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後夜祭
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部活を終え、制服に着替えた後みんなで校庭に向かった。
明日は日曜日で、明後日は今日の振替休日だから、久しぶりの二連休。
そのため皆後夜祭には参加するらしい。
校庭にはもう既に人が集まっており、中心にキャンプファイヤー用の木枠がたててあった。
「さっきまで走ってたところとは思えないような光景だよね~」
いつもまにか男子も来てたらしく、後ろから将也先輩の声が届いた。もう薄暗くなってきた状態で後ろに立たないで欲しい…。びっくりした……。
「それではお集まりの皆さん、後夜祭開会で~す!」
生徒会長の声で火がつけられ、みんなの顔が照らされる。
よく聞くフォークダンスの曲が流れ出し、皆がそれに続いて踊り出す。
「あ…」
私は参加するにはしたけど、ダンスの相手は考えてなかったから、あたりはみんなペアの子達で……
「美香ちゃん、相手いなければ相手してもらってもいいかな?」
オロオロと周りを見回す私にそっと手を差し伸べてくれたのは他でもない将也先輩だった。
「も、もちろんです!お願いします!」
先輩の大きな手のひらに自分の手のひらを包まれ、ダンスを踊る。
「フォークダンスってさ、」
間近にある先輩の口元から声が落ちてくる。
「踊るの自体はそんなだけど、なんか、楽しいもんだね。」
その声が何だか暖かく感じて、顔を上げる。
先輩は暑いのか、頬を少し赤らめて笑っていた。
まじかでそんな顔を見せられた私の顔も、先輩のが移ったみたいに暑くなった。
きっと、後夜祭の熱に浮かされたんだ。
走った後みたいに心臓がバクバクいって、視界がチカチカする。
「ミカ~!」
フォークダンスが一旦終わり、2人で並んで座って休憩していると遠くからみりちゃんが駆け寄ってきた。
その後ろには同じく陸上部の部員である美々華とマネージャーの愛菜もいる。
「やほやほ。楽しんでる~?」
愛菜がニヤニヤと笑いながら肘で私を突っついてくる。
「う、うん。楽しいよ!」
ほんとに楽しいんだけど、愛菜の言葉の中に(将也先輩と一緒の後夜祭を)って言葉が入ってる感じがしてどもってしまった。
「美香ちゃん、あい達と行ってくれば?」
そんな私の返答を聞いてか、先輩がそう口を開いたけど、ちょっと不機嫌に聞こえたのは気のせい?
「え、そんな事言わないで、先輩も一緒に行きましょ!ほら、美香ちゃんも落ち込まないで笑って~」
「う、うん」
美々華がなだめるように言うから顔を上げて微笑んでみると、
カシャッ
………ん?今なんか音が……
よく見ると美々華はスマホをこちらを向けていて、写真を撮られてたみたい。
「ちょっと美々華!」
「まーまー、言いじゃん。ほら、将也先輩もこっち向いて」
美々華の言葉に先輩も渋々カメラに視線を向ける。
「まぁまぁ、後で写真送るから♪」
むすくれる私に美々華は耳打ちをする。
………先輩とのツーショット…欲しい!
仕方ないと諦めてその後は皆で後夜祭を楽しんだ。
明日は日曜日で、明後日は今日の振替休日だから、久しぶりの二連休。
そのため皆後夜祭には参加するらしい。
校庭にはもう既に人が集まっており、中心にキャンプファイヤー用の木枠がたててあった。
「さっきまで走ってたところとは思えないような光景だよね~」
いつもまにか男子も来てたらしく、後ろから将也先輩の声が届いた。もう薄暗くなってきた状態で後ろに立たないで欲しい…。びっくりした……。
「それではお集まりの皆さん、後夜祭開会で~す!」
生徒会長の声で火がつけられ、みんなの顔が照らされる。
よく聞くフォークダンスの曲が流れ出し、皆がそれに続いて踊り出す。
「あ…」
私は参加するにはしたけど、ダンスの相手は考えてなかったから、あたりはみんなペアの子達で……
「美香ちゃん、相手いなければ相手してもらってもいいかな?」
オロオロと周りを見回す私にそっと手を差し伸べてくれたのは他でもない将也先輩だった。
「も、もちろんです!お願いします!」
先輩の大きな手のひらに自分の手のひらを包まれ、ダンスを踊る。
「フォークダンスってさ、」
間近にある先輩の口元から声が落ちてくる。
「踊るの自体はそんなだけど、なんか、楽しいもんだね。」
その声が何だか暖かく感じて、顔を上げる。
先輩は暑いのか、頬を少し赤らめて笑っていた。
まじかでそんな顔を見せられた私の顔も、先輩のが移ったみたいに暑くなった。
きっと、後夜祭の熱に浮かされたんだ。
走った後みたいに心臓がバクバクいって、視界がチカチカする。
「ミカ~!」
フォークダンスが一旦終わり、2人で並んで座って休憩していると遠くからみりちゃんが駆け寄ってきた。
その後ろには同じく陸上部の部員である美々華とマネージャーの愛菜もいる。
「やほやほ。楽しんでる~?」
愛菜がニヤニヤと笑いながら肘で私を突っついてくる。
「う、うん。楽しいよ!」
ほんとに楽しいんだけど、愛菜の言葉の中に(将也先輩と一緒の後夜祭を)って言葉が入ってる感じがしてどもってしまった。
「美香ちゃん、あい達と行ってくれば?」
そんな私の返答を聞いてか、先輩がそう口を開いたけど、ちょっと不機嫌に聞こえたのは気のせい?
「え、そんな事言わないで、先輩も一緒に行きましょ!ほら、美香ちゃんも落ち込まないで笑って~」
「う、うん」
美々華がなだめるように言うから顔を上げて微笑んでみると、
カシャッ
………ん?今なんか音が……
よく見ると美々華はスマホをこちらを向けていて、写真を撮られてたみたい。
「ちょっと美々華!」
「まーまー、言いじゃん。ほら、将也先輩もこっち向いて」
美々華の言葉に先輩も渋々カメラに視線を向ける。
「まぁまぁ、後で写真送るから♪」
むすくれる私に美々華は耳打ちをする。
………先輩とのツーショット…欲しい!
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