姉と私とコンドーム

姉と私とコンドーム

おねーちゃんは変わった。
まず、バイトとお洋服が増えた。
そして週末は帰ってこない。
これは恋人さんができたに違いない。
わたしはするどいのだ。

これは証拠を抑えなければ。
今日おねーちゃんが帰ってこないのは調査済み。
チャンス到来。

…！

こ、これはっ
性教育のお時間に習ったアレでは！
たくさんあって、しかもパッケージ開封済！

わたしもいつか恋をするとこれをお買い求めするんだろうか。
おねーちゃんは帰りの遅いときや週末にご持参してこれを使ってる…。
か、彼氏さんとどんなことをそているのだろう。
雄しべと雌しべが…
ダメだ、驚きのショックで頭がグルグルしてる。

とにかくわたしは冷静に元の位置にもど…
意を決して切り離してみる。
ピリピリッと小気味良い感触だった。
ひとつ研究用に頂戴し、そっとおねーちゃんの部屋をあとにした。


手のひらに乗るぐらいの小さな正方形。
両端に切り取りのギザギザ。
中にうっすら丸い輪郭。
手慣れた手付きで封を切り、彼につけてあげる。

もうすっかり見慣れたコンドームだけど、手に取るたびに想い出す。