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唯一無二
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浴室に着いても、オラシオは剥がれない。
ブランシュは途方に暮れた。
「主様、どうされたんです。離れてもらわないと湯浴みできません」
「…いやだ」
「三日三晩湯浴みしていないので汚くて臭いと思うんですけど。主様も汚れてしまいます」
「俺もずっと湯浴みなどしていない」
ブランシュはぎょっとしてオラシオを見た。
綺麗好きでお風呂好きのオラシオが。
彼が尋常では無いことにブランシュは漸く気が付いた。
「どこか具合が悪いのですか?!」
ブランシュはオラシオの顔を掴んで引き剥がし、まじまじと観察した。
「顔色が悪い!唇カサカサ!」
ブランシュはオラシオの唇を奪い、懸命に唾液を注ぎ込んだ。
されるがままだったオラシオが、途中から、ブランシュの後頭部に手を回し、のし掛かるようにブランシュの口内を舐め回し始めた。
「ん、んふ、」
ブランシュは身動ぎした。
漸く唇を離したオラシオは、とろんとした瞳でブランシュを見下ろしている。
その顔に血色が戻り、唇も潤っているのを見てブランシュはホッとした。
「もう帰って来ないかと思った」
落ちてきた声が震えている。
ブランシュはハッとした。
オラシオはブランシュが出ていったと思っていたのか。
それでこんなにやつれて、風呂にも入らず…
ブランシュの胸に罪悪感と愛しさが込み上げた。
「オラシオ様、ご心配お掛けしてすみません。でも、ブランシュは永遠にオラシオ様の側にあると決めています」
「あの夜、森の丘で狼がこちらを見て鳴くのを見たのだ…俺はてっきりブランシュが別れを告げたのだと…」
「私は狼にはなれないと申しましたのに」
そう思い込むほど不安だったのか。
ブランシュは鼻を掻いた。
「心配させてしまってごめんなさい。衝動的に飛び出しちゃったので…今後は気を付けます」
ブランシュはオラシオのシャツのボタンに手を掛けた。
「いっそのこと、一緒に湯浴みをしましょう。オラシオ様のお背中を流します。髪も洗います」
オラシオは頷くと、薄汚れてぼろぼろのブランシュのメイド服の首もとに手を掛け、一気に引き裂いた。
呆気にとられたブランシュに、上から声が降ってきた。
「早く入ろう」
シュミーズだけを身に付けたまま、ブランシュはオラシオの髪を洗っていた。
「痒いところはないですかぁー、指の力は強すぎませんかぁ」
「ちょうど良い」
石鹸を流して今度は背中を洗う。
「ごしごーし」
「子供扱いか」
裸どころかあらぬところまで見られている間柄でも、一緒にお風呂に入ると言うのは恥ずかしい。
ブランシュはこれでも必死に照れ隠しをしているのだ。
背中を湯桶で洗い流したところで、オラシオがブランシュの手首を掴んだ。
「今度は俺が洗ってやろう」
「ひっ、主様にそのようなことはさせられません!」
ブランシュは手を引っ張るが、ブランシュの唾液により回復したオラシオの力は強い。
大理石の浴槽に押し倒され、シュミーズを剥ぎ取られた。
「傷だらけではないか、先ずは治療だな」
ブランシュはぎょっとしてオラシオの肩を押した。
「駄目です!汚いですから、先に洗います!」
「それでは石鹸が傷に染みてしまう」
オラシオがブランシュの腕についた傷を舌でなぞった。
「染みるなぞ、たいした痛みじゃありませんから!」
それに、元々ブランシュは治癒能力も高い。
身体を起こそうとするが、オラシオがのし掛かっている上に水で滑り、叶わない。
オラシオはペロペロと順番に傷を舐め回していく。
「も、もう良いですから、オラシオ様っ」
ブランシュは身をよじらせた。
「なんだ、ブランシュ……ふふ、そんな匂わせて、治療しているだけなのに気持ち良くなってしまったのか?」
「違っ、やっ、そんなとこ傷ついてなっ」
胸の先端に吸い付かれ、ブランシュは身体を反らせた。
治療という名の不埒な行為は暫く続けられ、ブランシュは逆上せて、息も絶え絶えになってしまった。
「も、も、駄目ですって、早く洗って出ましょう、オラシオ様っ」
隙を見て、浴槽の縁に掴まって身体を起こすブランシュの腰を、オラシオが捕まえた。
「そんなに昂ったままでは辛いだろう?」
