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コスプレ妄想話:婦警さん編(4/4)
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<4章>
「ねぇ、貴方の妄想全開なのはいいけれど、これ、どうなるの?絶望的よ?
ってか何日も経ってそうだけど全然警察こないし」
「その辺はご都合主義で…」
「犯人死んだほうがいいよね。世のため人のために死ぬしかないんじゃない?
新米ちゃんかわいそ過ぎるんだけど、貴方はそれがいいんですもんね…」
「そうなんです。惨めでかわいそうで絶望的なのがそそります」
「貴方本当はこんな鬼畜外道な変態行為をしたいのよね。他でもない、わたしに」
「そうです!
ぜひこの部屋を一週間ぐらい借りて、婦警さんのコスプレでやりましょう!」
「言ったら傷つくと思って黙っていたけど、もう婦警さんとかどうでもいい展開よね?
単に貴方のやってみたい変態妄想が続いているだけじゃない。
婦警さんっぽいのは導入の3行ぐらいじゃない?」
「くっ…気づかれたか…」
「で、どうやって話を終わらせるの?
このままじゃ気分悪いからキチンと終わらせてくれる?」
「ここからがいいところなんです。ハリウッドばりに大逆転です。
それよりももっとエロいシチュエーションがまだまだあるんですけど…割愛ですか?」
「割愛よ!」
「そうですか…では最小限に留めます…」
かなり残念そうに彼が話を続ける。
どれだけたくさんのエロ妄想があの頭の中に詰め込まれているのだろうか?
***
「飲め」
久しぶりに口を開いた犯人が短く言った。
眼の前にチンポがある。
何を言っているのか理解できなかったが…わかってしまった。
ギャグボールも外されていたので喋ることもできる。
「…あんたの出すしょ…小水を飲めというの?」
「そうだ。他に水分は与えない。そこに座って口を開けろ。喉が乾いているだろう?くれてやるよ」
そんなことができるわけがなかった。
犯人が床に小水を垂れ流す音ををベッドの隅で目を背けて聞いていた。
「ふん」
嘲るように冷笑し、犯人は部屋を立ち去る。
どうせお前はオレの小便を飲むしかないんだと表情が語っていた。
そして事実その通りだった。
「…く、ください。おしっこを飲ませてください!」
喉の乾きが限界に達した私は、折れた。
犯人の要求通りに正座して座り、口を大きく開けておしっこをねだった。
チンポを見上げる。
これまでも随分と惨めな思いをさせられてきたが、これは私の心を折るのに決定的だった。
あのチンポからおしっこが出る…それを…飲む…
あまりの変態さに鼓動が早まる。
本当に飲むのか。喉の乾きは限界だ。飲まなければ死ぬ。
飲む。おしっこを。私が。本当に?
しゃあぁ
と勢いよく犯人のチンポから小水が出た。
私の顔にかかる生暖かい液体。
あまりの喉の乾きのせいだ。私は反射的に頭を動かして口に入るように…してしまった。
おしっこを口に入れている…!
