で揺れるオレたちが男だという証。
「・・・んんっ、ばかぁ、また勃っちゃったじゃないかぁ」
「ああ、美味そうだ」
風雅の大きな手が、オレと風雅のものをひとまとめに掴み、扱き上げる。
「ここも美味そうだな」
目線が胸に注がれているのを感じ、二つの実がきゅん、と固くなるのを感じた。
「・・み、見ないで」
「ああ、じゃあ、舐めようか」
「え、──だ、ダメッ」
逃げようとする背中を支えられ、片方の実を口に含まれた。
「・・・っ、んあっ、あっ」
鋭い快感が走る。まさかそんなところで快感が得られるとは。チュバチュバと音を立ててしゃぶりつく風雅の髪を力の入らない手で掴む。
「・・・メッ、ダ、メッ・・あっ、あぅっ」
扱かれてるオレのものはもうイく寸前だ。止めて欲しいのに、それなのに、──もう一つのじんじんしている実もめちゃくちゃに可愛がって欲しい。
だからなのか、無意識に震える手で風雅が口にしていない方の実を──。
「いい子だ」
風雅が胸元で笑った気がしたが、よく覚えていない。
「ぅっ、あっっ・・!」
きゅっ、と強く摘んだら雷に打たれたような快感が走り、そのまま白い光に包まれた。
──はぁ、はぁ、と浴室内にオレの荒い息が響く。一瞬意識を失っていたのか、今は、風雅に抱かれて湯船の中にいる。
「風雅、・・・」
「・・・ああ、無理させたか?──すまない。抑えがきかなかった」
「からだ、力が入らない・・」
脱力してしまった体は回復するのに時間がかかりそうだった。ところで、ここに来てどれほどの時間が経ったのだろう。というか、確実に一泊はしている。最中に暗くなっていく部屋と、お粥を食べた時の部屋の明るさを考えると、そうだ。
「チェックアウトは何時?間に合うかな?」
急に焦ってきた。
「チェックアウト?時間のことは気にするな。俺はまだこうして二人きりでいてえ。真白は違うのか?早く帰りてえのか?」
早く帰りたいのか、という問は非常に困る。
確かに早く帰りたい気持ちもある。お蝶ちゃんや鳥居達に会いたいし、どうしてるのか気にもかかる。でもなにより、──風雅が激甘で、身の置きどころがない!──という理由で早くこの空間から出たい。
「オレは、・・・」
照れて風雅の顔を見れなくて、風雅の分厚い肩に頬を押し付けた。
「オレも、もっと風雅とこうしていたい」
「真白・・・」
本音はそういうことだ。ついでに、ちゅ、と肩に口付ける。オレの、大好きな人。愛した記憶を失ったのに、また好きになった人。
「──・・大好き」
羞恥心に蓋をすれば、心の中はそれだけだった。
“ざばーん!!”
「わわっ!」
急にお湯から抱き上げられ、重力がかかる。
「風雅っ!?」
見上げれば余裕のない表情をした風雅が。
なんかイヤな予感がする。
適当に濡れた体を拭かれ、またもベッドに寝かせられた。
「・・・風雅?もしかして、また?」
ギラギラした目で見られてる。どうやら、知らずに風雅のやる気スイッチを押してしまったようだった。
でも、そんな風雅の首に腕を回し引き寄せるオレも、大概といえば大概だった。
次に自分の体を洗い始める風雅を横目に、オレは湯船の中で、強張ってしまった体を伸ばした。セックスというものがこんなにも気持ち良くて、その上体力を消耗するものだとは思わなかった。何事もプラスの面とマイナスの面があるものだ。ふむふむ。悟りを開いてしまった。
ふと目をやると、泡が流されていった風雅のバキバキの筋肉に覆われた背中に、無数の、──多分、引っかき傷があるのを、発見してしまった。
「・・・ごめん、オレがやったんだよね。痛む?」
記憶の端の方に、何度も風雅の背に縋った自分がいる。溺れるものは藁をも掴む的に。
「なあに、男の勲章だ。痛え訳がねえ」
「いや、痛いだろ。風雅は傷を治したりできないの?」
「オレはそっちは苦手でなあ・・・」
含みのある言い方に、真白はできたのだ、と察した。
オレは真白だ。記憶はないが真白だ。
「風雅、やってみたい。ちょっとじっとしてて」
風雅の背中に向けて両手のひらをかざす。治れ、治れ、と念じる。
「──どう?」
「ああ、楽になったよ。ありがとさん」
風雅は軽くそう言ったが、傷になんの変化も見られない。
ぺろ。
「・・っ」
ぺろぺろ。
手をかざしただけではダメなのかと湯船に立ち上がり、体を伸ばして舐めてみた。傷は塞がっているようだが、痛まないように舌を柔らかくして、背中を大きく舐める。
「・・・真白」
「うん。どうかな、少しは良くなったかな?」
「──ああ、ありがとう。お返しをしねえとな」
腕を取られて湯船から出され、風雅の膝に向かい合うように座らせられた。な、なぜ!?
