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魔聖対戦
①
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セルジュは窓際の玉座に座っていた。
窓から差し込む日差しで輪郭を光らせ、微動だにせずそこにいた。
黒いマントを羽織り、長い足を組んでゆったりと構える様は、禍々しくも荘厳な風格を纏い、逆光で闇に覆われた顔の表情は見えないが、その中において、真紅の光が二つ、爛々と輝いていた。
だだっ広く薄暗い部屋には何もなく、音もしない。
ただ、彼の存在感だけが空気を満たしていた。
やがて、魔王は口を開く。
「よく来たな。勇者よ」
まるで別人のように低く冷たい声が、型通りの言葉を告げる。
僕は身を震わせた。
そこにいるのは確かにセルジュだとわかるのに、向けられたことのない冷ややかな感情が、僕を打ちのめす。
僕は深呼吸をし、気を落ち着けた。
――そう、セルジュは言っていたではないか。僕が扉を開けたと同時に臨戦態勢に入ると。
僕は、彼に会えることに浮かれていた直前の自分を恥じた。
甘えた感情を締め出し、ゆっくりと静かに闘志を呼び覚ます。
肩に掛けた弓を手に持ち替え、腹にぐっと力を入れた。
そして、セルジュが聞きたいと言っていた口上を述べるべく口を開く。
「我こそは神より遣わされ邪悪な魔の国の王を討ち破る者なり。悪しき闇の侵略から神が創造した地を護ることが我の使命。許されざる者よ我の手により塵へと還れ」
背負った矢籠から矢を引き抜き弓に装着すると、僕は迷いなくセルジュに照準を合わせた。
セルジュはゆっくりと立ち上がり、背中の羽を左右に広げる。
「愚かな人間よ。魔を統べる我の力をとくと味わい絶望に浸るがいい」
そして、戦闘が開始した。
窓から差し込む日差しで輪郭を光らせ、微動だにせずそこにいた。
黒いマントを羽織り、長い足を組んでゆったりと構える様は、禍々しくも荘厳な風格を纏い、逆光で闇に覆われた顔の表情は見えないが、その中において、真紅の光が二つ、爛々と輝いていた。
だだっ広く薄暗い部屋には何もなく、音もしない。
ただ、彼の存在感だけが空気を満たしていた。
やがて、魔王は口を開く。
「よく来たな。勇者よ」
まるで別人のように低く冷たい声が、型通りの言葉を告げる。
僕は身を震わせた。
そこにいるのは確かにセルジュだとわかるのに、向けられたことのない冷ややかな感情が、僕を打ちのめす。
僕は深呼吸をし、気を落ち着けた。
――そう、セルジュは言っていたではないか。僕が扉を開けたと同時に臨戦態勢に入ると。
僕は、彼に会えることに浮かれていた直前の自分を恥じた。
甘えた感情を締め出し、ゆっくりと静かに闘志を呼び覚ます。
肩に掛けた弓を手に持ち替え、腹にぐっと力を入れた。
そして、セルジュが聞きたいと言っていた口上を述べるべく口を開く。
「我こそは神より遣わされ邪悪な魔の国の王を討ち破る者なり。悪しき闇の侵略から神が創造した地を護ることが我の使命。許されざる者よ我の手により塵へと還れ」
背負った矢籠から矢を引き抜き弓に装着すると、僕は迷いなくセルジュに照準を合わせた。
セルジュはゆっくりと立ち上がり、背中の羽を左右に広げる。
「愚かな人間よ。魔を統べる我の力をとくと味わい絶望に浸るがいい」
そして、戦闘が開始した。
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