その事実に嗚咽しそうになる。
しかし飲むしかない。
そして、こうして考えている今も口から溢れた貴重な水がこぼれ落ちていっている。
ごくん。
ついに越えてはならない一線を越えてしまった。
一度踏み越えてしまうともう戻れない。
喉の乾きを癒やすため私は夢中で飲み続けた。
「はははっ!いい飲みっぷりだったよ、新米ちゃん」
勝ち誇った声が聞こえる。
身体の中まで犯された。そんな敗北感があった。
「これから毎日飲ませてあげるからね」
「ねぇいつまで…いつまで続くの?」
私は流れ落ちる涙も気に留めず絶望を口にした。
もう耐えられなかった。
人としての尊厳をことごとく破壊するような監禁生活。
まともな食事は与えられず、飲料水は小便。
トイレはなく、ペット用のトイレが部屋の片隅に用意されている。
部屋には複数のデジカメが据えられ24時間撮影。
どうにもこの部屋の様子は監視カメラで見られているようで私がトイレで用を足そうとすると決まって犯人が姿をあらわし排泄の一部始終を撮影された。
ある朝(…と言っても朝なのか定かではないのだが)起きると、テーブルにモニターが用意されていた。
犯人の性癖…アナル責め、監禁拘束、SMといったジャンルのAV作品が延々と流れた。
女優は泣き叫んで抵抗し、やがてあきらめ従順になり、変態行為を求めるように”壊れる”。
どの作品も同じような筋書きばかり。
どれもこれも現実は違う。
抵抗をあきらめた無気力まではあっているが、壊れてヘラヘラしつつエロい行為を求めるなんてできるわけがない。
アヘ顔?とか言うそうだが妄想の産物にすぎない。
丸一日ぐらい流れっぱなしだっただろうか。同じような変態行為をひたすら繰り返すAV放送は突然途切れ静寂が戻った。
なんのつもりか理解できなかったが、私への「教育」だった。
犯人は私にAVを見せ、それを実演させる遊びを思いついたのだ。
私が起きるとモニターにAVが流れる。
今日のプレイ内容を予習しておけと言うことだ。
見たくもないがつい見てしまう。
自分が次にどんな変態なことをさせられるのか確認するために。
犯人は決して暴力に訴えないがライフラインを握られているのが致命的だった。
私が従わなければ食事は与えられない。
従順であればご褒美を出すらしく、一度はペットボトルの水が与えられた。
実にわかりやすい。
今日のAV放送はもまた一段と変態だ。
自分で浣腸し、お尻を広げて出しまくる内容だった。
『御主人様、いっぱい入りました。私の浣腸噴射を楽しんでください!』
口にするのも恥ずかしいセリフを叫びながらAV嬢が牛乳浣腸を噴き出した。
これが今日のメニュー…と言うわけだ。
画面の中でAV女優は健気に何度もなんども浣腸と噴射を繰り返えす。
私は無表情でそれを眺めていた。
AVが終われば、私が実演でリプレイすることになる…。
浣腸は嫌いだ。
犯人は浣腸液入りの牛乳浣腸液を用意するから我慢できない。
恥ずかしい格好をさせられ、誰かが見ている前で出すのは羞恥の極み。
そして…AV女優はいろいろ準備をして撮影に望んでいるだろうが私は違う。
あんなきれいな、真っ白い牛乳は出ない…。
まるで仕事のようにAVの真似事をして食事を得る。
そんな日々が続いたが「仕事」を与えられず食事も抜かれて小便を飲まされるだけの日もあった。
仕事も食事も与えられないまま数日が経過しただろうか。突然AVが流れ始めた。
今日は仕事が与えて貰える。がんばれば食事を貰える。
そう思わせる罠だとわかっているが飢餓感は耐え難い苦痛だ。
そして、とびきり変態なAVだった。これを再現させられるなら食事はいらないと思えるような内容。
それを…空腹で抵抗する気力も失せた頃にやらせようとする悪辣さ。
『ああ、出ちゃいます…大好きなんです。うんこを漏らすところを御主人に見てもらうのが…ああ、出ます!』
極めつけに変態なクライマックスシーン。
ぶぶぶっと排泄音が聞こえる。
偽物の大便であっても相当恥ずかしいだろう。
でも彼女は偽物のだからまだいい。
私は本当の排便させられ、それを見られ、そして撮られるのだから…。
いよいよAVが終わりドアノブが音を立てる。
私の番が来た。
空腹で朦朧とした意識に予想外の声が響く。夢だろうか。
「いよいよボクの楽しい時間で、新米ちゃんの悪夢の時間は終わりです。マンションのまわりにいっぱい人がいます。スナイパーがボクを撃ち殺すのか、催涙弾と突入なのかインターホンで捜査令状なのかわかりませんが、何らかの終点がきます」
「…どうするつもり?」
「弱虫なボクに死ぬ勇気もないし、新米ちゃんを人質にして無駄な抵抗をする気もありません。成り行きに任せます。どうぞ、お風呂に入ってください。ボクのパソコンやデジカメ、スマホも持ってくるので好きに壊してください。新米ちゃんがずっと懸念してたネット配信はしていないし、クラウドバックアップもしてません。これらを壊してボクと新米ちゃんが黙っていれば誰にもわかりません」
心中する気ならとうにできたので、この期に及んで嘘をつく理由もないだろう。
進められるままにお風呂場でシャワーを浴びた。
何日ぶりだろうか。身体をみれば縛られた痕や、抵抗してついた傷が生々しい。
お風呂場は清潔だった。
きれいに洗い上げられカビ一つない。
シャワーを飲む。まともな水分!ゴクゴクと喉を鳴らし飲んだ。
泣いているらしい。視界がぼやける。
あと少しで開放される…!
