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神父の襲来

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 そこで目が覚めた。
 古びた板張りの天井を見上げながら、はあと息を吐く。
 下半身に違和感を感じるのは、きっと夢精したからだろう。そういえば、このところ忙しくて自慰もしていない。
 バーノンに見つからずに下着を洗うのが面倒だなと思う。奴はいまだに僕に愛人がいると疑っている。纏わりついて色々と探ってくるのだ。
 僕は額を撫でた。まだ頭がぼうっとしている。
 何時頃なんだろう。そろそろ支度しないとセルジュを待たせることになる。
 僕は首を上げ、窓に視線を向けた。

「あ、起きちゃった?」

 僕は凍り付いた。

「もう少しで完勃ちするから、待っててね」

 股の間に、半裸で微笑む男がいる。
 男は片手で僕の陰茎を掴み、もう片方の手は自らの尻に回し、くちゅくちゅと音を鳴らしている。
「バーノン、あんた、な、なにをしてる」
「このところお疲れだったでしょう? 僕が癒してあげようと思って」
 バーノンは上半身に薄い下着だけを纏い、下半身には何も身に着けていなかった。
 彼はにんまり笑うと握った竿を咥える。その生暖かい感触に、疼きと共に恐怖が湧き上がる。
 僕は上半身を起こし、バーノンの頭を掴んで引きはがした。
「止めろ!」
「もうこんなになってるんだから、諦めなよ。僕の方も準備ができてる。すぐに入るよ。気持ちいいのは保証するから、騙されたと思って」
「馬鹿を言うな!」
「あの王女に操を立ててるわけ? 信じられないよ。性技の講師も追い返したって聞いたし。君さ、本当は女が駄目なだけじゃないの? 男が好きなんでしょ」
 僕はバーノンの身体を押し、ベッドから落とした。
「酷い! 何するんだよ。君と違って僕は繊細なんだぞ。ああ肌に傷がつく……」
 鋼のように図太い精神を持つ男は、白い太腿を撫でて嘆く。
「ともかく出て行ってくれ。門限はもう過ぎているはずだ」
 僕はバーノンの細い腕を掴み、扉へと促した。しかし、彼は動こうとせず、僕の股間を見上げて囁く。
「もったいないよ。その猛りを僕の身体で静めてあげる。他の誰かを想像しても構わない。ねえ、僕に埋めて、僕の中に射精しなよ。全部受け止めてあげるから」
 うっとりとした表情で懲りずに誘うバーノンに、僕は返す言葉を失う。どこまで淫乱なんだと半ば感心しながら、残った手で彼の目を塞いだ。
「見るな、この色情魔」
「ふふ……見えないのもそそるね。それじゃあ、君の足で僕のを踏んでよ。僕もこんな状態じゃ宿舎に帰れない。足でイかせてくれるくらいしてくれてもいいでしょ」
「気持ちの悪いことを言うな」
 彼の白い足の間からそそり立つモノから目を逸らし、僕は吐き捨てる。
「ねえ、お願い」
 バーノンは膝立ちになり僕の足にぎゅうと抱きつくと、あろうことか股間を押しつけた。
「やめっ……」
 
 しかし、僕は言葉を続けることができなかった。
 なぜなら、背中に強烈な気配を感じ取ったからだ。
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