「ふ、風雅っ」
うろたえるオレの口を口で塞がれる。風雅の舌が口の中で大きく一周し、オレの舌を連れて行く。強弱をつけて吸われ、あっという間に体が熱くなった。
「ん、んっ、・・・ゃっ」
二人の間で揺れるオレたちが男だという証。
「・・・んんっ、ばかぁ、また勃っちゃったじゃないかぁ」
「ああ、美味そうだ」
風雅の大きな手が、オレと風雅のものをひとまとめに掴み、扱き上げる。
「ここも美味そうだな」
目線が胸に注がれているのを感じ、二つの実がきゅん、と固くなるのを感じた。
「・・み、見ないで」
「ああ、じゃあ、舐めようか」
「え、──だ、ダメッ」
逃げようとする背中を支えられ、片方の実を口に含まれた。
「・・・っ、んあっ、あっ」
鋭い快感が走る。まさかそんなところで快感が得られるとは。チュバチュバと音を立ててしゃぶりつく風雅の髪を力の入らない手で掴む。
「・・・メッ、ダ、メッ・・あっ、あぅっ」
扱かれてるオレのものはもうイく寸前だ。止めて欲しいのに、それなのに、──もう一つのじんじんしている実もめちゃくちゃに可愛がって欲しい。
だからなのか、無意識に震える手で風雅が口にしていない方の実を──。
「いい子だ」
風雅が胸元で笑った気がしたが、よく覚えていない。
「ぅっ、あっっ・・!」
きゅっ、と強く摘んだら雷に打たれたような快感が走り、そのまま白い光に包まれた。
──はぁ、はぁ、と浴室内にオレの荒い息が響く。一瞬意識を失っていたのか、今は、風雅に抱かれて湯船の中にいる。
「風雅、・・・」
「・・・ああ、無理させたか?──すまない。抑えがきかなかった」
「からだ、力が入らない・・」
脱力してしまった体は回復するのに時間がかかりそうだった。ところで、ここに来てどれほどの時間が経ったのだろう。というか、確実に一泊はしている。最中に暗くなっていく部屋と、お粥を食べた時の部屋の明るさを考えると、そうだ。
「チェックアウトは何時?間に合うかな?」
急に焦ってきた。
「チェックアウト?時間のことは気にするな。俺はまだこうして二人きりでいてえ。真白は違うのか?早く帰りてえのか?」
早く帰りたいのか、という問は非常に困る。
確かに早く帰りたい気持ちもある。お蝶ちゃんや鳥居達に会いたいし、どうしてるのか気にもかかる。でもなにより、──風雅が激甘で、身の置きどころがない!──という理由で早くこの空間から出たい。
「オレは、・・・」
照れて風雅の顔を見れなくて、風雅の分厚い肩に頬を押し付けた。
「オレも、もっと風雅とこうしていたい」
「真白・・・」
本音はそういうことだ。ついでに、ちゅ、と肩に口付ける。オレの、大好きな人。愛した記憶を失ったのに、また好きになった人。
「──・・大好き」
羞恥心に蓋をすれば、心の中はそれだけだった。
“ざばーん!!”
「わわっ!」
急にお湯から抱き上げられ、重力がかかる。
「風雅っ!?」
見上げれば余裕のない表情をした風雅が。
なんかイヤな予感がする。
適当に濡れた体を拭かれ、またもベッドに寝かせられた。
「・・・風雅?もしかして、また?」
ギラギラした目で見られてる。どうやら、知らずに風雅のやる気スイッチを押してしまったようだった。
でも、そんな風雅の首に腕を回し引き寄せるオレも、大概といえば大概だった。
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