満足いくまでしっかりと身体と髪を洗い、風呂場をあとにする。
新しい下着と洗い上げた制服があった。
犯人の姿はなかった。
リビングの窓は開いていたが飛び降りた様子はない。
センパイもくまちゃんも無事だ。
玄関から犯人の靴がなくなり、私たちの靴がキチンと揃えてあった。
間もなく救出されるだろう。
…そんな夢を見た。
現実であって欲しかったが、違う。
「ああ、出ちゃいます…大好きなんです。う…うんこを漏らすところを御主人に見てもらうのが…」
私は保護された。
ちょうど仕事をしている最中に。
安堵とともに心底死にたいと思った。
夢はちょっと現実と被っていた。
データはネット上にばらまかれていなかった。
私や犯人、突入部隊が黙秘すればウワサはさておき真実の物証はない。
犯人は特に抵抗することもなく確保された。
大人しく素直に事情徴収に応じているらしい。
私の悪夢は終わった。
***
「…どのへんがハリウッド?」
これで彼の妄想話は終わりらしい。
いつまでも監禁凌辱されてましたとか、スーパーヒーローが助けに来ました、よりはマシだけど。
適当に話を畳んだ感でいっぱい。
スカッと爽快なハリウッド超大作ストーリーはどこへいったのよ。
「ハ、ハリウッドもピンキリで…」
「大爆発しないじゃない」
「現実の日本の警察が突入しても大爆発はリアリティが…」
「リアリティ?こんな中途半端な妄想劇で?いっそドカンと爽快!のほうがマシよ!」
「そうですか…お話づくりってむずかしいですね。次は大爆発させます」
「話運びの強引さはさておき、犯人は貴方そのものね。私に婦警さんのコスプレをさせてこんなことをさせたいのね」
「そうなんです!妄想がとまらなくてエスカレートしまくりましたが、ぜひお願いします!」
「無理」
「ですよね…」
「あまりに変態すぎてわたしでも引くわ」
「ですよね…」
「でも、貴方はこういうド変態プレイが好きなのよね。好きはとまらないものね…。
妄想は自由よ。ちょっとビックリするけど。
お酒が入っていればいつでも聞いてあげるわ。聞くだけね」
考えてみれば可哀想なのかもしれない。
普通に愛し合うだけで満足できず、ひとりで処理しきれない欲望を抱え続ける。
誰しもすべての欲望が叶えられるわけではないが、性欲が強い彼には酷だろう。
それにしても心の奥底ではエロ奴隷のようにわたしを扱いたいのね。よくわかったわ。まったくどうやって育ったらこんな捻くれたド変態ができあがるのだろう?
「犯人は私です。まるわかりですけど。
貴女と出会うことがなかった世界線を想像してみたんです。
満たされず自暴自棄になった私がふとしたきっかけで犯罪に走ったら…を考えてみました」
「コスチュームが婦警さんだもんね」
「はい。貴女がいてくれるお陰でこうして犯罪に走らずに社会生活を営めています」
「脳内は本当にスゴイのにね。付き合うまでまったくわからなかったわ」
「自分は普通を真ん中とすると、最も遠い位置にいる自覚がありますからね」
「ふーん、あるんだ。そしてつらいね。この妄想を実現できる相手はそうそういないわ」
「ええ。こうやって聞いてもらえるだけでもありがたいです。
打ち明けても拒絶されるのが当然の変態ですから」
「ねぇ、他のコスチュームでも妄想を聞かせて。
ただし、導入は違っても結局同じような監禁凌辱…はダメ。いい?」
「わかりました。どのコスチュームにしましょうか」
彼がレンタルコスプレの一覧表を差し出してきた。
「ふふふ、どれにしようかしら…」
「ねぇ、貴方の妄想全開なのはいいけれど、これ、どうなるの?絶望的よ?
