伯爵令嬢は平民になりたい

ゆうま

文字の大きさ
上 下
5 / 19

ただの少女として

しおりを挟む
「女将さん遅くなってごめんなさい」

「アリアちゃん早速で悪いけど手伝ってくれるかい?」

「はい」

町の中にある小さな食堂がアリアの働く場所になっていた。
アリアは定位置にあるエプロンを慣れた手付きでサッと付けると戦場になりつつあるホールに向かった。
料亭アリスは安くて美味しいと有名な食堂だった。昼時になれば外に列が出来るほどだった。
手頃だけど、ボリュームもある。そして美味しいと三拍子揃ってるので昼時は戦場なっていた。

「アリアちゃん、これ5番テーブル」

「はい」

「アリアちゃーん俺日替わりね!」

「はい」

「これ置いたらカウンター席に」

バタバタと忙しい時間はあっという間に終わる。
昼が過ぎるとあの慌ただしさが嘘のように静寂が訪れる。
看板を店内に引き込むと、夜の仕込みに取りかかる。
アリアは昼だけ働かせてもらっているため、食器を片付けホールの掃除をする。
始めの頃はお皿を割ったりと失敗続きだったが、そんなアリアを見捨てる事なく女将は働かせてくれた。

「賄い食べたら今日は上がんな」

「はい」

ウィークバルト家から出たらこの町で働きたいと思っている。
お客さんや女将さんなど周りは良い人ばかりだった。詳しい話は出来ないと事なども含め女将さんには色々相談していた。
この町で生活したいことや家を出たいことなど。
彼女は親身になり色々聞いてくれた。アドバイスや考えが甘いことなど怒られたりしたが、最後には優しく頭を撫でられた。
母とは彼女みたいに温かく見守ってくれる存在なんだろう。
アリアは女将を第二の母と心のなかで呼んでいた。

「また、来週ねアリアちゃん」

「はいこちらこそ、宜しくお願いいたします」





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

犯されたい女とお持ち帰りした青年の話(エロしかない)

恋愛
深夜テンションで書き上げたエロの練習的な何か。世界観とかそんなもんはない。多分発情期とかある世界。 犯されたくて堪らなくなった女が犯されることを期待して人の少ない路地の奥で自慰をして、それを見つけちゃった青年はまんまとそれに嵌まりお持ち帰りしちゃう感じのやつ。多分最終的にはくっつく(が、エロしか書いてない)。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

公爵に媚薬をもられた執事な私

天災
恋愛
 公爵様に媚薬をもられてしまった私。

処理中です...