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没落令嬢は華となる
兄弟
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「あーぁ兄さま、使用人が使い物にならなくなったけど」
「また、補充すればいい」
「魔法具使うと対価が必要だなんて酷い話しだよね」
人間の記憶操作には多くの対価が必要だった。
魔法具は便利だが実用的ではない。
遥か昔、人間にも魔力が大量にあったらしいが現在は魔力を持っている人は少ない。
自分にも魔力は少なからず持っているが、記憶の操作となるととても足りなかった。
足りない魔力分は使用人や他の人間で補う。
宰相の父は罪人を秘密裏に横流し、それでも足りない分は罰をした使用人を使っていた。
今回は数十人の記憶の操作だったため、何時もより大量に人が必要だった。
「ねー僕もルナに会いたい!僕もお姉ちゃんの事が好きだって事忘れてないよね?」
「わかってる」
5歳年下の弟、クリスは子供っぽい所もあるが残忍な部分も持っていた。
自分が留学している時、この家のゴタゴタを後処理したのはこの弟だった。
ベルート家は昔から兄弟しか産まれない。その兄弟で一人の妻を共有し子供を作る。
自分たちも母は同じだが父は違った。妻を共有することで兄弟の仲を保っていたが、数年前に母が死んでから父と叔父で争いが絶えなくなった。
そんな中、二人が執着したのがルナマリアだった。
彼女を手に入れる為、彼女の親を騙し手にかけた。
クリスはこっそりと彼女を見守っていたが、自分の父親が彼女を手にいれようとしているのを知って彼女を守るために行動に移した。
彼女を守るために……。
「そろそろ操り人形の効力が切れるから、早く家を継いでよ兄さま」
地下牢に閉じ込めた現宰相は病気療養中となっていた。
公務を全うできないと感じた王家は、新しい宰相を決めた。
その手続きがまた面倒で何度も登城しなくてはいかなかった。
横で残忍に笑うクリスを見て恐怖すら感じたが、己もあんな風に笑っているのだろうと心の中で苦笑した。
「また、補充すればいい」
「魔法具使うと対価が必要だなんて酷い話しだよね」
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魔法具は便利だが実用的ではない。
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自分にも魔力は少なからず持っているが、記憶の操作となるととても足りなかった。
足りない魔力分は使用人や他の人間で補う。
宰相の父は罪人を秘密裏に横流し、それでも足りない分は罰をした使用人を使っていた。
今回は数十人の記憶の操作だったため、何時もより大量に人が必要だった。
「ねー僕もルナに会いたい!僕もお姉ちゃんの事が好きだって事忘れてないよね?」
「わかってる」
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