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屋敷の奥での秘め事
頭領
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夢の親代わりである前頭領の時雨の姿は何処にもなかった。
宴会が行われてる広間にいるかと思ったが彼の姿はここにもなかった。
頭領として仕事は完璧な人だったが酒に弱かった。仕事中や敵に酒を浴びせられても酔う姿は一切見せなかったが、里の親しい仲間には酔った姿を見せていた。
今日も何処かで酔い潰れているのではないかと不安なる。
「夢どうした?」
廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。
薄暗い廊下でも暁の髪は明るく存在感があった。
「暁様、時雨様を見ませんでしたか?」
「宴が始まった頃はいたと思うけど」
「そうですか……」
「俺も探すから一緒に探そう」
手を握られる。まだ探してない所は何処かと訪ねられたが暁主役の宴会はまだ終わっていない。
大広間からはまだ楽しそうな声が聞こえていた。
「でもまだ宴会が」
「大丈夫だ気にするな」
ふわりと笑う暁の声を最後に夢の意識は落ちた。
意識を失った夢をひょいと抱き上げる。
腕の中で寝息をたてる少女の額に口付けをする。
背後に感じた気配に暁は振り返えると、面白そうに笑う彬は一歩一歩二人に近付いて来た。
「そう言えば時雨様どうした?」
意識がない夢を覗き込む。穏やかな寝顔は可愛らしく柔かそうな頬に触れようと人差し指を伸ばすが暁に阻止された。
可愛い寝顔を隠すように暁は抱き方を変えた。
「殺した」
「ふーーん」
淡々と答える暁に彬は興味なさそうに声を上げた。
彼が頭領を殺したのは簡単に想像出来た。時雨は夢が幼い頃から手込めにしようと計画していたからだ。
暁に頭領の座を奪われた時雨は宴の準備をしている夢を襲うために機会をうかがっていた。
なかなか一人にはならず、心に焦りが募る。
「はぁ……はぁ……夢っ……」
夢を引き取った時から彼女を自分のモノにしたかった。
小さな身体はゆっくりと女性らしく育っていく。いつ全て手に入れようかと機会をうかがっていた。
そして訪れた最後のチャンス。
暁に頭領の座を奪われ屋敷から出て行く事が決まったと同時に夢を襲う事を決めた。
一人になる所を待ち彼女を拐う。待ち焦がれた彼女の柔肌を堪能し、思いっきり可愛がりそして泣かしたいとずっとずっと思っていた。
夢がようやく一人になった。
水を汲みに井戸に向かう。井戸は屋敷裏手にあり人目がつきにくい。
彼女を手に入れる為、手を伸ばそうとした瞬間、グサリと足にクナイが刺さった。
ドクドクと流れる血を押さえるために手を宛がうが血は止まらない。
「大きな血管を切ったから血を止めることは無理だとわかってるでしょう……時雨様」
「っーー暁っ!」
「夢には触れさせない」
暁は素早く時雨の懐に入ると手に持っていたクナイを振り上げた。
時雨から血が吹き出し鈍い音をたて男は崩れ落ちた。
返り血を浴びた時雨は顔についた血を手で拭う。男の亡骸を処理するため男を肩に抱えると、里の森へ入っていった。
宴会が行われてる広間にいるかと思ったが彼の姿はここにもなかった。
頭領として仕事は完璧な人だったが酒に弱かった。仕事中や敵に酒を浴びせられても酔う姿は一切見せなかったが、里の親しい仲間には酔った姿を見せていた。
今日も何処かで酔い潰れているのではないかと不安なる。
「夢どうした?」
廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。
薄暗い廊下でも暁の髪は明るく存在感があった。
「暁様、時雨様を見ませんでしたか?」
「宴が始まった頃はいたと思うけど」
「そうですか……」
「俺も探すから一緒に探そう」
手を握られる。まだ探してない所は何処かと訪ねられたが暁主役の宴会はまだ終わっていない。
大広間からはまだ楽しそうな声が聞こえていた。
「でもまだ宴会が」
「大丈夫だ気にするな」
ふわりと笑う暁の声を最後に夢の意識は落ちた。
意識を失った夢をひょいと抱き上げる。
腕の中で寝息をたてる少女の額に口付けをする。
背後に感じた気配に暁は振り返えると、面白そうに笑う彬は一歩一歩二人に近付いて来た。
「そう言えば時雨様どうした?」
意識がない夢を覗き込む。穏やかな寝顔は可愛らしく柔かそうな頬に触れようと人差し指を伸ばすが暁に阻止された。
可愛い寝顔を隠すように暁は抱き方を変えた。
「殺した」
「ふーーん」
淡々と答える暁に彬は興味なさそうに声を上げた。
彼が頭領を殺したのは簡単に想像出来た。時雨は夢が幼い頃から手込めにしようと計画していたからだ。
暁に頭領の座を奪われた時雨は宴の準備をしている夢を襲うために機会をうかがっていた。
なかなか一人にはならず、心に焦りが募る。
「はぁ……はぁ……夢っ……」
夢を引き取った時から彼女を自分のモノにしたかった。
小さな身体はゆっくりと女性らしく育っていく。いつ全て手に入れようかと機会をうかがっていた。
そして訪れた最後のチャンス。
暁に頭領の座を奪われ屋敷から出て行く事が決まったと同時に夢を襲う事を決めた。
一人になる所を待ち彼女を拐う。待ち焦がれた彼女の柔肌を堪能し、思いっきり可愛がりそして泣かしたいとずっとずっと思っていた。
夢がようやく一人になった。
水を汲みに井戸に向かう。井戸は屋敷裏手にあり人目がつきにくい。
彼女を手に入れる為、手を伸ばそうとした瞬間、グサリと足にクナイが刺さった。
ドクドクと流れる血を押さえるために手を宛がうが血は止まらない。
「大きな血管を切ったから血を止めることは無理だとわかってるでしょう……時雨様」
「っーー暁っ!」
「夢には触れさせない」
暁は素早く時雨の懐に入ると手に持っていたクナイを振り上げた。
時雨から血が吹き出し鈍い音をたて男は崩れ落ちた。
返り血を浴びた時雨は顔についた血を手で拭う。男の亡骸を処理するため男を肩に抱えると、里の森へ入っていった。
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