「だっ、大丈夫ですって、やあっ」
ぐりっと花弁に固い先端をあてがわれ、ブランシュは息を止めた。
「俺が辛い。ブランシュ、俺を翻弄した罰は受けてもらうぞ」
ぐぐっと中に押し進められてブランシュは浴槽の縁をぐっと掴んだ。
「あっ、はあっ、オラシオ様っ」
ブランシュの腰を上げて、オラシオはその柔らかく熱い中を堪能する。
ぎゅうぎゅう締め付けてオラシオのモノをしごく、恐ろしく気持ち良い名器だ。
「はあ、ブランシュ、二度と俺を置いていくなっ」
「う、ああっ、オラシオさ、ま、はあああっ」
ゾリゾリと感じるところを攻められて、ブランシュは震え、浴槽に頬を付けて耐えた。
オラシオは太く張り詰めたモノで繊細にブランシュの中を擦る。
ブランシュは、足に力が入らずに座り込んでしまいそうになるが、オラシオがガッチリ腰を支えて固定している。
奥までグリグリと突かれて、声も上げれず目を瞑って喘いだ。
目の奥がチカチカする。
ゆっくりとした突き上げが、やがて速さを増し、ぐちゅぐちゅと蜜が溢れて内股を滴る。
「だめぇ、おかしくなっちゃう、オラシオさまぁ!」
荒い息の狭間にオラシオが命ずる。
「イけ、ブランシュ、奥にたっぷり注いでやる。俺の想いを受けとれ」
「はっ、はんん、ああっ」
ブランシュは波打つ中を意識した。
駆け上がる快感が弾ける直前だ。
「はあっ、下さい、オラシオ様ぁっ、全部っ」
ブランシュは頭の芯が痺れるほどの快楽の果てに身体を投げ出した。
オラシオが最奥に捩じ込み、熱い飛沫を放っているのを感じる。
大好きなオラシオ様。
貴方に尽くしたいばかりに突っ走り、不安にさせてしまった。
あれだけ望んだ自由だったけど、貴方に身も心も囚われていくこの甘い束縛はなんて心地好い。
ブランシュはうっとりと浴槽に凭れた。
やがて、オラシオの腕に抱かれ、優しく身体を洗われる。
お互い泡に包まれて、口付けを交わした。
「ブランシュ、離れがたい」
「私もです。ずっとこうしていたい…」
そうしてまた唇を重ねたが、浴室のドアがドンドンとノックされ、二人を心配する侍従の声が聞こえてきた。
ブランシュとオラシオは鼻を重ねたまま、笑い合う。
「どうやら時間切れのようだな。続きはまた今夜だブランシュ。寝かせないから覚悟しておけ」
「仰せのままに」
ブランシュは途方に暮れた。
「主様、どうされたんです。離れてもらわないと湯浴みできません」
「…いやだ」
「三日三晩湯浴みしていないので汚くて臭いと思うんですけど。主様も汚れてしまいます」
「俺もずっと湯浴みなどしていない」
ブランシュはぎょっとしてオラシオを見た。
綺麗好きでお風呂好きのオラシオが。
彼が尋常では無いことにブランシュは漸く気が付いた。
「どこか具合が悪いのですか?!」
ブランシュはオラシオの顔を掴んで引き剥がし、まじまじと観察した。
「顔色が悪い!唇カサカサ!」
ブランシュはオラシオの唇を奪い、懸命に唾液を注ぎ込んだ。
されるがままだったオラシオが、途中から、ブランシュの後頭部に手を回し、のし掛かるようにブランシュの口内を舐め回し始めた。
「ん、んふ、」
ブランシュは身動ぎした。
漸く唇を離したオラシオは、とろんとした瞳でブランシュを見下ろしている。
その顔に血色が戻り、唇も潤っているのを見てブランシュはホッとした。
「もう帰って来ないかと思った」
落ちてきた声が震えている。
ブランシュはハッとした。
オラシオはブランシュが出ていったと思っていたのか。
それでこんなにやつれて、風呂にも入らず…
ブランシュの胸に罪悪感と愛しさが込み上げた。
「オラシオ様、ご心配お掛けしてすみません。でも、ブランシュは永遠にオラシオ様の側にあると決めています」
「あの夜、森の丘で狼がこちらを見て鳴くのを見たのだ…俺はてっきりブランシュが別れを告げたのだと…」
「私は狼にはなれないと申しましたのに」
そう思い込むほど不安だったのか。
ブランシュは鼻を掻いた。
「心配させてしまってごめんなさい。衝動的に飛び出しちゃったので…今後は気を付けます」
ブランシュはオラシオのシャツのボタンに手を掛けた。
「いっそのこと、一緒に湯浴みをしましょう。オラシオ様のお背中を流します。髪も洗います」
オラシオは頷くと、薄汚れてぼろぼろのブランシュのメイド服の首もとに手を掛け、一気に引き裂いた。
呆気にとられたブランシュに、上から声が降ってきた。
