ほっかほか 〜なっちゃんとママとおにぎり〜

成瀬りん

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なっちゃんとママとおにぎりと…

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 「そろそろ、たかしおじちゃん来るかな?」

なっちゃんはそわそわと落ち着きません。


 「なっちゃんのテストのお手伝い、楽しかったよ!おじちゃん、合格できるかなぁ」

そんなママもテストをとてもたのしみにしています。

ポカポカ陽気の土曜日、8時。


 「ピンポーン」

 「たかしおじちゃんよ!」

ママはウキウキで玄関を開けて、たかしおじちゃんを部屋に通しました。

 「おはよう!おまねきありがとう、なっちゃん」

今日のたかしおじちゃんはスーツじゃない!
動物園や遊園地にいるパパみたいなかっこうです。


 「さて。なっちゃん。テストを受けさせてもらっていいかな?」

いったいどんなテストなのか、たかしおじちゃんは想像もつきません。

 「うん!テストの時間です!」


 「おじちゃん!おなかすいたでしょう?このふたつのおにぎり食べてください!」

ママはおにぎりをふたつのせてあるお皿を、テーブルにコトンと置きました。


 「このおにぎりが…テスト??」

うーむ…。
この時点でもテストの内容の意味がわかりません。

そんなたかしおじちゃんに、なっちゃんはテストの説明をし始めました。


 「このおにぎりはね、ママとなっちゃんが一個ずつ作ったの」

ママもうん、ってうなずいています。


 「どっちがママのおにぎりか?どっちがなっちゃんのおにぎりか当ててください!」


ふたりでひとつずつ色んな想いをつめて握ったおにぎり。

たかしおじちゃんは当てることができるのでしょうか??


 「わかったよ!当ててみせるからね」

たかしおじちゃんは自信満々です。


どっちもまんまるで梅ぼしの入っているおにぎり。
大きさも同じくらいです。
ママがなっちゃんの手のひらの大きさに合わせてくれていました。

 「いただきまーす!」

たかしおじちゃんはもぐもぐと、ふたつのおにぎりをたいらげました。


 「ごちそうさま!どちらのおにぎりもすごーくおいしかったよ」

なんか、その言葉でなっちゃんも、ママもうれしくなっちゃいました。


 「じゃあ、答えを言うね!」
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