ってか何日も経ってそうだけど全然警察こないし」
「その辺はご都合主義で…」
「犯人死んだほうがいいよね。世のため人のために死ぬしかないんじゃない?
新米ちゃんかわいそ過ぎるんだけど、貴方はそれがいいんですもんね…」
「そうなんです。惨めでかわいそうで絶望的なのがそそります」
「貴方本当はこんな鬼畜外道な変態行為をしたいのよね。他でもない、わたしに」
「そうです!
ぜひこの部屋を一週間ぐらい借りて、婦警さんのコスプレでやりましょう!」
「言ったら傷つくと思って黙っていたけど、もう婦警さんとかどうでもいい展開よね?
単に貴方のやってみたい変態妄想が続いているだけじゃない。
婦警さんっぽいのは導入の3行ぐらいじゃない?」
「くっ…気づかれたか…」
「で、どうやって話を終わらせるの?
このままじゃ気分悪いからキチンと終わらせてくれる?」
「ここからがいいところなんです。ハリウッドばりに大逆転です。
それよりももっとエロいシチュエーションがまだまだあるんですけど…割愛ですか?」
「割愛よ!」
「そうですか…では最小限に留めます…」
かなり残念そうに彼が話を続ける。
どれだけたくさんのエロ妄想があの頭の中に詰め込まれているのだろうか?
***
「飲め」
久しぶりに口を開いた犯人が短く言った。
眼の前にチンポがある。
何を言っているのか理解できなかったが…わかってしまった。
ギャグボールも外されていたので喋ることもできる。
「…あんたの出すしょ…小水を飲めというの?」
「そうだ。他に水分は与えない。そこに座って口を開けろ。喉が乾いているだろう?くれてやるよ」
そんなことができるわけがなかった。
犯人が床に小水を垂れ流す音ををベッドの隅で目を背けて聞いていた。
「ふん」
嘲るように冷笑し、犯人は部屋を立ち去る。
どうせお前はオレの小便を飲むしかないんだと表情が語っていた。
そして事実その通りだった。
「…く、ください。おしっこを飲ませてください!」
喉の乾きが限界に達した私は、折れた。
犯人の要求通りに正座して座り、口を大きく開けておしっこをねだった。
チンポを見上げる。
これまでも随分と惨めな思いをさせられてきたが、これは私の心を折るのに決定的だった。
あのチンポからおしっこが出る…それを…飲む…
あまりの変態さに鼓動が早まる。
本当に飲むのか。喉の乾きは限界だ。飲まなければ死ぬ。
飲む。おしっこを。私が。本当に?
しゃあぁ
と勢いよく犯人のチンポから小水が出た。
私の顔にかかる生暖かい液体。
あまりの喉の乾きのせいだ。私は反射的に頭を動かして口に入るように…してしまった。
おしっこを口に入れている…!