「早く入ろう」
シュミーズだけを身に付けたまま、ブランシュはオラシオの髪を洗っていた。
「痒いところはないですかぁー、指の力は強すぎませんかぁ」
「ちょうど良い」
石鹸を流して今度は背中を洗う。
「ごしごーし」
「子供扱いか」
裸どころかあらぬところまで見られている間柄でも、一緒にお風呂に入ると言うのは恥ずかしい。
ブランシュはこれでも必死に照れ隠しをしているのだ。
背中を湯桶で洗い流したところで、オラシオがブランシュの手首を掴んだ。
「今度は俺が洗ってやろう」
「ひっ、主様にそのようなことはさせられません!」
ブランシュは手を引っ張るが、ブランシュの唾液により回復したオラシオの力は強い。
大理石の浴槽に押し倒され、シュミーズを剥ぎ取られた。
「傷だらけではないか、先ずは治療だな」
ブランシュはぎょっとしてオラシオの肩を押した。
「駄目です!汚いですから、先に洗います!」
「それでは石鹸が傷に染みてしまう」
オラシオがブランシュの腕についた傷を舌でなぞった。
「染みるなぞ、たいした痛みじゃありませんから!」
それに、元々ブランシュは治癒能力も高い。
身体を起こそうとするが、オラシオがのし掛かっている上に水で滑り、叶わない。
オラシオはペロペロと順番に傷を舐め回していく。
「も、もう良いですから、オラシオ様っ」
ブランシュは身をよじらせた。
「なんだ、ブランシュ……ふふ、そんな匂わせて、治療しているだけなのに気持ち良くなってしまったのか?」
「違っ、やっ、そんなとこ傷ついてなっ」
胸の先端に吸い付かれ、ブランシュは身体を反らせた。
治療という名の不埒な行為は暫く続けられ、ブランシュは逆上せて、息も絶え絶えになってしまった。
「も、も、駄目ですって、早く洗って出ましょう、オラシオ様っ」
隙を見て、浴槽の縁に掴まって身体を起こすブランシュの腰を、オラシオが捕まえた。
「そんなに昂ったままでは辛いだろう?」
「だっ、大丈夫ですって、やあっ」
ぐりっと花弁に固い先端をあてがわれ、ブランシュは息を止めた。
「俺が辛い。ブランシュ、俺を翻弄した罰は受けてもらうぞ」
ぐぐっと中に押し進められてブランシュは浴槽の縁をぐっと掴んだ。
「あっ、はあっ、オラシオ様っ」
ブランシュの腰を上げて、オラシオはその柔らかく熱い中を堪能する。
ぎゅうぎゅう締め付けてオラシオのモノをしごく、恐ろしく気持ち良い名器だ。
「はあ、ブランシュ、二度と俺を置いていくなっ」
「う、ああっ、オラシオさ、ま、はあああっ」
ゾリゾリと感じるところを攻められて、ブランシュは震え、浴槽に頬を付けて耐えた。
オラシオは太く張り詰めたモノで繊細にブランシュの中を擦る。
ブランシュは、足に力が入らずに座り込んでしまいそうになるが、オラシオがガッチリ腰を支えて固定している。
奥までグリグリと突かれて、声も上げれず目を瞑って喘いだ。
目の奥がチカチカする。
ゆっくりとした突き上げが、やがて速さを増し、ぐちゅぐちゅと蜜が溢れて内股を滴る。
「だめぇ、おかしくなっちゃう、オラシオさまぁ!」
荒い息の狭間にオラシオが命ずる。
「イけ、ブランシュ、奥にたっぷり注いでやる。俺の想いを受けとれ」
「はっ、はんん、ああっ」
ブランシュは波打つ中を意識した。
駆け上がる快感が弾ける直前だ。
「はあっ、下さい、オラシオ様ぁっ、全部っ」
ブランシュは頭の芯が痺れるほどの快楽の果てに身体を投げ出した。
オラシオが最奥に捩じ込み、熱い飛沫を放っているのを感じる。
大好きなオラシオ様。
貴方に尽くしたいばかりに突っ走り、不安にさせてしまった。
あれだけ望んだ自由だったけど、貴方に身も心も囚われていくこの甘い束縛はなんて心地好い。
ブランシュはうっとりと浴槽に凭れた。
やがて、オラシオの腕に抱かれ、優しく身体を洗われる。
お互い泡に包まれて、口付けを交わした。
「ブランシュ、離れがたい」
「私もです。ずっとこうしていたい…」
そうしてまた唇を重ねたが、浴室のドアがドンドンとノックされ、二人を心配する侍従の声が聞こえてきた。
ブランシュとオラシオは鼻を重ねたまま、笑い合う。
「どうやら時間切れのようだな。続きはまた今夜だブランシュ。寝かせないから覚悟しておけ」
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