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第弐章 過去を求める者
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「真衣!」
耳元で聞こえた声により真衣は目を覚ました。
見慣れた風景を眺めていると、そこが自分の部屋である事が分かった。
「真衣、大丈夫?」
すぐ側で寄り添ってくれていたであろう、自分の母親に視線を向け、真衣は問う。
「お母さ……なんで?」
まだ重い頭を上げ、身体を起こす。
「あなた、教室で倒れていたそうよ。それで…八田くん?って言う男の子が真衣のこと、背負って来てくれたの。」
「や、八田くんが?」
「明日、お礼を言っておきなさいね。」
「う…うん。あ!お母さん」
部屋を出ていこうとする母親を呼び止める。
「あの、私…記憶喪失にでもなったことって有るのかな?」
「?いいえ、無いと思うわ。…どうしたの?」
「ううん。それならいいの。」
「そう。じゃあ、お母さん、晩ご飯作ってくるわね。」
「うん。お願いします。」
そうして再度部屋を出て行く母親を見送った後、溜息を着く。
(記憶を失ってはいないって事は、さっきの夢は私の覚えてる事…だよね?でも、さっきの夢の内容自体も覚えてないのに、どうして……?)
ふと手元に白い羽のようなものが置かれているのに気付き、手に取る。
それを見つめながら、真衣は呟いた。
「あの声は──」
耳元で聞こえた声により真衣は目を覚ました。
見慣れた風景を眺めていると、そこが自分の部屋である事が分かった。
「真衣、大丈夫?」
すぐ側で寄り添ってくれていたであろう、自分の母親に視線を向け、真衣は問う。
「お母さ……なんで?」
まだ重い頭を上げ、身体を起こす。
「あなた、教室で倒れていたそうよ。それで…八田くん?って言う男の子が真衣のこと、背負って来てくれたの。」
「や、八田くんが?」
「明日、お礼を言っておきなさいね。」
「う…うん。あ!お母さん」
部屋を出ていこうとする母親を呼び止める。
「あの、私…記憶喪失にでもなったことって有るのかな?」
「?いいえ、無いと思うわ。…どうしたの?」
「ううん。それならいいの。」
「そう。じゃあ、お母さん、晩ご飯作ってくるわね。」
「うん。お願いします。」
そうして再度部屋を出て行く母親を見送った後、溜息を着く。
(記憶を失ってはいないって事は、さっきの夢は私の覚えてる事…だよね?でも、さっきの夢の内容自体も覚えてないのに、どうして……?)
ふと手元に白い羽のようなものが置かれているのに気付き、手に取る。
それを見つめながら、真衣は呟いた。
「あの声は──」
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