その事実に嗚咽しそうになる。
しかし飲むしかない。
そして、こうして考えている今も口から溢れた貴重な水がこぼれ落ちていっている。
ごくん。
ついに越えてはならない一線を越えてしまった。
一度踏み越えてしまうともう戻れない。
喉の乾きを癒やすため私は夢中で飲み続けた。
「はははっ!いい飲みっぷりだったよ、新米ちゃん」
勝ち誇った声が聞こえる。
身体の中まで犯された。そんな敗北感があった。
「これから毎日飲ませてあげるからね」
「ねぇいつまで…いつまで続くの?」
私は流れ落ちる涙も気に留めず絶望を口にした。
もう耐えられなかった。
人としての尊厳をことごとく破壊するような監禁生活。
まともな食事は与えられず、飲料水は小便。
トイレはなく、ペット用のトイレが部屋の片隅に用意されている。
部屋には複数のデジカメが据えられ24時間撮影。
どうにもこの部屋の様子は監視カメラで見られているようで私がトイレで用を足そうとすると決まって犯人が姿をあらわし排泄の一部始終を撮影された。
ある朝(…と言っても朝なのか定かではないのだが)起きると、テーブルにモニターが用意されていた。
犯人の性癖…アナル責め、監禁拘束、SMといったジャンルのAV作品が延々と流れた。
女優は泣き叫んで抵抗し、やがてあきらめ従順になり、変態行為を求めるように”壊れる”。
どの作品も同じような筋書きばかり。
どれもこれも現実は違う。
抵抗をあきらめた無気力まではあっているが、壊れてヘラヘラしつつエロい行為を求めるなんてできるわけがない。
アヘ顔?とか言うそうだが妄想の産物にすぎない。
丸一日ぐらい流れっぱなしだっただろうか。同じような変態行為をひたすら繰り返すAV放送は突然途切れ静寂が戻った。
なんのつもりか理解できなかったが、私への「教育」だった。
犯人は私にAVを見せ、それを実演させる遊びを思いついたのだ。
私が起きるとモニターにAVが流れる。
今日のプレイ内容を予習しておけと言うことだ。
見たくもないがつい見てしまう。
自分が次にどんな変態なことをさせられるのか確認するために。
犯人は決して暴力に訴えないがライフラインを握られているのが致命的だった。
私が従わなければ食事は与えられない。
従順であればご褒美を出すらしく、一度はペットボトルの水が与えられた。
実にわかりやすい。
今日のAV放送はもまた一段と変態だ。
自分で浣腸し、お尻を広げて出しまくる内容だった。
『御主人様、いっぱい入りました。私の浣腸噴射を楽しんでください!』
口にするのも恥ずかしいセリフを叫びながらAV嬢が牛乳浣腸を噴き出した。
これが今日のメニュー…と言うわけだ。
画面の中でAV女優は健気に何度もなんども浣腸と噴射を繰り返えす。
私は無表情でそれを眺めていた。
AVが終われば、私が実演でリプレイすることになる…。
浣腸は嫌いだ。
犯人は浣腸液入りの牛乳浣腸液を用意するから我慢できない。
恥ずかしい格好をさせられ、誰かが見ている前で出すのは羞恥の極み。
そして…AV女優はいろいろ準備をして撮影に望んでいるだろうが私は違う。
あんなきれいな、真っ白い牛乳は出ない…。
まるで仕事のようにAVの真似事をして食事を得る。
そんな日々が続いたが「仕事」を与えられず食事も抜かれて小便を飲まされるだけの日もあった。
仕事も食事も与えられないまま数日が経過しただろうか。突然AVが流れ始めた。
今日は仕事が与えて貰える。がんばれば食事を貰える。
そう思わせる罠だとわかっているが飢餓感は耐え難い苦痛だ。
そして、とびきり変態なAVだった。これを再現させられるなら食事はいらないと思えるような内容。
それを…空腹で抵抗する気力も失せた頃にやらせようとする悪辣さ。
『ああ、出ちゃいます…大好きなんです。うんこを漏らすところを御主人に見てもらうのが…ああ、出ます!』
極めつけに変態なクライマックスシーン。
ぶぶぶっと排泄音が聞こえる。
偽物の大便であっても相当恥ずかしいだろう。
でも彼女は偽物のだからまだいい。
私は本当の排便させられ、それを見られ、そして撮られるのだから…。
いよいよAVが終わりドアノブが音を立てる。
私の番が来た。
空腹で朦朧とした意識に予想外の声が響く。夢だろうか。
「いよいよボクの楽しい時間で、新米ちゃんの悪夢の時間は終わりです。マンションのまわりにいっぱい人がいます。スナイパーがボクを撃ち殺すのか、催涙弾と突入なのかインターホンで捜査令状なのかわかりませんが、何らかの終点がきます」
「…どうするつもり?」
「弱虫なボクに死ぬ勇気もないし、新米ちゃんを人質にして無駄な抵抗をする気もありません。成り行きに任せます。どうぞ、お風呂に入ってください。ボクのパソコンやデジカメ、スマホも持ってくるので好きに壊してください。新米ちゃんがずっと懸念してたネット配信はしていないし、クラウドバックアップもしてません。これらを壊してボクと新米ちゃんが黙っていれば誰にもわかりません」
心中する気ならとうにできたので、この期に及んで嘘をつく理由もないだろう。
進められるままにお風呂場でシャワーを浴びた。
何日ぶりだろうか。身体をみれば縛られた痕や、抵抗してついた傷が生々しい。
お風呂場は清潔だった。
きれいに洗い上げられカビ一つない。
シャワーを飲む。まともな水分!ゴクゴクと喉を鳴らし飲んだ。
泣いているらしい。視界がぼやける。
あと少しで開放される…!
