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ポッコチーヌ様のお世話係

性欲と母性愛④

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「さあ、今度こそ休みましょう」
「眠れない。眠れる気がしない」
「目を閉じたらその内眠れます」
「ゲルダ……」

 マクシミリアンが小声で呼ぶ。その声にどこか切羽詰まったものを感じ、ゲルダはいったん閉じた目を開いて隣を見る。マクシミリアンが縋るようにこちらを見ていた。庇護欲をそそる表情に胸がざわめくが、心を鬼にする。本当は減るもんじゃなし触らせるくらい良いのだが、吸い付かれたらたまったものじゃない。変な声出る。絶対。

「乳は触らせません」

 毅然と言い切るゲルダに、マクシミリアンは小さく首を振る。

「そうではないのだ。ポッコチーヌが」

 思わぬ名前が出たことにゲルダは面食らう。ここのところすっかりなりを潜めていた愛すべき友人、彼(彼女?)がどうしたというのだろう。

「ポッコチーヌ様がどうかなされましたか?」
「ゲルダに話があると……」
「ほう? 何でしょう、緊急の御用でしょうか気になりますね。何とおっしゃっているのです?」
「ゲルダに撫でてほしいと」
「へえ……」

 ポッコチーヌ様がねぇ。そんなに心を許してくださってたとは……。ふうぅん。撫でるねぇ……。

 そこで、ゲルダははたと気付いた。

 いや、ポッコチーヌ様は陰茎だぞ。

「さっきからもぞもぞと起きてきてな、固くなっている。こんなに張り切っているのは初めてで痛いほどなのだ」
「張りきってる……」
「俺では嫌だというのだ。ゲルダに撫でてほしいと」
「撫でたら収まるのですか」
「多分」

 いやいやいや……ふつう逆だよな。擦られたら益々滾るよな。そんで挙句の果てには……

「だ、団長……それは、ちょっと……いくらポッコチーヌ様のご要望でもでき」
「ポッコチーヌまで拒否するのか」

 涙目で睨まれて、ゲルダは息を呑む。マクシミリアンは唇を噛んで俯くとプイと背を向けた。

「もうよい。自分で何とかする」

 ゲルダは丸まった背中を見ながら途方に暮れる。確実に傷つけてしまった。しかし、乳を触らせるのも陰茎を撫でるのもどちらもはばかられる行為だ。簡単に請け負えることじゃない。

「痛い……」

 消えかかるような声でマクシミリアンが呟く。背中が小刻みに震え、むき出しになった項が頼りない。
 ゲルダは大きく息を吐くと、マクシミリアンの背中に抱きついた。左手を腰の隙間から滑らせ固い太ももを辿り、股間に掌を当てた。なるほど、そこは固く膨張している。

「ゲルダ……」
「わかりました。ポッコチーヌ様を撫でてさしあげます。団長はお身体を楽にしてください」

 ゲルダは、ゆっくりと手を上下させた。
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