天子は輪廻で夢を見る

第参章 ハジマリを創り出す者

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     (………用事って何だろう)

 普段の藍ならば、「勉強する」と言って先に帰ることは多々あるし、何かあるならば何かあると言っていた。そんな藍が、今日は「用事がある」とだけ言っていた。
 藍の性格を良く知る真衣は、彼女が言葉を濁した理由が分からなかった。

 高層ビルが建ち並ぶ道を通りいつも使っている駅まで歩きながらふとそんな事を考えていた彼女は、彼女のすぐ側にまで闇が迫っている事に気が付かなかった。



  そして事件が起きる。