満足いくまでしっかりと身体と髪を洗い、風呂場をあとにする。
新しい下着と洗い上げた制服があった。
犯人の姿はなかった。
リビングの窓は開いていたが飛び降りた様子はない。
センパイもくまちゃんも無事だ。
玄関から犯人の靴がなくなり、私たちの靴がキチンと揃えてあった。
間もなく救出されるだろう。
…そんな夢を見た。
現実であって欲しかったが、違う。
「ああ、出ちゃいます…大好きなんです。う…うんこを漏らすところを御主人に見てもらうのが…」
私は保護された。
ちょうど仕事をしている最中に。
安堵とともに心底死にたいと思った。
夢はちょっと現実と被っていた。
データはネット上にばらまかれていなかった。
私や犯人、突入部隊が黙秘すればウワサはさておき真実の物証はない。
犯人は特に抵抗することもなく確保された。
大人しく素直に事情徴収に応じているらしい。
私の悪夢は終わった。
***
「…どのへんがハリウッド?」
これで彼の妄想話は終わりらしい。
いつまでも監禁凌辱されてましたとか、スーパーヒーローが助けに来ました、よりはマシだけど。
適当に話を畳んだ感でいっぱい。
スカッと爽快なハリウッド超大作ストーリーはどこへいったのよ。
「ハ、ハリウッドもピンキリで…」
「大爆発しないじゃない」
「現実の日本の警察が突入しても大爆発はリアリティが…」
「リアリティ?こんな中途半端な妄想劇で?いっそドカンと爽快!のほうがマシよ!」
「そうですか…お話づくりってむずかしいですね。次は大爆発させます」
「話運びの強引さはさておき、犯人は貴方そのものね。私に婦警さんのコスプレをさせてこんなことをさせたいのね」
「そうなんです!妄想がとまらなくてエスカレートしまくりましたが、ぜひお願いします!」
「無理」
「ですよね…」
「あまりに変態すぎてわたしでも引くわ」
「ですよね…」
「でも、貴方はこういうド変態プレイが好きなのよね。好きはとまらないものね…。
妄想は自由よ。ちょっとビックリするけど。
お酒が入っていればいつでも聞いてあげるわ。聞くだけね」
考えてみれば可哀想なのかもしれない。
普通に愛し合うだけで満足できず、ひとりで処理しきれない欲望を抱え続ける。
誰しもすべての欲望が叶えられるわけではないが、性欲が強い彼には酷だろう。
それにしても心の奥底ではエロ奴隷のようにわたしを扱いたいのね。よくわかったわ。まったくどうやって育ったらこんな捻くれたド変態ができあがるのだろう?
「犯人は私です。まるわかりですけど。
貴女と出会うことがなかった世界線を想像してみたんです。
満たされず自暴自棄になった私がふとしたきっかけで犯罪に走ったら…を考えてみました」
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「はい。貴女がいてくれるお陰でこうして犯罪に走らずに社会生活を営めています」
「脳内は本当にスゴイのにね。付き合うまでまったくわからなかったわ」
「自分は普通を真ん中とすると、最も遠い位置にいる自覚がありますからね」
「ふーん、あるんだ。そしてつらいね。この妄想を実現できる相手はそうそういないわ」
「ええ。こうやって聞いてもらえるだけでもありがたいです。
打ち明けても拒絶されるのが当然の変態ですから」
「ねぇ、他のコスチュームでも妄想を聞かせて。
ただし、導入は違っても結局同じような監禁凌辱…はダメ。いい?」
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