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最終話
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顔を上げ、道の先に目を凝らす。木々の隙間を縫って空から降り注いだ光が、硝子の剣のように地上に突き刺さる。
窮屈な硝子の靴を脱ぎ捨て、素足で進むと決めた私たちの未来は茨の道だ。だが、たとえ尖った葉で刺され、小枝に引っ掻かれ血だらけになったとしても、私は進むことをやめないだろう。
最後まで生き抜くことを懺悔と定め、歩んでいく。
二人を乗せた薄墨毛の馬が光の中へと入っていく。閃光はまるでカーテンのように彼らを囲み、覆い隠した。
そして、やがてなにも見えなくなった。
――シンデレラが逃げた。
それが発覚したのは十日の後だった。
同時に詐欺の疑いで彼の義母と義姉が捕らえられ尋問されたが、彼の行方は知らないと言い張る。
王子はすぐさま追手を差し向けたが、ついに見つけることは叶わなかった。
意気消沈した王子は執務室に引きこもる。
彼の人のために作らせた硝子の靴を手に取り、深いため息をついたのだという。
シンデレラ逃亡劇 【完】
窮屈な硝子の靴を脱ぎ捨て、素足で進むと決めた私たちの未来は茨の道だ。だが、たとえ尖った葉で刺され、小枝に引っ掻かれ血だらけになったとしても、私は進むことをやめないだろう。
最後まで生き抜くことを懺悔と定め、歩んでいく。
二人を乗せた薄墨毛の馬が光の中へと入っていく。閃光はまるでカーテンのように彼らを囲み、覆い隠した。
そして、やがてなにも見えなくなった。
――シンデレラが逃げた。
それが発覚したのは十日の後だった。
同時に詐欺の疑いで彼の義母と義姉が捕らえられ尋問されたが、彼の行方は知らないと言い張る。
王子はすぐさま追手を差し向けたが、ついに見つけることは叶わなかった。
意気消沈した王子は執務室に引きこもる。
彼の人のために作らせた硝子の靴を手に取り、深いため息をついたのだという。
シンデレラ逃亡劇 【完】
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